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日蓮大聖人・池田大作

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9 「大同」思想と「価値創造」  

「東洋の智慧を語る」季羡林/蒋忠新(池田大作全集第111巻)

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1  合理的な根本精神
 池田 私も、季先生と同じく「楽観派」に属しています。「大いなる楽観主義」に立脚して、人類の輝く未来を創造しゆく責任を強く感じております。
  季先生、池田先生と同じく私も楽観派に属しています。
 私は、人類はくめども尽きぬ智慧、限りない勇気と創造力をもっており、輝かしい前途を切り開くことができると確信しています。
  中国には、古代より「大同」という思想があります。おそらく長い段階、久しい時間を経て、どのような形を取ろうとも、人類は必ず「大同」の境地へ向かうでしょう。
 康有為が著した『大同書』は、ユートピア的色彩が強いとは言え、その根本精神は合理的であり、きわめて吸収する価値のあるものです。
  まったくそのとおりです。人類社会は、いつかは必ず世界「大同」の道を歩むようになるでしょう。
 中国では、「大同」思想は人々の心に深く浸透しています。私や私の同輩は、小学校の国語の教科書で、『礼記』の孔子が「大同」について論じたところを学びました。
 今でも人々は、社会が安定しているたとえとして、「天下は公のもの」や「路におちたるを拾わず、夜に門を閉じず」等のような「大同」思想からきた言葉を口にしています。
 中国では、「大同」思想を提唱することに反対する人はだれもいないはずです。康有為の『大同書』に表れている「大同」思想は、たしかに吸収するべきところが大いにあります。
 これと同様に、康有為の「改良」思想も重要視するに値するものです。現代中国で、康有為の「改良」思想を継承・発揚している代表的な人物が、著名な思想家、李澤厚りたくこう先生です。
 私は、李先生の意見に対して、大筋のところは賛成しています。
2  「生命の世紀」へ地球価値の創造
 池田 康有為は、西洋化と伝統という大いなるジレンマに真正面から対峙しながら、万物一体の「大同の道」へ向けて果敢なる闘争を続けました。
 彼のめざした社会は、儒教の『礼記』の中の礼運篇に示された「大同」世界を、仏教や西洋の科学技術等も包摂しながら展開した理想社会です。
 「大地に生を受けたからには、地球上の人類はみな自分の同胞であり、彼らを知れば、そこに親愛の情がおこる」(坂出祥伸『大同書』明徳出版社)と、みずから記しています。
 その生涯には、生きとし生けるものと理解しあい、共感しあい、苦楽を分かちあっていこうという「仁愛」の情が脈打っております。
 段階的に社会制度を統一し、国家の統合を行っていって、最終的に「世界連邦政府」を樹立するという具体的な構想も明らかにしております。
 また、男女の平等は天の理であり、人の道であるというフェミニスト(男女同権論者)でもあります。
 私は、こうした「大同」の精神に、人間と人間、人間と自然が、ともに生き、ともに支えあいながら、繁栄していこうという「共生のエートス」の典型を見ております。
 創価学会の牧口常三郎初代会長は、人生の目的とは「価値の創造」であり、教育とは「価値を創造する力を開発すること」であると主張しておりました。
 私は、人類の目的、文明の目的もまた「価値の創造」であると考えております。
 そして今、求められているのは、「大同」と「共生」と「調和」という地球的な価値の創造であります。
 これまで、両先生と論じあってきた「東洋の智慧」が、「地球的問題群」を乗り越え、人類的創造力を開発し、地球価値を創出し続けていくことは間違いありません。
 「東洋の智慧」が輝きわたる時代ーー「生命の世紀」を、両先生とともにつくり出していきたいと念願しております。

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