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日蓮大聖人・池田大作

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「火の国」九州の誇り 我らが先駆! 広宣流布の大道

2000.6.19 随筆 新・人間革命3 (池田大作全集第131巻)

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1  ただ堅固に、満面の微笑を浮かべながら、「火の国」の友は決意した。
 善なるものが空白を続け、目標もなく、漂い流されゆく社会にあって、「火の国」の盟友は、根源的決意をもって立ち上がった。
 その生命の底から噴き上がる至純の衝動は、すべてのものを生かしながら、断じて勝ち抜いていくことをめざしている。
 我らには、歓喜がある。光がある。動かざる大地のごとき連帯がある。
 我らには、弱い孤独などない。水晶のような、清純な信心で結ばれた、堅固不滅の人間同志がいる。
 我らには、「火の国」の勝利への太陽が煌めき、黄金の光線で、いっさいの同志を守る。
 希望もなく理想もなき、暗き、この時代にあって、我らは、明確なる広宣流布という大願に向かう。
 その燃え立つ炎は、嬉々として、迅速に広がる。
 かつ、多くの労苦のあとに、我らは、熱風を突き抜け、朗らかな賑やかな、諸天善神の歓迎を受けながら、民衆の示威運動の芸術のごとく前進するのだ。
2  一九八〇年(昭和五十五年)の四月二十九日。
 名誉会長となって初の海外訪問であった第五次訪中を終え、私は空路、長崎に入った。新たな戦闘を、九州から開始した。
 大村の空港には、懐かしき創価の同志が大勢、待っておられた。
 翌日、私は、長崎から佐賀を通って福岡へ、特急列車で向かった。
 諫早、肥前鹿島、肥前山口、佐賀、鳥栖、二日市……停車する駅ごとにも、わが同志は待っておられた。ホーム側の席に移って、開かない窓越しに、懸命に手を振った。
 そして五月一日。
 博多の九州平和会館で行われた福岡県の本部長会。
 私は、強く強く語った。
 ――一生成仏の信心の炎の光を、消してはならない!
 広宣流布の胸中の旗を、決しておろしてはならない!
 この日も、また関西に移動しゆく翌二日も、わが同志は、勇んで会館に駆けてこられた。
 私は、会館の広間で、ロビーで、庭で、愛する同志の輪の中に飛び込んでは激励した。さらに、五回、十回、二十回と記念の写真に納まった。
 君も戦え! 私も戦う!
 これが学会の強さだ!
 これが師弟の強さだ!
3  一九九一年(平成三年)の二月。香港、沖縄を回って、私は、宮崎に入った。
 この時も、九州から狼煙は上がった。
 天魔の法主が学会破壊の牙を剥いた直後の、創価の正義軍の怒涛の反撃であった。
 日蓮大聖人は「立正安国論」に仰せである。
 「若し先ず国土を安んじて現当を祈らんと欲せば速に情慮を回らしいそい対治たいじを加えよ
 断固として、悪と戦わねばならない。絶対に悪を放置してはならない。
 これが御聖訓であり、学会精神である。
 宮崎平和会館に到着すると、同志の決意の顔が、皆、光っていた。
 このころ、九州の青年部は、緊迫していた湾岸戦争の停止を求めて、わずか二週間で百二十万人を超える署名を結集し、国連へ届けたのである。
 私が、作家のアイトマートフ氏ら世界の識者と行った「緊急アピール」に続けと、鮮やかに「平和の先駆」を切ってくれたのである。
4  宮崎での本部幹部会は、戸田先生のお誕生日(二月十一日)の開催となった。
 隣の大分からも、また熊本からも、そして鹿児島からも、「戦わんかな!」と意気軒昂の友が集ってこられた。
 私は、わが師の指導を思い起こしながら語った。
 社会を離れて仏法はない。
 生活を離れて信心はない。
 ゆえに青年よ、社会で勝て!
 生活に断固、勝て! と。
5  思えば、戸田先生は、一九五七年(昭和三十二年)十月十三日、生前最後となった九州指導の折、こう語られた。
 「いつに民衆救済の大責務は、創価学会の肩にかかっていると私は信ずるのであります。ねがわくば、今日の意気と覇気とをもって、日本民衆を救うとともに、東洋の民衆を救ってもらいたいと思う」
 以来、尊き使命に先駆し、走り続けて四十余年――。
 恩師より、「九州男児、よろしく頼む!」との遺言を胸深く決意しながら、九州の壮年、そして青年たちは、大九州の建設に命を捧げた。
 さらに、九州婦人部の″十勇士″と、各県の婦人部の指導者が中核となって、より賑やかに拡大しゆく日本一の婦人部につくりあげた。
 九州の二十一世紀は明るい。
 あまりにも明るい。
6  卑しき愚昧の徒が、いったん政界に出ると、権力に溺れ、恩を忘れ、堕落する。
 師を裏切り、支持者を裏切り、生意気になる愚劣な人間が、なんと多きことか。
 九州にも、軽蔑すべき、永劫に軽蔑すべき輩が出た。
 断じて、九州の婦人たちは、許さない。
7  草創からの闘士の集まり「多宝会」も、最初は九州で発足し、全国へ広がっていった。
 これまた、「先駆」の大九州の意義深き歴史となっている。
 たたき上げの信心で、学会魂を体得した″戦人″の後ろ姿は、後継の青年の重要な生きた手本となっている。
8  わが九州にみなぎる「先駆」の精神とは何か。
 第一に「自発能動」の信心である。
 第二に「大勇猛心」である。
 第三に「疾風迅雷」の行動力である。
 九州は、この精神で、戦って戦って戦い抜いて、三類の強敵の暴風を突き抜けてきた。
9  七月には、いよいよ「九州・沖縄サミット」も開幕する。
 世界が九州を見ている。
 九州の先駆を見つめている。
 往け! 我らの栄光を永遠にするために。
 伝えよ! 新しい時代の到来を、我らの歌と共に。
 我らの平和の尊き前進を破壊しようとする輩を、激怒して叩け!
 妙法に恐れるものはない。
 また、あってもならない。
 君も、「火の国」の広布の名将たれ!
 君も、愛する「火の国」の指揮官たれ!
 そして、私も、尊き広宣流布の殉教者たらん!
 偉大なる君も、わが九州の盤石なる不動の土台たれ!
 私も確信する。
 私自身にとって、まったく後悔のなき、この人生の大道を歩みゆかむ。
 崩れ落ちた虚栄の宮殿のごとき人生を、我らは欲しない。
 はるか彼方に心は離れ、苦楽を共にした友だちや大切な同志の絆を断ち切っていく連中を、私たちは許さない。
 大法を裏切り、我らを裏切り、野良犬のごとく喚き、騒いでいる反逆者を、我らは許さない。
 多くの屈折した険路の遠征を、多くの法戦の年輪を、私たちは勝ち飾った。
 また、多くの広宣流布の法戦の格闘を勝ち抜いてきた。
 ともあれ、私は、わが大切な同志の名を、戦闘の名優としての誉れ高きその名を、悠久に残る一編の碑文に、刻み残したい。
 君よ、生き続けるのだ、微笑を浮かべながら!
 自分自身の血によって、自分自身の歴史に、署名をしていくのだ。
 右も左も危険に満ちた社会。また真実の光彩から逃げ、虚構を巡らせゆく時代。
 君よ、人生の深き眠りから醒めて、陽光の降り注ぐ大九州の大地に立って叫べ! 走れ!
 そして、一歩、前へ進め!
 君の胸のなかの勝利が、君の心の充実が、君の胸のなかの決意が、永遠にわたる、凱歌の証明となるのだ!

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