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日蓮大聖人・池田大作

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全国最高協議会(4) 青春の闘争が「人間」をつくる

2005.8.2 スピーチ(2005.4〜)(池田大作全集第98巻)

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5  トインビー博士″宗教が人類の可能性を開く″
 イギリスの歴史家トインビー博士との語らいは、私にとって忘れ得ぬ思い出である。
 博士は、世界宗教の重要性について、こう語っておられた。
 「われわれは、あらゆる人間の目を開かせ、そこから人間が全人類を包含する社会の一員であり、人類が全宇宙的な生命体の一部であるという自覚をもたせるような、世界的宗教を必要としています」(『二十一世紀への対話』。本全集第3巻収録)
 日本の雑誌で紹介された講演の中では、人類に、無限の可能性を授ける宗教の役割について論じておられる。(月刊誌「自由」一九六八年一月号、参照)
 博士がとりわけ注目しておられたのが、東洋思想の精髄というべき仏教であった。
 博士は、仏教を現代に展開する創価学会の活動に注目していた。そして、私との対談を希望し、書簡を寄せてくださったのである。博士は健康の問題もあり、日本への訪問はむずかしい状況だった。そこで博士の招待を受け、私がロンドンにうかがうことになった。
 ロンドンにある博士のご自宅では、ご夫妻が最大に歓迎してくださった。そして、ご自宅の中を、ていねいに案内してくださった。
 一流の大学者であるにもかかわらず、傲慢さや偉ぶる様子など微塵もない。息子ほど年の離れた私に対して、本当に温かく、真摯に接してくださった。偉大な博士であった。
 博士は語っておられた。
 「人類の生存に対する現代の脅威は、人間一人一人の心の中の革命的な変革によってのみ、取り除くことができるものです。
 そして、この心の変革も、困難な新しい理想を実践に移すに必要な意志の力を生み出すためには、どうしても宗教によって啓発されたものでなければならないのです」(前掲『二十一世紀への対話』)
 博士が注目し、期待を寄せた創価の大民衆運動は今、大きな潮流となって地球を包んでいる。人類の希望として、世界の識者が賞讃している。
 私たちは深き誇りを胸に、この「人間主義の大道」「幸福の大道」を歩みぬいてまいりたい。
 (長野研修道場)

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