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日蓮大聖人・池田大作

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創立75周年幹部特別研修会(3) いざ出陣! 正義の底力を満天下に示せ

2005.8.12 スピーチ(2005.8〜)(池田大作全集第99巻)

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3  中国の名将・劉邦――人の心をつかみ、人材を生かす
 『十八史略』に描かれる劉邦の人物像は、まことに魅力に富んでいる。(以下、藤堂明保監修『中国の古典15 十八史略』上〈今西凱夫訳、学習研究社〉から引用)
 劉邦は「人の心をつかむ」名人であった。秦の軍を破り、その都に入ったとき、劉邦は、秦の国の人々に対して、こう宣言した。
 「あなたたちは、ずいぶんと長く秦の苛酷な法律に苦しめられてきた」
 「わたしはあなたたちに約束しよう。法律は三か条だけ」
 そして劉邦は、「人を殺した者」「人を傷つけた者」「盗みをはたらいた者」を処罰するとし、「それ以外はすべて秦の苛酷な法律は取りやめる」と発表した。有名な「法三章」である。これには、秦の人々も大いに喜び、劉邦を大歓迎したという。劉邦は、あらゆる知恵で、敵を次々と味方にしていった。そして、ひとたび味方になるや、誠意を示して、がっちりと心をつかんでいったのである。
 劉邦は「人材を生かす」名将であった。劉邦が、将軍たちに、なぜ自分が天下を統一できたかを話す、有名な場面がある。劉邦は語った。
 「陣営の中で謀をめぐらせ、千里の外で勝利を決める(=千里の遠方にいながら勝利を決する)ことにかけては、わしは(=参謀の)張良には及ばぬ」
 この個所は、日蓮大聖人が「一昨日御書」(御書183㌻)でふれられた一文である。
 さらに、こう続く。
 「国家を安定させ、人民をいつくしみ、糧食を確保し、補給を絶やさぬことにかけては、わしは蕭何には及ぼぬ。百万の大軍を指揮し、戦えば必ず勝ち、攻めれば必ず取る(=成果を出す)ことにかけては、わしは韓信には及ばぬ。この三人はいずれも人として傑出した者たちだ。わしはそれを使いこなすことができた。これがわしが天下を取ったゆえんだ」
 まさに「将に将たる」と讃えられた劉邦の面白躍如たる言葉である。
 ともあれ、人材は、必ずいるものだ。広宣流布の戦いは、「地涌の菩薩」でなければ、なしえない。すべての同志が、かけがえのない使命の人である。その一人一人の力を見いだし、最大に発揮させていくのが、指導者の責務といえよう。
 大聖人は「開目抄」で劉邦(沛公)について記されている。中国の歴史を画する、劉邦と項羽の天下分け目の激しい戦いも、広宣流布の大法戦の厳しさを超えるものではないと教えておられる。(御書218㌻)
 広宣流布の勝利こそ、世界の平和と幸福の大道である。この道を、われらは果敢に前進したい。勝利の歌を高らかに歌いながら!

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