Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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各部合同協議 若々しく戦う魂を燃やせ

2006.3.24 スピーチ(2006.1〜)(池田大作全集第100巻)

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1  功徳はすべて皆さんと一家一族に
 創立八十周年を目指して、皆さんが元気に戦ってくださっているおかげで、学会は隆々と発展している。本当にありがとう!
 忙しい毎日だと思う。皆さんのご苦労は、すべて分かっている。どうか、賢明な生活を心がけ、健康に留意していっていただきたい。
 また、ご家族が病気の方もおられるにちがいない。私は妻とともに、そうした方々の平癒と、ご一家の幸福を、日夜、真剣に祈っている。
 私は今、日本だけでなく、世界全体を視野に入れながら、「平和の城」「文化の城」「教育の城」を、がっちりとつくっている。毎日がフル回転である。ともに広布に戦う功徳はすべて、皆さんと、皆さんの一家一族に行き渡っていくことを確信していただきたい。
2  聖教発展の原動力は配達員
 「聖教新聞」の創刊五十五周年を記念する祝賀会が全国各地で行われ、いずれも大成功で終えることができた。関係者の皆さまに、心から、「ありがとう。ご苦労さまでした」と申し上げたい。
 (=東京、札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇の各都市で開催され、各界の来賓八千人が出席した)
 昨日は、その掉尾を飾って沖縄の那覇で盛大に開催された。
 その席上、「聖教新聞」を愛読し、励みとしてくださっているという来賓が、体験談等の記事に勇気づけられていると語るとともに、″「聖教新聞」の発展の最大の要因の一つは、配達員の皆さまのご努力とご苦労だと思います″と言われていたそうである。
 温かなど理解に、深く感謝申し上げたい。
3  青年ならば力を出しきれ
 きょうもまた、戸田先生のご指導を紹介したい。先生のお言葉は、分かりやすい表現のなかに、じつに深い真理が込められている。そうした言々句々を、私はすべて遺言と思って受け止め、生命深く刻み込んだ。
 戸田先生は、ある青年に、こう言われたことがある。
 「若い時代は、自分の力を出しきって働いていくのだ。それが青年の生き方だ。何でも大いに苦労し、自分で地盤を築いていくのだ」
 苦労を避けてはいけない。要領よくやって、楽をした人間は、必ず敗北していく。
 青年ならば、あらゆる課題に真正面からぶつかり、自分の力をぎりぎりまで出しきって戦うことだ。手ぬきなどせず、苦労を重ねることだ。そうでなければ、本物の力はつかない。
 先生はよく、「幹部は先頭に立て」と言われていた。臆病な人間、ずるい人間であっては、「先頭に立つ」ことはできない。皆の先頭に立ってこそ、人々の模範となり、安心してもらえる存在となれる。
 また先生は、新任の幹部に対して、「学会をよくするためには、どんなことでも勇気をもって言いきっていきなさい」と指導され、上の人間に対しては、「そうした意見をよく聞いてあげなさい」と言われていた。
 皆が何でも言い合えるような雰囲気の組織は、必ず発展する。
4  未来は女子部の成長で決まる
 女子部の皆さん、いつもご苦労さま!
 創価女子会館のオープンも、もうすぐである。おめでとう!
 女子部を大切にしたい。女子部の皆さんが、伸び伸びと、楽しく活動でき、幸福への道を歩んでいけるよう、応援し、祈り、ともに進んでいきたい。
 女性を尊重し、尊敬する。それができない人間は、リーダー失格である。学会の世界、仏法の世界は、最も女性を大事にする世界でなくてはならない。
 戸田先生は、女子部の人材グループ「華陽会」の会合で「女性自身が大いに伸びて、晴ればれと、高度な文化を打ち立てよ!」と呼びかけられた。
 未来は、女子部の拡大と、女子部の皆さん一人一人の成長で決まる。創価女子会館の誕生は、女子部が大発展しゆく象徴である。「女子部、万歳!」と申し上げたい。
5  はせ参じるのが本物の弟子
 戸田先生の、青年に対する訓練は厳しかった。それらはすべて、皆を一流の指導者に育てあげようとの厳愛であった。
 あるとき、「戦いに参加できないということは、最も悪い。はってでも来ようという精神がなければ、弟子の道ではない」と言われたこともある。
 何があろうと、いざというときに、はせ参じてとられないのは、本物の弟子ではないと教えてくださったのだ。″広布の会合には、何としても行くのだ!″という精神が薄れ、要領や弁解が始まると、そこから弱くなっていく。
 崩れてしまうか、さらに伸びていくか、ことに境目がある。だから私は、こうやって戸田先生のご指導を打ち込んでいる。
 私は、いついかなるときであっても、ただちに先生のもとに参上した。
 先生は、夜遅くまで思索を重ね、新しい着想や課題が生じたときには、深夜であっても私を呼ばれた。
 そして二人で、学会の勝利と前進のために、綿密な打ち合わせをした。懐かしい思い出である。
 御聖訓にいわく。「謀を帷帳の中に回らし勝つことを千里の外に決せし者なり」――幕を張った中で作戦を練り、戦場から千里離れたその場で勝利を決したのである――。
 この戦いの要諦を、身をもって私に教え、訓練してくださったのである。
6  「あなたには御本尊がある!」
 戸田先生は、経済苦で悩んでいた人に対し、「日蓮大聖人は、すべての難を乗りきられた。これが実証です。あなたには御本尊がある。真剣に祈り、折伏をやりきることです」と言って、励まされた。
 自分には無理だとあきらめたり、祈りがかなわないなどと嘆く前に、本当に真剣に祈っているか、自行化他の実践をしているか、自分自身に問うてみることである。折伏もしないで文句ばかり言っている人は、観念であり、ずるいのだと先生は厳しかった。
 すぐれた経営手腕を持っておられた先生は、「会社の経営にあたっては、諸経費を削減して、経費倒れにならぬよう注意せよ」と言われていた。節約というのは地味に見えて、事業の根幹をなす実践である。目立たなくとも、そのために努力する人は、偉い人である。大事にしなくてはならない。
7  生き生きと晴れやかな勝利の人生を
 いつまでも若々しく生きぬきたい。きょうも生き生きと! 楽しくやろう!
 その心こそ、晴れやかな勝利の人生を送る秘訣である。未来の希望を見つめ、希望をつくりながら、朗らかに進むのだ。
 たとえば、職場で嫌な先輩がいたら、「自分が偉くなって、もっとよくしよう」と思えばいい。
 何があろうと、笑い飛ばしていけばいいのだ。笑顔は薬である。自分も、人も、元気になる。大変な時こそ、もう一度、初心に帰ろう! 原点に返ろう! そう決めれば、心も若返る。大事なのは、わが精神が高揚しているかどうかである。
 それには、題目だ。同じ題目をあげるのでも、深さで決まる。数だけではない。日々の勤行は、いわば「心のお化粧」「生命のお掃除」である。すがすがしい勤行・唱題で、明るく、喜びあふれる前進の日々を送ってまいりたい。
8  広布のためなら、どこへでも! これが草創期の幹部の心意気だった。打てば響く、その行動の潔さ。何の迷いも、ずる賢さもない。利己主義など、みじんもない。純粋な師弟の魂が燃えていた。
 決意は気宇壮大! 狭い日本にとどまらない。海外へ、地球の反対側にまで、友は勇んで飛び出していった。そして、今、あの国でも、この地でも、「人間革命」の哲学と行動に、絶大なる賞讃が寄せられている。
 先輩たちは、そうやって世界広布の舞台を開いてきた。
 若き諸君は、次の五十年の歴史を、勇気をもって切り開いていただきたい。今こそ、真剣になって立ち上がり、勝利をつかんでもらいたい。
9  考えぬいてとそ広布のリーダー
 戸田先生は「何をするにしても、二段、三段構えでやっていけ」と言われた。本当の智者は、幾重にも考えぬき、戦いを進めるものだ。行き当たりばったりではいけない。
 とくに、責任あるリーダーの皆さんは、自分の頭で考えない″事務屋″のようになってはならない。戸田先生が、最高幹部に対して「とにかく頭を使え!考えろ!」とつねに厳しく言われていたことが忘れられない。ここに兵法の第一歩がある。
 戸田先生は、学会を私利私欲のために利用しようとする魔性に対しては、激怒して、猛然と戦われた。絶対に許さなかった。皆の真心に支えられ、社会的に立派な地位を得ながら、かえって民衆を見下し、威張る、増上慢の人間。もしも、そういう人間が出たならば、毅然としかりつけ、容赦なく、たたき出せ! 最低の人間だと見おろしていけ!――それが戸田先生の厳命であった。清浄な信仰の世界に、指一本、断じてふれさせてはならない。
10  君よ、正義の剣で悪を打ち破れ
 御書には、「火に対しては水をもって消す。悪に対しては善をもって打ち破る」(1466㌻、通解)と記されている。
 妙法の利剣で、悪を打ち破っていくのだ。
 また、「悪を滅するを功と云い善を生ずるを徳と云うなり」と示されている。悪と戦い、悪を打ち破ってこそ、自身の無明が消え、真の功徳が顕れる。大きく境涯を開いていける。とくにリーダーは、先陣をきって戦うことだ。
 青年時代、私は学会や戸田先生へのデマの中傷は、絶対に許さなかった。庶民をいじめる横暴な権力とは、言論の剣で徹底して戦った。
 戸田先生は、よく、おっしゃった。
 「一番むずかしいところから始めよ。そうすれば、あとは、やさしい」
 最も困難なところへ、「一歩」を踏み出す。苦手な分野に挑む。そこで突破口を開けば、さらに勢いも増す。「一番いやなところ」「一番大変なところ」に行くのが、本当の戦いである。仏道修行である。
 私はいつも、「一番大変なところ」へ乗り込んだ。勇んで指揮を執り、断じて勝った。それが私の最高の誇りである。
11  「わが弟子よ、偉大なる妙法の勇者たれ」
 日蓮大聖人は仰せである。
 「法華経の肝心、諸仏の眼目である妙法蓮華経の五字が、末法のはじめに全世界に広まっていかれるべき瑞相として、日蓮が先駆けをしたのである。わが門下よ、二陣三陣と続いて、迦葉・阿難にもすぐれ、天台・伝教にも超えていきなさい」(御書910㌻、通解)
 わが弟子たちよ、いかなる困難も乗り越えて広宣流布に生きぬけ。釈尊の優れた弟子であった迦葉尊者や阿難尊者、そして天台大師や伝教大師をも超えるような妙法の勇者たれ――。
 大聖人の烈々たる気迫が伝わってくる。私たちは、この御心のままに、勇んで広布の戦いに邁進してまいりたい。
 学会のリーダーならば、広宣流布のために「まっすぐな人生」を生きぬいてもらいたい。世間の目を気にして見栄を張る。卑屈になる。そういう人は、結局、信心が、おかしくなっていく。だれが何と言おうが、「創価の道」「師弟の道」を堂々と進むことだ。報恩感謝の思いで、同志に尽くしていくことだ。その人が、最後は所願満足の勝利の人生を飾っていけるのである。
12  世界からの顕彰は師弟勝利の栄冠
 青春時代、私は、大学で学ぶことも断念して、戸田先生を守りぬいた。事業の挫折という最大の苦境にあった先生を、断じて支えぬいた。そうした私に、戸田先生は万般の学問を教えてくださった。「これが将来、どう展開されるか楽しみだな」と言われながら、毎朝、あるときは朝から晩まで、個人教授をしてくださった。
 先生は、それはそれは真剣であられた。本当にありがたい師匠だった。私は、師の思いにお応えしようと必死であった。
 「当体義抄」をはじめ、御書の講義をしていただいたことも、忘れられない。御書の講義を終えたとき、先生は私に修了の証書をくださった。それは、小さな、ささやかなものであった。しかし私は、それを師匠からいただいた最高の宝として、大切にしたのである。
 戸田先生は、私をはじめとする青年たちに未来を託された。今、創価の民衆運動は、SGIの世界的な平和・文化・教育の活動へと発展した。この人類への貢献に対して、世界から数多くの顕彰が贈られている。諸大学からの名誉学術称号をはじめ、皆さまを代表して、私が拝受した栄誉も多い。本当にすごい時代となった。戸田先生が植えられた種は、大きく花開いたのである。
 仏法の眼から見れば、これらの栄誉は、師弟の道に生きぬいた勝利の栄冠である。全同志の偉大なる福徳の証である。私は、そう強く確信している。
 「種」というのは、もともとは、本当に小さなものだ。しかし、小さいからといって、組末にすることはできない。それはやがて、「大樹」となる可能性を秘めているからだ。これが「妙法」である。師から授かった種が、必ず大きく育ちゆくことを確信して、祈り、行動していく。この一点がある人は幸せである。
13  行動の人を諸天は守る
 大聖人は、険しき道のりを越えて御供養をお届けした弟子の純真な信心を讃え、次のように仰せになられた。
 「たとえ志はあっても、行動にあらわすことはむずかしい。そうであるのに、今、あなたが志をあらわされたのを見て、その信心が並大抵でないことが分かります。必ず法華経の十羅利女が守られるであろうと、頼もしく思っています」(御書1544㌻、通解)
 仏法の魂は「行動」である。友の幸福を祈って、日々、懸命に折伏をしている人。大変なところで、学会のため、同志のために、地道に動いてくださっている人。そういう人を、必ずや十羅利女が守る。諸天善神が守護してくださる。
 信心の世界は、要領とか、格好主義は通用しない。幹部だから功徳があるというわけでもない。真剣な「行動の人」にとそ、妙法の功徳は輝くのである。
14  胸を張って、正義を語りゆけ
 善と悪が入り乱れた「闘諍言訟」の世の中である。だからこそ、大事なことは、正と邪を明快に言いきっていくことだ。
 大聖人は「(仏法においては)事実、勝れていることを勝れているということは、慢に似ているようだが、じつは大功徳となるのである」(御書二八九ペー、通解)と仰せである。
 私たちの対話は、誠実が第一である。相手に幸せになってもらいたいとの祈りが根本である。
 そのうえで、言うべきことは、きっぱりと言う。何の遠慮もいらない。堂々と、胸を張って、仏法の正義を語っていけばいいのである。
15  賢き女性はダイヤより貴い
 先日(三月二十日)、創価大学の卒業式の折、欧州ブルガリアの著名な芸術史家アクシニア・ジユロヴァ博士と、懐かしい再会を果たした。
 (=名誉会長と博士の対談集『美しき獅子の魂』〈日本語版は本全集第四巻に収録〉のブルガリア語版は、ブルガリア出版界の二〇〇一年度「ベスト出版ナショナルコンクール」で「最優秀出版物」に選ばれている)
 ブルガリアには次のような美しい箴言がある。
 「賢き女性は、ダイヤモンドよりも貴い」
 「賢き男性は、女性を重んずる」
 女子部の皆さんの「生命のきらめき」は、まさしく、学会のダイヤモンドである。
 何度も申し上げるが、壮年部、婦人部、青年部は、総力をあげて、女子部を守り、女子部を大事にし、女子部を拡大していってもらいたい。皆さん、応援をよろしく頼みます!
 また、全国の女子部の皆さん方の奮闘の様子も、よくうかがっています。本当にご苦労さまです。「異体同心の団結」と「強盛なる祈り」で、万年に輝く黄金の女子部の歴史をつづっていってもらいたい。
16  どんな組織も、リーダーで決まる
 最後に、中国古来の「帝王学の教科書」とされた『貞観政要』の一節を紹介したい。
 この書は、大聖人も読んでおられ、流罪先の佐渡にも取り寄せられた。その様子は御書にも記されている。(961㌻)
 「徳のある立派な人を用いれば、善を行う人は皆、進んで善に励む。
 もし誤って悪人を用いれば、不善の者が争って進み出てくる」
 「人を用いるには、ますます慎んで選ぶべきことがわかるのである」(原田種成『新釈漢文大系』95所収、明治書院)
 どんな団体も、指導者で決まる。リーダーの責任は限りなく大きい。とりわけ、妙法のリーダーは、つねに生き生きと、福徳にあふれ、多くの人に、勇気と希望を贈っていく存在であっていただきたい。
 御書に「年は・わかうなり福はかさなり候べし」とあるとおりだ。
 広布の役職を担うことは、それだけ大変だけれども、より大きな功徳を得る資格を持つことにもなる。どうか、健康第一で進んでください。そして、わが地域で、わが職場で、見事なる勝利の指揮を執ってください。長時間ありがとう! また、お会いしましょう!
 (創価文化会館)

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