Nichiren・Ikeda
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32 同時にまた、五稜郭は“平城”であることに注目したい。ここにも重要な組織の視点がある。組織はいわば城にたとえられよう。いかなる組織であれ、何層にも組み上げられた“そびえ立つ”がごとき“城”ではなく、組織もまた、皆が同じ次元に立ち、ともどもに経験を積みながら進む「公平」にして「平等」な“平城”であることが肝要といえよう。山頂に高く“そびえ立った”山城のような組織になると、リーダーは結局、下のほうが見えなくなり、“死角”をつくることにもなりかねない。
“死角をつくらない”――それは組織の、そして人の心のあり方の急所といえよう。五稜郭はそうした組織と人の急所を静かなるたたずまいのなかに教えているように私には思われた。