Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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パリ国際会議「寛容の教育」での講演 信頼と友情の種子を植えよ

2003.5.14 提言・講演・論文 (池田大作全集第150巻)

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5  語り合え! 人間的な世界へ
 私自身、これまでキリスト教やユダヤ教、イスラムやヒンドゥー教をはじめ、さまざまな宗教や文化的背景を持つ世界の識者の方々と語り合い、多くの対談集も編んできました。
 SGI(創価学会インタナショナル)としても、その基本理念を定めたSGI憲章で「仏法の寛容の精神を根本に、他の宗教を尊重して、人類の基本的問題について対話し、その解決のために協力していく」との項目を特に設けております。そして、世界百八十六カ国・地域において、一人一人がよき市民としての道を歩みながら、平和と共存の社会を築き上げるための挑戦を重ねてきました。
 私どもが、グローバルな対話の場である国連を一貫して支援し、また近年では「地球憲章」の運動に協力してきたのも、そうした菩薩道的な生き方の当然の帰結であります。
 なかでも「地球憲章」は、それ自体、長年にわたる民衆レベルでの”グローバルな対話の結晶”ともいうべきものであり、二十一世紀の人類の共通規範となりうるものと確信しております。
 そのためにも、”憎しみの種子”ではなく”信頼と友情の種子”を人々の心に植えゆく、「対話」という地道な作業に日々取り組んでいくことが、私たち宗教者に等しく求められている姿勢ではないでしょうか。
 最後に、思想家ハンナ・アレントの「ただ世界が人間的となるのはそれが語りあいの対象となった場合に限ります」(『暗い時代の人々』安部斉訳、河出書房新社)との言葉を、彼女の師である冒頭のヤスパースの呼びかけに呼応させ、私の話を終わらせていただきます。
 ご清聴、ありがとうございました。
 (パリ・ユネスコ本部代読、「聖教新聞」掲載)

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