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日蓮大聖人・池田大作

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4 「生涯教育」と「成人教育」  

「新しき人類を」「学は光」V・A・サドーヴニチィ(池田大作全集第113巻)

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4  二つの世界大戦と内戦が及ぼした影響
 サドーヴニチィ それから、わが国の高齢者、年金生活者の方々に生涯教育、成人教育の機会を提供するといった課題については、正直申し上げて、これまでほとんど直面したことがありません。少なくとも、個々人の特別なケースを除けば、社会的現象としてそのような必要性が差し迫ったものとなったことがなかったからでしょう。
 ご存じのように、20世紀のロシアは、二つの世界大戦で辛酸をなめ、それと並行して1918年から1922年までの内戦を経験し、多くの人命を失いました。そのため、白髪のころまで人生を永らえることが出来た人はさほど多くはないのです。
 池田 痛ましい歴史です。そうした20世紀の歴史の教訓は、絶対に忘れてはなりません。
 サドーヴニチィ また、別の側面から見ると、20世紀のロシアは、工業化の道を驀進し、社会制度を整備し、科学技術の躍進を遂げた、建設に次ぐ建設の時代でもありました。ですから、私たちの両親、祖父母の世代は、高齢になっても仕事をしつづけていました。ひとつには、給料が唯一の収入源だったからということもありますが、それ以上に、国の労働力が常に不足していたために、年をとっても働けるうちは働きつづけたのです。そんなわけで、生涯働くことがあたりまえだったこれまでの世代にとっては、定年してから再び大学で勉強をということは考えられなかったと思うのです。
 さらに、ここ20年から50年ぐらい先までの人口予測を見る限り、ロシアにとっては今後もしばらくの間は、高齢者のために大学の役割を考えるという時代はまだ訪れないと推測されます。
 池田 成人教育についても、お国の事情が、よくわかりました。

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