Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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10 韓・朝鮮半島の「天人合一」思想  

「東洋の智慧を語る」季羡林/蒋忠新(池田大作全集第111巻)

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2  仏教寺院への厳しい批判
 池田 当時、高麗末期の韓・朝鮮半島の仏教は、清貧に生き、地方などに地道な布教活動を行っていた僧侶が見られるものの、都では寺院は王侯貴族の歓楽の場となっていたともされています。それに対して、儒学者から厳しい批判がありました。そのあたりの消息は、日本の江戸時代と同じです。
 今、あげられた李穡は、仏教徒のあまりにひどい貧欲ぶりに、恭態コンミン王へ上奏文を書いています。鄭道伝も同様に厳しく批判をしています。
 もちろん、このような資料には、党派的・教団的利害もあるでしょうが、仏教側の退廃も否定できません。そのような批判のなかで、朱子学者たちの思想は深まっていったとされています。
 ゆえに、その思想は、たんに儒学、仏教などの宗派性を超えた、普遍的で、人間の本質に対して真摯なものと言えるのではないでしょうか。
 そのなかから、「天人合一」の韓・朝鮮半島としての展開が見られたとすると、それは意義のあることだと思います。

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