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日蓮大聖人・池田大作

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燃えよ「聖教魂」 正義の師子吼よ 世界に轟け!

2001.4.20 随筆 新・人間革命4 (池田大作全集第132巻)

前後
1  今日、晴れやかに、わが「聖教新聞」は満五十歳の誕生日を迎えた。
 多くの読者の方々に、ただただ深く感謝を申し上げたい。
 わが師・戸田先生の第二代会長就任に先立ち、決然と、広宣流布の戦闘開始の雄叫びをあげてより半世紀。
 新たな”七つの鐘”を打ち鳴らす五月三日を前に、この佳節を、さらに使命も深く迎えることができた。
 発行五百五十万部。日本の社会にあって、今や堂々たる正義の柱となった。本当に、嬉しい限りである。
2  「仏は文字に依って衆生を度し給うなり」%(御書153)とは、日蓮大聖人の厳たる仰せである。
 仏の大慈悲をわが心とし、言論をもって、民衆の幸福に尽くす「聖教新聞」の使命は、あまりにも大きい。
 聖教は、広宣流布の弾丸である!
 聖教は、民衆を守る正義の城である!
 聖教は、世紀を開く希望の光である!
 私の一日は、その「聖教新聞」とともに始まる。
 全国の配達員の皆様の無事故を妻と祈りながら、インクの匂いも新しい、届いたばかりの新聞に目を通す。
 同時に、明日の紙面のことが心に浮かんでくる。
 新聞の顔である一面トップの記事は何か。文化・教育・平和の学会らしい、知性が光り、心が豊かになる内容であるかどうか。好評の座談会の連載も気にかかる。
 私の立場で、編集部に率直にアドバイスさせていただくこともある。
 今日、作る新聞で、明日の勢いが決まる。
 危険千万のこの社会にあって、真実と正義の「聖教新聞」を制作していくことから、私は、心が離れない。
3  私自身も、編集部の要請を受けて、幾たびとなく、「聖教新聞」に寄稿させていただいている。
 ことに、新世紀を築きゆくために、文を武器とする桂冠詩人として、長編詩を綴らせていただくことも多い。
 今の私の心境は、後世のために、多くの理念、思想、指導を残しておきたい。それが後世への軌道となっていくことを確信するからだ。軌道から外れた団体は壊滅である。
 私の口述の奔流を、汗をかきながら筆記する友の手が、追いつかないことも少なくないようだ。
 最近は、手で原稿用紙に書くよりも、口述を筆録してもらったり、近代的に”ワープロ打ち”にしてもらうことが増えた。その方が早いし、価値的であるからだ。
 執筆は戦いである。
 たった一言が、人を絶望の淵に追いやることもある。
 たった一言が、生涯を照らす希望の光源ともなる。
 だからこそ、真剣勝負にならざるをえない。
 口述を一区切りつけると、心地よい充実感とともに、深い疲労が襲う。
 心配した妻から、「もう休まれたら……」と制止されることもしばしばである。
4  本日付から、小説『新・人間革命』の連載も、約四カ月ぶりに再開した。
 連載小説の厳しさ、一日も気の休まる時はない。
 世界の要人や識者との会見があれば、私自身が一記者となって、未来に生きる青年たちのために、人生の経験を聞くことも多い。
 さらに、どこかで大切な会合があると聞けば、皆が喜ぶならと、メッセージや和歌・俳句を贈る。
 一つ一つが、限りある命の時間との壮絶な闘争である。わが魂を注いで、残すべきことは、すべて言い遣さむと、一人決意している。
 思えば、戸田先生も、創刊以来、「聖教新聞」の論陣の先頭に立たれた。
 妙悟空のペンネームで小説『人間革命』を連載する作家であり、一面のトップ記事を書く論説記者であり、現在も続く「寸鉄」の名コラムニストであった。
 言論の武器を取れ! 声を惜しまず、正義を叫べ!
 これが、恩師が身をもって教えてくださった「聖教魂」であるその大闘争を、弟子の私も、まっすぐに受け継いで戦っている。
 故に正義の学会は、大発展したのだ。あらゆる邪淫の妨害に打ち勝ってきたのだ。
5  蓮祖は、人が「声を出す」には二種類ある、と仰せである。
 一つは「人をたぶらかさむがために声をいだす」。
 もう一つは「自身の思を声にあらはす
 ナチス等のデマ扇動を例にとるまでもなく、人びとを欺き、だまし、利用するための冷酷狡猾な言論がある。
 その対極に、心の真実をありのままに表す言論がある。
 民衆を苦しめる邪悪は許さない! 不幸と苦悩に沈んだ友を励ましたい!
 わが聖教は、この真心を声に表し、不滅の文字に刻んできた新聞なのである
 ともあれ、広宣流布とは、正義の言論戦による「平和の革命」だ。
 正義の沈黙ほど、悪を増長させるものはない。獅子は肌えねばならぬ。牙を抜かれては絶対にならない。
 ウソにまみれた一の邪論があれば、十倍、百倍の正論の弾丸で、悪を打ち砕け!
 善良な民衆を護りゆくことこそが、「聖教新聞」の生命線である。
6  五十年前の三月、「聖教新聞」の第一回企画会で、戸田先生はこう言われた。
 「この新聞をもって、広宣流布の火蓋を切っていくのだ。あらゆる意味で言論戦の雄とならねばなら!」
 その日、私は日記に、こう記した。
 「日本一、世界一の大新聞に発展せしむる事を心に期す」と。
 聖教よ、邪悪の閣を斬る、破邪顕正の宝剣たれ!
 勝利の道を照らす、民衆の希望の灯台たれ!
 世界を結ぶ、人間主義の哲学の旗手たれ!
 今こそ、我らは、堂々と、ペンの新しき武器を持ち、赤々と「聖教魂」を燃え上がらせていかねばならない。
 今、まさに、その時が来たのだ!
 聖教の前進が、広布と平和の前進であるからだ。
 わが同志よ、「聖教新聞」とともに、勇気凛々、正義の師子吼を日本中、世界中に轟かせていこうではない!

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