Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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四 人間のための宗教  

「宇宙と人間のロマンを語る」チャンドラー・ウィックラマシンゲ(池田大作全集第103…

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2  在家が弘教の主役
 博士 ただいまベセル博士の言葉を引かれましたが、私も博士と同じように考えています。
 私が仏教に魅力を感じるのは、仏教が独断的な宗教ではないからです。極言すれば、主だった宗教のなかで、自己信頼と自己認識を最重要視しているのは仏教だけである、といってよいでしょう。なかんずく自己認識というのは、自ら努力をしないかぎり得られるものではありません。その意味で、仏教は現代科学の精神と十分に両立しうると思います。
 釈尊と日蓮大聖人は、そうした自己認識によって悟りを得た典型的な例であると、私は考えています。この二人の教えは、幾世紀にもわたって日本人を含む多数のアジア人を導く光明となり、生気を与えてきました。
 私が重要だと思うのは、仏教でいう悟りとは、過去幾世紀かの間に時に応じて出現した仏に限定されるものではない、ということです。仏道修行に努力することによって、すべての人々が成仏することができるのです。この点は、仏教の優れた特徴というべきでしょう。
 仏教の説く道は必然的な結果として、知恵、心の平和、慈悲、善意、地球上の平和等をもたらすのです。
 先生も私も幸いにして、若いころからそうした仏教の概念にじかにふれてきました。ですから、それを自明の真理として受け入れています。しかし、西欧世界では大半の人々が、私たちのような幸運に恵まれていないのです。
 仏教理念の実践がもたらす社会的利益は膨大なものでしょう。ですから、それらの理念を世界中に広めることを最優先しなければなりません。先生は、そうした活動を行うためには組織が必要であると言われましたが、まったくそのとおりです。
 古代の世界では、僧伽(僧団)がまさにその役割を果たしていたわけですが、現代においては、そうした集団が適切でないことはいうまでもありません。しかし、SGIなら、布教に果たした僧伽の伝統的な役割を担うことができるでしょう。在家団体ですから、自由に国や文化の境界線を超えて世界の人々に、できるだけ広く仏教の教えを伝えることができるわけです。
 池田 恐縮です。今の博士のご発言は、私どもの未来にとってたいへん重要な意味を含んでいると思います。

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