Nichiren・Ikeda

Search & Study

日蓮大聖人・池田大作

検索 & 研究 ver.9

第十三章 「父性」のあり方  

「子供の世界」アリベルト・A・リハーノフ(池田大作全集第107巻)

前後
9  夫婦の連携プレーが必要
 リハーノフ では、いわゆる健全な家庭で、親としての責任から逃れようとする父親の話に戻ることにしましょう。あなたのおっしゃるとおりで、こういった父親は、家族を養うためにまず稼がなくてはいけないという口実を口にするものの、じつはただ自分の弱さ、怠惰と無責任さを露呈してしまっているにすぎないのです。
 今、「責任感のある」親という用語が使われるようになりましたが、親というのは母と父からなるものですから、「責任感のない」父親という存在も、たとえ健全な家庭であっても十分ありうるでしょう。
 子どもには銀行と同じく、「資本投入」をしていかなくてはなりません。物理的にはそれは食べさせて、着るものを与えて、学ばせる、ということになります。しかし、いちばん大事なのは、そういった物理的な資本ではなく、精神的なものです。
 心を子どもに与えた分だけ、返ってきます。「おーい」と呼んだとおりに、こだまは返ってくるものです。この点においては、母親と父親は相互責任があります。父親が与える精神的なものは、母親のそれと調和していなくてはなりません。たがいの努力を相乗的に支えあわなければならないのです。
 子どもは私たちの未来、とよく言われます。しかし、それは正しくない言い方だと思います。私たちが子どもたちの未来なのです――つまり、子どもたちの未来を作るのです。
 子どもは親にとって現在です。未来が訪れたとき、初めて母と父とどちらが、あるいは両方、どれくらい偉大なる「人間銀行」に資本投入したかが明らかになるでしょう。
 池田 精神的な「資本投入」が成功するかどうかのカギは、親が精いっぱい生き、みずからの生き方に自信を持っているかにかかっています。
 私にも三人の息子がいましたが、短時間でもスキンシップをして話を聞いたり、海外の出張など長期間不在の場合は、それぞれに絵はがきを送るなどして、「心」を通わせる努力をしました。
 また足りない分は、妻が私の気持ちをくんでくれ、「どれだけ子どもたちのことを思っているか」を上手に話してくれました。そういう夫婦の連携プレーも必要でしょう。
 「忙しいから仕方ない」ではなく、時間を工夫し、母親と協力して子育てに力を入れていくことが大切です。秩序の混乱した不安の多い社会にあって、「自信」と「責任」を背負った父親の存在こそが、子どもの心に「秩序の柱」をつくっていくからです。
 リハーノフ すばらしいご指摘ですね。

1
9