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日蓮大聖人・池田大作

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注解  

「宇宙と人間のロマンを語る」チャンドラー・ウィックラマシンゲ(池田大作全集第103…

前後
1  アーユルヴェーダ
 四大ヴェーダの『アタルヴァヴェーダ』を基盤に、紀元前のち、八百年の間に体系化されていったインドの医学。インド哲学にもとづいた宇宙・人間観により、両者の関係の法則性にのっとって、健康の保持、増進法、疾病の治療法を明らかにする。また健康と道徳が密接であるとし、人間は身体と精神が整わなければならないとして、精神的・霊的側面も重視した。
 アーリヤバタ
 (四七六年―?)インドの数学者、天文学者。円周率を計算し、地球の自転について述べるなどしている。著書に『アーリヤバティーヤ』『アーリヤバタ・シッダーンタ』。
 『阿育王伝』
 西晋の光煕元年(西暦三〇六年)、パルティアの僧・安法欽によってサンスクリット原典から漢訳されたもの。仏滅後の百年の仏教史も盛りこまれている。
 愛別離苦
 八苦の一つ。死やさまざまな状況によって親子、兄弟、夫婦など身近な愛する者と離別する苦しみのこと。別れのつらさ。
 アインシュタイン
 (一八七九年―一九五五年)アルバート。理論物理学者。ドイツ生まれ。一九〇五年に特殊相対性理論を提出、一九一五年に一般相対性理論を完成させた。ユダヤ系ドイツ人で、ナチスに追われて三三年にアメリカに渡る。平和にも強い関心を寄せ、世界政府を提唱した。光量子概念にもとづく光電効果の解明でノーベル物理学賞を受賞。
 アサンガ〔無著〕
 四世紀ころのインドの大乗論師。世親の兄。小乗に執着していた世親を教化して大乗に帰伏させた。著書に『摂大乗論』など。
 アショーカ
 アショーカ王。インドを最初に統一したマウリヤ王朝の第三代の王。在位は前二六八年―同二三二年ころ。武力征服をもっぱらとする暴虐な王だったが、仏教に帰依して慈悲にもとづく統治を行い、仏法を広く世界に伝えるために、西方の諸国にも使節を派遣した。
 アテナイ文明
 古代ギリシャの都市国家アテナイ(アテネ)を中心に栄えた文明。
 アヌラーダプラ
 スリランカ最古の都。紀元前四世紀から十一世紀にかけて、シンハラ王朝の都として栄えた。多くの仏教遺跡が残っている。
 アポロ11号
 一九六〇年七月に発表されたNASA(アメリカ航空宇宙局)の有人月探査計画によって、アポロ11号は六九年七月十六日に打ち上げられ、二十日、アームストロング船長が人類として初めて月面に第一歩をしるした。この探査計画で宇宙飛行を行った飛行士は三十三人、うち十二人が月面に降り立った。
 阿摩羅識
 第九識。無垢識、清浄識と漢訳される。阿頼耶識の迷いや汚れを捨て去った清浄な境地。九識心王真如の都。「九識論」を参照。
 阿頼耶識
 第八識。唯識説のなかで最も根源的な識の働き。心の奥底に蔵されている識。「九識論」を参照。
 アリスタルコス
 (前三一〇年ころ―二三〇年ころ)古代ギリシャの天文学者。同名の文献学者と区別するために、出身地名を付して「サモスのアリスタルコス」とも呼ばれる。太陽中心説(地動説)を唱えた。また、太陽、月、地球の相対的な距離や大きさを計算した。
 EC(ヨーロッパ共同体)
 欧州共同体。欧州の平和のために統合が目指されるなかで、一九五八年に西ドイツ、フランスなど六カ国によってEEC(欧州経済共同体)が発足、六七年に更に統合が強化されてECと改称された。その後、加盟国も増加し、九三年に発効したマーストリヒト条約によってEU(欧州連合)となった。
 ET
 extra-terrestrial(地球外生物〈宇宙人〉)の略。一九八二年、アメリカのスティーブン・スピルバーグ監督により制作されたSF映画により、ETは広く人々の興味を引いた。この映画は十歳の少年と宇宙人ETとの愛情あふれる交流の物語で、全米で大ヒットした。
 意識のスペクトル
 ケン・ウィルバーの示す意識のヒエラルキー(階層)構造。最深部に〈心のレベル〉、順次、表層に向かって、〈超個の帯域〉〈実存のレベル〉〈生物社会的帯域〉〈自我のレベル〉〈哲学的帯域〉〈影のレベル〉へとヒエラルキーをなすという。
 一乗平等
 一乗とは一仏乗のこと。一とは唯一無二、乗とは教法を乗り物にたとえていい、一仏乗とは成仏という最高の境界へ導く唯一の教法をいう。すべての人に仏界という仏の生命があり、だれでも平等にそれを顕現することができるという思想。
 一念三千
 一念とは瞬間瞬間の生命。三千とは、現象世界の一切を指す。衆生の生命(一念)に現象世界の一切(三千)が欠けることなく相即し不二であることをいう。天台が法華経にもとづいて創設した概念。実践的には、自己の心を対象にして宇宙の実相(仏界)を観ずること。
 一切衆生悉有仏性
 一切衆生、すなわち生きとし生けるものにはことごとく仏性が具わっており、成仏しうるということ。涅槃経等に説かれる。
 イマジズム
 写象主義。一九一〇年代、パウンドが中心となって英米で起こった自由詩の運動。生き生きとしたイメージによって詩を表現し、簡潔な言葉の選択と自由詩形を特徴とする。俳句の様式にも影響を受けた。
 『イワン・イリイチの死』
 トルストイの作品。イワン・イリイチという判事が、打ち身がもとで不治の病にかかり亡くなるまでの心理を描いたもの。死との葛藤の後、それまでの、快適を目指して栄達に励む人生が真実の人生でなかったことを悟り、ついに死を受容するまでのプロセスがつづられている。
 因と縁
 因は直接的原因、縁は助縁。因の顕在化を助ける間接的原因・条件を指す。
 インフレーション理論
 ビッグバン宇宙説を宇宙の一様性など現在の宇宙の姿に合うように拡張した宇宙論。宇宙が誕生してすぐに、その体積がきわめて短時間のうちに10倍に膨張(インフレーション)したというもの。
2  ヴァスバンドゥ〔世親〕
 「世親」の注参照。
 ヴィジャヤ
 『マハーヴァンサ』によると、ヴィジャヤは、獅子を父、ヴァンガ国王の王女を母として生まれたシンハバーフ王の長男。七百人の家臣を率いてスリランカに来島、王となって三十八年間治めたという。
 ウィルソン山天文台
 アメリカ・カリフォルニア州南西部の標高一千七百四十メートルのウィルソン山上に、カーネギー財団によって一九〇四年に設けられた天文台。二・五㍍の反射望遠鏡を有している。
 ウィルソン
 (一九三六年―)アメリカの宇宙物理学者、電波天文学者。ペンジアスとともに宇宙マイクロ波背景輻射を発見した。
 ウィルバー
 (一九四九年―)アメリカのトランスパーソナル心理学のリーダーの一人。著書に『意識のスペクトル』『アートマン・プロジェクト』など。
 ウェーサカ
 南方仏教で、釈尊の誕生・成道・入滅を祝って盛大に行う祭り。毎年、インド暦のウェーサカ月(四月―五月)に、満月の日を中心に行われる。
 ウェルズ
 (一八六六年―一九四六年)ハーバート。イギリスの小説家、評論家。SFの祖としても知られる。
 ウォーレス
 (一八二三年―一九一三年)イギリスの博物学者、進化論者。ダーウィンとは独立に自然選択(自然淘汰)の考え方を提唱。後に、人間については宗教的な力による進化を主張した。
 宇宙塵
 宇宙空間に存在する微小な物質。流星は宇宙塵が地球に突入したもの。
 宇宙望遠鏡
 ハッブル宇宙望遠鏡。一九九〇年、アメリカがスペースシャトルを使って、地上約六百キロメートルの高さの衛生軌道に打ち上げた口径二・四メートルの反射望遠鏡。地球大気の影響を受けないので、天体を高解度で観測し、貴重な映像を地上に送り続けている。当初主鏡に欠陥があり、ピンボケの映像しか送れなかったが、一九九三年、スペースシャトルを使って宇宙空間での修理に成功した。
 宇宙マイクロ波背景輻射
 一九六五年、アメリカのペンジアスとウィルソンによって発見された、ビッグバンの名残りで、宇宙全体を一様に満たしていると考えられる電波。温度が絶対温度二・七度に相当することから二・七K輻射、四捨五入して三K輻射などとも呼ばれる。
 ウパニシャッド哲学
 ウパニシャッドは、古代インドの宗教的色彩をもった一群の哲学書。『奥義書』と訳される。大宇宙の絶対者、本体であるブラフマン(梵)と、個人の実体であるアートマン(我)との一体(梵我一如)が人間の究極の目的であり、このことによって輪廻を脱して解脱できるとする。
 エイドリアン
 (一八八九年―一九七七年)イギリスの神経生理学者。神経インパルスの伝達に関する研究で知られる。ノーベル生理学・医学賞をシェリントンと共同受賞。
 『エジプトの死者の書』
 古代エジプトで副葬された文書。死者が幸福な生活を送り、復活するように、祈りの文などが書かれている。紀元前十六~同十四世紀ころに成立した。
 依正不二
 〈依〉とは依報のことで、環境世界を指す。〈正〉とは正報のことで、生命主体をいう。〈報〉とは、過去からの行為の報いという意味。つまり、過去という時間を背負った存在であるということ。この依報と正報は不可分であり〈不二〉の関係にある。
 SSC
 スーパーコンダクティング・スーパーコライダー(超伝導超大型粒子加速器)。アメリカの大型粒子加速器。陽子の加速器として計画されたが、冷戦の終了とともに、一九九三年、財政難を理由に中止された。
 エックルズ
 (一九〇三年―)オーストラリアの生理学者。シェリントンに師事。ノーベル生理学・医学賞を受賞。
 エディントン
 (一八八二年―一九四四年)アーサー。イギリスの天体物理学者。恒星内部構造論、恒星進化論に貢献。アインシュタインの一般相対性理論で言われていた、光が重力の影響で曲がるということを、皆既日食の観測によって証明したことでも知られる。
 NGO(非政府組織)
 Non‐GovernmentalOrganization.政府間の協定によらない非営利の民間団体。草の根レベルでの民間外交、人権擁護、軍縮、国際開発協力、開発途上国に対する援助等に取り組んでいる。
 エネルギー準位
 原子・分子・原子核・素粒子などの量子力学的な系では、系がとりうるエネルギーは離散的な飛び飛びの値をとる。その一つ一つの値は、主量子数や角運動量量子数といった整数で分類できる。このような整数で整理されたエネルギー値をエネルギー準位という。
 エピキュロス
 (前三四二〈四一〉年―二七一〈七〇〉年)古代ギリシャの哲学者。デモクリトスの唯物論的原子論を引き継ぐ。過度の欲望や激情を離れた心の平安が快楽であり、幸福であるとした。
 エフェドリン
 喘息の薬などに用いられる。
 「エル千年の旅」
 プラトンの主著『国家』に述べられている。勇敢な男エルは戦死したが十二日目に生き返り、魂が千年の旅をする“あの世”のことを語る。
 縁起・空
 大乗仏教においては、原始仏教の縁起論から一段とダイナミックに、万物が相互に「縁って起こる」という関係性、すなわち「空」へと展開していった。相依相関性を個人にあてはめると、五陰は仮和合であり、そこに実体としての我はないとする縁起としての「無我説」となる。ここに「縁起」「空」「無我」が、宇宙万物を貫く法理として表現されることになった。
3  岡倉天心
 (一八六二年―一九一三年)明治時代の美術界の指導的役割を果たす。アメリカ人教師フェノロサに師事し、後に東京美術学校長に。校長排斥にあって職を辞し、新しい日本画の創造を目ざして日本美術院を横山大観、橋本雅邦らと設立した。
 オゾン層
 オゾンは酸素の同素体で酸化力が強い。このオゾンの濃度が高い地上一〇~五〇㌔の層をオゾン層といい、太陽からの紫外線を吸収して動植物を守る働きをしている。
 オリオン座の大星雲
 オリオンの剣にあたる三つの星のところにある星雲。散光星雲のなかでは最も明るい。
 オルフェウス教
 ギリシャ神話に登場する詩人・音楽家オルフェウスにもとづいて紀元前七世紀ごろに成立したギリシャの宗教。霊魂の不滅を説き、音楽や禁欲苦行によって魂を浄めて苦しみの輪廻転生を離れられるとする。
 温室効果
 大気中の二酸化炭素、フロン、メタン、亜酸化窒素などは地表からの赤外線を吸収することによって、大気を暖める作用をする。その結果、地球が温室の内部のように暖められる現象のこと。化石燃料の使用が温室効果をもたらす物質を増やし、地球の温暖化を進める、と懸念されている。
 陰陽五行説
 宇宙の相反する二つの気である陰と陽の消長の関係にもとづく世界観と、万物の元である木、火、土、金、水(五行)にもとづく世界観、宇宙観とが合わさった、古代中国に始まった哲理。
 オンライン・リアルタイム・バンキング
 遠隔地を含めて広い範囲にある端末機とコンピューターを通信回路で結び、即時的に情報のやりとりをするのがオンライン・リアルタイムシステムであり、銀行業務に利用するのをオンライン・リアルタイム・バンキングという。
 カー
 (一九三二年―)アメリカの宇宙飛行士第五期生。スカイラブに八十四日間滞在し、地球を千二百十四周した。この間、コホーテク彗星などを観測。
 皆既日食
 太陽全体が月によって隠される天文現象。皆既日食のときには、太陽光球が完全に隠されるので、光球のすぐ外側の層である彩層からの光やコロナが見えるほか、明るい星も肉眼で見ることができる。
 外惑星
 地球より外側の火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星を外惑星、内側の水星、金星を内惑星という。
 化学元素
 化学分析でそれ以上分解できない基本要素と考えられる物質。自然界には九十一種類存在する。実験室では九十九年現在、原始番号一一八の元素までつくられている。
 核の冬
 一九八三年、ワシントンで世界中の物理学者ら五百人が集まって開かれた「核戦争後の地球」についての会議など「核の冬」という現象が注目され始めた。大規模な核戦争が起きた場合の地球環境に与える影響を、モデルにもとづいて研究。大量のチリが成層圏に吹き上げられるなどして、温度低下が数十度にもなり、生物に破局的な結果をもたらすという予測もある。
 核融合
 原子核どうしが融合反応して重い原子核になる反応のこと。膨大なエネルギーが反応によって放出される。
 核抑止論
 核兵器が破滅的影響をもたらし、核戦争においては勝者は存在し得ないことから、核兵器を有することが、たがいに相手国の攻撃を思いとどまらさせ、平和の維持に役立つという考え方。
 確率論
 出来事が起こる確からしさである確率を数学的に扱う数学の一部門。ここでは、確率統計の法則を適用する物理学の立場で言われている。
 カズンズ
 (一九一五年―九〇年)アメリカのジャーナリスト。約三十年間、総合評論誌『サタデー・レヴュー』の編集長を務める。「世界連邦協会」の会長として国連強化運動を推進。池田SGI会長と『世界市民の対話』(本全集第14巻)と題する対話を行った。著書に『人間の選択』『死の淵からの生還』など。
 火星探査計画
 一九六五年のアメリカのマリナー4号をはじめとする探査機の活躍で、火星の解明は飛躍的に進んだ。九二年九月には、火星周回探査機が打ち上げられた。アメリカでは、月面着陸五十周年の二〇一九年までに火星に人を送りたいとしている。
 渇愛
 のどが渇いて水を求めるような貪りの心。
 ガモフ
 (一九〇四年―六八年)ロシア生まれのアメリカの物理学者、著作家。一九三四年、アメリカに亡命し、四八年、ビッグバンから宇宙が誕生したことを最初に提唱した。科学の先端の知識を、一般の人にわかりやすく解説したことでも知られる。
 ガリレイ
 (一五六四年―一六四二年)ルネサンス末期のイタリアの物理学者、天文学者。観測事実にもとづいた実験と数学化による、経験的・実証的な近代科学の基となる方法を導入し、力学上の諸法則などを明らかにして「近代科学の父」と称される。自作の望遠鏡で、木星の四大衛星、太陽黒点、金星の満ち欠けなどを発見し、コペルニクスの地動説の正しさに対する確信を深めた。『天文対話』を出版し、教皇ウルバヌス八世の怒りにふれ、異端審問所から地動説の放棄を誓わされ、幽閉された。幽閉の間に失明するが『新科学対話』を口述によって執筆している。
 ガリレイ事件
 「ガリレイ」の注を参照。
 ガルトゥング
 (一九三〇年―)ノルウェーの社会学者。オスロ国際平和研究所を創設。平和学を創始し、「構造的暴力」の概念を提唱。著書に『仏教―調和と平和を求めて』、池田SGI会長との対談集『平和への選択』(毎日新聞社)など。
 ガルブレイス
 (一九〇八年―)カナダ生まれ。ハーバード大学教授、インド大使を歴任。ハーバード大学名誉教授。池田SGI会長とは一九七八年十月以来、数度にわたって対談している。著書に『ゆたかな社会』『不確実性の時代』など。
 ガレ
 (一八一二―一九一〇)天文学者。
 カレン事件
 一九七五年、アメリカ・ニュージャージー州で起きた事件。当時二十一歳の女性カレン・クインランは重度の意識不明から植物状態となり、娘が自然な状態であることを望んだ両親は、人工呼吸器を外させてくれるよう裁判所に訴えた。一九七六年に州最高裁がその訴えを認める判決を下し、人工呼吸器を外したところ、自然呼吸が復活しており、それから十年間生き続けた。
4  環境アセスメント
 環境影響評価ともいう。開発を始める前に、開発が環境に与える影響を調査・評価すること。また、それによって開発中止を含めて環境保全対策を立案する。
 ガンジー
 (一八六九年―一九四八年)インド独立運動の指導者。イギリスの支配に対して、非暴力による不服従運動を展開した。マハトマとは尊称で「偉大なる魂」の意。
 カント
 (一七二四年―一八〇四年)イマヌエル。ドイツの哲学者。『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』などを著して認識が対象の単なる模写によるものではなく、主観側の構成によるものであることを主張して、人間理性の能力とその限界を示すとともに、信仰、道徳、美の根拠を提示する批判哲学の体系をつくった。また、ニュートンの影響を受けて、宇宙、自然も考察の対象としている。カントの哲学は、フィヒテからヘーゲルにいたる、いわゆるドイツ観念論、さらには現代哲学へと大きな影響を及ぼしている。
 機械論・還元主義
 機械論は、あらゆる現象を機械と見立てて、すべての出来事があたかも機械が動いているように見る論。唯物論的な因果律をとる。還元主義は要素還元主義ともいい、現象は要素、すなわち、全体は部分から構成されているととらえ、その部分に還元することによって、全体の十全な把握が可能となる、という考え方。
 気血説
 気は、先天的な生命力の基となるものであるとともに、生命活動を維持する機能、エネルギー的なものをいう。血は、血液、体液の総称。治療はこの気血の調和が保たれた状態に戻すために行う。
 耆婆
 釈尊当時の名医。仏教を信じ、釈尊の治療を行った。阿闍世王に大臣として仕え、父王を殺し、母を殺そうとした王をさとし、釈尊に帰依させ、王の悪瘡の治療に努めた。
 揮発性物質
 常温・常圧で気化または液化しやすい物質。ここでは、水や有機物質を指す。それらは、地球や彗星を構成する鉱物の中に化合物などの形で含まれており、衝突の衝撃で水蒸気や炭酸ガスなどとして分離、脱ガス反応を起こした。
 キメラ化
 キメラとはギリシャ神話に登場する怪物で、ライオンの頭、ヘビの尾、ヤギの体をもち火をはくという。この怪物にちなみ、二対以上の両親をもとにした、二つ以上の異なった遺伝型をもった細胞からなる植物や動物をキメラと呼ぶ。たとえば、黒と白のトラジマのマウスも発生している。
 「客星天関東南に出づ……」
 これについて斉藤国治博士は「かに星雲は天関星の北西一・二度にあるのだから、方角と距離との点で合わない。だから、はじめのころこの記事には幾分の疑義が出されたけれども、いまではこれは方角の書きちがいだろうとされている」(『星の古記録』岩波書店)と述べている。
 逆行催眠
 年齢を逆行する催眠術のこと。人間の記憶を催眠術で呼び起こし、順次に年代を逆行する。誕生以前にさかのぼるケースもあるという。
 キャンディ
 島中央部の山地に位置し、一八一五年にイギリスの植民地となるまではキャンディ王朝の都だった。キャンディ湖の北岸には、スリランカ仏教の中心地である仏歯寺がある。
 キューブラー・ロス
 (一九二六年―)スイス生まれの精神科医。著書に『死ぬ瞬間』『死ぬ瞬間の対話』など。
 虚実
 虚は空虚で、精気の不足の状態であり生命力の弱体化、実は過度な生命活動の状態。虚、実のいずれかにバランスが崩れると、健康を失う。
 巨大科学
 多数の研究者、技術者の動員、多額の予算によって行う大規模な科学研究。宇宙開発や原子力関連の研究がその例。ビッグサイエンス。
 銀河系、銀河団、超銀河団
 銀河は百万から一兆個の恒星の集団であり、直径は数千光年から数十万光年におよぶ。銀河系は、地球が属する太陽系を含む銀河のこと。銀河は単独で存在しているのではなく、数百から数千個ずつ密集しており、これを銀河団という。銀河団はさらに超銀河団という集団を構成している。
 クーデンホーフ=カレルギー
 (一八九四年―一九七二年)東京に生まれる。父は駐日オーストリア・ハンガリー代理公使、母は日本人。「汎ヨーロッパ」論を唱える。ヨーロッパ統合化への潮流をつくった政治思想家。EECさらにECの生みの親ともいわれる。
 九識論
 眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識の六識に第七・末那識、第八・阿頼耶識、第九・阿摩羅識を加えたものを九識という。識は、対象を認めてその異同を知る心の作用を指す。第七・末那識は自我執着心。第八・阿頼耶識は前七識の根底・基盤となる無意識の領域の心、一切現象の生ずる根源となる識である。法相宗ではこの八識を立て、第八識を心王とする。天台宗や日蓮大聖人の仏教では、第八識の奥底に究極的実在として第九識を立てて阿摩羅識とする。無浄無染の根本識であって、無垢識・清浄識という。
 『倶舎論』
 『阿毘達磨倶舎論』の略。部派仏教の基礎理論の指導書であり、入門書。三千大千世界の宇宙観等が説かれている。
 倶胝
 古代インドの数の単位。
 クラヴィーア
 鍵盤楽器の一種。
 グラビトン
 重力子。電荷と電磁波の関係のように、物体と重力波を想定し、電磁波を量子化して光子をとりだしたように、重力波を量子化したもの。
 クローン化
 無性的に同一の遺伝情報をもつ細胞や生物を多数発育させる方法。植物のクローニングは広く行われている。動物のコピーはむずかしいが、すでに牛や羊などで成功している。
 クロロフルオロカーボン
 炭素とフッ素の化合物をフルオロカーボン、通称フロンという。そのうち、塩素を含むものをクロロフルオロカーボン(CFC)という。フロンは工業用として噴霧剤や洗浄剤などに使われたが、塩素を含むものは大気の成層圏に達してオゾン層を破壊すると指摘されている。
 形而上学
 元々ギリシャのアリストテレスに起源をもつ哲学の一つであり、現象を超越した存在そのものを純粋な思惟や直観によって知ろうとする哲学。さらには、現実を無視、軽視する非経験的、非科学的態度や考え方を非難する場合にも使われる語。ここでは後者。
 経絡説
 鍼灸の診断・治療の基となるもの。経路は気の運行する道筋であり、皮膚上にその所在を確認する。十二あって、五臓六腑という体内器官と関係している。気の経絡における運行がとどこおりなく行われていない状態が病気とされ、経絡の要所にある経穴(ツボ)が診断・治療点である。経絡は西洋医学的な意味で解剖学的・組織学的なものではなく、電気良導系ではないか、という説がある。
5  華厳経
 三世紀ころ中央アジアで成立したとされる。一切万有が互いに縁となって作用し合う法界無尽縁起と、万法は自己の一心に由来するという唯心法界の理が説かされる。教主は宇宙全体を包括する毘盧遮那仏。
 ゲノムの地図
 ゲノムとは、それぞれの生物の特徴をつくり、生命を維持させていくのに必要な最低限の遺伝子の一セットをさす。人間の場合は、全部で二十四種類の染色体上にある遺伝子の総体をいう。ゲノムの地図とは、人間の全遺伝子の染色体上の位置や、一つ一つの遺伝子の構造を示す遺伝子文字の配列図のこと。アメリカを中心に、人間の全遺伝子情報をすべて解明することを目標とした「ヒューマン・ゲノム計画」が進められている。
 ケプラー
 (一五七一年―一六三〇年)ケプラー。ドイツの天文学者。コペルニクスの地動説を支持。師のブラーエの火星観測記録にもとづいて、「惑星は太陽を一つの焦点として楕円軌道を描く」などの惑星の運動に関する三つの法則、いわゆる「ケプラーの法則」を発見した。
 元型
 ユングの分析心理学で使われる語。ユングによれば、集合的無意識はそれぞれの内容に即した民族や時代などの違いを超えた「型」によって構成されている。この型を「元型」という。これには、影、アニマ(男性の心の中にある女性面)、アニムス(女性の心の中にある男性面)やグレートマザー(太母)、オールド・ワイズ・マン(老賢人)などがある。
 原始仏教
 釈尊の入滅後約百年間、仏教教団が分裂する以前の仏教を指す。初期仏教ともいわれる。
 ケンブリッジ大学
 イギリスのケンブリッジにある十三世紀に創設された大学。オックスフォード大学とならんで最も権威ある大学として指導者層を送り出している。
 
 古代インドのきわめて長い時間の単位。
 孝経
 儒教の根本である孝について説いた書(一巻)。中国の経書十三経の一つ。孝は個人的道徳だけでなく、政治的にも最高の原理であり、また、宇宙の原理であるとする。
 行動主義心理学
 ジョン・B・ワトソンやB・F・スキナーなどによる、行動主義すなわち、意識ではなく、客観的対象としての行動の予測と制御にもとづく心理学。
 コーネル大学
 一八六五年創立。アメリカ・ニューヨーク州にある。
 ゴールド
 (一九二〇年―)オーストリア生まれの天文学者、物理学者。ホイル、ボンディらとともに定常宇宙論を定式化した。
 五陰世間・衆生世間・国土(器)世間
 「五陰世間」は、衆生・身心を形成する五陰(色・受・想・行・識)が、衆生によって異なることを示す。「衆生世間」は、五陰によって形成された衆生独自の生命に十界という差別があること。「国土世間」(「器世間」ともいう)は、十界の衆生の住処に差別があること。
 五火二道説
 ウパニシャッドの輪廻説。人が死後火葬に付されると、煙が月(1)に入り、雨(2)となって地上に降って、作物(3)となり、人に食されて精子(4)となり、母胎(5)に宿って生まれるという五段階を経るとする。これを「祖道」という。一方、〈神の道〉を知っている修行者は、死後はブラフマン(梵)の世界に入ってもとに帰らない。これを「神道」という。
 黒体スペクトル
 ある温度の物質とつりあいのとれた状態にある光の波長分布のこと。高温になるほど赤から青のほうの波長分布が強くなる。
 湖水地方
 イングランド北西部の地方。千メートルに近い山並みがつづき、丘や谷が入り組んだ風光明媚な自然を形成している。ウィンダミア湖、ウァストウォーター湖など大小の湖がある。
 古典物理学の決定論
 相対論的・量子論的物理学より前のニュートン物理学などを古典物理学といい、そこでは、物体を質点ととらえ、位置と運動量の初期条件と運動法則によって、質点の運動は決定されているという決定論がとられる。
 コペルニクス
 (一四七三年―一五四三年)ニコラウス。ポーランドの天文学者、聖職者。地動説の提唱者。当時の天文学を支配していた天動説であるプトレマイオスの天文学に疑問をいだいて、ギリシャの古文献を学んで太陽中心説を知り、観測と計算から自らの地動説を発展させていった。彼の地動説はキリスト教会側からの猛反発を受けたが、中世的宇宙観・世界観から近代的宇宙観・世界観へと人々を促し、近世につながる思想界にも多大の影響を及ぼした。主著『天球の回転について』。
 コペンハーゲン解釈
 実験の対象と実験装置(観測手段)の間には密接不可分な関係があり、相補性原理によって記述すべきだという、ボーアらの量子力学に対する確率論的解釈。現象的対象にのみ論議を限定し、現象の背後の実在については言及しない。デンマークのコペンハーゲンで形成された、ボーアを中心とする学派の考え方のゆえにこう呼ぶ。
 コルム
 (一九三二年―)パリ生まれ。経済学者、仏教学者。ハーバード大学教授、スタンフォード大学教授を歴任。著書に『多次元的人間』『幸福と自由』『深遠な仏教と近代化』等がある。
6  サーンキア哲学
 インドの六派哲学の一つ。漢訳で数論。純粋精神と根本原質(物質)の二元論を主張し、精神が物質から離れることを解脱とした。
 サティヤーグラハ
 「真理の把持」の意。真理とは存在であり、神を表す最も重要な名称。ガンジーは、「真理が神である」という真理の把持が目的であり、アヒンサー(非暴力)はその手段であるとした。
 三悪道・四悪趣
 「十界(論)」の項を参照。
 三千大千世界
 仏教の世界観、宇宙観。ありとあらゆる世界の意。『長阿含経』、『雑阿含経』、『倶舎論』等に説かれる。須弥山を中心に天空に太陽、月、惑星が回っている世界を一世界とし、それを千個集めたものが、一小千世界、小千世界が千個集まって中千世界、さらに、中千世界が千個集まって三千大千世界を構成する。
 サンフランシスコ講和条約
 対日講和条約。第二次世界大戦を終結させるために日本と連合国四十八カ国との間で、一九五一年九月に締結された講和条約。ソ連など三カ国は署名をせず、講和会議に中国は招請されなかった。また、インドなど参加を拒否した国もあった。
 シェークスピア
 (一五六四年―一六一六年)ウィリアム。イギリスの劇作家、詩人。一五九二年、二十八歳でロンドン劇界に登場。以後約二十年間に三十七編の戯曲、二編の長詩、百五十四編のソネット集などを書いた。人間性と社会への類いまれな洞察力と詩的精神、大衆性、娯楽性もそなえた劇作術で、普遍的な人生模様を舞台に描きだしている。『リチャード三世』『ハムレット』『リア王』など。
 シェリントン
 (一八五七年―一九五二年)イギリスの神経生理学者。神経機能に関する研究で、エイドリアンとともにノーベル生理学・医学賞を受賞。
 色心不二門
 色法と心法は、不二・一体であるということ。「色」とは身体、物質を指す。「心」とは精神、心の働き。妙楽大師の『法華玄義釈籖』で説く十不二門の一つ。
 時空連続体
 ニュートン物理学では、空間と時間がそれぞれ独立した存在、すなわち絶対空間、絶対時間と考えられていたのに対し、アインシュタインは相対性理論によって、空間と時間とが密接に結びつき、独立的存在ではないことを明かした。それを時空連続体という。時空連続体のもとでは、空間は三次元ではなく四次元空間として表される。
 四諦
 仏が悟った四つの真理。「諦」は真理という意味で、苦諦、集諦、滅諦、道諦の四つをいう。釈尊が初転法輪の鹿野苑において五比丘に説いたとされる。苦諦は、この世の迷いの生は苦であるという真理、集諦は、苦の因は煩悩であるという真理。滅諦は、煩悩を滅することが苦のない悟りの境地(涅槃)であるという真理。道諦は、煩悩を滅し苦を滅するためには八正道の正しい修行をしなければならないという真理。
 十界
 十種類の衆生の境界のこと。十法界ともいう。(一)地獄界。地は最低を意味し、獄は拘束された不自由を指す。苦悩・煩悶の境地のこと。(二)餓鬼界。とどまるところを知らぬ激しい欲望に身も心もとらわれている境地。財物・金銭などへの貪欲に支配されている状態をいう。(三)畜生界。本能的欲求のみにつき動かされている状態で、知恵・理性・意志などの働きはない。目先のことにとらわれたり、強者を恐れ弱者をあなどる境地をいう。以上の三界を三悪道(三悪趣・三途)と総称する。(四)(阿)修羅界。他人に勝ろうとする自己中心的な自我の境地。すぐに怒りを表す状態をいう。前の三界に修羅界を合わせた四界を四悪道・四悪趣と総称する。(五)人(間)界。平静に物事を判断する生命状態。(六)天(上)界。歓喜に満ちた生命状態。以上の六界を六道と総称し、あとの四界に対して六凡という。通常の人間の生活は、この六道を繰り返しており、これを六道輪廻という。(七)声聞界。仏の声教である四諦の理を聞いて煩悩を断尽して悟りを得ることを志向する境地をいう。(八)縁覚界。仏の〈縁起観〉によって修行し覚道するゆえに縁覚といい、また自然現象を縁として覚るゆえに縁覚という。(七)と(八)の二界を合わせて二乗という。(九)菩薩界。利他の実践によって、一切衆生を救済しようとする慈悲の境地であり、同時に自行に励み悟りを得ることをめざす状態をいう。(十)仏界。完全な円満自在の境地であり、万法に通達するとともに中道実相を体得した尊極無上の状態。(七)から(十)の四界を四聖と総称する。
 此土六瑞
 無量義経などを説き終わって釈尊が三昧に入ると、妙なる華の雨が降り、大地が六種に震動し、皆歓喜して合掌し、一心に釈尊を見つめる。そのとき釈尊の眉間から光が放たれ、東方万八千の世界が照らしだされる。このときの説法、入定、雨華、地動、衆喜、放光の六つの瑞相のこと。
 自灯明・法灯明
 自らと法のみをよりどころとせよ、ということ。
 自発呼吸の消失
 呼吸および呼吸調節の中枢は、下部脳幹(橋・延髄)にあることがわかっている。つまり、自発呼吸の消失は下部脳幹の機能が失われていることを示すものとされる。
 島宇宙
 銀河系外星雲のこと。大宇宙に存在する様子を大洋に浮かぶ島にたとえて、このようにいう。銀河。小宇宙。
 『島史』
 四世紀から五世紀初めに成立。アショーカと親族の話、スリランカへの仏教の伝播についてしるされている。
 娑婆世界
 苦悩が充満している人間世界のこと。
 寿命とは「出入の気息」
 天台大師の『摩訶止観』巻七上(大正四十六巻)に、『大集経』を引用して、寿命は出入息(自発呼吸)であるとしるしている。
 「寿量品」
 法華経如来寿量品第十六。釈尊が久遠の本仏であることを明かしている。法華経二十八品のうち最も重要な品とされる。
 シュレーディンガー
 (一八八七年―一九六一年)オーストリアの理論物理学者。ド・ブロイの物質波の考えに基づいて波動力学を建設した。宇宙論や生命論の分野にも考察の対象を向けた。ディラックとともにノーベル物理学賞を受賞。
7  常見
 有見ともいう。人間の自我は、三世にわたって実体として常住不変であるとする、偏った見解。「断見」に対する語。
 上座部
 「部派仏教」の項を参照。
 成住壊空
 一つの世界の成劫(生成期)、住劫(安定期)、壊劫(消滅期)、空劫(非存在期)の四劫のこと。長阿含経などに説かれる。
 序品
 妙法蓮華経序品第一のこと。釈尊が無量義処三昧に入ると、眉間から光を放って東方万八千の土を照らす眉間白毫相など、此土・他土の六瑞が現れる。それを縁に、弥勒菩薩が代表して問いを起こし、文殊師利菩薩が、久遠における日月燈明仏の説法化導のときの瑞相と同じであると答える場面が描かれている。
 深昏睡
 あらゆる刺激に対しても反応しない昏睡をいう。脳幹の機能だけでなく、大脳機能の停止にも関係があるとされる。
 心身医学
 精神身体医学ともいう。心と身体は一体であるという立場から病気を研究、治療する医学。症状を身体的な原因だけでなく、社会的、心理的な原因からみる。
 新プラトン学派
 三世紀中ごろから六世紀にいたる時期に盛んだったギリシャ最後の哲学学派。プロティノスによって始められ、プラトンの思想に新ピタゴラス学派、ストア学派、アリストテレス学派などを統合し、神秘主義的色合いをもっている。
 随証治療
 中国の古医書『傷寒論』に「証に随って治す」とある。証とは、視診、聴診、問診などで得た症状であり、症に応じて決められた漢方薬がほどこされる。
 水星の近日点移動
 惑星の楕円軌道上で、最も太陽に近い点を近日点という。水星の近日点が移動していくことは、観測で知られていたが、ニュートン力学の計算による値と観測値が合わず、なぜそうなるかは不明だった。それがアインシュタインの一般相対性理論にもとづく重力理論によって、百年に四十三秒ほど水星の近日点が従来の計算よりもずれることがわかり、実際と一致した。
 枢軸時代
 枢軸とはドイツ語のアクセ(車軸などの意)の訳。ヤスパースは『歴史の起源と目標』の中で、従来のキリスト教を基にした西洋偏重の歴史観ではなく、東洋も等しく視野に入れて、世界的に思想家が輩出し、人間の高度な精神活動の基本ができあがった時代としている。
 スカイラブ
 アメリカのスカイラボラトリー(宇宙実験室)の略。本格的宇宙ステーションの建設に向けたもの。長く宇宙に滞在する人体への影響を調べ、太陽・地球観測、各種科学実験を行うために一九七三年五月十四日に打ち上げられ、二十八日間のデーターを得た。第二次は同年七月二十八日に打ち上げられ滞在五十九日、第三次は、同年十一月十六日から八十四日間の宇宙滞在を行った。
 『スッタ・ニパータ』
 経の集成という意味。パーリ語で書かれ、原始経典の中で最も古いものであり、最初期の仏教が示されている。
 スティーブンソン
 (一九一八年―)モントリオール生まれ。一九六八年、超心理学研究室を設立。
 ストア学派
 キプロスのゼノンが創始。学問を論理学、自然学、倫理学に分け、倫理学を重視して厳格な禁欲を説き、理性に従う賢者を理想とした。
 ストーンヘンジ
 ロンドン南西部、ソールズベリ平原にある先史時代の巨石建造物群。紀元前二五〇〇年―二〇〇〇年ころ(年代について諸説がある)に数度に分けて建造されたといわれる。外側に土塁で直径約百十㍍の円をつくり、その内側に石柱列を構築している。その目的・用途などについては祭場など種々の説が発表されている。
 すばる
 古代人の玉飾が糸で統べられている形になぞらえたものといわれ、「統べる星」の意。西洋名プレアデス星団。
 スピッツァー二世
 (一九一四年―九七)アメリカの理論天体物理学者。H・N・ラッセルのもとで研究を開始し、一九四七年よりプリンストン大学教授。プリンストン核融合研究所をつくり、合衆国の核融合研究を創始し、ハッブル・宇宙望遠鏡のアイデアを考え、それを実現した。
 スペースコロニー
 月や小惑星の上に建設が考えられている、地球上と同じ環境条件をそなえた居住地。宇宙植民地。
 スペクトル
 分光器を通った光が波長順に分解され配列されたもの。各物質はそれぞれ個有のスペクトルを示す。
 スペンサー
 (一八二〇年―一九〇三年)イギリスの哲学者、社会学者。進化・発展の法則を社会現象から宇宙にいたるまで、統一的、総合的に適用し、現代社会学の先駆となる社会学を打ち立てた。
 スマート
 (一八八九年―一九七五年)イギリスの恒星天文学者、天体力学者。ケンブリッジ大学、グラスゴー大学教授を歴任した。
 スリーマイル島やチェルノブイリの事故
 いずれも原発の重大事故。一九七九年三月二十八日に発生した米ペンシルベニア州スリーマイル島の原発事故では炉心が損傷し、周辺八㌔㍍内の妊婦と幼児の避難という事態となった。一九八六年四月二十六日の旧ソ連キエフ近くのチェルノブイリ原発事故は、炉心が溶融し、大量の放射性物質がまき散らされた。現場で作業した消防士など三十一人が死亡、十三万人を超える周辺住民が避難。
 星間物質
 恒星と恒星の間にある希薄なガスや固体の微粒子(宇宙塵)。
 星間雲
 星間空間にはガスや直径〇・一ミクロン程度の塵があり、その濃い部分を星間雲という。
8  セイロン大学
 前身は一九二一年創立のロンドン大学付属のカレッジ。四二年にセイロン大学となり、七九年、コロンボ大学などに名称変更した。
 セーガン
 (一九三四年―九六年)アメリカの天文学者、著述家。地球外の知的生命の探査や惑星探査に尽力。ピュッツァー賞も受賞している。著書に『エデンの恐竜』『核の冬』『コスモス』など。
 世界詩人会議
 ユネスコ(国連教育科学文化組織)のNGO(非政府組織)の一つである「国際詩歌協会連合」が中心となって開かれている国際会議。毎回、世界から数百人の詩人が参加する。第十回会議は、インドのクリシュナ・スリニバス博士らが創立した世界芸術文化アカデミーの主催で一九八八年十一月タイ・バンコクで行われた。
 赤色巨星
 赤く明るい恒星。中心で核燃料である水素を燃やしつくし、周辺部で水素を燃やしている。中心部でエネルギー生成がないので圧力が足らなくなり物質は中心部にあつまる。その反動で外層部の半径が非常に大きくなり、表面の温度が下がって赤くなる。さそり座のアンタレスやオリオン座のベテルギウスなど。星の表面が不安定で変光を示す場合がある。
 世親
 ヴァスバンドゥの訳。四~五世紀ころ、北インドに生まれた。初め小乗教を学び、『倶舎論』三十巻など五百部の論本を著したが、後に大乗教に帰伏し、外道、小乗を破して五百の論本をつくり、宣揚した。そのために千部の論師といわれた。
 絶対温度
 熱力学的温度ともいう。絶対温度の零度は、熱運動が完全に消滅、すなわち原子、分子の運動が完全に停止した状態にあたる。一八四八年、イギリスの物理学者ケルビンによって導入され、Kで表す。摂氏温度が水の氷点を零度とすることによって決められているのに対し、個々の物質ではなく、熱力学的法則に基づいて定義されている。摂氏零度は二七三・一五K。
 遷移
 量子力学では、ある定常状態から他の定常状態に移ること。
 禅定
 心を一所に定めて瞑想し、真理を観察すること。
 禅定
 心を一処に定めて散乱させず、煩悩を断って真理を思惟する境地に入ること。
 選択育種
 人間にとって望ましい特性をもった動植物を育てること。
 先天性代謝異常
 遺伝的原因で酵素などの蛋白の先天性欠乏または欠損のために、酵素による分解合成がそこなわれて起こる代謝異常。フェニールケトン尿症、メープルシロップ尿症、ガラクトース血症などがある。
 僧伽(僧団)
 サンガの音写。略して僧。本来、僧伽は「衆」とも訳され、集団を意味し、和合衆ともいわれる。狭義に比丘僧伽、比丘尼僧伽等と、男女の出家者の団体をいうが、広義には在家も含んだ仏教教団を指す。
 相対性理論
 特殊相対性理論と一般相対性理論とからなる。特殊相対性理論は、すべての観測者に対して光速度一定であること(光速度不変の原理)と、たがいに一様に運動する観測者に対して、自然法則は等しい働き方をするということ、つまり、運動は相対的でどの観測者も特別、絶対の立場にないこと(相対性の原理)にもとづいて立てられた理論である。この特殊相対性理論は、質量とエネルギーが同等であることを示す。また、ニュートンが唱えた絶対的な空間という概念を否定し、絶対的な時間概念のかわりに、運動によって時間の進みが変わるという相対的な時間を導入する革命的な結果が得られた。
 アインシュタインはさらに、等速運動する系(慣性系)において組み立てられた特殊相対性理論を広げて一般化し、加速運動を取り扱う一般相対性理論を完成させた。一般相対性理論によると、時間と空間は一体化され、重力はその「時空」のゆがみによって記述されることになった。物質の存在するところでは「時空」がゆがみ、したがって、物質のそばを通る光は、ゆがめられた「時空」の場を通過することにより曲がる。
 相転移
 固体から液体、気体に変わるように、温度や圧力などの条件が変わることにより物質の相が変化すること。
 「總は一念に在り、別は色心を分つ」
 「總」とは総体的に見る立場。この立場では「一念」は生命の全体であるが、これを「別」すなわち分析的な立場から見れば、色(物質、肉体)と心(非物質、精神)とに分けられる。
 草木国土悉皆成仏
 草木や国土のような心を有していない存在にさえ、仏性があり、成仏しうるということ。「一切衆生悉有仏性」の思想が更に発展したもの。
 草木成仏
 草木のような心をもたない非情のものでも成仏するという考え方。「一切衆生悉有仏性」の思想が拡大されたもの。この草木成仏に国土を加えて「草木国土悉皆成仏」と同じ意味で用いられる場合も。中国の妙楽大師の『金剛●論』には「一草、一木、一礫、一塵、各一仏性、各一因果あり」(大正四十六巻)とあり、一本の木や草、一つの礫にも仏性が具わっているとする。
 ソクラテス
 前四七〇年―同三九九年。古代ギリシャの哲人。真の知にいたるために、対話によって相手に自己自身が無知であることを自覚させる方法をとった。アテナイ市民の反発をまねいたが、信念を貫いて、獄中で自ら毒を飲んで死んだ。
 素粒子
 最早、分割が不可能であると考えられている物質の最小要素。強い相互作用をしない電子やニュートリノなどのレプトン、強い相互作用をする陽子、中性子、中間子などのハドロン、光子など基本的な力を媒介するボソンの三種類ある。素粒子のほとんどはハドロンに属するが、今では、ハドロンはさらにクォークと呼ばれる基本粒子から説明されるようになっている。
 ソンディ
 (一八九三年―一九八六年)レオポルド。ハンガリー生まれ。運命分析学を提唱し、「家族的無意識」の概念を提示。
 ダーウィン
 (一八〇九年―八二年)イギリスの博物学者。測量船ビーグル号に乗って南半球の動植物や地質の観察・調査を行い、生物進化の着想を得て、自然選択説の理論を『種の起源』に発表した。思想界にも強く影響を及ぼした。
 ターミナルケア
 終末看護と訳される。「ターミナル」の語源は、「境界」を意味するラテン語。現世と未来世の境界に関するケア(看護)の意。回復が不可能と思われる患者の肉体的、精神的苦痛を取り除くための看護。
 大規模集積回路(LSI)
 トランジスター、コンデンサー、抵抗などからなる電子回路を数ミリ四方の中に集積して小型化したものを集積回路(IC)といい、集積回路を高密度にしたものを大規模集積回路という。更に進んだ超LSIも可能となっている。
 『大集経』
 大方等大集経。中国・北涼代の曇無讖等訳。六十巻。
 大乗
 小乗に対する語。大きな乗り物、すなわち、声聞、縁覚という自利的修行をもっぱらとする者のための教え(小乗)に対し、すべての人々を救っていく利他の菩薩のための教えを、多くの人々を運ぶ乗り物の意味に譬えて大乗という。
9  ダイソン
 (一九二三年―)フリーマン。アメリカの物理学者。
 『大智度論』
 全百巻。竜樹の著とされている。後秦の鳩摩羅什の訳。大品般若経の注釈書。
 『大智度論』
 竜樹の著と伝えられる、大品般若経の注釈書。法華経などの諸大乗経の思想を取り入れており、仏教思想を知るうえで重要。
 大脳新皮質、大脳辺縁系、脳幹
 大脳半球の表面を形成する部分を大脳皮質といい、皮質のなかでも最も新しく発達したものを新皮質という。人間の場合、高度な知的作用の場となっている。皮質のうち古皮質と最も古く発生した旧皮質の部分を大脳辺縁系といい、本能や情動にかかわる。脳幹は脳のうち大脳半球と小脳以外の部分。
 『大般涅槃経』
 釈尊の入滅前後のもようを記述した経典。最後の旅における出来事、入滅から荼毘、舎利八分(遺骨を八つに分散)などを伝えている。
 大品
 マハーヴァッガ。南方上座部の律蔵に含まれる。
 大マゼラン雲
 我々の銀河から十七万光年の距離にある最も近い銀河。マゼラン小星雲とともにマゼラン星雲を構成する。見かけ上は最も明るい銀河である。南天にあるため、日本からは見えない。なお、星雲は雲のように見える天体をいい、我々の銀河内の星間物質が光っている場合と外の恒星集団すなわち他の銀河をいう場合がある。
 他土六瑞
 白毫の光明で東方万八千の国土が照らされ、そこにも衆生や諸仏がおり、経法を聞き、修行し、得道する姿を見る。また、種々の菩薩がその道を行じ、諸仏の涅槃の姿や七宝の塔が立つのを見る。仏の化導の甚深であることを示したもの。見六趣、見六諸仏、聞諸仏説法、見四衆得道、見菩薩諸行、見仏涅槃の六瑞。
 但行礼拝
 法華経常不軽菩薩品第二十に説かれる不軽菩薩の修行。この菩薩は一切衆生に仏性があるとして、「我深く汝等を敬う」等と唱えて衆生をただ礼拝し、迫害されても礼拝行をやめなかった。
 断見
 人は死ねば心身ともに断絶するとし、生命は今世だけとする考え方。無見ともいう。「常見」に対する語。
 『チベットの死者の書』
 死の時から次の生を受けるまでの中有の模様が描かれ、死者が迷わずに解脱できるよう枕辺で読まれる。
 『チャラカ・サンヒター』
 『スシュルタ・サンヒター』
 インド医学の二大医学書。『チャラカ・サンヒター』は内科全集で二世紀ころの内科医チャラカの手になるものとされ、健康法や、医学に必要として、倫理学や哲学も記されている。その少し後、外科のスシュルタによるものとされるのが『スシュルタ・サンヒター』である。
 中国漢方医学
 中国で発達した医学は、既に殷代にその形を整え始めたといわれるほど古いが、鍼・灸・薬(湯液)・導引(按摩)などを統合しながら一四世紀後半にはその基礎が出来上がったとされている。長年にわたる臨床的な経験が重視されており、その経験を支える理論として、気血、陰陽五行説、虚実思想がある。なお、中国伝来の医学を我が国で使うときに漢方医学というが、中国医学そのものを指す場合もある。
 『中部経典』
 (マッジマ・ニカーヤ)
 パーリ語の「経蔵」の一つ。中ぐらいの長さの経典の集成。
 超新星
 恒星の進化の最後に起こる大爆発で急激に明るくなり、しだいに暗くなっていく星。金や鉛やウランなど、鉄よりも原子番号の大きな元素は超新星爆発時に形成される。
 超越体験・至高体験
 「自己実現」に導く可能性のある体験として、マズローの注目したのが「超越体験」「至高体験」である。実はだれでも、程度の差はあるが、経験しているという。愛情経験、恍惚、絶頂感、自己創造性、美的体験、洞察体験、また、神秘体験、宇宙意識までを包括的にとらえるための概念。
 『長部』
 南方に伝えられたパーリ語の仏教の「経蔵」は五部に分けられるが、そのうちの一部。比較的長い経を集成したもの。
 DNA
 デオキシリボ核酸。遺伝子の本体であり、四種の塩基と糖であるデオキシリボース、リン酸よりなる。遺伝情報は塩基の並び方によって決まる。アメリカの分子生物学者J・D・ワトソンとイギリスの分子生物学者F・H・クリックがDNAの二重螺旋構造を発見した。
 DNA診断
 遺伝性疾患をDNAの異常にもとづいて発見する診断。
 TTAPSグループ
 TTAPはR・P・ターコ、O・B・トゥーン、T・P・エッカーマン、J・B・ポラック、カール・セーガンの頭文字。
 低温度核融合
 核融合は超高温で起こることが常識だったが、一九八九年三月、アメリカ・ユタ大学のスタンレー・ポンズ教授と共同研究者のイギリス・サウサンプトン大学のマーチン・フライシュマン教授は、常温で核融合に成功したと発表した。重水とプラチナの陽極、パラジウムの陰極による電気分解を行ったところ、常温で核融合が起き、大量の熱の発生を観測したという。その後まもなく、アメリカ・ブリガムヤング大学のスチーブン・E・ジョーンズ教授も同核融合について独自の報告をし、世界的に多くの科学者が確認に取り組んだが、確実な結論は出ていない。
 定常宇宙論
 大局的にみれば、無限の時間の中で、宇宙の状態は変わらないとする宇宙論。宇宙の膨張によって密度が希薄になった分だけ、物質が新しく生み出されてくる、として宇宙が膨張しているという観測的事実と整合性をもたせた。
10  ディラック
 (一九〇二年―八四年)イギリスの理論物理学者。電子の反粒子(陽電子)の存在を理論的に予言するなど、量子電磁気学の発展に貢献した。ノーベル物理学賞を受賞。
 デカルト
 (一五九六年―一六五〇年)ルネ。フランスの哲学者、数学者。一切を方法的に疑って、唯一疑えない哲学的真理として「我思う。故に我あり」にいたり、思惟する「我」を根本原理とした。「近代哲学の父」と呼ばれる。解析幾何学を創始。
 デカルト流のパラダイム
 自然現象を機械論的に見ていく在り方。
 テクタイト
 黒曜石に似た数センチ以下の天然ガラス質の物質。表面が溶けており、隕石の衝突のさいに地上物質が溶けてできた物か、宇宙から落下した物質という説がある。
 テクノストレス
 コンピューターの普及により引き起こされるストレス症状。コンピューターに熱中してしまう症状と、コンピューターに恐怖を感じる症状に分かれるという。
 デモクリトス
 (前四六〇年ころ―三七〇年ころ)古代ギリシャの哲学者。師レウキッポスの原子論に学び完成させた唯物論者。万物の単位は不生・不滅・分割不可能な無数の原子(アトム)であって、〈空虚〉の中を運動している原子の集合、分離によって万物の生成・変化・消滅を説明した。原子論は、後のエピキュロス、さらには近代物理学の発展に大きな影響を与えた。
 『天界の一般自然史と理論』
 カントがニュートン物理学をもとに論じた宇宙論。一七五五年に発表。カント・ラプラスの星雲説、太陽系の各惑星の生命体などについて考察している。
 伝教大師
 (七六七年―八二二年)日本の天台宗の開祖。最澄のこと。比叡山にあって法華一乗の思想を宣揚し、諸宗を破折した。
 天台大師
 (五三八年―九七年)中国の陳・隋時代の僧。智のこと。天台宗の開祖(第三祖とも)。五時八教の教判を立て、『法華玄義』『法華文句』『摩訶止観』の天台の三大部を講述した。中国仏教形成の第一人者とされる。
 電磁放射
 真空中または物質中で電磁波が伝搬する現象。時間的に電荷や電流が変化すると、電場と磁場(電磁場)が相互に起こり、波(電磁波)となって伝わる。または電磁波そのものをいう。
 電波望遠鏡
 宇宙からの電波を受信し観測するアンテナ。
 転輪聖王
 武力を用いず、正法によって世界を統治するとされる理想の王。天から輪宝を感得し、これを転じて一切の障害を粉砕して世界を治めるので、この名がある。
 ド・ブロイ
 (一八九二年―一九八七年)フランスの理論物理学者。物質波の概念を提唱。物質の粒子性と波動性の二重性を明らかにすることで、波動力学の基礎を築いた。ノーベル物理学賞を受賞。
 トインビー
 (一八八九年―一九七五年)イギリスの歴史家。人類史を諸文明の挑戦と友広という法則性からとらえ、高等宗教に文明の未来をたくす。池田SGI会長と『二十一世紀への対話』(本全集第3巻に収録)と題する対談を行った。主著に『歴史の研究』
 独立国家共同体
 一九九一年十二月にソ連が崩壊した後に、バルト三国を除いて旧ソ連の十二の共和国が加盟して形成された共同体。
 兜率天
 天界にあって菩薩の最終の住処とされ、菩薩はここから人間界に生まれてきて成仏するという。
 戸田城聖第二代会長
 (一九〇〇年―五八年)創価学会第二代会長。石川県出身。牧口常三郎初代会長とともに一九三〇年、創価教育学会を創設。第二次世界大戦後、創価学会と名称を改め、五一年に会長に就任、今日の大発展の基盤を築いた。
 突然変異
 遺伝子に変化が生じ、その変化した状態が子孫に受けつがれていくこと。
 トフラー
 (一九二八年―)五七年以来、ジャーナリズムの世界で活躍。主な著書に『未来の衝撃』『第三の波』『大変動』等がある。
 朝永振一郎
 (一九〇六年―七九年)理論物理学者。超多時間理論、繰り込み理論を発表。ノーベル物理学賞を受賞。日本学術会議会長として基礎科学の研究環境の向上にも寄与。
 トランジスター
 ゲルマニウムなどの半導体を用いた、電気信号エネルギーを増幅する電子部品。それまでの三極真空管に取って代わった。発明者であるアメリカのベル研究所の三名はノーベル物理学賞を受賞。
 トランスパーソナル心理学
 超個心理学。個人を超えた深層心理の領域に着目した心理学。
 ドリドーシャ
 アーユルヴェーダ理論の中心をなす、ヴァーユ、ピッタで冷性、カパの三つである。ヴァーユは生きるすべての活力を支配するもの、ピッタは火・炎・暖かさなどの火に関するもので熱性、カパは水から派生するものを指し、重性。この身体内の三つのドーシャのバランスがとれていることが健康だとする。病気とは、三つのドーシャの一つ、または二つ以上が増大、あるいは減少し、不均衡状態となることである。
 トリトン
 海王星の最も大きな衛星。直径は約二千七百キロで、太陽系の衛星では七番目の大きさ。一八四六年に発見された。
 トリニティ・カレッジ
 一五四六年に創立された、ケンブリッジ大学最大のカレッジ。ニュートン、サッカレーらが輩出。一九七七年から女性にも門戸が開かれた。
11  ナーリカー
 (一九三八年―)六〇年代にホイルと共同研究をしたインドの天体物理学者、宇宙論者で、ラジブ・ガンジー首相の科学顧問を務めた。
 内惑星
 外惑星の注を参照。
 長井長義
 (一八四五年―一九二九年)薬学者。
 而二不二
 「二にして二ならず」ということ。現象面では二つの存在であるが、その基底においては一体であるということ。
 『日本霊異記』
 薬師寺の僧・景戒が撰述した仏教説話集(三巻)。西暦八二〇年代に成立したもので、説話百十六編の内容は五世紀後半から九世紀初めに及ぶ。
 ニューコメン
 (一六六三年―一七二九年)イギリスの技術者。一七一二年、バーミンガムに蒸気機関を利用した排水装置を設置した。
 ニュートン
 (一六四二年―一七二七年)アイザック。イギリスの物理学者、数学者、天文学者。光のスペクトル分析、万有引力、微積分の三大発見など、近代科学の建設に巨大な足跡を残した。一七〇三年、王立協会会長に選出されるなど要職を歴任。著書に『プリンキピア』『光学』など。
 入涅槃
 仏が涅槃に入ること。入滅、入寂と同意。
 人間原理
 物理的な宇宙の起源と構造、進化を知性をもった人間の存在に結びつける説。宇宙年齢や種々の物理的条件が今あるような値をとっているのは、人間を存在させるための必然的なものである、という。
 『仁王経』
 中国・後秦の鳩摩羅什と唐の不空の二訳がある。災難を免れるための方途を説いている。二巻。法華経、金光明経とともに護国三部経と称される。
 ネオ・ダーウィニズム
 新ダーウィニズム。ダーウィンの、生じた変異が遺伝するという説を否定し、進化をもっぱら自然選択によるものと考えるワイスマンの学説をいうが、ここでは現代遺伝学など生物学のあらゆる成果をもとに展開される進化の総合学説のこと。
 涅槃
 滅度、寂滅、不生、解脱等と訳す。語意は「吹き消す」こと。一切の煩悩や苦しみを永遠に断じつくした境地。
 脳循環測定
 脳循環とは、脳における血液の循環のこと。個々の細胞は血液循環により酸素・栄養の供給を受けており、血流停止はほどなく細胞死をもたらす。脳循環測定には、造影剤を用いたX線撮影、X線CT(コンピューター断層撮影)などの方法がある。
 ノートン
 (一九三〇年―九五年)デイビット。哲学教授。ベセル博士と共に英語版『創価教育学体系』の出版に協力。著書に『個人の運命―倫理的個人主義の哲学』等がある。
 パーキンソン病
 手足のふるえ、筋肉のこわばり、運動障害といった症状があり、中年以上に発症する。中脳の、神経伝達物をつくる細胞の病変等によって起こる。
 バービッジ
 (一九二五年―)夫人とともにイギリスの天体物理学者。アメリカで元素合成、クエーサー、銀河について研究。
 パール判事
 (一八八六年―一九六七年)ラダビノード。インド・ベンガル州生まれ。カルカッタ大学法学部教授、カルカッタ高等法院判事、カルカッタ大学総長を歴任。東京裁判において全員の無罪を主張。その後、国連司法委員会議長、世界連邦カルカッタ協会会長を務める。
 バイオフィードバック
 生体の生理活動は複雑で、情報として知覚し制御するのはむずかしいが、工学機器の使用によって知覚可能な情報にして、その情報を当の生体(患者)に示し、患者は示された情報をもとに、自己の生理過程を自己制御する手法。心身症などの治療に用いられる。
 バイキング
 火星の生命検出のため、アメリカが打ち上げた無人火星探査機1号、2号。1号は一九七六年七月、火星面に軟着陸して火星表面の状況を調査し、微生物や有機物が存在しているかどうか調べた。2号も同年九月に着陸、同様の実験を行った。
 ハイゼンベルク
 (一九〇一年―七六年)ウェルナー。ドイツの理論物理学者。マトリックス力学や不確定性原理を提示。量子力学の基礎を築いた。ノーベル物理学賞を受賞。
 パウエル英詩賞
 ケンブリッジ大学のトリニティ・カレッジが三年に一度、独創的な英語の詩に対して授与する賞。
 パウンド
 (一八八五年―一九七二年)アメリカの詩人。ヨーロッパに渡り、自由詩を主唱して、以後の現代詩人達に多大な影響を与えるイマジズムを起こした。語学的才能にも恵まれ、古代詩への深い造詣とともに、漢詩や日本の能を訳して紹介するなど、東洋への大きな関心ももった。
 白色矮星
 核燃料をすべて使い果たし、量子力学の原理に基づく圧力で重力を支えている、きわめて密度が大きく、したがって半径の小さな星。ノーベル物理学賞を受賞したチャンドラセカールによって、量子力学形成期に、その存在が予言された。
12  芭蕉
 (一六四四―一六九四年)松尾芭蕉。江戸前期の俳人。伊賀・上野に生まれ、江戸で活躍。俳諧を文芸に高めた。各地を旅して名句を残す。主な紀行、日記に『野ざらし紀行』『笈の小文』『奥の細道』『嵯峨日記』などがある。
 ハックスリー
 (一八二五年―九五年)イギリスの動物学者。ダーウィンの友人で、その進化論を支持し、普及に努めた。
 八正道
 涅槃にいたる八つの正しい道の意。八聖道。中阿含経の巻四十九によると①正見(正しい見解)②正志(正しい思惟)③正語(正しい言葉)④正業(正しい行い)⑤正命(正しい生活)⑥正方便(正しい修行)⑦正念(正しい想念)⑧正定(正しい精神統一)をいう。
 ハッブル
 (一八八九年―一九五三年)エドウィン。アメリカの天文学者。銀河系(太陽系を含む我々の銀河)外の星雲を研究し、それらが我々の銀河と同じような銀河であることを示した。銀河の距離、と遠ざかる速さの関係を調べて、遠方の銀河の後退速度が、銀河までの距離に比例するという〈ハッブルの法則〉を発見、宇宙膨張論を証拠立てた。
 バベッジ
 (一七九二年―一八七一年)計算機械の原理を研究し発見。機械を完成させることはできなかったが、現代のコンピューターにつながる功績と評価されている。
 パラクラマ・サムドラ
 「パラクラマの海」の意。
 パリッタ
 パーリ語で書かれた護呪のための経文。
 反物質
 反核子や陽電子からつくられている物質。電子と陽電子のような一個の物質粒子と一個の反物質粒子が衝突すると、物質、反物質とも消滅し、物質、反物質の質料に対応したエネルギーをもつ光の粒子になる。現在の宇宙には、平均して、十億個の光粒子に対して約一個の物質粒子があり、反物質粒子はない。
 PCB
 ポリ塩化ビフェニルのこと。一九六八年に発生したカネミ油症事件の原因となった有機塩素化合物。化学的に安定で絶縁油や熱媒体などとして用いられたが、体内に蓄積されると、〈黒ニキビ〉とよばれる特有の皮膚病にかかる。母体汚染は胎児に影響して、新生児油症を引き起こし、皮膚の色が黒くなり、カルシウム代謝障害のため歯や骨の成育も遅くなる。また、染色体異常も起こす。このため一九七二年、PCBをふくむ製品の製造は中止された。
 光ファイバー
 光を通信手段に利用するための、光を通すガラス繊維。光の衰えが少なく、遠くへの大量情報伝達が可能。
 ピタゴラス
 前六世紀ころのギリシャの哲学者、数学者、宗教家。当時盛んだったオルフェウス教の影響を受けた教団を創立。不滅であるが罪を負って輪廻する魂を救うために、戒律を守った調和のとれた禁欲的な生活を重視した。そのような生活は、調和的な宇宙観にも結びつき、全ては数より成り立ち、あらゆる事柄は数の関係にもとづく秩序をもっているという世界観が展開された。
 ビッグクランチ
 宇宙が収縮に向かい、一点になる最終結末。
 ビッグバン説
 宇宙は限りなく小さな状態から、超高温・超密度の火の玉の大爆発で始まり、膨張し続けているとする宇宙起源説。
 ヒトラー
 (一八八九年―一九四五年)ドイツの政治家。ナチス党首から首相、総統となって独裁権を得て、第二次世界大戦を引き起こした。
 氷冠
 氷帽。大規模な氷河の一種である氷床に対し、氷床や山頂部などをおおう比較的小規模な氷河をいう。
 ピリット儀礼
 スリランカで広く行われている仏教儀礼で、パリッタを朗誦することによって、よく災難・不幸を免れるという。
 ファウラー
 (一九一一年―)アメリカの天体物理学者。原子核反応の立場から星の進化の過程で起きる現象を研究し、チャンドラセカールとノーベル物理学賞を共同受賞した。
 ファンダメンタリズム
 原理主義。聖書を記述どおりに信ずる主義。もともと一九二〇年代以降にアメリカを中心にして広がった、進化論を認めない運動をいう。
 フィードバック
 結果となっている状態を、原因となった状態に反映させて、好ましい状況を生みだすこと。生体内についていう場合は、全体の恒常性、バランスを保つための自己調整の仕組みをいう。
 フィグトリー頁岩
 頁岩は、堆積岩の一種。泥が固まったもので、板状に薄くはがれる。南アフリカのフィグトリー頁岩から三十億年前の桿状バクテリア様物体が発見された。
 不確定性原理
 粒子の位置と運動量などのように、極微な世界では二つの物理量を同時に正確に決定することはできないという量子力学の原理。
 藤原定家
 (一一六二年―一二四一年)平安末期・鎌倉初期の歌人。『新古今和歌集』の撰者として活躍、新古今調の代表として知られる。『明月記』は、十九歳から死の直前までの漢文体の日記。
 仏音
 五世紀に活躍した古代インドに生まれた学匠ブッダゴーサのこと。マガダ国のバラモンの家に生まれたが、仏教に帰依しスリランカに渡る。三蔵(経蔵・律蔵・論蔵)の注釈家として知られた。
 仏教医学
 アーユルヴェーダ医学を摂取して成立した医学。耆婆は釈尊の弟子であり、アーユルヴェーダ医学を学んだ名医であった。とくに外科に優れていた。各種の仏典(とくに律蔵)に、診断法、治療法の具体例が記されている。
 物質波
 電子などの粒子のもつ波動の性質をいう。ド・ブロイによって導入された概念。電子線を結晶に当てたところ波に特有の回折、干渉の現象が見られ、電子(物質粒子)にも波動性があることが実証された。その後、原子や分子にも物質波があることが明らかになっている。
 ブッシュ報告書
 ルーズベルト合衆国大統領が一九九四年十一月十七日、科学研究研究開発局(OSRD)長官であり数学者であるヴァネヴァー・ブッシュにあてた手紙の質問に対し、ブッシュが一九四五年七月にトルーマン大統領に提出した報告書。質問は「大戦中に得られた科学知識の拡散をいかにして押し進めるか」「疫病に対していかに科学を推進するか」「公共ならびに個人分野でいかに科学研究を刺激するか」「優秀な科学的才能をいかに伸ばすか」の四つであった。この報告書にしたがって冷戦終了までの合衆国の科学政策が決定された。
13  仏身論
 仏身とは、ブッダ(覚者)の身体・在り方のこと。仏身についての種々の論及を仏身論という。初期仏教の二身論では、釈尊の八十歳で入滅する肉身を「生身」または「色身」と呼び、永遠なる法そのものを体現している在り方を「法身」と呼ぶ。やがて「生身」から「報身」「応身」の説が出て、大乗仏教の三身論となる。大乗仏教では『法身』とは真理(法性、真如)そのものをいう。「報身」とは、報われた身ということで、菩薩修行の結果として得られた仏身をいう。そのブッダが衆生を救うために、衆生に応じて慈悲の働きをする「応身」を現す。これを「化身」ともいう。
 仏陀観
 宇宙と生命の真理を悟った人を「仏」(ブッダ)と呼ぶならば、歴史上に釈尊が出現したように、仏は過去にも出現したはずであり、未来にも出現することが考えられる。こうして過去七仏、未来仏、三世十方の諸仏へと仏陀観が展開していった。
 部派仏教
 釈尊滅後一〇〇年ころ、仏教教団の中で見解の相違や戒律をめぐっての争いが生じ、保守的な上座部と進歩的改革派の大衆部に分裂。さらに滅後四〇〇年ころにかけて、約二十の部派が分立した。この時期の仏教を部派仏教という。
 ブラウン
 (一九一七年―)アメリカの薬理学者。
 プラズマ
 正と負に荷電した粒子が混在して自由に運動し、全体的には電気的に中性になっている状態。
 プラトン
 (前四二七年―三四七年)古代ギリシャの哲学者。ソクラテスに師事。アテネ郊外に学園(アカデメイア)を創設。感覚の対象である変転きわまりない現象界に絶対的な真理はなく、思惟によって知ることのできるイデア界こそ真理の世界であるとした。プラトンによれば、現象界の個々の物はイデアの影にすぎないという。このイデア論によって道徳、国家、宇宙の問題等を論じた。著書に『国究』『パイドン』『餐宴』など。
 ブラフマグプタ
 七世紀インドの天文学者、数学者。『ブラフマスプタ・シッダーンタ』を著し円に内接する四辺形の面積を求める公式を示すなど、インド数学史上に大きな足跡を残し、八世紀のイスラムの天文学と数学に影響を与えた。
 プランク
 (一八五八年―一九四七年)ドイツの理論物理学者。エネルギーが基本単位の整数倍で表わされること、すなわち、連続的ではなく不連続である、という仮説を提唱して量子論の道を開いた。ノーベル物理学賞を受賞。
 フリードマン
 (一八八八年―一九二五年)ロシアの数学者。アインシュタインの重力場方程式を解き、宇宙は常に膨張か、収縮か、変化することを明らかにした。その後〈ハッブルの法則〉が発見され、フリードマンの宇宙モデルは観測的な裏づけを得て、膨張宇宙論が主流となる道を開いた。
 ブルーノ
 (一五四八年―一六〇〇年)イタリアの哲学者。コペルニクスの宇宙論を研究して、当時の有限的な宇宙に対して無限的宇宙観を立てた。その宇宙は無数のアトム(原子)の集合離散によって成り立っており、宇宙のあらゆるところに内在しつつ支配しているのが神であるという汎神論を唱える。異端審問にかけられて焚刑に処せられた。
 プルミアン教授
 ケンブリッジ大学の首席天文学教授のポスト。フレッド・ホイルの前にはハロルド・ジェフリーズ、アーサー・エディントンらが務めた。
 ブレイク
 (一七五七年―一八二七年)イギリスの詩人、版画家、画家。人間精神の本性として存在する対立的な状態を幻想的に表現して、神話的宇宙の中での調和を目指し、イギリス・ロマン派の先駆となるとともに、現代芸術にも影響を及ぼしている。また、因習的なものからの解放と自由を情熱的にうたいあげ、強い共感を呼んだ。
 フロイト
 (一八五六年―一九三九年)ジークムント。オーストリアの精神病理学者。精神分析の創始者。意識上の事柄は、無意識の領域にかつて抑圧したものによって左右されるとし、その抑圧されたものを意識化することで神経症、精神病の治療を行う。性衝動に病因を求めるなど、新しい人間観は社会に衝撃を与えるとともに、現代の文明観、思想にも大きな影響を及ぼしている。
 プロテスタント主義
 プロテスタンティズム。ルター、ツウィングリ、カルヴァンなどによって遂行された十六世紀の宗教改革、及びその流れを支えた思想。カトリックを批判して、聖書を重視し、信仰のみによって救われることを強調。神との間に祭司の介在を否定した万人祭司説を主張した。
 分子遺伝学
 遺伝の仕組みを分子レベルで解明する生物学。
 分子生物学・生化学
 分子生物学は生命現象を分子レベルで研究する生物学。生化学は生命現象を化学反応の面から研究する学問。
 平坦脳波
 脳波が平坦化したもの。すなわち、脳波が振幅・周波数ともにゼロ(零)に近づいた状態をいう。
 ペインクリニック
 局所麻酔を使ったり鍼療法などを応用して神経の痛みを遮断する治療。
 ベーコン
 (一五六一年―一六二六年)イギリスの政治家、哲学者。経験と実験を基とする帰納法による自然の認識を提唱した。
 ベセル
 (一九二三年―)ディル。比較教育学の権威。牧口常三郎の「創価教育学」の研究にも造詣が深く、英語版『創価教育学会体系』の編集・英訳監修を行う。
 ペッチェイ
 (一九〇八年―八四年)イタリアの実業家。「人間性革命」を唱え、池田SGI会長とも親交があった。
 ベルクソン
 (一八五九年―一九四一年)フランスの哲学者。生の哲学を形成。意識に直接与えられているものは、過去から現在、未来へと相互に浸透し合いながら刻々と質的変化する純粋持続であるとして、従来の空間化された物理的な時間からの生命観を批判。生命の飛躍にもとづいて創造的進化をする生命の本質を直感的に認識することを強調した。ノーベル文学賞受賞。著書に『時間と自由』『物質と記憶』『創造的進化』など。
 ヘルツ
 (一八五七年―九四年)マクスウェルの方程式から、電磁波の存在と電磁波が光と同じ性質をもつことを実験的に証明。
 ベルナール
 (一八一三年―七八年)生理学上の数々の業績をあげるとともに、それまでの経験に頼ることをもっぱらとしていた医学に実験的方法を導入し、科学的医学の樹立に貢献。その死にあって、科学者として初めて国葬に遇せられた。著書『実験医学序説』は思想界にも多大な影響を及ぼした。
 ペンジアス
 (一九三三年―)アメリカの宇宙物理学者、電波天文学者。六一年にベル研究所に入り、六五年、同僚のロバート・ウィルソンとともに通信衛星エコーの電波受信用に開発された最新鋭のアンテナを使って銀河系の電波を調べるため、雑音の電波源を探るなかで、二・七Kの宇宙マイクロ波背景輻射を発見した。七八年にノーベル物理学賞を共同受賞。
 ペンフィールド
 (一八九一年―一九七六年)カナダの脳外科医。モントリオール神経学研究所を設立。
 遍歴修行者(パリバージャカ)
 バラモン教に反対し、世俗の生活を捨てて乞食托鉢を行いながら、諸国を遍歴して道を求めようとした修行者のこと。
14  ホイーラー
 (一九一一年―)アメリカの物理学者。
 ボイジャー1、2号
 アメリカの無人惑星探査機。一九七七年八月二十日に2号、同年九月五日に1号が打ち上げられた。1号は、八〇年十一月に土星に接近したあと太陽系を去り、2号は、八九年八月二十五日に海王星に最接近し、外宇宙へ向かった。
 ホイル
 (一九一五年―)イギリスの天文学者。ウェールズ大学名誉教授。ケンブリッジ大学の天文学教授、理論天文学研究所所長を務める。四八年、ボンディ、ゴールドと、定常宇宙論を発表した。恒星内部の核反応などを研究。ユニークな科学啓発書の著述にも力を注いでいる。
 ボーア
 (一八八五年―一九六二年)デンマークの理論物理学者。原子構造の解明に量子論を適用し〈ボーア原子模型〉を提示。排他的である波動性と粒子性が相補うという、相補性原理を骨格とした量子力学のコペンハーゲン解釈の創始に中心的役割を果たすなど、現代物理学の基礎を築いた。ノーベル物理学賞を受賞。
 ホーソーン
 (一八〇四年―六四年)複雑な内面的世界をロマン主義的色彩で、象徴的などの手法を駆使して描いた。作品に『緋文字』など。
 ボーム
 (一九一七年―一九九二年)デーヴィッド。アメリカ・ペンシルベニア州生まれ。量子力学の世界的権威であり、ロンドン大学にあって、その「ホロムーブメント理論」などでニューサイエンス運動に大きな影響を及ぼす。著書に『全体性と内蔵秩序』など。
 北伝仏教
 インド北西部からチベット、中国、朝鮮、日本などに伝わっていった仏教の総称。これに対して、スリランカからミャンマー(ビルマ)、タイ、ラオスなどの東南アジアに広まった仏教を南伝仏教という。
 法華経
 紀元五〇年から一五〇年ころにかけて成立したとされる。現存する漢訳本は三種あるが、鳩摩羅什訳の『妙法蓮華経』が最も広く用いられてきており、通常、法華経といえば『妙法蓮華経』を指す。十九世紀以降、ネパール、チベット、中央アジア、カシミールなどで梵本の写本が発見されている。
 ポスト冷戦の時代
 第二次大戦後、アメリカを核とする資本主義陣営と旧ソ連を核とする社会主義陣営は、武力行使の可能性をたがいにもって対立した。これを冷戦時代というが、ソ連が一九九一年に崩壊してその対立は終結。「それ以後(ポスト)」という意味でポスト冷戦の時代という。
 『法句経』
 パーリ語仏典『ダンマパダ』(「真理の言葉」の意)の漢訳。四二三の詩から成る。
 ポッパー
 (一九〇二年―)ウィーン生まれのイギリスの哲学者。科学理論が意味のあるものであるかどうかは、仮説にもとづいて理論を立て、その理論が厳密なテストによって反証できる可能性をもっているかどうかによっているとする科学方法論を提唱した。
 ホメオスタシス
 生物の体内では、外の環境条件などの変化に対して、体温や血流の状態などを一定に保つ状態、機能がみられるが、それらを指していう。
 ポロンナルワ
 スリランカ第二の古都。十世紀から十二世紀にかけて、全盛期のシンハラ王朝の都が置かれた。仏教遺跡が多い。
 『本草』
 『神農本草経』。後漢に至るまでの種々の薬物に関する資料が編集されたもの。中国伝記上の帝王である神農にちなんで名付けられた(神農は百草を嘗めて薬の効果を確かめたという)。中国本草学の基礎となる。原本は残っていないが五〇〇年ころ、陶弘景が校定、注釈した『神農本草経集注』によって内容はうかがえる。
 ボンディ
 (一九一九年―)オーストリア生まれの数学者、天文学者。ホイル、ゴールドとともに定常宇宙論を展開した。
 梵天
 大梵天王のこと。仏教守護の神で、娑婆世界の主とされる。バラモン教では、梵(ブラフマン)の神格化されたものをいい、宇宙の造物主として崇拝された。
 本有
 本来ありのままに存在するもの。もともと具わっていること。
 『梵網経』
 上下二巻。中国・後秦時代の鳩摩羅什訳。大乗戒を説く経として中国、日本を通じて重要視された。
15  麻黄
 マオウ科の裸子植物で、中国北部の原産。漢方で、茎を煎じてせき止め、解熱などに用いる。
 磨崖法勅
 アショーカ王が仏法の教えにもとづいて、岩壁に刻ませた施政の理念、方針。
 マガダ国
 中インドの古代王国の名。シャイシュナーガ王朝の国、あるいはその後のマガダ地方に起こったマウリヤ朝、グプタ朝等の総称。王舎城など多くの仏教遺跡がある。
 牧口常三郎初代会長
 (一八七一年―一九四四年)創価教育学会を創設し初代会長を務める。新潟県出身。教育者。『人生地理学』『創価教育学体系』などを著す。日蓮大聖人の精神を守って国家権力の弾圧をうけ、第二次世界大戦中に獄死した。
 マクスウェル
 (一八三一年―七九年)ジェームズ。イギリスの物理学者。「マクスウェルの方程式」を導き、電磁気の理論の基礎を確立。光も電磁波であるとした。
 マクスウェルの方程式
 イギリスの物理学者マクスウェルが立てた、電磁場の運動を記述する方程式。電荷の位置と運動および境界での電磁場の値を与えれば、この方程式から電磁場が決定される。
 マズロー
 (一九〇八年―七〇年)エーブラハム。アメリカの心理学者。精神分析と行動主義心理学の欠点を批判した人間尊重の第三の心理学、人間性心理学を唱え、第四の心理学、トランスパーソナル心理学の先駆をなした。著書に『人間性の心理学』『可能性の心理学』など。
 末那識
 唯識説八識のうちの第七識。思量識ともいう。根源的な心である阿頼耶識を対象として、それを自我であると考えて執着する心のこと。
 『マハーヴァンサ』
 「大史」「大王統史」などと訳される。五世紀、スリランカのダーツセーナ王の時代に書かれた。仏教を中心にした歴史で、アショーカ王の事跡、スリランカへの仏教伝来などを伝えている。
 ミクロン
 長さの単位。一㍉の千分の一。
 水俣病
 有機水銀中毒によって起こる神経疾患。手足のしびれ、麻痺、言語障害、けいれんなど激しい症状を示し、重症になると死亡する。一九五三年ころから、工場廃液に含まれた有機水銀で汚染された魚介類を食して、熊本県水俣湾の周辺に集団的に発生。六四年ごろには、新潟県阿賀野川流域でも同じ病気が発生(第二水俣病)。
 妙楽大師
 (七一一年―八二年)中国・唐代の天台宗中興の祖。湛念のこと。天台の法華三大部の注釈書を著した。
 『ミリンダ王問経(ミリンダ・パンハ)』
 ミリンダ王(メナンドロス)が、仏教の長老であるナーガセーナと行った対論がパーリ語で伝えられ、『ミリンダ王問経』となった。漢訳本として『那先比丘経』がある。東西の思想交流を示す重要な書。
 ミルトン
 (一六〇八年―七四年)ジョン。イギリスの詩人。シェークスピアに次ぐ作家と評価されている。ピューリタン革命側に立って政治的活動にも激しい情熱を燃やした。作品に、過労による失明のなか口述した『失楽園』など。
 弥勒菩薩
 未来に釈尊の仏法を継ぐとされる菩薩。南インドのバラモンの子で、釈尊に先立って入滅し、天界の兜率天にいるという。人寿八万歳、釈尊滅後五十六億七千万年のときに下生(仏が天上からこの世にくだり衆生を救済すること)し、釈尊の説法にもれた衆生を救済するとされる。
 ムーディー
 レイモンド。哲学者、医学者。著書に『かいまみた死後の世界』。
 無我
 すべての存在は永遠不変の実体ではなく、執着すべきものではないということ。真の在り方は有や無の考え方ではとらえられるものではない、とする。ところが部派仏教では、文字どおり「我が無い」と実体論的にとらえてしまい、煩悩の断絶から人格の消失への方向をたどった。
 無記
 ①問いに対して肯定も否定もせず、黙して答えないこと。②ものの性質を善、悪(不善)、無記(善でも悪でもないもの)に分けたうちの一つ。ここでの無記は①、●●㌻は②の意。
 無表業・無表色
 「無表業」とは「表業」に対する言葉。身・口・意の三業のうち身業と口業について、行為によって生じた果報をもたらす力が、目に見えない形で存続するものをいう。説一切有部では、表業を「色」(物質的存在)とみるのと同じく、無表業も「色」とみなして「無表色」と呼んだ。『倶舎論』によれば、無表業・無表色は苦・楽の果報を招くまで続くという。
 無没
 死によって滅しないこと。
 無明
 成仏を妨げる一切の煩悩の根本。「法性」に対する語。
 メガステネス
 生没年不詳。古代インドを訪問したギリシャ人で、紀元前四世紀のインドにおける見聞をまとめた『インド誌』を著した。
 メンデル
 (一八二二年―八四年)ヨーハン。オーストリアの植物学者。えんどう豆の交配実験を行い、遺伝の法則(メンデルの法則)を発見した。また遺伝をになう因子(遺伝子)を証明し、現代遺伝学の基礎を築いた。
 メソポタミア文明
 メソポタミアはチグリス、ユーフラテス河にはさまれた地域名。紀元前五千年ころから農耕民が定住し、シュメール文明に次いで、バビロニア、アッシリア文明、いわゆるメソポタミア文明が誕生した。
 モーツァルト
 (一七五六年―九一年)ウィーン古典派の巨匠。数々の交響曲、協奏曲、室内楽、歌劇『フィガロの結婚』『ドン=ジョヴァンニ』『魔笛』などを作曲。
 黙示録的な武器
 『黙示録』は新約聖書の巻末にある『ヨハネ黙示録』。神の国の到来と、おごる地上の王国の滅亡が預言されており、火に焼き尽くされる描写もある。黙示録的な兵器とは、広域にわたって地上のすべてのものを焼き滅ぼす核兵器を『黙示録』になぞらえたもの。
 モノー
 (一九一〇年―七六年)パスツール研究所所長などを努める。ノーベル生理・医学賞受賞。
 モヘンジョダロの遺跡
 前二三〇〇年~前一八〇〇年ころに栄えたインダス文明の都市遺跡。
16  ヤーノシュ
 (一八〇二年―六〇年)ハンガリーの数学者。平行線問題に取り組み、ロバチェフスキーと同時期、独立に非ユークリッド幾何学を樹立した。
 ヤスパース
 (一八八三年―一九六九年)ドイツの哲学者。初めは精神病理学者だったが、人間の実存的な解明へと哲学的思索をすすめ、自己を包む絶対的なものへのかかわりを説く。仏教にも強い関心をもった。著書に『世界観の心理学』『哲学』『仏陀と竜樹』など。
 唯識論
 三~四世紀のインドに起こった大乗思想で、あらゆる現象、存在は識によるもの、すなわち心の外に独立して実在するものではなく、心が自らの働きを、あたかも外界に実在しているように見なしているにすぎないとする。従来の六識のほかに、末那識、阿頼耶識の深層心理を加え考察した。
 唯物論的還元論
 生命現象や心理現象も、物質的原理で説明できるとする考え方。
 優生学
 人類の遺伝的素質を改善、向上させるための研究。断種や結婚制限などによって“悪質”な素質を減少させようとする。
 ユーリー
 (一八九三年―一九八一年)ハロルド。アメリカの化学物理学者。水素の同位体(重水素)の発見など多くの元素の同位体分離に成功した。ノーベル化学賞を受賞。
 ユークリッド幾何学
 紀元前三〇〇年ころのギリシャの数学者ユークリッドが打ち立てた幾何学。厳密な論理的推論にもとづく証明の重要性を指摘した。
 湯川秀樹
 (一九〇七年―八一年)理論物理学者。一九三四年、極めて強い力である核力を説明するために、中間子の存在を予言した中間子理論を発表した。四七年、宇宙線中に中間子が発見され、翌年には人工的につくられて理論の正しさが証明された。四九年のノーベル物理学賞を受賞し、日本初のノーベル賞受賞者となった。
 ユリウス暦
 ローマのジュリアス・シーザーによって紀元四六年に制定された太陽暦。現行の太陽暦は一五八二年、ローマ教皇グレゴリウス十三世によって改正、制定されたグレゴリオ暦による。
 ユング
 (一八七五年―一九六一年)ユング。スイスの精神医学者。初め、フロイトの精神分析に接近したが、後に、無意識に関する独自の研究を深め、分析心理学を確立。「集合的無意識」の概念を提唱。
 欲求の階層
 マズローによれば、人間には生得的・本能的な基本的欲求があり、五つの水準として階層的に存在しているという。そして、低次の欲求が満たされると、順次に高次の欲求が現れる。(一)生理的欲求、(二)安全の欲求、(三)所属と愛の欲求(所属する集団や家族内での確かな位置や、愛情に満ちた関係を求めること)、(四)承認の欲求(他者から認められ、自分に自信をもつことへの欲求)、(五)自己実現の欲求(自分の可能性を最大限に実現したいという欲求)。
 ライル
 (一九一八年―八四年)イギリスの電波天文学者。電波望遠鏡の開発、使用で活躍し、ノーベル物理学賞受賞。
 ラザフォード
 (一八七一年―一九三七年)エルンスト。イギリスの物理学者、化学者。放射線の研究、原子核の人工破壊、原子模型の提唱などで知られる。ノーベル化学賞を受賞。
 ラッセル
 (一八七二年―一九七〇年)イギリスの数学者、哲学者、評論家。平和運動家として第一次世界大戦に反対。第二次大戦後は反核の行動を起こした。ノーベル文学賞を受賞。
 「ラッセル・アインシュタイン宣言」
 一九五五年七月、核兵器廃絶と戦争廃止を科学者に訴え公表された宣言。この宣言は、ラッセルからアインシュタインへの呼びかけで始まり、ラッセルの起草した宣言書に、アインシュタインはただちに賛意を示した。宣言の前文には、核兵器の使用は人類全体の死をもたらし、人類を滅ぼすか戦争を放棄するかの選択しか残されていない、等としるされている。この宣言に応えて、一九五七年を第一回とする「パグウォッシュ会議」が開かれることになった。
 ラブロック
 (一九一九年―)著書『ガイア』で、地球は一個の生命体と見なすことができ、個々の生命が存続しうるような固有のシステム機能をもっていることを主張、自然破壊が進み、エコロジー運動が盛んになるなかで世界的な話題を呼んだ。「ガイア」とはギリシャ神話の大地の神の名。
 ラマヌジャン
 (一八八七年―一九二〇年)
 リーマン
 (一八二六年―六六年)ドイツの数学者。非ユークリッド幾何学を含めて幾何学の新しい研究場面を開いた。また、物理学でも考察を進めたが、アインシュタインの一般相対性理論は、リーマンの幾何学によっている。
 律蔵
 仏教聖典を三つに分類した三蔵(経蔵、律蔵、論蔵)の一つ。律蔵は戒律に関する規定や説明。
 リビング・ウィル
 生前に、尊厳死を望み延命医療を拒否する意思をあらかじめ表明しておくこと。
 リプル
 一九八九年、NASAが打ち上げた宇宙背景輻射探査衛星COBE(コービー)により、宇宙マイクロ波背景輻射は、場所によってその温度にわずかなむらがあることが発見された。そのゆらぎをリプルと称している。
 量子効果
 日常の世界では起こりそうではないが、極微の量子論的世界で生じる現象。たとえば、物質の波動性や、古典物理学的にはエネルギー的に通り抜けられないはずの障壁を通り抜けてしまう〈トンネル効果〉などがある。
 量子力学
 二十世紀に入り、分子、原子、素粒子などの極微の世界を追究するようになって登場した力学。量子力学ではエネルギーを不連続で、ある単位の整数倍の量とするが、その単位となるものを量子という。
 霊長目
 ヒト科をはじめショウジョウ科(ゴリラ、チンパンジー、オランウータン)などの霊長類。「目」は「科」の上位の生物分類の段階。
 レヴィ
 (一八六三年―一九三五年)フランスの東洋学者、インド学者、仏教学者。
17  ローマ・クラブ
 地球環境の有限性や人類の生存の問題を研究し、提言するために世界の知識人によって構成された団体。一九六八年に初会合。
 ローマ帝国
 西洋古代の最大の帝国。紀元前七世紀ころに建てられた都市国家によって始まり、同二七年オクタウィアヌスが帝政をしく。三九五年、東西の帝国に分裂。ローマを都とする西ローマ帝国はゲルマン人の侵入で四七六年に滅び、コンスタンチノープルが都の東ローマ帝国は一四五三年にオスマン帝国によって滅ぼされた。
 六識・六根・六境
 眼・耳・鼻・舌・身・意の六根(感覚器官)が、色・声・香・味・触・法の六境に縁して、見・聞・嗅・味・触・知の六種の了別作用(六識)をする。
 〔六識〕〔六根〕〔六境〕
18  意識―意根―法境
 眼識―眼根―色境
 耳識―耳根―声境
 鼻識―鼻根―香境
 舌識―舌根―味境
 身識―身根―触境
 ロバチェフスキー
 (一七九二年―一八五六年)ロシアの数学者。平行線論の研究を深め、非ユークリッド幾何学を創始した一人となった。
 ワーズワース
 (一七七〇年―一八五〇年)ウィリアム。イギリスのロマン派最大の詩人。少年時代に親しんだ湖水地方の美しい自然の力は、その才能を豊かに開花させる土壌となった。外界としての自然と自己の内面との交流を汎神論的にうたった。一八四三年、桂冠詩人に。
 ワインバーグ
 (一九三三年―)アメリカの理論物理学者。研究分野は広く、素粒子から宇宙の理論にまで及ぶ。物質間に働く〈弱い力〉の相互作用と電磁的な力の相互作用を統一する理論を示した。ノーベル物理学賞を受賞。

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