Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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二「賢者の論」による対話(2)  

「宇宙と人間のロマンを語る」チャンドラー・ウィックラマシンゲ(池田大作全集第103…

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3  教育による英知の光源
 次に、私は長期的視野から見て、教育の役割を重視したいと思います。教育学者の米国デラウェア大学のD・L・ノートン教授、同じくインタナショナル大学のD・M・ベセル教授と懇談した(=一九九〇年八月十五日)折に意見の一致をみたのが、博士も指摘された宗教のもつ危険な傾向です。
 私はそのとき、次のような意見を述べました。「教育が開く英知の世界がなければ、宗教・信仰は盲信になっていく危険性があり、逆に教育による英知の光源をもてば、宗教による精神性はさらに光を放つでしょう」。この意見に対して、両教授とも賛意を示され、ベセル教授は、教育と宗教の両方があってこそ、人間は「永遠なるビジョンの〈目〉をもつことができる」との見解を示されていました。
 ここにいう教育とは、人間としての知的・精神的営為全般を指しています。宗教は、人間の精神的営為と相補的関係にあり、また、人類の精神的果実を育てゆく土壌でもあります。このような教育のあり方もまた、「賢者の論」の精神にもとづいていることはいうまでもありません。そうであってこそ、民衆の間に宗教の不寛容性や反人間的ドグマを批判する精神を育み、非暴力、慈悲、寛容に立脚した〈民意の時代〉の到来をもたらすであろうと確信しています。

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