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日蓮大聖人・池田大作

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関東会・東京会合同研修会(2) リーダーは皆に「感謝」「励まし」を

2004.8.13 スピーチ(2004.1〜)(池田大作全集第96巻)

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1  後輩は「ほめて」伸ばせ
 今は「ほめて人を伸ばす時代」である。
 幹部は「よくやってくださいました」「すごいですね」と、広布に励む同志をほめたたえていくことである。「苦労したでしょう」「大変だったでしょう」と、ねぎらいの言葉をかけることだ。感謝を伝えることだ。
 とくに男性の幹部は、婦人部、また女子部の皆さまを最大にたたえていただきたい。決していばったり、怒ったりすることがあってはならない。
 また、後輩を大きな心で包んでいっていただきたい。欠点を責めるのではなく、長所や美点を見つけ、ほめて伸ばしていく。これがいちばん大事である。
 そしてリーダーは、同志が皆、健康で、幸福であるように、絶対無事故であるように祈っていくことだ。広宣流布を担いゆく偉大な使命の人であるからだ。
 私も、全同志の健康と幸福と無事故を毎日、真剣に祈っている。
2  今回、新たに役職の任命を受ける方もおられるであろう。学会の役職は、妙法を弘めるための役職である。
 妙法は、無上宝衆――「無上の宝の集まり」である。妙法の当体が御本尊である。それは、わが生命の中にもある。
 日蓮大聖人は「この御本尊は、まったくよそに求めてはなりません。ただ、われら衆生が法華経を受持し、南無妙法蓮華経と唱える胸中の肉団にいらっしゃるのです」(御書1244㌻、通解)と教えてくださっている。
 世界最高の宝を、みずからも得て、人にも分かち与えるのが、信心である。そのための学会の役職なのである。
 法華経に「現世安穏にして、後に善処に生じ」(薬草喩品、法華経二四四㌻)とある。
 広宣流布に生きぬくならば、絶対的幸福の生命となる。未来世においても、最高の場所に生まれ、王者のごとき大境涯となる。釈尊そして大聖人が、そう約束してくださっている。これを軽々しく考えてはならない。
 仏法の因果は、峻厳である。信心を離れてしまえば、永遠の幸福は絶対に確立できない。
3  人事を受けて、自分の後輩が組織の中心者として活躍する場合があるかもしれない。
 その時に、一生懸命に後輩を支える。守っていく。それが本当に偉い人である。そうすれば、自分の境涯が広がる。自分もまた、多くの同志から守られていく。
 わが恩師、第二代会長の戸田先生は、決して、私を最初から高い役職に就けることはしなかった。支部幹事や支部長代理など、目立たない立場にした。むしろ後輩を偉くしたりもした。
 そのなかで、私がどう戦うか。どう学会を支えていくか。先生は、じっと見守っておられた。
 私が決めた人生は、戸田先生の弟子の道――それ以外にない。どんな立場になろうとも、一切、変わることはない。私は、先生のもとから出発して、敢然と戦い、敢然と勝利した。
 本当に偉大な先生だった。仏法という最高の哲学を体得した天才中の天才だった。
 私は、その戸田先生の偉大さを全世界に宣揚してきた。後世に残そうと戦ってきた。それが弟子としての私の決意であった。
4  「行学の二道」を進め
 学会は「思想界の王者」である。
 この夏(二〇〇四年八月二十九日)には、学生部が教学実力試験に挑戦する。そして今年の秋(十一月二十一日)には、伝統の教学試験が行われる。「教学部の初級試験」と「青年部の三級試験」を統一試験として、全国で開催する予定である。無事故で、大成功させていきたい。
 私どもが心肝に染めてきた、重要な「諸法実相抄」の結びには、こう仰せである。
 「行学の二道をはげみ候べし、行学たへなば仏法はあるべからず、我もいたし人をも教化候へ、行学は信心よりをこるべく候、力あらば一文一句なりともかたらせ給うべし
 「行」(実践修行)と「学」(教えの研鑽)を両輪として、勇んで前進していくことだ。仏法の一文一句でも、自分らしく、力強く語っていくことである。語った分だけ、仏縁は広がる。時代は動く。
 ともどもに「行学の二道」に励み、教学試験を通して、いちだんと深く広く「広宣流布の人材」を育成してまいりたい。
5  結びに、重ねて御聖訓を拝したい。
 「(完全な器が水をもらさないように)信心の心が完全であれば、人々が平等に成仏できることを悟った広大な仏の智慧の水は(その心に)乾くことはありません」(御書1072㌻、通解)
 信心は「無限の智慧」の源泉である。しかし「心」という器が、ひっくり返っていたり、穴があいていたり、汚れていたり、ほかのものが混じっていたりしたら、きれいな水は得られない。
 何があってもゆるがない「信心の心」。それさえあれば、智慧の水は、いくらでもわく。自分も人も社会をも、希望と幸福で潤していける。
 「将の将」である皆さんは、わが生命に満々たる智慧をたたえ、限りない勇気を燃えあがらせていただきたい。そして、学会創立七十五周年の二〇〇五年へ、創立八十周年の二〇一〇年へ、悠然と、常勝の名指揮をとっていただきたい。
6  善友に近づけ悪知識をしりぞけよ
 大聖人は、釈尊に敵対した提婆達多について、「名聞名利の心が深い者であったので、仏である釈尊が人に敬われるのを見て、妬んだ」(御書1348㌻、通解)と喝破されている。
 戸田先生も、提婆の本性は「男のやきもち」と明言された。
 同志を裏切り、学会を壊し、広布を阻もうとした悪人は皆、「名聞名利の心が深い者」であった。
 その本性は″嫉妬″である。皆さまも、よくご存じのとおりだ。
 私たちは、「人間革命」という幸福の軌道を進んでいる。それを邪魔し、脱落させようとするのが、「悪知識」である。大聖人は、経文とその釈を引かれて「悪知識というのは、甘く語りかけ、いつわり、媚び、言葉巧みに、愚かな人の心を奪って、善き心を破る」(御書7㌻、通解)と仰せである。
 さらに「国を滅ぼし、人を悪道に堕とすものは、悪知識に過ぎるものはない」(御書8㌻、通解)と強調されている。
 悪知識ほど、渡ろしいものはない。言葉巧みに近づき、うるわしき同志の心の絆を破壊しようとする。国や人を滅ぼしていく。
 ゆえに、大聖人は「悪知識をしりぞけよ!」と厳命されている。
 「謗法の者を防いでいきなさい。(法華経にある)『悪知識を捨てて、善友に親しみ近づきなさい』とは、このことである」(御書1244㌻、通解)と。
 どこまでも善友とともに前進する。善友のスクラムを強めていく。そして、悪知識を厳然と破折し、すべてを「人間革命」のエネルギーに変えていく――ここに仏法の真髄がある。
7  いよいよ新しい出発である。
 どうしたら同志の労を少なくして、最大の広布の前進ができるか。そこに心をくだき、みずから率先して行動するところに、幹部の使命がある。
 上に立って号令をかけるのではなく、緻密に、民衆のなかへと分け入っていくことである。また「上から」でなく「下から」、最前線から波を起こす。一人一人と語りあい、ともに立ち上がっていくことだ。
 新しい息吹、新しい作戦、新しい行動を! そこからしか、勢いある前進は始まらない。
 進みましょう! 広宣流布の誓願を結実させるために! 民衆の平和運動の基盤をいちだんと拡大するために!
 (群馬多宝研修道場)

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