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日蓮大聖人・池田大作

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第三十六回本部幹部会、全国壮年部幹部会… 世界一の青年部よ広宣流布の道を開け

2004.3.4 スピーチ(2004.1〜)(池田大作全集第96巻)

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1  君よ! 勇気で進め!
 きょうは、本当にご苦労さま!
 ここ八王子は、当初の天気予報では雨か雪。それが、外を見ると晴天であった。
 婦人部の皆さまの祈りの賜である。いつもありがとう!(拍手)
 女性の皆さまに最大の敬意をこめて、ウクライナの有名な女性詩人レーシャ・ウクラインカの話から始めたい。
 「ウクラインカ」と言われても、日本では、知らない人が多いかもしれない。
 知ることが力になる。先駆することになる。これが指導者の要件である。
 いつも皆が知っている話しかしない――これでは、聞くほうも、あきあきする。
 指導者はつねに、新しい何かを学んでいくべきだ。
 皆の知らないことを話せば、新鮮であるし、魅力がある。人の心をつかんでいける。
 さて、ウクライナは、ヨーロッパの東部にあり、世界に先駆けて非核化を進めた「平和の先進国」として知られる。
 私は、SGIの皆さまの代表として、同国のキエフ国立貿易経済大学から「名誉博士号」(二〇〇二年十一月)、また「大統領栄誉賞」(〇四年一月)をお受けした。
 このウクライナを代表する女性詩人が、ウクラインカである。
 彼女は、牧口初代会長と同じ年に誕生。病気のため、四十二歳の若さで亡くなった。(一八七一年〜一九一三年)
 代表作は、詩劇「森の歌」、短編「友情」などがある。
 経済、歴史、文学、語学などを学び、傲慢な圧政への抗議や、人間性の回復を謳いあげた。
 そのために迫害につぐ迫害。だが彼女は、民衆を最大に鼓舞しながら、未来の勝利へ前進していく――。
 まさに、女子部、婦人部の皆さまのような存在である。
 また、彼女のおじは、文豪ユゴーと親交があったという。
 ウクラインカは、高らかに謳う。
 「真実を守る闘士に、敵がいかなる苦痛を与えたかを思い起こすとき、仇討ちの念に、われらの拳が固く握られないことがあろうか!」
 私は戦うぞ! 敵を破るぞ!――これが百年前、高き理想へ歩み続けた彼女の決心であった。
2  広布の勇士に悪口罵詈は必然
 広宣流布という最高の人生を知る皆さまは、偉大な目的に向かって、さらに強い決心であっていただきたい。
 広布を推進する勇士の道には、必ず、「悪口罵詈」「猶多怨嫉」の大難が襲いかかってくる。
 すべては御書と法華経に仰せのとおりである。
 (「悪口罵詈」は法華経勧持品〈法華経四一八ページ〉、「如来現在猶多怨嫉。況滅度後」は法師品〈法華経三六二ページ〉の文。末法の法華経の行者が、無智の人から悪口罵詈等され、釈尊の在世よりも多くの難を受けると予言されている)
 日蓮大聖人は、四度の大難をはじめ、あらゆる難を受けられた。しかし、いかなる大迫害も御本仏を倒すことだけは、絶対にできなかった。
 蓮祖に直結するわが学会も、「悪口罵詈」「猶多怨嫉」の難を師子王のごとく勝ち越えてきた。
 「三類の強敵」を断固と打ち破った。
 そして今、太陽の仏法は、全世界の五大州を燦然と照らしているのである。
3  きょうは、海外五十五カ国・地域の代表が、参加されている。
 遠いところ、ありがとう! ご苦労さま!
 皆さまにお会いでき、本当にうれしい。
 世界に広宣流布をしておられる、尊い同志の方々である。大聖人のおほめは絶大である。
 「世界広宣流布」は、大聖人の御遺命である。それを実現しているのは創価学会しかない。日顕宗はいったい、何をしたか。何もしていない。それどころか、広宣流布を破壊しているのである。
 SGIの平和の連帯は今や、仏法史上かつてない「百八十七カ国・地域」に広がった。
 この功徳は無量である。皆さま方の子々孫々にまでとうとうと流れていく。
 それぞれの国で、地域で、一家一族が生々世々、最高の生命の位で、最高の幸福境涯となって暮らしていけることは、間違いない。そうなるための法華経の流布である。
 信じられない人もいるかもしれないが、必ずそうなると御書に書いてある。御本仏の言葉に絶対に間違いはない。(本書七五ページ参照)
 ゆえに釈尊も、天台大師も、そして大聖人も、「法華経流布のために、どんな迫害があろうとも、生命をかけて戦いなさい」と教えておられるのである。
4  信仰と慈愛が人間を大樹に
 きょうは、教育者の皆さんも来られている。
 世界中の人々から今なお尊敬されている、スイスの大教育者ペスタロッチの言葉を贈りたい。
 「成長する樹木の根っこにあたるもの――それは、人間にとっては信仰と慈愛という心の力である。
 なぜなら人間とは、鍛錬され、教育されるべき、神聖にして不滅の存在だからである」(THE EDUCATION OF MAN, translated from German to English by Heinz and Ruth Norden, philosophical Library, INC)
 人間が大きく成長しゆく根っこには、「信仰」と「慈愛」が必要だというのである。
 深い信仰をもち、慈愛にあふれた教育者は、優れた人間教育を実践することができる。
 皆さんは、時には、心ない偏見や無理解にぶつかることがある、かもしれない。
 しかし、真実の信仰を知らず、下劣な中傷を加える人間こそが、本当は下劣なのである。
 人間教育の光を広げる皆さまは、最高に尊敬されるべき、使命の人である。
5  青年部の諸君! いよいよ君たちの時代である。創価学会は、青年が一切を担い立つ、大事な段階に入った。
 皆さんに、フランスの大歴史家ミシュレの言葉を伝えたい。
 「私は、若者にもっと大きな情熱を望むでしょう。弱々しくもなく変わりやすくもない情熱、強く、執拗かつ高邁な情熱、偉大で崇高な物事、過ぎ去る事のない物事を前に立ち上がる情熱を」(『学生よ――一八四八年革命前夜の講義録』大野一道訳、藤原書店)
 青年には、無限の力がある。ゆえに、大情熱を奮い起こすことだ。
 創価学会も青年部で決まる。情熱こそ、歴史を創りゆく、青年のあるべき姿勢である。
 青年部の諸君、頼むよ!
6  古代ローマの大傑作『アレクサンドロス大王伝』には、次のような一節がある。
 「勝利によりあらゆるものが開かれるのだ」(クルティウス・ルフス、谷栄一郎訳、京都大学学術出版会)
 負ければ悲惨である。正義が勝てば、あらゆる道が開かれる。あらゆる建設が、幸福が開かれていく。
 意気地がなく、負ける人間は、結局は、苦しみに縛られることになる。
 創価の青年は、一切に勝って、勝って、勝ちまくることだ。その堂々たる勝利の姿にこそ、人々は熱い共感と信頼を寄せるのである。
 とくにリーダーは、知恵を出し、さまざまに工夫をしながら、友を心から励まし、勝利の突破口を開いていただきたい。
 一日一日、「わが地域で、これだけ広宣流布を進めた」と言える戦いを積み重ね、平和と人道の大連帯を広げていただきたい。
 ともかく、「勝利」の二字――これが、一切を開く。青年部の健闘に期待したい。
 自身のためにも、断じて勝利していただきたい。
7  青春の日記帳に
 「東西の融合」と「人類の統合」を夢見た、若きアレクサンドロス大王は、何によって勝利の道を進んだのか。
 さまざまな分析があるが、先ほどの伝記は、その一つとして、大王は「勇気で勝った」と記している。
 勇気は慈悲につながる。慈悲と勇気は表裏一体である。
 わが青春の日記帳に「我は勇気で勝ちたり!」とつづりゆく皆さまであっていただきたい。
 勝つことだ。それには勇気を出すことだ。
 戸田先生は、よく言われていた。
 「慈悲にいちばん近いのは勇気である。勇気は慈悲に通じる。
 当然、『慈悲』は大切だが、凡夫であるから、なかなか、慈悲は出ないものである。だから勇気だ! 勇気を持て!」
 創価のわれらは、いかなる戦いも、勇猛果敢に攻めぬいて勝とう! 勝てば愉快である。
 勇気のあるほうが勝つということは、戦いの鉄則である。
 栄光の歴史を築くには、断じて勝つ以外にない。
 学会は、全国に三百万の青年の連帯を広げている。すごい団体である。世界一である。
 きょうは、「勝利の夜明け」の青年部幹部会であると私は確信したい。
8  御聖訓には、地涌の菩薩が末法に出現して、妙法を、全世界のそれぞれの国々の、それぞれの人々に弘めていくことが、明確に断言されている。
 (「妙密上人御消息」には「此の人末法に出現して妙法蓮華経の五字を一閻浮提の中・国ごと人ごとに弘むべし」と。また「種種御振舞御書」には「妙法蓮華経の五字・末法の始に一閻浮提にひろまらせ給うべき瑞相に日蓮さきがけしたり、わたうども和党共二陣三陣つづきて…」と仰せである)
 この日蓮大聖人の「世界広宣流布」の御遺命の達成へ、ともどもに進みたい。なかんずく、青年部に託したい。
 広布に進む学会を、諸天善神が守らないわけがない。大聖人がお守りにならないわけがない。
 これほど崇高で偉大な正義と幸福の道はない。
 その誇りを胸に頑張っていただきたい。
9  世界の五十五カ国・地域から、勇み集ってこられた、偉大なる地涌の同志の皆さま方!
 私どもは、皆さまを、心からの大喝采で歓迎申し上げたい。
 どうか、ご健康で、ご長寿で、朗らかで、裕福で、そして堂々たる勝利の人生を送っていただきたい。
 皆さま方の崇高なお名前を、この東京牧口記念会館に永久に保管し、顕彰してまいりたい。
10  因果の法は峻厳
 邪悪な坊主がめぐらす策略と戦っていた、門下の四条金吾に対し、大聖人は、こう仰せである。
 「(金吾を責めていた他宗の)弟子と師匠が心を同じくした祈りであっても、長い間、小法(邪法)によって大法(正法)を犯している人々の祈りはかなわない。そればかりか、師匠も弟子も、ともに滅びるのである」(御書1151㌻、通解)
 創価学会は、大聖人の仰せのままに正法を弘めている広宣流布の団体である。
 ところが日顕宗は、御書に背く邪義を振りまわし、この創価学会を切った。清浄な学会を破壊し、広布を妨げようとした。ゆえに、彼らの祈りは、絶対にかなわない。御書に仰せのとおり、日顕宗が仏罰を受け、滅亡の一途をたどっている現在の姿は、あわれなかぎりである。
 思えば、大聖人一門を迫害しぬいた平左衛門尉頼綱は、熱原の三烈士を斬ってから十四年後、反逆罪で、一族もろともに滅んだ。
 因果の理法は、必ず現証としてあらわれる。これが仏法である。
 (平左衛門尉頼綱は、日蓮大聖人の御在世当時、鎌倉幕府の実力者として権力をふるい、大聖人や門下を迫害。弘安二年〈一二七九年〉には、熱原の農民信徒に改宗を迫り拷問を加え、神四郎・弥五郎・弥六郎の二人を斬首した。その十四年後の永仁元年〈一二九三年〉、自分の長男に謀坂の罪で密告され、熱原の信徒の迫害に加わった二男とともに、一族は滅ぼされた。長男も後に佐渡に流罪)
 そして今年は、恩知らずの狂った宗門による、あの″魂の蹂躙″――「C作戦」(本書三一ページ参照)から十四年。
 今、御本仏が、峻厳に、すべてを裁ききってくださっている。
 国法の上でも、日顕と宗門は、次々と断罪されている。(日顕宗はこの二年余に、最高裁で七回敗訴)
 極悪の宗門は敗北した。正義の創価学会は、勝ちに勝ちました!
11  黄金柱と立て!
 きょうは、壮年部の幹部会、おめでとう!
 厳しい不況のなか、全国の支部でも、地区でも、″十勇士″をはじめとして、壮年部の活躍が頼もしい。
 婦人部の間でも、″壮年部も戦うようになったな″(笑い)と、見方が変わってきたという。
 戸田先生は、壮年を、厳しくも温かく励まされた。
 「いかなる苦悩も、やがては大きな実りとなる。苦しんでは乗り越えていくことが、信心の力であり、信心の証明なのだ」
 壮年部の皆さまに、「ご苦労さま! ありがとう! 壮年部、万歳!」と申し上げたい。
 どうか、健康で、長生きしていただきたい。
 行動する作家ロマン・ロランは言った。
 「『善人』であることは大したことではない! 『勇敢な人』であるべきだ」(『インド 日記1915〜1943』宮本正清・波多野茂弥訳、『ロマン・ロラン全集』31所収、みすず書房)
 ただのお人好しであってはいけない。悪と戦う勇者でなくてはならない。勇敢な人こそ、偉大であり、正義なのである。
 壮年部の方々は、勇敢な大将軍であり、創価学会の黄金の柱である。
 皆で尊敬し、祈り、守ってまいりたい。
 「真実はつねに迫害を克服する」(『哲学事典』高橋安光訳、法政大学出版局)
 これは、十八世紀のフランスの哲人ヴォルテールの言葉である。一つの「歴史の方程式」といえよう。
 ヴォルテールは、フランス革命に多大な影響を与えた思想家である。
 彼は、デマによる冤罪事件で、権力にいじめられ、踏みにじられ、苦しみあえぐ市民のために、憤然と戦った。「言論の弾丸」を打ち返し、糾弾の声をあげた。戦って戦って戦いぬいた「言論の闘士」であった。
 真実ほど強いものはない。尊いものはない。
 法華経安楽行品には、こう厳然と説かれている。
 「妙法を実践する人が、恐れなく活躍することは師子王のようであり、その智慧の光明は太陽のようであろう」(法華経447㌻、通解)
 皆さまもまた、何ものをも恐れぬ師子王のごとき「言論の勇者」であっていただきたい。
12  悪への攻撃精神を忘れるな!
 十九世紀のイギリスの歴史家カーライルは喝破した。
 「人は如何なる場合にも虚言を吐く自由を持たぬ」(『英雄崇拝論』老田三郎訳、岩波文庫)
 そのとおりである。
 真の「言論の自由」のため、「人間の尊厳」のため、そして「文化の向上」のために、悪辣きわまるウソを、断じて放置してはならない。許してはならない。
 戦おう! 堂々と戦おう! どんなところでも! どんな小さなことでも!
 中国の大文豪に、巴金ぱきん先生がおられる。
 先生とは、東京や、静岡の研修道場で、親しく語りあった。上海のご自宅を訪問したさいは、たいへんに歓迎してくださったことも忘れられない。
 先生は、「四人組」が陰謀をめぐらせた文化大革命で、大変な迫害を受けた。
 いつ殺されるかもしれない。もう家には帰れないかもしれない――そういう過酷な状況を戦いぬかれた「不屈の闘士」である。
 巴金先生は、こう書き残しておられる。
 「ペテン師に対処する最良の方法は、ペテン師をあばくことであり、誰にでもペテン師が見分けられる技能を習得させ、いつでも、どこでも警戒心を高めてゆくことである」(『真話集』石上韶訳、筑摩書房)
 要するに、一人一人の市民が、賢く、強くなる以外にない。
 正邪を見極めることである。鋭く、痛烈に、徹底して正義を言いきっていくことである。
 戸田先生は言われていた。
 「悪に対する攻撃精神を忘れるな! 失うな!
 これがなくなったら、広宣流布はできない。バラバラになってしまう」
 重大なる恩師の遺訓である。
 脆弱な日本の精神風土を根底から変革するためにも、私たちは、確信の対話と信念の言論を貫いてまいりたい。
 法華経の警喩品には、こう説かれている。
 「この世界は、安泰ではない。火に包まれた家のようである。もろも苦悩が充満して、はなはだ恐るべき世界である。常に生老病死の憂いと患いがある。このような火は盛んに燃えあがり、やむことがない」(法華経191㌻、通解)
 現代の世界も、まさに、このとおりの様相である。
 私が今、対談を進めている世界的な文化人類学者、ハーバード大学のヌール・ヤーマン教授が、先日、私どもへの深い共鳴の声を寄せてくださった。
 教授は言う。
 「仏教は、どこの国のだれもが共感できる思想をもっています。どこの国の人々であれ、『生老病死』の苦を体験しない人はいないからです」
 生老病死の苦しみ――だれ人であれ、それを逃れることはできない。
 いかなる権力を振りかざしても、いかなる財宝や名声を誇っても、生老病死という根本問題は解決できない。
 無常のはかない流転に苦しむばかりだ。
 ただ、仏法のみが、真正面から、この命題に取り組み、万人が納得し実証できる、明快にして深遠な回答を示しているのである。
 大聖人は、「御義口伝」に仰せである。
 「(宝塔の)四つの面とは、生老病死という四つの相のことである。この生老病死をもって、われらの一身の生命の宝塔を荘厳するのである。われらが生老病死にさいして、南無妙法蓮華経と唱え奉ることは、そのまま常楽我浄の四つの徳の香りを薫らせることになるのである」(御書740㌻、通解)と。
 すなわち、この仏法を信じ、行じていくことによって、「生老病死」の苦しみの人生を、「常楽我浄」の喜びの人生へと転換していくことができる。
 それを知るわれらは、なんとすがすがしいことか。
13  われらの使命は世界平和
 さらに、ヤーマン教授は断言されている。
 「この仏教の思想をもとに、人間主義、平和主義、そして共生を説く、池田会長の思想とSGIの運動が、世界に広く受け入れられるのは、当然のことです」
 私のことは、ともかくとして、SGIの皆さまへの大いなる期待の言葉として紹介させていただきたい。
 世界は、今、仏法の「生命尊厳」の哲学を求めている。
 この地上から戦争の悲惨をなくすためには、仏法を弘める以外にないのである。
 私たちは、生老病死の苦悩の根源を見つめ、自身の「宿命」を打開しながら、人類の平和と幸福の建設に寄与しゆく、偉大なる現実変革の道を進んでいる。創価学会の使命は、あまりにも大きく深い。
 私自身、世界をまわり、あらゆる国の人々と対話を続けてきた。
 東西冷戦、中ソ対立の厳しい時代に、中国にも、ソ連にも行った。
 一民間人の立場ではあるが、日中友好、日ソ友好、そして、中ソ友好を真剣に願って、誠実に行動してきた。文化と教育の交流のために、キューバに飛んだこともあった。
 そうやって、各国の指導者と胸襟を開いて語りあい、友情を結び、ただ平和のため、世界のために、相互理解の橋を架けてきた。いかなる状況であろうとも、人間を信じ、対話に徹しぬいていくところに、仏法の人間主義の真髄があるからだ。
14  最高の努力で最高の勝利を!
 ともあれ、永遠不滅の妙法を唱えゆく生命は、永遠不滅の大歓喜のリズムにのっとることができる。
 宇宙の根幹の法則である妙法を弘めゆく人生は、宇宙と一体の大境涯を開いていくことができるのである。
 広宣流布の大願に徹するわれらは、何ものにも負けない。
 何ものにも行き詰まらない。何ものにも縛られない。何ものにも汚されない。
 そして、妙法とともに、学会とともに生きぬいた同志は、真っ赤な夕日のごとく、荘厳な人生の総仕上げを飾り、多くの人々から慕われ、感謝されながら、安祥として幸福なる来世へ旅立っておられる。
 それは、私が、かつてハーバード大学で講演したように、「生も歓喜、死もまた歓喜」(「二十一世紀文明と大乗仏教」。本全集第2巻収録)という究極の勝利の劇であり、永遠なる常楽我浄の生命の旅なのである。
 どうか皆さんも、安心して、また、誇りをもって、最高に尊き広宣流布の長征を、ともどもに進んでいっていただきたい。
 第二次世界大戦中のロンドンでのことである。
 イギリスのチャーチル首相は、ナチスの嵐のような猛烈な爆撃にも、断じて、ひるまなかった。
 苦しい戦いのなかにあっても、余裕の表情で人々の前に姿を現した。
 わが身をもって、″心配ないぞ。断じてナテスを倒すのだ″とのメッセージを国民に伝えたのであった。
 また、チャーテル首相は、こう獅子吼した。
 「われわれは、最大限の努力を払わなければならない」「努力を怠ってはならない」(加瀬英明編『チャーチル名言集』講談社)
 「最高の努力」が「最高の勝利」を生む。われらもまた、だれよりも努力し、だれよりも戦って、偉大なる勝利の歴史を飾っていこう!
15  結びに、中国の文豪・魯迅先生の言葉を皆さんに贈りたい。
 「革命家が死んだら、毎年生きている多くの人々ににぎやかな集会を、それどころか歓喜と鼓舞さえあたえる。革命家だけが、生きても死んでも、人々に幸福をあたえる」(『魯迅選集』7,増田渉る訳、岩波書店)
 真実の妙法の革命家であられた牧口先生、戸田先生の崇高なる生涯を偲ぶとき、私の胸には、この魯迅先生の叫びが深く迫ってくる。私たちもまた、後世の人々に、希望を、幸福を、勇気を贈りゆく、広宣流布の革命家として前進してまいりたい。
16  人生は戦いがあるからおもしろい
 人生は、試練があるから戦える。戦いがあるからおもしろい。
 もしも、何もやることがなく、ただ、ゆっくり休んでいればいい人生であるならば、これほどつらいこともない。(笑い)
 生命の喜びは、困難と戦い、乗り越えるなかにこそある。
 なかんずく、広布のための行動は、すべてが自身の成長となり、歓喜となり、充実となっていく。それを確信していってください!
 きょうは、本当に、ありがとう!
 海外の皆さんも遠方から、ご苦労さまです。
 どうか、風邪など、ひかないように。
 全国の同志、万歳!
 SGIの同志、万歳!
 皆さん、お元気で!
 (東京牧口記念会館)

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