Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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世界広布の太陽ブラジル 輝く希望の天地 永遠の平和の大地

2002.2.8 随筆 新・人間革命4 (池田大作全集第132巻)

前後
1  「戦いこそ『強き人間』の生命なり」とは、ブラジル文学アカデミー会員の詩人ギマランエス・パソスの言葉である。
 創価学会は、広宣流布の戦いを、わが生命とする「強き人間」の陣列である。
 今、その最強の人間主義の連帯は、愛するブラジルの天地に躍動している。
2  本年の「SGIの日」(一月二十六日)も、世界中の友人の祝賀に包まれた。
 ブラジルからは、「パラナパネマ川中流域二十二市連合」のガルシア会長ご夫妻が、全市長からの顕彰と招聘の真心を携えて来日してくださった。
 「創価学会の平和哲学を、社会は必要としている」と、会長は常々、語られている。
 また、母子保護協会の全国連合の副会長であるルルデス夫人も、「女性の美しい特質というべき、きめ細かな『奉仕の心』『ボランティア精神』を創価の女性に見いだしました」と感嘆されていた。
 ともあれ、わがブラジルSGIへの信頼度は、群を抜いている。
 この十年を中心に、連邦、州、都市、さらに大学、文化団体等から、平和・文化・教育の貢献に対して、多くの顕彰をいただいた。
 「牧口常三郎通り」「戸田城聖公園」をはじめ、三代会長の名前を冠した、通り、公園、庭園等も続々と設置されている。
 ”困ったことがあったら、ブラジルSGIに相談したらいい”と言われる存在だ。
 すべて、わが敬愛する同志の皆様の勝利である。
 私は熱い感涙をもって、「ブラジルは勝った! ビバ、ブラジル!」と叫びたい。
 ブラジルと日本は、地理的な距離は遠い。
 だが、同志と私の心は最も近い。
3  青年は、次の世界を照らす「昇りゆく太陽」である。
 「青年を育成する団体」とは、ブラジルSGIへの定評の一つだ。
 若き力の結集と薫陶は、まことに見事である。文化祭や展示会など、さまざまなイベントでも、青年の凛々しき英姿が、ブラジル社会の希望となっている。
 私も、たくましき進歩と建設の息吹に満ちたブラジルの青年が大好きである。
 そこには、無限の未来が光っているからだ。
 十八年ぶりの訪問となった一九八四年の二月、「ブラジル大文化祭」のリハーサル会場に急遽、駆けつけた私を、わが同志は大歓声で迎えてくださった。
 会場であるサンパウロ市の大体育館のフロアを一周しながら、皆が一体となって交わした勝利の雄叫びは、今もって、私の胸から離れない。
 一九九三年のブラジル訪問も、青年の道を開きたいとの一心で戦い戦い抜いた。
 あの時、コロンビアからブラジルのリオデジャネイロに入った記念の日は、忘れもしない二月九日(現地時間)であった。
 また、青年部が研修で来日するたびに、掌中の珠を磨くように激励を重ねてきた。
 青年が着実に育っているところが勝つ! これが歴史の厳粛な法則だからだ。
 御書には、子どもは「色心の二法にわたる後継者」であり、「広宣流布の種」を受け継ぐ宝であると説かれている。
 ブラジルでは、幹部の子どもが、それぞれ立派に、信心を継承している。
 この点においても、わがブラジルは、世界の模範である。
4  日蓮大聖人は「立正安国論」に、「悪侶を誡めずんばあに善事を成さんや」──悪い僧侶を戒めなければ、どうして善事を成し遂げることができようか、できはしないと、仰せである。この御聖訓を拝しつつ、ブラジルの同志は、民衆の幸福と和楽を破壊する輩を、完膚なきまで打ち破った。
 かつて、サンパウロにあった南米唯一の寺に、ブラジルの友は赤誠の限りを尽くした。
 しかし、悪坊主は、その同志の大誠実を踏みにじり、邪悪な策謀を巡らせ、寺の法人の乗っ取りまで画策したのだ。
 蓮祖が烈々と弾呵されてやまなかった「法を食らう食法餓鬼」の狂態そのものであった。
 ブラジルは、極悪に対して奮然と戦いを開始した。
 「声仏事を為す」である。「師子の声には一切の獣・声を失ふ」である。
 勝つためには、正義を叫び切ることだ。
 そして、婦人部が一丸となって、題目、題目、題目の渦を巻き起こしていった。
 二〇〇〇年四月、連邦最高裁判所の判決により、遂に、ブラジル側の完全勝訴が確定したのである。悪坊主どもを追い払い、今では「ブラジル常勝会館」として、正義の三色旗が堂々と翻っている。
5  「如かず彼の万祈を修せんよりは此の一凶を禁ぜんには」とは、これまた「立正安国論」に示された厳命であった。
 仏法破壊の日顕一派という「一凶」に戦い勝ったブラジルは、日蓮仏法の本義のまま、一挙に飛躍することができた。
 「人間のための宗教」──この原点に立って、ブラジルの友は、地域、社会、国家、そして世界平和へ、生き生きと貢献を続けている。
 教育分野を見ても、一九九四年に始まった、『創価教育学体系』を教育現場で応用する「牧口教育プロジェクト」は、今では、ブラジル全土の百校に及ぶ学校で実施されるに至った。昨年六月には、「ブラジル創価幼稚園」も開園した。
 牧口先生も、どれほどお喜びのことであろうか!
6  思えば四十二年前(一九六〇年)、最悪の体調のなか、私が「倒れてもいい」との覚悟で渡り、海外第一号の支部を建設したのが、ブラジルであった。
 その草創期に立ち上がり、苦難の道を共に聞いた、第一、第二世代の開拓精神こそ、ブラジルの友の熱き血潮に脈打つ闘魂だ。
 そして今、頼もしき第三、第四世代が、世界広宣流布の最先端の舞台に躍り出た。ブラジルは「人種融合のデモクラシー」の大国であり、多彩なる人間と生命が輝く希望の天地だ。
 ブラジルの太陽たる愛する同志よ!
 世界第一の壮大なる人間共和の大城をどこまでも、民衆と共に、築きゆこう!
 昨年、惜しくも逝去されたブラジル文学界の巨匠アマード氏は、生前、SGIの運動に共鳴され、力強く語っておられた。
 「民衆と共に戦うことのみが、ヒューマニズムを勝利に導く唯一の方法だ」

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