Nichiren・Ikeda
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日蓮大聖人・池田大作
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新・黎明
小説「人間革命」11-12巻 (池田大作全集第149巻)
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大歓喜のなかに総会は幕を閉じ、引き続き行われた祝賀の集いも終わろうとしていた時のことであった。
伸一が退場しようとすると、「ワーッ」という大歓声をあげながら、青年たちが雪崩を打ったように、彼をめざして駆け寄っていった。
皆の手が伸一を担ぎ上げ、彼の体が宙に舞った。胴上げが始まったのである。新会長の誕生を待ちに待った、青年の喜びが炸裂したのだ。
「会長・山本先生、万歳!」
胴上げの輪の傍らで、誰かが跳び上がるように両手を振り上げ、声を限りに叫んだ。
「万歳! 万歳!……」
唱和する声が、津波のように広がり、豪雨を思わせる拍手が轟き、ドームにこだました。どの顔も紅潮し、感涙に頬を濡らしていた。
伸一の体は、高窓から差し込む光を浴びて、若人の腕の渦潮のなかで、鯱のように勇壮に躍り跳ねた。それは、栄光と嵐の、世紀の大航海に向かう丈夫の、旅立ちの乱舞であった。
伸一の胸中は、さわやかに晴れ渡り、一点の雲さえなかった。
満々たる闘志をたたえた使命の太陽が、黄金の光を放ち、彼の心の大空いっぱいに、まばゆいばかりに燃え輝いていた。
わが恩師戸田城聖先生に捧ぐ
弟子池田大作
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