Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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人間の大地・北海道 友よ輝け 君の戦野で断じて勝て!

2001.9.27 随筆 新・人間革命4 (池田大作全集第132巻)

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4  御聖訓には、「転重軽受」「変毒為薬」等と明確に仰せである。苦悩の毒、生死の迷いの毒に侵されたような人生も、絶対に転換できる。
 日蓮大聖人は、「此の毒を生死即涅槃・煩悩即菩提となし候を妙の極とは申しけるなり」とも言われている。
 宿業に打ち勝っための信心である。宿命を使命に変えゆく信心である。自分が存在する場所で断じて勝ち、その栄光と幸福を、皆と分かち合うための信心である。
 この「自他ともの幸福」を築く仏道修行が折伏であり、そこに、「人間革命」即「広宣流布」という人類の平和の大道が広がるのだ。
 戸田先生は、この北海道で「安心して、折伏をしなさい。功徳はかならずでます」と、皆に教えられながら、声を強めておっしゃった。
 「広宣流布は、一日も早くしなければならん」と。
 永遠の平和を悲願とされてのご決意であられた。
5  十年前(一九九一年)、北海道で”本幹”が行われた日(八月二十四日)、当時のソ連では、ゴルパチヨフ大統領の決断で、七十余年に及ぶ共産党支配が実質的に幕を閉じた。
 思えば、私の初訪ソは、一九七四年(昭和四十九年)の九月。
 「そこに人間がいるから、私は行く!」と宣言しての平和旅であった。
 帰国して間もなく、私は、アイヌの人びとが、誇り高く「アイヌ・モシリ(人間の大地)」と呼ぶ北の天地に入った。木々も色づく九月二十八日であった
 翌日は札幌真駒内屋内競技場で、第二回の北海道青年部総会が開催された。
 その総会で、私は訴えた。
 「修羅界の多い、この世の中から、無益な争いや対立をなくそう!」と。
 開拓と拡大の意気に燃えた、一万数千人の若人たちの正義の雄叫びは、今でも私の胸中に鮮明に残っている。
 分断の世界を結びつけるものは何か? 人間自身だ。
 濁乱の世界を浄化するものは何か? 人間自身だ。
 ゆえに、人間革命が絶対に必要なのである。
 文豪トルストイは言った。
 「予防、切断、刑罰などの法律だけでは、人間が悪をしまいと思い、善をしたいと望むようにすることはできない。この目的を達することのできるのはただ、人間の内部にわだかまっている悪の根と闘う時しかない」(『光あるうちに光の中を歩め』中村白葉訳、『トルストイ全集』9所収、河出書房新社)
 仏法は、生命に巣くう魔性との戦いである。
 仏法以外に、その魔性を破り、真実の幸福と平和を築く道はありえないことを、ここに強く断言しておきたい。

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