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日蓮大聖人・池田大作

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第十八章 環境保護か経済成長か――チリ…  

「太平洋の旭日」パトリシオ・エイルウィン(池田大作全集第108巻)

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6  地球益を優先させる「環境国連」を
 エイルウィン 真の開発であるためには、持続可能な開発でなければなりません。そのためには、環境を守るための成長の抑制と、発展の恩恵を受けるなかで環境におよぶ影響の程度との間の的確な均衡をはからねばなりません。
 環境を切り離して開発を考えたり、不可避の環境保護問題をおろそかにしたまま、真の開発を推進できると判断することは誤りであり、有害である――とのあなたの意見に大いに同意します。
 現実的な試みとしては、人間の活動が展開される空間を管理することです。それは日々解決していかなければならないさまざまな問題に取り組み、効果的な解決法を見いだすことです。たとえば、どこにどのように宅地を開発し、排水溝を設け、工場を配置するのか? 水質や空気の状態は許容範囲か? 人間の健康をどう守るか? 「環境保護」と「成長」の調和は?――このような問いに対して実際にどう答えるかにかかっているのです。
 池田 よく理解できます。「環境保護」は、個人や企業、さらには国家のエゴを超えて取り組むべきです。人類益、地球益を優先すべき課題が多くあります。そのために、私は一貫して、国連の機能の強化と改革を訴えてきました。とくに十数年前に、環境問題を全人類的課題として取り組むための「環境国連」の構想を提示しました。その後も構想を発展させ、「環境・開発国連」と、そのもとに「環境・開発安全保障理事会」を設置することを提案しました。
 エイルウィン これまでお話ししたように、人類が必要不可欠な調和を求めて前進するためになすべきことは、明快に絞られています。国連が、この重要なテーマに対して果たすべき役割はきわめて大きいと考えます。

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