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日蓮大聖人・池田大作

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2 大地から生まれた人々  

「希望の世紀へ 宝の架け橋」趙文富(池田大作全集第112巻)

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9  「心を大きくする」教育を
 池田 私が最も感動するのは、この説話を、代々、受け継ぎ、受け入れている、済州の人々の心の大きさです。
 もし日本人に対し、「日本の始祖が『他国から』妻を娶って国を開いた」というたぐいの話をしたら、受け入れがたく感じる人も少なくないでしょう。
 言うまでもなく、貴国の方々はもちろん、中国大陸の人、南方系の人、北方系の人、ざまな地域の民衆が集い、血が混ざり合って形成されたのが「日本人」です。このことは、学問的にも明らかです。
 しかし戦時中、誤った「選民思想」に毒されたゆえに、戦後六十年を迎えようとしている今なお、「偏狭な島国根性」をぬぐい去れない。
 それはともすると、アジアへの偏見となって、しばしば倣慢に、おもてに表れてしまいます。
  日本人と仲良くしたいと思っている多くのアジアの人びとが、共通して心配する点ですね。
 池田 世界市民が時代のキーワードとなるなかで、「明らかであること」「当たり前のこと」を「認められない」のであれば、アジアからも、世界からも、取り残されてしまいます。
 済州島の方々は、「片方の親」を日本人としてくださっているのに、こうした日本の状況は、情けない限りです。
 これではいつまでたっても、貴国との間に真実の友情など築けるはずがありません。
 だからこそ、最も大切なのは教育です。正しい歴史認識も「教育」からもたらされます。
 博士とも、教育についての語らいを重ねてまいりました。
 済州大学と創価大学、慶熙高校と関西創価学園の交流も、その一環ですが、私の生涯の「最後の事業」は、教育だと考えています。
 「本物の人間教育」を取り戻さなくては、日本はどんどん孤立してしまう。「世界平和」といっても、絵に描いた餅になってしまうと、私は思うのです。

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