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日蓮大聖人・池田大作

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関東会・東京会合同研修会(4) 世界を変えるには自分革命から始めよ

2004.8.14 スピーチ(2004.1〜)(池田大作全集第96巻)

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2  庶民のために!
 民衆のために。民衆とともに。民衆のなかへ――これが、大聖人のお振る舞いであった。
 「自分は幹部だから特別だ」。そんな気持ちが微塵でもあれば、思い違いも、はなはだしい。大聖人のお心に反する。
 日蓮大聖人は、最高の仏法を、ふつうの庶民がわかるように、漢字だけでなく「かな」を使ってお手紙に書かれた。
 この「庶民のために」という一点こそ、大聖人の仏法の真髄である。
 大宇宙を貫く、壮大にして深遠な法則を、万人のために、大聖人は、わかりやすく説かれた。
 その御本仏である大聖人のご真意がわからず、師匠の大聖人から離れていった愚かな弟子がいた。五老僧である。
 庶民への愛情に満ちた漢字かな混じりの大聖人の御書を「先師の恥辱」と言い放った。
 その事実を、日興上人は、後代への戒めとして峻厳に書き残しておられる。(御書1604㌻)
 ともあれ、同志とともに、同志のために、心を合わせて進むことだ。
 大聖人は、難を乗り越える信心を、庶民の門下に教えられた。
 「一切の人が憎むならば憎めばよい。釈迦仏・多宝仏・十方の諸仏をはじめとして、梵天・帝釈・日天・月天等にさえ、いとおしく思っていただけるならば、何が苦しいことがあるでしょうか。法華経(御本尊)にさえ、ほめていただけるならば、何が苦しいことがあるでしょうか」(御書1135㌻、通解)
 だれが何と言おうと、大確信をもって、広宣流布に生きぬいていく。その潔い信心があれば、諸天が味方となり、御本尊に厳然と守られていくのである。
3  その場その場で問題を解決
 小事が大事である。
 たとえば「節約」。
 大聖人が大事にされた中国の古典『貞観政要じょうがんせいよう』には、こうある。
 「贅沢に過ぎることを始めるのは、危険と滅亡の第一歩であります」(原田種成『貞観政要』上、『新釈漢文大系』95、明治書院)
 贅沢には際限がない。お金を持って、不幸になる人は、いっぱいいる。節約は力である。ムグを省き、賢明に、価値的に進んでいきたい。
 また「問題を先延ばしにしない」ことだ。
 牧口初代会長は、どんな些細なことでも、「その場、その場で解決しなくてはいけないんだ。残していけば、必ずことは大きくなる。大きくならないうちに解決しなくてはいけない」と言われた。みずからが動き、すぐに手を打っていかれた。
 友に尽くす。同志を守る――それは、目立たない小さな行動の積み重ねであるともいえよう。
 さらに強調しておきたいことは、広宣流布のためにけなげに頑張っている女子部を、たたえ、守ることである。
 女子部が伸びれば、学会が伸びる。女子部は、学会の宝である。
 その女子部を皆で励ましていく。わが子のごとく大切に応援していく。婦人部、壮年部の皆さんは、そうした真心と包容力をもっていただきたい。
4  「師」と「同志」と「御本尊」を胸に
 スイスの大教育者ペスタロッチが、友人にあてた手紙がある。みずからの教育事業にたずさわる青年のことを、喜びをこめて書いている。
 「わたしの仕事を引き継いでくれる人々は、わたしよりも立派です」
 「友よ、わたしは成功したのです」(「書簡集」長田新訳、『ペスタロッチー全集』7所収、平凡社)
 弟子の勝利が、師匠の勝利である。自分よりも立派な弟子に!――それが、師匠の心である。また、そうでなければ、本当の弟子ではない。
 今、私も、後継の「常勝のリーダー」が陸続と躍り出ることを、祈りに祈り、待っている。
 青年は信用が財産である。
 「あの人にまかせれば安心だ」「必ず道を切り開いてくれる」
 そう言われる人間になることだ。
 昭和三十一年の最も厳しい″大阪の戦い″に、戸田先生は私を派遣した。
 いかに大変な状況であっても、勝利から逆算し、私は同志とともに走った。
 「戸田先生のために戦えばいいんだ」
 「同志のために尽くせばいいんだ」
 「御本尊を信じて勝利すればいいんだ」
 私の心は、ただ、これだけしかなかった。
 決戦の日の早朝。東京の戸田先生から、電話が入った。
 「大作、起きてたのか」
 「はい」
 「関西はどうだい?」
 「こちらは勝ちます!」
 「そうか。うれしいな」
 あの先生の声の響きは今も忘れられない。
 勝利――これが後継者の使命だ。負ける戦いならば、最初からしないほうが、ましである。
 師弟不二の心で、勝って勝って勝ちまくり、力ある民衆の指導者に成長していただきたい。
     ③
 われらは使命深き「精神の王者」
 私は、世界的に著名な国際法学者で、アメリカ・デンバー大学副学長のナンダ博士と、対談を重ねてきた。(=対談は、二〇〇五年五月、『インドの精神――仏教とヒンズー教』〈東洋哲学研究所〉として発刊された)
 博士が語られていた。
 「ガンジーもいわれなき中傷にさらされていました。ブラックジャーナリズム(=悪質な金もうけ主義の雑誌・新聞)はいつの時代にも存在します。大切なのは民衆一人ひとりがその中傷に同調せず、それを糾すために正義の声をあげていくことです」(月刊誌「パンプキン」二〇〇四年五月号、潮出版社)
 民衆が正義の声をあげなければ、「嘘の暴力」は、ますます増長する。邪悪な嘘は、断じて放置してはならない。
 最後に、もう一度、ローマ・クラブの創立者ペッチェイ博士の言葉を贈りたい。
 「人は鎖につなぐことができても思想を縛ることはできない」(前掲『人類の使命』)
 偉大なる仏法を弘め、友を幸福へ、平和へとリードしていく私たちは、「思想の王者」である。
 「精神の王者」である。
 われらの使命は大きい。ゆえに、断じて負けてはならない。
 誇りも高く、正義の旗を堂々と掲げ、進んでまいりたい。
 (群馬多宝研修道場)

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