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日蓮大聖人・池田大作

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不滅なれ 関西魂 21世紀へ「今再びの陣列」を

1998.7.15 随筆 新・人間革命1 (池田大作全集第129巻)

前後
1  「創価の雄」といえば、常勝関西である。
 今や「常勝」は、関西の永遠不滅の伝統となり、「関西魂」は学会精神の模範として、世界に語り継がれている。
 関西は、なぜ強いのか。なぜ「常勝」の歴史を開き続けることができたのか――7・17「大阪の日」にあたって考えてみたい。
2  一九五七年(昭和三十二年)七月十七日。その日、私は大阪拘置所を出所した。
 ――この年の四月、参院大阪地方区の補欠選挙が行われた。その支援活動の最高責任者が私であった。
 前年の参院選で、大阪地方区は、大方の予想を裏切って、学会の推薦した候補者が当選を果たしたことから、権力は民衆勢力の台頭を恐れ始めた。
 この補選で、一部に違反者が出た。当局は、ここぞとばかりに、私に狙いを定め、七月三日に逮捕したものと思える。だが、それは、後に裁判で明らかになったように、全くの冤罪であった。
 取り調べは過酷を極めた。
 自ら出頭した私に、手錠をはめ、路上を歩かせもした。深夜まで、長時間にわたって尋問されたこともあった。
 罪を認めなければ、衰弱の甚だしい戸田先生を逮捕すると、脅迫にも等しい言葉で責め立てられもした。
3  出獄した私は、この日、中之島の中央公会堂で開かれた大阪大会に、戸田先生とともに出席した。
 ″裁判で真実を証明しよう。戦いはこれからだ!″
 それが私の決意であった。
 外は激しい雨となった。雷鳴が轟き、雲を引き裂くように稲妻が走った。
 私は簡潔に訴えた。
 「正しい仏法が、かならず勝つという信念で!」
 実は、戸田先生は、小さな声で、「長い話や、調子に乗った話は慎んだ方がいいよ」と、注意なされたのである。
 ともあれ、広宣流布とは、善が悪に、正が邪に、断固、勝たねばならぬ戦いである。
 私の逮捕をわが事とし、魔性の権力への怒りと悔しさで、幾日も眠れぬ夜を過ごしてきた尊き同志たちは、それを膚で感じてきたのであろう。
 私の呼びかけに大拍手で応え、同志は、こう心に誓った。
 「仏法は勝負や。負けたらあかん。絶対に、負けたらあかんのや!」
 それが、関西の「常勝」「不敗」の出発となったのである。
4  「勝つ」ことを自らの道と定めた英雄たちには、いかに状況が厳しかろうが、愚痴も文句もなかった。
 困難であればあるほど、闘魂を燃やし、逆境をはねのけ、勝利の感動のドラマをつづってきた。
 あの嵐をついて行われた、甲子園球場での″雨の関西文化祭″は、その心意気の象徴でもあった。
 豪雨を天の演出とし、泥にまみれたユニホームは、黄金の闘志に輝く、栄光の王者のガウンとなった。
 そして、その関西魂を、親から子へ、青年たちへと、伝え抜いてきた。関西ほど、自分たちの歴史を大切にしているところはない。
5  関西の友は、組織の指示で動くのではない。私と一緒に広宣流布をしようという、自発的な共戦の一念が、一人ひとりの原動力となっている。だから強いのだ。
 私と皆の間には、余計な介在物は何もない。心に垣根がないのである。それが、学会の本来の姿である。
 私がいかなる立場になっても、「ワテらのセンセ(先生)」と、その絆はいささかも揺るがなかった。
 一九七九年(昭和五十四年)、私が名誉会長となり、学会を壊滅させようとする輩の、謀略の嵐が吹き荒れていた時、最初に立ち上がったのも関西の方々であった。
 関西は、この年の十一月十八日、第一回の総会を開き、私との共戦を高らかに宣言したのである。
 そして、関西の地から、魔軍を破る、広宣流布の新潮流が起こっていった。
6  関西の団結は強い。関西は一つである。それぞれの地域の特色を生かしながらも、「常勝」の誇りに貫かれ、一つの家族の趣がある。
 その団結の要諦は何か。
 人間主義にある。関西人は、見栄と格好と口先ばかりの人間を信じない。
 関西の幹部は、権威主義や形式主義を排し、ありのままの姿で、友のなかに飛び込み、ともに泣き、ともに笑う。ひとたび戦いとなれば、なりふりかまわず、真っ先に突き進む。
 そうしてつくられた信頼の輪が、地区に、支部に、本部に張り巡らされ、全関西を包んでいるのだ。
7  私が、関西の歌「常勝の空」を作詞してから、この七月(一九九八年=平成十年)で、ちょうど二十年になる。
 わが法友は、常に、この歌を声高らかに歌い、勝利の旗をなびかせてきた。
 SGIの友は言う。
 「信心は関西に学べ!」
 関西は、「世界のカンサイ」だ。二十一世紀は関西の時代である。
 「今再びの陣列」をもって、新しき人権闘争の、新しき精神闘争の、勝利の幕を開こう。
 不滅なれ、関西魂!
 永遠なれ、世界の錦州城よ!

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