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日蓮大聖人・池田大作

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現代の文明的課題  

「内なる世界 インドと日本」カラン・シン(池田大作全集第109巻)

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4  池田 そこに、宗教も宗教的領域だけに閉じこもっていてはならない所以があります。大事なことは宗教の理念を現実の政治・経済等の営みのなかに、どう反映させていくかです。
 カラン・シン 私が見るところでは、東洋の精神的遺産は人類の前に立ちはだかっている数々の大問題を解決するのに大いに役立ちます。ただし、この遺産の根本原理が多くの人々に受け入れられればの話ですが。
 このように見てくると、ジャワハルラル・ネルーが提唱した「パンチャ・シーラ」(平和的共存の五原則)や、非同盟運動(NAM)が二国間紛争の解決に武力の行使を否認することの重要性を繰り返し訴えた宣言は、重大な問題に対する東洋的な態度の反映です。
 われわれは二つのレベルで努力する必要があります。個人のレベルでは、われわれの意識や日常活動のなかにある、これらの“毒”の作用を弱めなければなりません。一方、集団のレベルでは、われわれは友情と相互尊重を基調とする正義と公正の世界を実現するために努力すべきです。
 その基調となるべき概念は地球の一体化です。われわれ東洋の伝統にあっては、地球をたんに土や石や水といった物質の塊とは見ておりません。地球は一個の精神的実在であり、原始の泥状の海に最初の生命を誕生させてから現在のような人間を出現させるまで何十億年もの間、意識を育んできた母であると考えております。

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