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日蓮大聖人・池田大作

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勝利の鉄則 「師子王の団結」で創価の世紀を!

2001.5.19 随筆 新・人間革命4 (池田大作全集第132巻)

前後
1  われわれの目的は何か?
 それは「勝利」!
 これが、六十一年前(一九四〇年)の五月、ナチスに立ち向かって、英国首相に就任したチャーチルの最初の演説の有名な言葉であった。
 「……あらゆる恐怖を克服しての勝利、如何に長く険しい道を経てもの勝利」(『第二次大戦回顧録』5、毎日新聞社翻訳委員訳、毎日新聞社)と。
 最後に、彼は訴えた。
 「さあ、そう決まった上は、結合された力をもって共に進もう」(同前)
 ここから、五年間にわたった、独裁者ヒトラーとの蟻烈な戦いが始まったのだ。
 悪は、すぐに群れをつくって、ガン細胞のように急激に増殖する。
 ゆえに善人は、それ以上に強力な核を固めて、正義の団結を拡大することだ。
 これは、古今不変の勝利の鉄則である。
 さあ、新世紀の栄光の扉を聞く大闘争だ! どうせ戦うならば、勝ち戦を! 勝ち戦のためには、一にも、二にも、三にも、同志の金剛の団結で進むことだ。
2  ある人が言っていた。
 「関西の人は、”関西は一つ”という思いが強い。同じ関西なら、どこの地域が誉められたっては、わが事のように喜ぶし、反対に悪く言われたら、自分が悪口を言われたみたいに怒る。そして発奮する」と。
 いざ戦いに臨めば、関西の勇者たちは心に誓う。
 ”関西は、一人の落伍者も出さない。全員が勝つのだ”と。
 その熱烈なる同志の心は、関西という境域を超えて、東京、全国、さらに全世界に勝利の波動を広げてくれる。
 大変な状況で悪戦苦闘している友がいれば、自分も苦しいのに、なんとか応援してあげようと飛んで行く。自分には直接関係ないという、冷淡な官僚主義など微塵もない。
 これが、関西の強さであり、仏法の人間主義の世界である。
3  仏法は、和楽であり、団結であり、異体同心である。皆が尊極の仏であり、使命深き地涌の菩薩である。
 ゆえに互いに尊敬し合い、仲良く助け合っていくことだ。そうすれば、人生と広布の勝利は間違いない。絶対に無敵である。
 仲が悪ければ、皆が苦しむ。不幸であり、破滅であり、地獄である。
 団結は力である。団結は正しい。団結は美しい。団結は楽しい。
 堅固な団結は、必ず各人の「境涯の拡大」をともなう。広宣流布の回転に心を合わせれば、自分中心の小さなエゴの殻を破っていけるからだ。
 学会と共に! 同志と共に! 正義の師弟が共々に! その心があればこそ、偉大なる人間革命の山を登ることができるのだ。
 自分のことだけで汲々とするな! 広布のためならば、どこへでも駆けつけよ! 懸命に難関に挑み、苦闘する友と一緒に立て! 激戦の地で新たな波動を起こせ!
 学会には、この「真心のネットワーク」で結ばれた強固な団結がある。だから強い。だから負けない。
4  では、団結の鍵は何か。
 それは、一見、矛盾するようであるが、自らが「一人立つ」ことである。自分が真剣に祈り、強くなることだ。「誰かがやるだろう」と、安易に考えている限り、どこまでいっても、真の団結を築くことはできない。他を頼む、無責任なもたれ合いは、所詮、脆弱な”烏合の衆”に終わるからだ。
 「青年よ、一人立て! 二人は必ず立たん、三人はまた続くであろう」――これが戸田先生が示された広宣流布の方程式であった。
 なかんずく、団結の根本は、リーダーの真剣さであり、情熱であり、思いやりであり、聡明さである。
 さらに、目標を明確にし、祈り抜くことが大切だ。
 「いずこを」めざすのか。
 「何のために」戦うのか。
 「何と」戦っているのか。
 指導者は、その「テーマ」を見定めて、毅然として指揮をとることだ。
 そしてリーダーは、敵を忘れてはならない。幹部に「破折の心」が薄れると、そのスキを狙って、三障四魔が食い破ろうとする。
 悪と戦わない臆病なリーダーであってはならない。
 「敵と申す者はわすれさせてねらふものなり」とは、蓮祖の厳しき戒めである。
5  あの一九五六年(昭和三十一年)の五月、私は、関西に難攻不落の庶民の錦州城を築かんと走り続けた。
 「前進! また前進!」を合言葉に、歓喜の弘教の波は、怒涛のどこく、五月の関西の街々を驀進した。
 この広布拡大の渦中、経文の通り、御書通りに、権力の魔性が圧迫と妨害の鎌首をもたげてきたのである。
 警察が全く無実の暴行容疑などで学会員を逮捕し、学会の内情を取り調べ始めたのだ。悪意のマスコミは、こぞって「暴力宗教」と書き立て、同志の心にも不安と臆病と逡巡が兆した。
 「必ず三障四魔と申す障いできたれば賢者はよろこび愚者は退くこれなり
 その時、私は、烈々と叫んだ。
 ──師子の子よ、断じて恐れるな! 一歩も退くな! 信心の利剣で、臆病の心を断ち切れ! 今こそ、勇敢に立ち上がれ! と。
 電光石火、同志は一致団結し、大反撃を開始した。
 勇気が師子の団結をつくる。「彼等は野干のほうるなり日蓮が一門は師子の吼るなり」と御聖訓にある。
 そして、この五月、関西の同志は、私と共に、広宣流布の歴史に輝く、「折伏一万一千百十一世帯」の金字塔を打ち立てたのである。
6  当時、私は、関西を奔走するなかにも、東京のことが気にかかってならなかった。
 ある日には、「信心と団結でしか、勝てぬことを忘れるな」「われは、断じて関西で指揮をとる。東京の闘争に栄光あれ」(本全集第37巻収録)と、祈るような心情を日記にも綴った。
 今、私は東京の地で、厳然と指揮をとる。
 わが東京よ、わが関西よ、わが日本の同志よ!
 団結の不滅のピラミドを築け!
 われらは、無敵の「師子王の団結」で、創価の二十一世紀の夜明けを、断固と勝ち、飾ろうではないか!

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