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日蓮大聖人・池田大作

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東洋を向く西洋  

「内なる世界 インドと日本」カラン・シン(池田大作全集第109巻)

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4  池田 そのような関心事に応え、そこに一つの新しい道を提示するものは、現実の生活や文化・社会のあり方に直接結びつく原理や実践法でなければなりません。
 仏教のなかでも、たんに現実の人生の苦悩から目をそらして死後の極楽往生を説いているだけの教えもありますが、この現実の自己と社会の変革を教えているのが『法華経』なのです。
 カラン・シン いかなる哲学も、真実かつ有効であるためには、人生の物質的側面を等閑視することはできません。ヒンドゥー教もこの点に関してはきわめて明確です。
 ヒンドゥー教は人生の四つの目標を設定しております。それはダルマ(道徳的、精神的価値の枠組み)、アルタ(物質的進歩と幸福)、カーマ(肉体的快楽)、モークシャ(解脱)の四つです。このように、物質的、肉体的側面もそれなりに重要視されております。ただし、そうした側面がダルマという広範な枠組みのなかに収まり、究極的にはモークシャにおいて超克されることをつねに条件としております。

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