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日蓮大聖人・池田大作

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まえがき 池田大作

「東洋の智慧を語る」季羡林/蒋忠新(池田大作全集第111巻)

前後
8  このような語らいを通して、東洋思想に内包されていた「結合のエネルギー」を開発する叡智が次々と洞察され、そこに現代的な知性の光があてられていったのであります。
 『法華経』の統合的精神である「一念三千」論、中国思想の精髄としての「天人合一」の思想、インド哲学の究極である「梵我一如」の思想ーーこれらは、まさに、分断と分裂を重ねる現代文明の「闇」を照らしゆく、珠玉のごとき「東洋の智慧」の結晶であります。
 私は、てい談者の一人として、東洋の叡智が、万物の共生、共存を志向する「平和と希望の世紀」に、その雄姿を見せゆくであろう「人類文明」の導きの”光”となることを希求しております。
 季先生も言及されているように、人類が待望する未来は、仏教で「仏国土」と表現し、また、儒教では「大同の世界」として描いてきた世界であります。
 本年は、日中国交正常化三十周年の住節にあたります。周恩来総理は、だれよりも深く、強く、日中の友好を願っておられました。私は、日中の学術・文化交流の一つの成果として、本書がこの記念すべきときに出版されることを、周総理も喜んでくださっているにちがいないと、確信しております。
 両先生が、人類の平和と繁栄、そして日中友好の増進のため、さらにご健勝で活躍されますことを、お祈り申し上げます。
   二〇〇二年八月二十四日

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