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3 東西二大文化体系の相違点  

「東洋の智慧を語る」季羡林/蒋忠新(池田大作全集第111巻)

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1  ”総合”と”分析”の思考モデル
 池田 それでは、季先生のお考えにそって、「東洋文化体系」と「西洋文化体系」の比較検討に入りたいと思います。
  二大文化体系の”共通点”は、ともに人類に幸福をもたらし、人間の質を向上させ、人類の生活とその享受のレベルを向上させ、人類社会の発展を促進してきたことです。
 池田 たしかに東洋においては、中国を中心とした東アジアの文化圏、インドを中心とした南アジアの文化圏がアジア諸民族の精神的、物質的発展に重大な貢献をしてきましたね。
 一方、十七世紀、ヨーロッパに発した近代科学文明は、今や、世界中に重大な影響を及ぼすにいたっております。この文明が、人類の科学的進歩に貢献してきたことは事実です。
  一方で二大文化体系の”相違点”は、多くの方面に表れている。
 しかし、最も根本的な相違は”思考モデル”にあります。これが一切の相違の基礎と淵源になっていると私は考えます。
 ひとことで言って、「東洋文化体系」の思考モデルは”総合”であり、西洋は”分析”です。
 人類は「東西二大文化体系」しかないように、二つの思考モデルしか有しておらず、三つ目はないのです。
 この種の二分法は、あたかも大自然および人類思考の基本原則のようです。
 中国の『易経』では「乾坤」、すなわち「陰陽」を説きます。自然界には、日月、昼夜があり、宗教・哲学・倫理には光明と暗黒、善と悪などがあります。
2  「東西文化」の主潮
 池田 「東」と「西」の思考法を大観されて、その本質を一方は”総合的思考”であり、他方は”分析的思考”であるとのご指摘は、そのとおりだと思います。
 当然、「東」にも分析的思考はあり、「西」にも総合的思考は見られます。とくに、二十世紀に入ってからは、「西」にも総合的思考が顕著になってきました。
 しかし、今日までの「東西文化」の主潮を取り出せば、季先生のご指摘のとおりと言えるでしょう。
 この二つの思考法は、「東」と「西」の文化の内包する自然観、生命観、価値観などに、それぞれ表れていますね。
  東洋文化システムと西洋文化システムとの間に存在する明らかな違いは、たやすく感じとれるものです。この違いをどのように認識するか、基本的には二つの方法があります。
 一つは、ありふれた方法ですが、重点や本質をおさえず、政治、法律、哲学、倫理、教育、科学、芸術、心理、風俗、習慣等、多方面から東洋文化と西洋文化との違いを探究する方法です。その結果は要領を得ないものでした。
 もう一つの方法は、「事を成すにはまずその急所を押さえる」で、東洋文化と西洋文化との間の、最も重要で根本的な違いを探し出すやり方です。
 これはよい方法ですが、非常にむずかしく、これまでほとんど試されたことはありません。しかし、季先生はまさにこの方法を使い、精細な考察と研究を通じて、先にあげたあの新しく、かつ非常に正しい結論を導きだされたのです。
 私個人としては、季先生のこの結論を学び、次のように感じました。
 文化は人間が創造したものです。人間がなぜ文化を創造できたのか。それは人間に大脳があるからです。
 大脳の役割は思考です。また、思考の役割はコントロール行為(知力行為と体力行為を含む)であり、思考モデルは行為モデルを決定します。
 そして、行為の役割は文化(精神文化と物質文化を含む)の創造であり、行為モデルは文化の特色を決定します。
 このため、文化と文化の問の最も根本的な違い、とくに東洋と西洋の二大文化システム間の最も根本的な違いは、必然的に思考モデルの表面に表れるものなのです。
 思考モデルの表面に存在するものの違いがわかれば、東西二大文化システム間の本質的な違いがわかることになります。

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