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日蓮大聖人・池田大作

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第十章 わが家の家庭教育  

「子供の世界」アリベルト・A・リハーノフ(池田大作全集第107巻)

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5  全情熱を注ぎ込んだ青春は、人生の宝
 リハーノフ 大切な視点ですね。
 私たちの孫イワンは、息子の場合と違って、恵まれた環境で育っています。もっともパパ、ママが本領発揮するのは、まだまだこれからだと思いますが。(笑い)
 イワンはだれに勧められるでもなく、自分で恐竜について調べだし、知識を習得しました。その次が天文学でした。今は六年生で十二歳ですが、天文学なら、ふつうの大学を出た大人よりよく知っています。これはとてもいいことだと、私は思っています。というのも、そこから自分の可能性を大きく開いていけるからです。
 そのような小さな火種は、どの子どもの中にもあるものですが、それをいかに自分で自己認識の大きな炎へと育てていけるかが重要です。
 池田 そうですか。じつはわが家の三男坊――といっても、すでに結婚し、創価学園の理事をしていますが――彼が小学校高学年のころ、兄(次男)に私の知人から贈られた天体望遠鏡で土星を見て、すっかり天文学に取りつかれてしまったのです。
 そうこうしているうちに、もっと本格的な望遠鏡がほしいと言いだし、どうせ飽きるのだからとしぶる妻に粘りに粘り、とうとう私まで味方に引き込んで、
 それを手に入れてしまったのです。
 それからの彼の天体観測への打ち込みぶりは、あきれるほどでした。中学に入ったころは、数十冊の天文学の専門書をそろえ、学校の勉強などそっちのけで、熱中していたものです。彗星が出たときなどは、冬の真夜中であろうと、自分で起き出していって、望遠鏡をのぞき込んでいました。
 おっしゃるとおり、三男坊にとって、天文学への打ち込みは、かけがえのない自己発見への旅だったようです。何でもよい、そうした無我夢中になって全情熱を注ぎ込む経験をもった青春は、人生の宝です。
 リハーノフ 初めてお聞きしました。ぜひ、イワンに“弟子入り”させたいですね。(笑い)

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