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日蓮大聖人・池田大作

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第十四章 民族主義の帰趨――グローバリ…  

「太平洋の旭日」パトリシオ・エイルウィン(池田大作全集第108巻)

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17  “太平洋通りの隣人”意識育てる文化交流
 池田 私は、こうした人類史の悲劇の流転をとどめ、「対立」から「協調」への時流を不可逆的なものにするためには、「教育」の果たすべき役割は非常に大きいと思います。民族といい、文化といい、個別なるもの同士が接触し、より普遍的なるものへと“昇華”していく回路は、やはり、対話を含む広い意味での「教育」による以外にない、というのが私の見解です。
 ハーバード大学のヌール・ヤーマン教授は、私との語らいで「教育によってこそ、人は、背景の違いを超えて、『共通』のものを発見する。何かの“流派”に所属しているだけの状態から脱して、人間という次元で考えられるようになる」(一九九二年三月)と述べておりますが、まさに至言と言えましょう。
 私は、たがいの相違を超えたより深い人間の真理を探究しあう姿勢、そしてその源泉となるヒューマニズムあふれる心根を育んでいくことに、平和に果たす「教育」の使命と責務があると思うのです。またそれがひいては、世界を結ぶ“靭帯”ともいうべき役割を果たしていくはずです。
 エイルウィン これほど隔たった起源をもつ文化とこれほど異なる言語をもつ日本とラテンアメリカは、いかにすれば、もっと接近することができるのでしょうか。
 池田 教育交流や文化交流を積極的に推し進めることで、日本とラテンアメリカの相互理解を深めていくべきでしょう。そして交流を重ねるなかで、“太平洋通りの隣人”として、また同じ“地球社会の住人”としての共通意識を涵養することになります。なによりも戦争を抑止する歯止めとなり、絶え間ない生存競争から抜けだし、必ずや真の共存共栄の世界を築く礎になっていくと私は考えます。理解を深めていくべきでしょう。そして交流を重ねるなかで、“太平洋通りの隣人”として、また同じ“地球社会の住人”としての共通意識を涵養することになります。なによりも戦争を抑止する歯止めとなり、絶え間ない生存競争から抜けだし、必ずや真の共存共栄の世界を築く礎になっていくと私は考えます。     

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