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日蓮大聖人・池田大作

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第五十三回本部幹部会、大学会合同総会 青年よ躍り出よ! 勇敢に進め

2005.10.13 スピーチ(2005.8〜)(池田大作全集第99巻)

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1  広布へ戦う功徳は無量
 きょうは、音楽隊の関西男声合唱団が出席されている。本当にうれしい。ようこそ!
 (=ここで、関西男声合唱団が創価グロリア吹奏楽団の演奏で「厚田村」「人間革命の歌」を力強く歌い上げた)
 海外の方々も、本当にご苦労さまです。ありがとう! 幸福を祈ります!
 きょうは、ゆったりして、聞いていただきたい。眠たい人は、眠っていただいても、かまわない。隣の人に注意されたら、「思索しながら聞いているんです」と答えればよい。(笑い)
 ともあれ、きょうは和やかな集いにしたい。
 皆さま方の尊い奮闘――忍耐強く、あらゆる非難を乗り越えて、戦ってきてくださった、おかげで、広宣流布は飛躍的に発展した。
 日本はおろか、世界的な創価学会となった。世界中に、創価の誉れの名は知れ渡っている。
 日蓮大聖人の御賞讃は絶対である。そしてまた、諸天善神の加護も絶対である。断じて、皆さま方を守る。
 さらに、どれほどか、牧口先生、戸田先生も、喜んでおられるか。戦いぬいてこられた先輩の方々の喜びは、いかばかりか。
 その功徳は、どれほど大きいか。広布へ進むご一家が、永遠に栄えていくことは、絶対に間違いない。これが、大聖人の仏法である。
2  今回、全国で新しい人事が発表された。出発を心からお祝い申し上げたい。
 「人事が成功すれば、組織は倍に飛躍する。人事が乱れると、大敗北の苦しみを受けてしまうしまう」
 これは、戸田先生が、つねに厳しく、指導しておられたことである。
 好き嫌いなどで、人事が左右されてはならない。どこまでも広宣流布のためである。どうか、よろしく頼みます!
 あらためて、海外のSGIの皆さま、ようこそ! 本当にご苦労さまです。
 ありがとう! サンキュ―! ダンケ! メルシー! グラシアス! 謝謝シェシェ
 今回の研修会には、アメリカ、カナダ、オセアニア、パナマ、メキシコ、そしてシンガポールの皆さんが参加されている。日本の九州や北海道よりも、ずっと遠い。そこから、求道の心で来日されている。本当に、すごいことである。
3  明年は「青年・躍進の年」
 十九世紀のイギリスの文学者オスカー・ワイルド。彼は、由緒ある文化遺産であるSGIのタプロー・コート総合文化センターの建物にも足を運んでいる。
 ワイルドは謳った
 「青春にかなうものはないのだ」
 「青春は『人生の帝王』なのだ」(『つまらぬ女』西村孝次訳、『オスカー・ワイルド全集』2所収、青土社)
 まったく、そのとおりだと思う。青年はすばらしい。うらやましい限りだ。
 明年は「青年・躍進の年」。おめでとう!
 青年時代に、悔いなく戦い、成長する。躍進する。これは、人生において最も尊いことである。
 「青春の勝利」は「人生の勝利」となる。
 「青年」「躍進」――この意義深い年に大いに活躍することは、勝利と幸福の人生を開く実質的な因となろう。
 日々前進!――それが仏法の精神である。
 わが青年部は、新しい「躍進」の歴史を、思う存分、残していただきたい。
 人が見ていようがいまいが、自分自身が悔いなく戦いぬくことだ。妙法に生きぬくことだ。
 「冥の照覧」を確信することである。諸天善神が、大聖人が、われらの戦いをすべて、きちっと見てくださっている。頑張ってください!
4  訓練を受けた人が最後に光る
 古代ギリシャの大哲学者プラトンは、このようにつづっている。
 「学んだものと学ばない者、訓練を受けた者と受けない者とでは、まさに大違いなのです」(『法律』下、池田美恵訳、岩波文庫)
 プラトンは、この学ぶということについて、体育などの「身体を向上させる学習」と、音楽などの「魂をよくする学習」の二つに分類している。
 いずれにせよ、学んだ人と学んでいない人、訓練を受けた人と受けていない人とでは、後になって大きな違いが出る。私も、多くの人を見てきて、そう実感する。
 自由に遊んで暮らせるほうが、幸せのように思うかもしれない。しかし、それは、とんでもない錯覚である。欲望に振り因されて生きるだけならば、動物にも劣る。
 「あのとき学んでおけばよかった」「もっと自分を磨いておけばよかった」と後悔しても、なかなか取り返しがつかない。
 青春時代に悔いなく学んだ人。何かに徹して打ち込んだ人。その人は、時がたつほどに光ってくる。勝利者となる人である。
 なかんずく、われわれは日々、妙法という大宇宙を貫く「生命の根本の法則」を学び、実践している。広宣流布の大願に向かって、友のため、社会のため、世界のため、悩みながら、戦い進んでいる。これほどの尊い生き方はない。すべてが、自分の力となり、福運となっていくのである。
5  十八世紀から十九世紀にかけて活躍したドイツの作家ジャン・パウルを、ご存じだろうか。
 教育者の家庭に生まれた彼は、文学作品だけでなく、有名な教育論も執筆している。
 そのなかで、このように言っている。
 「快活にして愉快な気持を保つのは、活動だけである」(『レヴァーナあるいは教育論』恒吉法海訳、九州大学出版会)
 人生の「喜び」というものは、安逸のなかにあるのではない。なすべきことに前向きに取り組んでいるときが、人間は一番、充実して楽しい。
 快活な生命の勢いは、闘争のなかでこそ、生まれてくるものだ。そして、その闘争に勝ってこそ、歓喜を味わえる。
 さらにいえば、「歓喜のなかの大歓喜」の生き方を教えているのは、大聖人の仏法以外にはない。
 仏道修行こそ、学会活動こそ、最も快活にして、最も愉快な生命力の源泉なのである。
6  人を育てれば人に守られる
 各部の希望あふれる新出発を心から祝福申し上げたい。本当におめでとう!
 学会の発展は、人事で決まる。新任のリーダーの皆さんは、広宣流布の新たな発展の推進力となっていただきたい。
 とくに、女子部の時から頑張ってくださった方たちが、婦人部の立派なリーダーに育っていることが、本当にうれしい。
 また、温かく後輩を伸ばし、真剣に人材の流れをつくってくださった先輩方、本当にありがとうございました!
 人材育成は、どこまでも、地道な労作業の積み重ねである。一人一人と直接、会い、語り、励まし、ともに悩みを乗り越えていくなかでしか、人は育たないものだ。だからこそ、人材を育てた分だけ、人間としての力を磨いていくことができる。
 また、人材を育てた人は、未来永遠に、大勢の人に守られ、尊敬されていく。
 皆さん、よろしくお願いします!
7  ともあれ、婦人部の皆さま方が土台となってくださり、今日の隆々たる学会ができあがったのである。婦人部の皆さまに、私は、重ねて感謝申し上げたい。
 仏法を実践する婦人部の皆さまの本有無作の生命は、家庭にあっても、地域にあっても、すべて妙法に照らされて、最高に尊き輝きを放っている。
 崇高な使命に生きる人は美しい。
 私がお会いした識者のなかにも、婦人部や女子部のすがすがしい姿に接して、″本当に美しいですね!″と感嘆していた方がいた。見る人はきちんと見ているものだ。
 壮年部の皆さんも、婦人部に負けじと、立ち上がってもらいたい。
 「壮年部が懸命に働いてきたからこそ、学会も、日本の国も、これだけ繁栄したのではないか」と、大いなる自負をもっていいのである。
 ″壮年時代″は、もとより、力なく衰えていく″人生の黄昏時たそがれどき″ではない。
 妙法を護持した人は、年は若くなり、福徳をさらに重ねていける――こう大聖人は仰せである。(御書1135㌻)
 創価の壮年は、年齢を重ね、経験を重ねるごとに、ますます壮健であってもらいたい。
 人生の勝負は、途中では決まらない。最後の数年間で決まる。その時に、荘厳な夕日のごとく″黄金の輝き″を放っていくための信仰である。
 ともどもに広宣流布に生きぬいて、王者のごとく、勇敢に、堂々と、自由自在に、人生の総仕上げを飾ってまいりたい。壮年部の皆さん、頑張りましょう!
8  広宣流布へ「同じ心」で前進
 仏法の世界は「異体同心」が根本である。
 しかし、実際には、それほど簡単なことではない。では、そのために、何が大事なのか。
 それは、大聖人の仰せのごとく、「心」である。「ただ心こそ大切なれ」である。
 大切なのは、「同心」と言われるように、年齢や立場の違いを超えて、全員が心を一つにしていこうとすることだ。「同じ心」で、広宣流布に進んでいくことである。
 その心と心を深く合わせ、団結していくならば、どんな戦いでも勝っことができる。
 「異体同心なれば万事を成し」と仰せになっているとおりである。
9  きょうは、歴史的な三百五十大学会の合同総会でもある。縁深き大学会の皆さん、本当におめでとう!
 学会にとっても、社会にとっても、全員が、大事な人材である。正義の師子の陣列である。
 私は、皆さんの、お名前を、また、ご家族のお名前を、アメリカ創価大学に、永久に残してさしあげたい。きょうは、それを提案したい。本当によく来てくださった。ご苦労さま!
10  民衆を守るためにニセの知識人とは断固として戦う
 牧口初代会長と同世代の、フランスの詩人に、有名なシャルル・ペギーがいる。
 ペギーは、「卑小な哲学とは、かならず、戦うことのない哲学である」(『マギー』第二部、山崎庸一郎訳、『ロマン・ロラン全集』16所収、みすず書房)とつづった。
 現実との格闘なき哲学は、卑しく、みすぼらしい存在となる。宗教もまた、同じであろう。
 みずから信じる正義を守り貫く戦いにこそ、その人の哲学の真価は現れる。そして、邪悪と戦う知性こそ真の知性である。
 大聖人は、「佐渡御書」で「畜生の心は弱きをおどし強きをおそる当世の学者等は畜生の如し」と喝破しておられる。
 「当世(今の世)の」と仰せだが、現代も同じであろう。いったん地位や力を得たら、とたんに威張りだし、″弱きをおどし、強きを恐れる″輩が、いかに多いことか。
 こうしたニセの知識階級の傲慢によって、けなげな庶民が、どれほど侮辱されてきたか。そしてまた、陰険な邪知によって、正義の人がどれほど圧迫され、いじめられたか。悪人に仕立て上げられたか。それが、今までの歴史の常であったと言わざるをえない。
 その流れを転換して、民衆の幸福のために、すべての哲学と知性を総動員する社会をつくらねばならない。この″大革命″が、大聖人の慈悲であり、釈尊の慈悲であった。また、偉大な哲人たちの願望だった。
 ゆえに、大聖人の御遺命である広宣流布の前進を阻む、″畜生″のごとき輩とは、断固として戦い、勝たねばならない。これが本当の仏法である。平和と幸福の道であり、真の勝利なのである。
11  「彼らは陰謀を叡知の城壁によって阻止した」(ガルテールス・デ・カステリオーネ『中世ラテン叙事詩 アレクサンドロス大王の歌』瀬谷幸男訳、南雲堂フェニックス)――『アレクサンドロス大王の歌』という、名高い叙事詩の一節である。
 「叡知の城壁」とは、私たちの広布の戦いにおいては仏法の「智慧」であり、「教学」である。
 強靭な智慧の力、教学の力によって、あらゆる広布破壊の策略や陰謀、悪人の攻撃を阻止し、打ち破ることができる。
 また、戸田先生は、峻厳に叫ばれた。
 「ひとたび、正義の学会に牙をむき、仏子の和合を破壊しようとしてきたならば、その邪悪とは徹底的に戦え。そうでなければ、創価学会が壊され、広宣流布が撹乱されてしまう。一番大事なのは広宣流布だ。邪悪を放置しておくのは、慈悲では絶対にない。悪と戦い、勝ってこそ、正義であり、慈悲である」
 この「戦う心」を、皆さんは、よく銘記しておいていただきたい。
 邪悪と戦わないのは、無慈悲である。
 ″悪は、静かにして、放っておけばいい″――その心は、悪に通じてしまうのである。
12  皆、人生の「勝利博士」「幸福博士」
 皆さまのなかには、大学に行けなかった方もいらっしゃるかもしれない。しかし、信心と学歴はまったく関係ない。私たちは、学会の中で、最高の″永遠不滅の哲学″を学んでいる。信心は「人生行路の指針」なのである。
 私の友人であり、アメリカの高名な哲学者であったディビッド・ノートン博士は語っておられた。
 「学会は、それ自体が『校舎なき大学』」
 「学会の人間教育運動の世界的な広がりに、期待しています」
 現在、私が対談を進めているソロー協会のロナルド・ボスコ前会長も、「(池田SGI会長の)教育は、一人の人間がもっ個性と特質を、最大に開花させゆくものです」「創価学会は、人々が人生で何が重要であるかを学び、正しく生きる道を教える場なのです」と賞讃してくださっていた。(=ソロー協会のボスコ前会長、マイアソン前事務総長との対談は『美しき生命地球と生きる』と題し、二〇〇六年九月に毎日新聞社から発刊)
 きょうは、わが偉大な「多宝会」の方々も、参加してくださっている。
 皆さまが、陰でどれほど広布のために尽くしてくださっているか。功績があるか。私は、よく知っているつもりである。私は、多宝会の皆さまこそ、学会という「人生の大学校」の最優秀の「勝利博士」であり、「幸福博士」であると讃えたい。
 ご家族に多宝会の方がいる人は、最大に賞讃し、感謝していただきたい。
 功労ある皆さまの、全員の名前を後世に残したい――これが私の思いである。
 アメリカの広宣流布のパイオニア(開拓者)である、懐かしい「梅の木グループ」の皆さま方も、たいへんに、おめでとう! 遠いところ、本当に、ご苦労さま! お会いできて、うれしいです!
13  世界百九十カ国に薫る創価の信頼の花
 戸田先生は、強く語っておられた。
 「師弟の人生ほど、崇高にして尊いものはない。師弟不一一の人生ほど、人間の究極を生きぬいていく、深く喜ばしき法則はない」
 この「師弟不二」の行動によって蒔かれた種は、今や世界百九十カ国・地域の創価の連帯となり、信頼の花々となって、大きく、広く咲き薫っている。
 創価の大行進は、今や世界同時進行である。私どもの運動は、日本よりも、むしろ世界で注目され、評価されている面がある。
 私のもとには、毎日、昼夜を分かたず、各国からさまざまな報告が寄せられる。じつは先ほども、ヨーロッパから連絡をいただいた。
 きのう十月十二日、セルビア・モンテネグロの最高峰の私立大学「ブラチャ・カリッチ大学」で、私への名誉博士号の授与式を挙行していただいたという報告である。
 ブラチャ・カリッチ大学は、長い内戦の苦しみを乗り越えてきた大地にあって、平和の建設を力強くリードされゆく大学である。
 厳粛な式典の模様は、テレビ局も取材し、大学首脳から「近い将来、『池田研究所』を開設したい」との発言もあったと、うかがった。多大なる栄誉に、深く深く感謝申し上げたい。
 現在、私は、「対話の文明」をテーマにした、中国思想研究の第一人者ドゥ・ウェイミン博士(ハーバード大学教授)との語らいをはじめ、世界の各界の識者と対談を続けている。(ドゥ・ウェイミン博士との対談は『対話の文明――平和の希望哲学を語る』と題し、二〇〇七年一月に第三文明社から発刊)
 私が、文明を結ぼうと、世界の指導者・識者と重ねてきた対話は千六百回を超え、三十七の対談集に結実した。今後、発刊予定のものを含めると、五十を超えることになる。このことも、あわせて報告させていただきたい。
14  離島部の健闘は美事!
 きょうは、遠いところ、離島部の代表の皆さんも参加してくださった。本当にご苦労さまです!
 皆さんのなかには「話がどんどん進んでいる。名誉会長は、私たちのことを忘れてしまったのか」と思った人もいるかもしれないが(笑い)、皆さんのことを忘れるはずがありません。
 「聖教新聞」の拡大、各地域での友好の勝利の実証は、本当にすばらしい。わが離島部の健闘は「美事みごと」である。まさに「広宣流布の縮図」をつくり上げておられる。
 「離島部、万歳!」と叫び、その健闘を賞讃申し上げましょう!
15  激動の乱世こそ、正義の城が勝ち栄えゆくチャンス
 御聖訓には、明確にこう示されている。
 「法華経を弘めようと思う心が強盛であったことによって、悪業の衆生に讒言されて、このような(伊豆流罪の)身となったことは、必ず後生のためになるであろう」(御書937㌻、通解)
 大聖人は、法華経を弘めようとしたがゆえに、讒言され、迫害されたことを、無上の喜び、永遠の誉れとしておられる。
 三代の創価の師弟は、この決心で、「三類の強敵」と大闘争を起こし、勝ち越えてきた。
 中国の大指導者・周恩来総理は言われた。
 「激動は人民の自覚を高め、社会の発展を早めます」い『周恩来・中国の内外政策』森下修一編訳、中国経済新聞社)と。
 激動は望むところだ。私たちの時代が来る。私たちが勝つのだ――そういう達観であろう。
 激動の乱世こそ、力ある人材が躍り出る時である。正義の城が厳然と勝ち栄えゆくチャンスである。そう決めて、私たちは進みたい。
16  世界一、有意義で幸福な広布の道を
 今、わが学会は、永遠に輝く創立七十五周年の黄金の秋を迎えた。
 七十五周年――南無妙法蓮華経の五字七字に通じる、不思議なる時である。
 御本仏は仰せである。
 「このような者(日本第一の法華経の行者である日蓮大聖人)の弟子檀那となる人々は、宿縁が深いと思って、日蓮と同じく法華経を弘めるべきである」(御書903㌻、通解)
 私たちは、この御聖訓のとおりに、崇高なる人生を生き、崇高なる法戦の魂を光らせてまいりたい。
 偉大なるスクラムを組んで、増上慢の輩、反逆の徒を悠然と見おろし、断固と破折しながら、大きく長い広宣流布の道、世界一、有意義にして幸福な道をば、断固としてつくり、勝ち進んでまいりたい。
 きょうは長時間、ご苦労さま!
 海外をはじめ遠方からお越しの方々、本当にお疲れさま!
 皆さまに健康あれ! 皆さまにお多幸あれ!――こう、お祈り申し上げ、私のスピーチを終わります。ありがとう!
 (東京牧口記念会館)

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