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日蓮大聖人・池田大作

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2 インドから西域、中国へ  

「東洋の智慧を語る」季羡林/蒋忠新(池田大作全集第111巻)

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2  諸民族の信仰集めた『法華経』
 池田 西域の諸民族も、『法華経』を厚く信仰したようですね。
 この数年、私どもの東洋哲学研究所では、ロシア科学アカデミー東洋学研究所サンクトぺテルプルク支部が所蔵する写本・版本等を、「法華経とシルクロード」展として、東京(一九九八年)、ウィーン、ドイツのヴォルフェンビュッテル(いずれも二〇〇〇年)で開催しました。
 東京展では、『法華経』など、シルクロード全域にわたる十三種類の文字、十四の言語の写本・版本が展示されました。
 縦書きもあれば横書きもありました。貝葉ばいようや紙だけではなく、白樺の樹皮もあれば皮革もありました。じつに豊かな広がりを感じました。
  よくわかります。
 『法華経』はまずインドから西域に伝わり、続いて西域からシルクロードを経て中国に伝わりました。
 池田 そうですね。漢訳以外にはチベット語訳、モンゴル語訳、古代トルコ語訳、満州語訳、安南語訳などがあります。近代では、E・ビュルヌフによるフランス語訳、H・ケルンによる英語訳、南条文雄と泉芳璟による日本語訳などの訳本があります。
 漢訳では鳩摩羅什訳の『妙法蓮華経』が「絶後光前」の名訳として著名で、今でも読誦されていますね。西夏語訳などは漢訳からの重訳です。
  歴史上、そのように『法華経』はチベット語、ウイグル語、西夏語、モンゴル語、などに翻訳されたのですが、これらの言語を使用する民族の文化に対しでも、同様に重要な影響を及ぼしました。

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