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日蓮大聖人・池田大作

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アショーカ王の平和思想  

「内なる世界 インドと日本」カラン・シン(池田大作全集第109巻)

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4  カラン・シン 核時代の今日、アショーカの平和の福音がますます重要な意義をもつというあなたのご見解は、きわめて適切なものです。たった一個の核弾頭でも、第二次世界大戦全体を通じて連合国・枢軸国双方が使用した全爆薬を合わせたよりも大きな爆発力をもっているのです。一個の弾頭で、四十年以上前に広島と長崎を無残に消滅させた爆弾の千倍の破壊力があるわけです。そして、世界の弾薬庫には、このような核弾頭が現在少なくとも五万個貯蔵されており、その九五パーセントは米ソ二大国が所有しているのです。それゆえ、今日、私たちがまず第一になすべき最重要のダルマ(正しい行動)は、人類のみならず、おそらくこの地球上のありとあらゆる生物を全滅させるであろう核による大破壊を防ぐことです。
 世界各国を訪問して私がますます強く感ずることは、西洋文明が、その偉大で輝かしい数々の成果にもかかわらず、今日重大な危機に瀕しているという事実です。科学・技術は、人間に途方もなく大きな力をあたえました。もし、その力を智慧と慈悲をもって活用するならば、今世紀末までに地球上から貧困と栄養失調、非識字、そして飢餓を一掃することができます。しかしながら、その同じ科学・技術が今日、人類の生存を脅かすものとなっているのです。とくに今、幅をきかせているMAD(相互確証破壊)などという考え方が、その脅威をますます大きくしています。
 このような状況において、東洋は、ウパニシャッドやブッダの教える「神性は万物に遍在する。人類は一つの家族である。人間はみな、もともと神性を具えている。社会のあらゆる階層の人々を幸福に」という偉大な理想を繰り返し説くことによって、人類の救済にふたたび寄与することができると私は思います。私たちは、これらの理想をできうるかぎり緊急かつ効果的に世界中に伝え弘めなければなりません。

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