Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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方面長会 幹部が動き、友を鼓舞せよ

2006.2.25 スピーチ(2006.1〜)(池田大作全集第100巻)

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2  日蓮大聖人は厳しく仰せである。
 「経文には、人々に憎まれるほど厳然と正法を受持し、弘めるのが末法の法華経の行者であると説かれている。そうであるのに難を受けず、人によく思われ、人の心に従って皆から貴いと思われているような者は、法華経の敵であり、世間の悪知識であると思いなさい」(御書五五六ページ、趣意)
 現実に「難」を受けたかどうか。そとに真実の正義の証がある。
3  聡明な女性の声が「新時代」を開く
 また大聖人は、「法華経を受持する女性は、他の一切の女性にすぐれるだけでなく、一切の男性にも超えている」(御書1134㌻、通解)と仰せである。広宣流布に進む女性ほど尊貴な人はいない。
 真剣で聡明な女性の声が、「新しい時代」を開くのである。
 幹部は、もっともっと、婦人部、女子部を大事にし、女性の皆さんが持てる力を自由に発揮できるようにしていかねばならない。そこに学会が、さらに未来に伸びていく「ホシ」がある。
 もしも男性の幹部のなかに、女性を下に見たり、アゴでさしずをするような態度の者がいれば、とんでもないことだ。絶対に許してはいけない。
 女性の目は鋭い。悪を許さない純粋さがある。悪と妥協しない真剣さがある。女性の声が、「権力悪の歯止め」になるのだ。女性の声を最大に尊重し、その声に謙虚に学んでいこうという「心」を持てるかどうか――ここに学会の「万代の勝利」の道がある。「心こそ大切なれ」である。この点を男性幹部は強く自覚していただきたい。
4  ともあれ、大事なのは、女子部を増やし、育てていくことである。婦人部、壮年部など各部が、「女子部を育てよう」という気概をもってもらいたいのだ。少子化の問題など、不安の渦巻く現代ではあるが、女子部が健在であれば、学会は微動だにしない。希望の未来が洋々と開けていく。私はそう確信している。
 広ずに戦う女子部の友に、ふたたびマト・デ・トゥルネルの言葉を贈りたい。
 「人生は戦いなのです。正義を葬るのは、無知の証なのです。どんなことにも屈しないことこそ、勝利なのです!」(Clorinda Matto de Turner, Aves sin nido, Alfaguara.)
 何事にも屈しない。負けない。粘り強く、前へ前へ進んでいく。それが創価の青春である。女子部の皆さんの活気あふれる前進に心から声援を送りたい。
5  「リーダーは大局を見ていくのだ」
 きょうは、全国の方面長、方面婦人部長の皆さんが集ってくださった。大事な会議である。
 永遠の創価城の構築のために、戸田先生の遺言ともいうべきど指導に学んでまいりたい。
 戸田先生は言われた。「幹部だ。幹部で決まる。指導者が自分を変えるしかない」
 権力を持つと、人間は魔性に毒される。魚も頭から腐る。組織も、ダメになるのは「上」からだ。幹部は、つねにつねに「慢心」を排し、自身を変革していくしかない。
6  戸田先生は、こうも指導された。
 「今とそ、最高幹部が目の色を変えて働く時だ。そして同志を守り、新たな突破口を聞いていけ」
 最高幹部ならば、結果を出すことだ。「さすがだ」「立派だ」といわれる模範を示すことだ。そして、第一線の同志を守っていくのである。
 「座談会にせよ、講義の席上にせよ、指導者は、学会精神の鼓舞をはかれ」――これも戸田先生の指針である。歓喜も決意もなく、連絡事項を伝えて終わり――それでは、せっかく来てくれた皆さんに申しわけない。集った友が「やろうじゃないか」「戦おうじゃないか」と燃えあがって帰っていくような会合にしていく。それが幹部の使命である。
 また先生は、「指導者が大局を見ていることが大事なのだ」「動きを見て、どこへ手を打つか考えよ」「いつも四手先、五手先まで考えていけ」と指導された。皆が楽しんでやっていけるように手を打つのが名指揮である。同志を苦しめるのは下の下である。いわんや、威張る幹部など論外である。それが先生の教えであった。
7  「師弟不二」で築いた創価学会
 さらに戸田先生は厳しくおっしゃった。
 「きょうの学会は、きのうの学会ではない。今年の学会は、去年の学会であってはなるまい。一日また一日、一年また一年の充実を心がけよ!」
 日々、前進! 日々、挑戦!
 日々、成長! 日々、感動!
 これがわれらの「広宣流布の人生」である。
 私は、約十年にわたって、戸田先生にお仕えした。戸田先生が事業に失敗され、再建へ苦闘しておられたときが、私にとっても一番苦しい時代であった。莫大な借金。批判と中傷の嵐。さすがの先生も、憔悴しておられた。
 社員は、一人去り、二人去り、最後に残ったのは実質的に私一人。体が弱かった私は、疲れた肉体に鞭打ちながら働いた。
 給料は何カ月も遅配。冬でもオーバーもなかった。無理に無理を重ねた。しかし、先生の事業の一切を担い、一歩も退かなかった。生命をかけた死闘のなかで、事業の再建のめどをつけ、断固、先生を、お守りした。そうやって、戸田先生が、学会の第二代会長になられる道を敢然と切り開いたのである。
 戸田先生と私の「師弟不二の闘争」がなければ、現在の学会はない。「師弟不二」が創価学会の魂なのである。方面長、方面婦人部長の皆さんは、学会の最高リーダーである。責任も使命も大きい。創価の永遠の興隆のために、最高幹部の皆さんには、真実の歴史を語っておきたい。
8  陰で支える人に励ましの光を
 二月二十六日は、青年部の教学試験一級である。幾万の若き求道の友が挑戦している。受験者、また役員の皆さま方、ご苦労さまです! 皆さまに心からの賞讃と感謝をお伝え申し上げたい。
 学会には、陰で黙々と支えてくださっている人がたくさんいる。警備の仕事、屋外での整理や救護の役員、守る会の方々、そのほか、広布のために懸命に尽力されている同志を、サーチライトを当てるように探し出して、激励の手を差し伸べていく。それが指導者の役目である。
 「指導者は自分で正しい事実を認識していくことが大切だ」と戸田先生もよく話された。
 私も、何十年もの間、四六時中、激励の手を打ち続けてきた。夜中も海外からの連絡やファクスが間断なく入ってくる。それに、どれだけ迅速に対応していくか。
 「勝敗を決する重大な要素の一つは、スピードである」――これも戸田先生の指導である。学会はスピードで勝ってきた。
 ともあれ、今や教学試験は、世界の各地で行われている。最近も、アメリカの教学実力試験が八言語で実施され、三万人が参加した。インドの住用試験には六千五百人が挑戦した。
 さらに、たとえば、アジアでは、韓国、台湾、マレーシア、フィリピン、インドネシア、カンボジア、スリランカなど、中南米では、メキシコ、ニカラグア、ボリビア、キューバなど、そして、アフリカのザンビアでも、教学試験が真剣に行われている。この秋は、欧州全体の任用試験も予定されている。
 ますます、日本の私たちが、「行学の二道」の模範を示すべき時代である。
9  戦う青春に真の喜びと充実が
 大聖人は、厳格に戒めておられる。
 「わが一門の中でも、信心を貫き通せない人々は、(初めから信じないよりも)かえって罪があるのです。(地獄に堕ちて、その時)日蓮をうらんではなりませんよ。少輔房、能登房ら(退転した門下の末路)を、よくごらんなさい」(御書1168㌻、通解)と。
 幹部でありながら、信心を失い退転する。学会に反逆する。これ以上の哀れな末路はない。だからこそ、威張って同志を苦しめる幹部、学会利用の堕落した幹部が現れたならば、厳しく責めぬいていくことだ。それが慈悲である。
 戸田先生は、「臆病者は大聖人の弟子たる資格はない」と叱咤された。たとえ相手が上位の幹部であっても、下から上へ言っていくのである。婦人部、女子部の皆さんも、悪に対しては、断固として、正義の声をあげ、糾弾していただきたい。
 十九世紀ぺルーの女性作家カベヨ・デ・カルボネラは叫んだ。「裏切り、醜行、反逆は、狂気の沙汰というよりも、人間の弱さが起こすのです」(Mercedes Cabello de Carbonera, Sacrificio y Recompensa, Alicante : Biblioteca Virtual Miguel de Cevantes, Torres Aguirre.)
 このとおりである。女性の皆さん、よろしく頼みます!
 青年部の代表も参加している。
 戸田先生がお好きだった文豪の一人に吉川英治氏がいる。氏が、ある裕福な青年に語った有名な言葉を紹介したい。
 「君は不幸だ。早くから美しいものを見過ぎ、美味しいものを食べ過ぎていると云う事はこんな不幸はない。喜びを喜びとして感じる感受性が薄れて行くと云う事は青年として気の毒な事だ」(復刻版・吉川英治全集月報『吉川英治とわたし』〈講談社〉の中で岡副昭吾氏が紹介している)
 戦う青春ほど美しいものはない。そこに真の喜びがあり、充実がある。学会は正しいのである。
 アメリカ・ルネサンスの旗手ソローは言う。
 「ぼくたちは、正直であるというだけでは十分ではない。正直に対処すべき高尚な目的をいだき、それを実行しなければならない」(「恋愛論」島田太郎訳、『アメリカ古典文庫4 H・D・ソロー』所収、研究社)
 大事なのは「実行」である。まっすぐに学会精神で進んでいくことだ。
 戸田先生は叫んだ。
 「仏法は勝負だ。闘争を開始するからには、それだけの準備と決意と闘魂をもって、断じて勝つのだ!」
 ひとたび戦いを起こすならば、断じて勝とう! 勝って勝って勝ちまくっていこう!
 きょうよりまた、「異体同心」のスクラムで、新たな常勝の歴史をつづってまいりたい。
 各方面にお帰りになられましたら、皆さまに、くれぐれもよろしくお伝えください。本当にありがとう!
 (創価文化会館)

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