Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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各部合同研修会 人格で光れ! 団結で進め

2004.8.7 スピーチ(2004.1〜)(池田大作全集第96巻)

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2  皆が長者に! 皆が王者に!
 ドクター部と白樺会、白樺グループの代表も参加されている。いつも人々の健康のために尽くしておられる、尊い医師や看護師などの皆さんである。全員で、感謝の気持ちをこめて拍手を送りたい。(拍手)
 皆さんは、世界一の妙法を持った尊き仏の使いである。妙法流布という、人間として最高の使命がある。「健康の世紀」「生命の世紀」の道を開いておられる。広宣流布のため、創価学会の同志のために尽くす福徳は無量である。皆が長者となり、王者となりゆく方々である。いちばん高い、いちばん深いプライド(誇り)をもっていただきたい。
 皆、生身の人間だから、病気にもなれば、けがもする。病院にも行く。ドクター、自樺の皆さんは、病院で大勢の人を診療して、疲れることもあるだろう。気むずかしい人を相手にしなければならない場合もあるかもしれない。
 しかし、病気やけがをしている人にとって、頼りになるのは医師であり、看護師である。健康と長寿のための要の中の要が皆さんである。
 医療の技術はもちろんのこと、「あの病院に行って、安心した。よかった」と言われるような、人格の光る、すばらしい医師・看護師であっていただきたい。そして、それぞれの立場で、「世界一の健康の病院」「理想の病院」を築いていくことだ。
 十九世紀から二十世紀へ、世紀を超えて、文学史上に輝く名作をつづり残したトルストイ。彼は六十代、七十代、そして八十二歳まで、民衆とともに働いた。だからこそ、みずからは汗をかいて働こうとしない、高慢な人間を厳しく戒めた。
 トルストイの言葉に、こうある。
 「額に汗して営々と働くにあらざれば、健康な肉体はあり得ない。また健康な思想も頭脳にわき得ない」(『人生の道』上、原久一郎訳、岩波文庫)
 額に汗して、営々と働く。そして勉強する。そうであってこそ、精神的にも、肉体的にも鍛えられる。要領がいいだけの人間は、最後は敗れ去る。
 営々と働く。地道に戦う。これが創価学会の強さである。
 広布のため、人々のために、働いてくださっている皆さんである。御本尊が、諸天善神が護らないわけがない。
 法華経に、「諸天は昼夜に、常に法の為めの故に、而も之れを衛護し」(安楽行品、法華経四四〇㌻)と厳然と記されているとおりだ。
 御本尊は仏の生命の当体である。勤行は、大宇宙と一体の永遠の大生命を、わが身に湧現する荘厳な儀式である。
 勝利者として、最高に栄誉ある人間として生きる道は、この信心しかない。それが釈尊、天台大師の結論であり、日蓮大聖人の結論である。
 妙法を唱え、弘めゆく皆さまほど、尊貴な存在はない。無上の人である。仏法の眼から見れば、世間的な地位や立場など小さく、はかない。もっと深い″生命の位″がある。そういう人間観の「大革命」ができる仏法なのである。
3  「団結の力」が新時代を開いた
 ケネディ大統領といえば、アメリカで最も尊敬される大統領の一人である。
 ケネディ大統領は、芸術家が偉大である理由の一つとして、「結びつける力は分断する力よりも強いということを、思い出させてくれる」ことをあげている。(一九六二年十一月二十九日のスピーチ、「ジョン・F・ケネディ大統領図書館および記念館」のホームページより)
 団結か分断か――あらゆる団体や組織にとって重要な問題だ。戦いである。
 「団結の力」こそが最も強い。創価学会が勝利していく道は「団結」しかない。
 御書には「異体同心」等と仰せである。学会は永遠に、信心を根本にした「異体同心の団結」で進むのだ。万が一にも、身勝手な派閥などができれば、「異体異心」になってしまう。大切な広宣流布の組織は崩されてしまう。それでは、成仏への道は閉ざされてしまう。
 いよいよ団結を固くし、知恵と力を合わせながら、新たな拡大の歴史を築いてまいりたい。
4  日蓮大聖人の人生は、大難また大難の連続であられた。
 門下のなかには、せっかく三世永遠の幸福の道に巡りあいながら、一時の迫害を恐れ、私欲にかられて、退転した人間もいた。師匠である大聖人を捨てたうえに、敵対さえしたのである。
 大聖人は、厳愛をこめて、門下に仰せである。
 「あなたがたはそれぞれに、日蓮の大切な味方である。ところが、私が頭をくだくほど真剣に祈っているのに、今まで明らかな現証がないのは、この中に心のひるがえる人がいると思われるのである。思いの合わない人のことを祈るのは、水の上に火をたき、空中に家を建てるようなものである」(御書1225㌻、通解)
 私は、門下の身を案じて、頭が痛くなるほど懸命に祈っている。今こそ心を決めよ。心を合わせよ――そう厳しく述べられたのである。
 大聖人は、流罪された佐渡の地で、こう仰せである。
 「法華経の行者は、信心において退転することなく、身に詐り親しむことなく、一切、法華経にその身を任せて、仏の金言のとおりに修行するならば、たしかに、来世はいうまでもなく、今世においても無事で寿命を延ばし、最高に勝れた大果報を得て、広宣流布の大願をも成就できるであろう」(御書1357㌻、通解)
 われらは大聖人直結で、この御金言のままに、広宣流布に生きぬきたい。
5  シェリー ″臆病者になるな。心の思いを語れ″
 イギリスの詩人シェリーは訴えた。
 「嘘は人間の使う最も下劣で、最も卑しいものです」(『飛び立つ鷲』阿部美春・上野和廣・浦壁寿子・杉野徹・宮北恵子訳、南雲堂)
 嘘は、どこまでいっても嘘である。必ず、白日のもとにさらされる。詩人が断じたとおり、嘘は下劣で、卑しい。
 いわんや清浄な仏法の世界を、事実無根の嘘で攪乱し、仏子を苦しめる悪は、計り知れない。
 詩人シェリーは″真理と正義によって立て!″″臆病者になるな。心の思いを語れ!″(同前、趣意)と呼びかけた。われらもまた、正々堂々と正義を語りぬきたい。いちばん苦しんだ民衆が、いちばん喜び、いちばん楽しく、いちばん幸福になる時代を、本格的な「民衆の時代」を開いてまいりたい。
6  心は見えない。しかし、心は伝わる。心は心を動かす。
 真心こそ、何ものにも代えられない最高の価値である。あとになればなるほど輝きを増していく。「心こそ大切」――ここに仏法の真髄がある。この一点を、私は何度もお話ししてきた。
 師弟の道も、心で決まる。私は恩師戸田先生と「不二の心」で戦い、「不二の心」で生きてきた。卑しい野心ではない。頭の中だけの観念でもない。真実の「師弟不二の心」があるかどうか。それで一切は決まるのである。
7  「対話の力」で! 「日蓮と同じく」広宣流布ヘ
 広宣流布こそ世界平和の道である。対話の力、文化の力で、人間を結びたい。「すべての人が幸福に生きる世界」を断じて築きたい。
 有名な御聖訓に、こう仰せである。
 「日蓮は、生まれた時から今にいたるまで、一日片時も心の休まることはなかった。ただ、この法華経の題目を弘めようと思うばかりであった」(御書1558㌻、通解)
 これが日蓮大聖人のお心である。この人生を何にかけるか。大聖人は、妙法流布にわが身を捧げよと教えられた。そこに幸福への王道がある。大聖人と同じ心で、わが地域に、わが城に、新しき広宣の記念碑を打ち立てていきたい。
8  仏法を知らない人から、「生死という難問を解決する道は、どこにあるのか」と問われたら、どうしたらいいか――。こうした問いに答えつつ、大聖人は明快に述べておられる。
 「とにもかくにも法華経を、あえて説き聞かせるべきである。(それを聞いて)信ずる人は仏になる。謗る者は、それが″毒鼓の縁(逆縁)″となって仏になるのである。何としても仏になる種は、法華経よりほかにないのである」(御書552㌻、通解)
 広宣流布のために勇気をもって語り、行動したことは、全部、人のためになり、自分のためになる。
 大聖人は、一門が迫害を受けているなかで、仰せである。
 「このような者(日本第一の法華経の行者である日蓮大聖人)の弟子檀那となる人々は宿縁が深いと思って、日蓮と同じく法華経を弘めるべきである」(御書903㌻、通解)
 正義ゆえに嫉妬され、批判され、迫害される。大変であるけれども、これは免れがたい仏法の法則である。
 ″私との宿縁が深いと思いきって、広宣流布に頑張れ″――そう大聖人は励ましておられる。
 中傷され、批判されても、そんなことで、へこたれてはいけない。正義ゆえの迫害は、それ自体、永遠の誇りであり、福徳に変わっていく。永遠の勝利ではないか。迫害など少し風が吹くようなものだ。大したことではないんだよ――私の胸には、門下への大聖人の厳愛の声が響いてくる。
9  皆に勇気を与える声を
 仏法は「声仏事を為す」と説く。声が「仏の仕事」をする。広宣流布は声の力で進むのである。
 声にもいろいろある――温かな声。冷たい声。嫌な声。感じのいい声。
 声ひとつ、話し方ひとつで、心を通わせ、信頼を結んでいける。
 どうかリーダーの皆さんは、声を聞いたら、皆がほっとする。元気になる。心が明るくなる――そう言われるような、人に勇気と希望を与える声であっていただきたい。
 妙法の音声には、広大無辺の力がある。大聖人は、こう教えてくださっている。
 「題目を唱え奉る音声は、十方(東西南北の四方と東南・東北・西南・西北の四維と上下の二方)の世界に届かない所はない。われわれの小さな声でも、題目という『大音』に入れて唱え奉るゆえに、大宇宙の中で到達しない所はない。
 たとえば小さな音でも、ほら貝に入れて吹く時、遠くまで響くようなものである。また手の音はわずかでも、鼓を打てば遠くまで響くようなものである。一念三千の大事の法門とはこれである」(御書808㌻、通解)
 一人の祈り、一念も、「題目の音声」にこめれば宇宙全体に響き渡る。信心の動は全宇宙の仏・菩薩をも動かし、幸福の方向へ、勝利の方向へともっていける。題目の大音声に勝る力はないのである。
10  広宣流布の戦いにあっては、男女の差別は一切ない。
 大聖人が「男女はきらふべからず」と明確に仰せのとおりである。
 また、「此の経を持つ女人は一切の女人に・すぎたるのみならず一切の男子に・こえたり」と大聖人は断言されている。
 女性が輝き、いちだんと力を発揮してこそ、一家も地域も世界も、幸福の光彩に包まれていく。
11  何ものをも恐れない、勇敢なる破折精神。これがあったから、学会は大発展した。
 大聖人は厳然と仰せである。
 「いかなる大善をつくり、法華経を千万部も読み、書写し、一念三千の観念観法の悟りを得た人であっても、法華経の敵を責めなければ、それだけで成仏はないのである」(御書1494㌻、通解)
 とくに男子部、壮年部に、心に刻んでいただきたい御聖訓である。
 法華経の敵を責めなければ、成仏できない。折伏の実践がなければ、無量無辺の大功徳は得られない。これが大聖人の結論である。
 その偉大なる広宣流布の行動を、皆さまは勇敢に貫いてこられた。
 大聖人は、こうも記されている。
 「法華経の敵を見て、世をはばかり、世を恐れて黙っていたら、釈尊の敵となってしまう。どんな智人・善人でも必ず無間地獄に堕ちる」(御書1412㌻、通解)
 厳しき訓戒である。
 「世をはばかり、世を恐れて」折伏を行じない――日顕宗の姿そのものである。この一点だけ見ても、大聖人のお心に完全に違背している。
 学会は大聖人の仰せのままに、世界百九十カ国・地域に妙法を弘めた。正義の学会は、厳然と勝利した。
12  人材を見つけよ人材を育てよ
 「本因妙抄」には、こう仰せである。
 「かの天台大師には、三千人の弟子がいたが、章安一人だけが同じ明朗な悟りを得ている。
 伝教大師は、三千人の多くの門下を置いたが、一番弟子の義真の後は、同じ悟りを継ぐ人はいなかった。
 今も、それと同じようなものである。幾人かの弟子がいるといっても、疑う心がなく、正義を伝える者はまれであって、一、二の小石のようなものだ」(御書874㌻、通解)
 大聖人は、未来の一切を日興上人に託された。後継者がいなければ、どんな大事業も発展させることはできない。
 幹部の皆さんも、次のリーダー、次の人材を、全力で育てることだ。それをしない幹部は、「自分さえよければいい」という傲慢な命である。「次のリーダーをつくろう」「自分以上の指導者に育てよう」――この心があるかないか。それで未来は決まる。
 人材を見つけ、人材を育てる。とともに、全員を立派な人材にしていく。それでこそ、正義は永遠に栄えていく。
13  ゲーテ ″勤勉が私を健康にする″
 使命深き皆さま方に、東西の偉人の言葉を贈りたい。
 ドイツの文豪ゲーテは戯曲の主人公に、こう語らせている。
 「仕事にはげみうるとき、わたくしは健康なのでございます。それゆえ勤勉がわたくしをふたたび健康にしてくれます」
 「わたくしはのんきなぜいたくな暮らしをしていますと、調子が悪くなります。わたくしにもっとも安息を与えないものは、安息なのでございます」(「トルクワートー・タッソー」実吉捷郎訳、『ゲーテ全集』4所収、人文書院)
 本当にそのとおりだと思うが、皆、どうだろう。
 勤勉が自分を健康にする。私たちにとっては、日々の「信行学」の実践といえよう。
 中国の大教育者・陶行知とうこうちは述べている。
 「健康は、生活の出発点であって、また教育の出発点である」(斎藤秋男『陶行知 生活教育理論の形式』明治図書書院)
 健康はすべての出発点だ。皆さまも、いちだんと健康になって、使命の舞台で大活躍していただきたい。
 看護の大道を開いたナイチンゲール。彼女は九十歳まで生きぬいた。その心は、じつに若々しい。
 「私たちはいわば志願兵なのです。それを忘れてはなりません。私たちは自分の道を選んだのです」
 彼女がつづった「看護婦と見習生への書簡」(湯槇ます・小玉香津子・薄井坦子・鳥海美恵子・小南吉彦訳『ナイチンゲール著作集』3所収、現代社)の言葉である。
14  フイリピン独立のために殉じた国家英雄ホセ・リサール。文学・芸術・教育など、多分野に才能を発揮した彼は、優れた医師でもあった。彼の代表的な文学作品に、こうあった。
 「人間は、目的があるから、働くのだ。目的がなくなれば、人は無気力になる」(『反逆・暴力・革命』岩崎玄訳、井村文化事業社)
 われらも広宣流布という大目的へ進みたい。
 皆、健康で! ご長寿で! 朗らかに! もう一つ、新しい創価学会をつくるくらいの心意気で!
 ナポレオンのごとく、否、ナポレオン以上の大将軍の指揮を、よろしくお願いしたい。
 わが使命の地域に、日本一、世界一の広宣流布の歴史をつくるのだ。周りが皆、「あそこには、とてもかなわない」と、うらやましがるような広布の理想郷を築いていただきたい。
 勝つ人生は痛快だ。敗北の人生は暗く、情けない。どうか悠々と、明るく、元気に進んでいただきたい。
 帰ったら、地域の皆さまに、くれぐれもよろしくお伝えください。ありがとう!
 (長野研修道場)

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