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日蓮大聖人・池田大作

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第三十五回本部幹部会、第五回全国青年部… 地域に対話の花を!世界に人材の園を!

2004.2.5 スピーチ(2004.1〜)(池田大作全集第96巻)

前後
2  先ほど、ニューヨークの国連本部から、うれしい連絡を受けた。
 アメリカSGI(創価学会インタナショナル)が中心となって準備を進めてきた「世界の子どもたちのための平和の文化の建設」展が、国連本部のパブリック・ロビーで、盛大に開幕したのである。(=現地時間二月四日から二十七日まで開催)
 子どもは、未来に伸びゆく指導者である。世界にとって、どれほど大事であるか。
 子どもたちに希望の光を贈る展示会には、幾重にも深い意義がある。
 開幕式典には、チョウドリ国連事務次長、約四十力国の国連大使や外交官をはじめ、そうそうたる著名人も多数列席し、約七百人が会場を埋め尽くした。多数のメディアも取材に訪れたようである。
 チョウドリ事務次長は私のメッセージを全文、紹介してくださった。ありがたく、またうれしいことである。
 また、記念のスピーチをしてくださったのは、一九七六年度のノーベル平和賞を受賞したベティ・ウィリアムズさん。平和と人権の闘士である。
 彼女はスピーチの中で、「子どもたちは未来からの使者であり、人類の宝である。そして、子どもたちの瞳に希望の灯火をともすことが世界の平和を守ることである」という私の信条を紹介し、深い共感をもって訴えてくださった。
 ウィリアムズさんは、深刻な北アイルランド紛争において、子どもたちの命を守るため、一人の母として、敢然と声をあげた。そして、対立する双方の女性を連帯させ、奇跡的な平和の波を起こしたのである。
 彼女は語る。
 「平凡な主婦など、一人もいません。すべての人が特別な存在です。だれでも何かをなすことができます」(バージニア大学のホームページから)
 ノーベル平和賞受賞者の、重要な意義がこめられた発言である。
 皆、使命がある。その人にしかできない大事な役目がある。ゆえに、互いに尊敬しよう――。
 これを現実に実行しているのが、創価学会の婦人部の皆さまである。
3  全国五十万会場で輝く婦人部総会
 あらためて、全国五十万会場の偉大な、そして、あまりにも壮大な婦人部総会の大成功を、祝福申し上げたい。おめでとう!
 私も、刻々と報告を受けている。妻は、さまざまな報告を、目を真っ赤にし、涙しながら、じっと読んでいた。学会は、婦人部の真剣な戦いのおかげで、堂々たる勝利を続けている。
 御聖訓には「法妙なるが故に人貴し・人貴きが故に所尊し」とある。
 「法」が偉大であるから、その法を持つ「人」も貴い。人が貴いゆえに、その人のいる「所」も尊い。
 偉大な婦人部が一人いれば、その家庭も尊く輝いていくのである。
 広宣流布をなしゆく、わが創価学会員こそ、人類最高の使命をもった方々であり、深き人間性の光る方々である。
 とくに婦人部、そして、世界広布を進める海外の友に、私は最敬礼し、最高の栄誉を捧げたい。
 いつも、本当にありがとう!
4  ウソは「悪の巣」、ウソをはぎとれ
 ウィリアムズさんは、昨年、「聖教新聞」のインタビューで、こう述べておられる。
 「人々の努力でウソの飾りがはぎ取られた時に、美しき心の泉から『希望』がわき出てくるのです」(二〇〇三年七月一日付)
 いい言葉である。
 人をおとしいれるウソは、人間の尊厳を踏みにじる最大の「悪の巣」である。また、「暴力の巣」となる。ゆえに、こうした邪悪と言論で戦うこと。その精神闘争こそ、「平和の文化」へとつながっていくのである。
 彼女は、少年少女の人権を守るための「世界子ども慈愛センター」を創立された。その諮問委員会には、世界を代表する平和指導者が名前を連ねて、協力している。
 このセンターから、私に、諮問委員就任の要請が寄せられていることを、皆さんにご報告しておきたい。
 (=同センターは一九九七年に創立。諮問委員には、ゴルバチョフ元ソ連大統領、ワレサ元ポーランド大統領など多数のノーベル平和賞受賞者、学識者が就任している。二〇〇四年二月七日〈現地時間〉、アメリカ創価大学で、ウィリアムズさんから、池田SGI会長の同センター「諮問委員」の証書が贈られた)
5  青年よ! 史上最強の「正義の陣列」を
 今回の国連本部での展示会に、絶大な尽力を寄せてくださったチョウドリ国連事務次長は、こう述べておられる。
 「平和の文化とは即ち、庶民が力をつけることであり、持続的なものでなければならない。その成否は、次代を担う青年の手にかかっている」(「聖教新聞」二〇〇三年五月二十六日付、ニューヨーク文化会館での講演から)
 時代は大きく変わろうとしている。いよいよ庶民の時代、民衆の時代である。きょう集われた青年部の皆さまこそ、その担い手なのである。
 「平和の文化」は、「一人」が立ち上がり、勇敢に行動を起こし、対話を広げることから生まれる。「一人」を限りなく強くしていく――すなわち「一人の人間革命」が根本となる。
 そして、この理想を実現しているのが、創価学会の人間主義の組織であると断言しておきたい。
 いかにして、平和を築きゆくか。今、多くの指導者が悩んでいる。
 学会は、世界の先端を行っているのである。どうか誇りをもっていただきたい。
 わが青年部も本当に大きく成長してきた。史上最強の「正義の人材の陣列」――これこそ、創価の青年部である。学会の未来も、広宣流布も、日本の未来も、すべて青年部で決まる。
 青年部の諸君、よろしく頼む!
 きょうはフランスからも、凛々しき青年部の友が、研修に来てくださった。メルシー!(フランス語で「ありがとう」)
 皆さんは若くて、経済的にも、本当に大変だと思う。そのなかを勇んで来日され、私はうれしい。心から感謝します。全力で応援したい。
 イタリアの皆さんも、遠いところ、よく、おいでくださった。ありがとう!
 また、韓国の皆さん!
 先ほどは、「韓国SGI平和・文化賞」の真心の栄誉をいただき、心から、感謝申し上げます。地元に戻られたら、皆さんにくれぐれもよろしくお伝えください。
 さらに、台湾の皆さんも、いつもありがとう!
 そして、豪州(オース上フリア)など、十四カ国・地域の同志の皆さん、遠いところ、ご苦労さま! ようこそ、ようこそ!
 懐かしいオーストリアの理事長も参加しておられる。
 かつて彼は、単身、シベリア鉄道に乗って、ヨーロッパヘ向かった。(一九七〇年)
 オーストリア広布の一粒種として、音楽の都ウイーンで裸一貫から始め、欧州広布の地盤をつくられた一人である。
6  戸田先生「嵐にゆるがぬ″正義の闘士″をつくれ」
 二月の十一日は、戸田先生の誕生日である。先生の弟子である私たちにとって、忘れることのできない日である。
 先生が掲げられた合言葉は、「人生は闘争! 仏法は勝負!」。これが先生の結論であり、人生観であった。
 戸田先生は生前、語っておられた。
 「いかなる大難、迫害があろうとも、絶対に崩されぬ鉄のごとき決意の民衆の軍団をつくる! そして死を賭して、毅然と、邪悪と戦いぬく、嵐にもゆるがぬ正義の闘士を、必ずつくってみせる!」
 この戸田先生の言葉こそが、広宣流布の創価の城がそびえ立っていく「実像」でなければならない。この言葉のとおりに、私は戦ってきた。
7  五百本の杏
 戸田先生の生家は石川県にあった。(現在の加賀市塩屋町)そこには、杏の木が植えられていた。
 杏は、厳しい寒さにも負けない。いち早く薄紅色の花を咲かせる。うすべにいろ
 北国では「春を告げる花」として愛されてきたという。北国の皆さん、正しいでしょうか?(会場から「はい、そうです!」との声)
 果実が甘いことは有名だが、種も滋養に富み、薬にも用いられている。
 杏仁豆腐にも、杏の種が使われる。(杏の代用としてアーモンドなどを使う場合もある)
8  じつは、戸田先生の生家にあった杏の子孫にあたる苗本を、以前、北陸の同志が届けてくださったことがある。私は、うれしくてうれしくて、その恩師ゆかりの杏を大切にした。
 そして、八王子の「牧口記念庭園」の丘に植えさせていただいた。同志の真心を、絶対にむだにしてはいけないと思ったからである。
 もしも、同志の真心を当たり前と思い、感謝を忘れたならば、この仏法の和合の世界を利用することになる。リーダーは、よくよく心してもらいたい。
 それを土足で踏みつけたのが日顕であった。
 (=日蓮正宗六十七代法主。平成二年〈一九九〇年〉、宗門厳護の赤誠を尽くしてきた創価学会と池田名誉会長を切り捨てる「創価学会分離作戦〈通称。C作戦〉」を策謀。学会を破門し、会員信徒を宗門側に隷属させようと企てた。「法主本仏論」「僧俗差別」など、仏法破壊の限りを尽くした。平成十七年〈二〇〇五年〉に退座した)
9  牧口庭園には、春になると、恩師ゆかりの本々をはじめ、五百本を超える杏の花々が、香しく咲き誇る。一本の本を原点に、今、五百本の花園ができあがった。
 五千本の桜もある。
 さらに庭園には、牧口先生の胸像があり、戸田先生の胸像があり、馬上のナポレオンの像があり――本当に名画のごとき光景である。
 私は、「ああ、すばらしいな」「牧口先生も、戸田先生も喜んでおられるな」「ここを訪れる同志の方々も、喜んでくださるにちがいない」――そう思って見つめてきた。
10  「婦人部の木」「女子部の木」
 きょう、私は、一つの提案をしたい。
 この牧口庭園の美しい五百本の杏全体を、「婦人部の木」「女子部の木」と決定させていただきたいのである。
 そして、一本一本に命名をさせていただきたい。
 まず、日本全国の各県・東京各区の婦人部の木、女子部の木。
 婦人部の皆さん、女子部の皆さん、おめでとう!
 また、きょう出席されていない方々も含めて、女性の各部・各グループの木も、名前をとどめることを提案したい。
 今回、参加されている十四カ国・地域の皆さまの木も残したい。
 さらに、きょう出席の「無冠の友の木」「富士官の同志の木」「女子学生部の木」。未来部を育成する「二十一世紀使命会の木」。「鼓笛隊の木」「合唱団の木」。
 「創春会」「短大白鳥会」「蛍会」「香友会」等々、創価同窓の女性の木も命名させていただきたい。「聖教通信員の木」「女子部教学部の木」、そして「農村部の木」なども定めたい。
 加えて、役員で活躍してくださっている「白蓮グループの木」「白樺会の木」「白樺グループの木」「女性ドクター部の木」などをもって、杏の庭を荘厳していきたいと思っている。これから総合的に検討し発表していくことになると思うが、どうか、よろしくお願いしたい。
 杏の原産地をご存じだろうか?(会場から「中国だと思います」と)
 そう、これは中国である。
 孔子と弟子たちが、杏の花のもとで学んだという、優雅な逸話がある。
 また、慈悲深い名医が患者から治療費を受け取らずに、「代わりに杏を植えてください」と頼んだ故事がある。やがて、壮大な杏の林となり、その実りが人々のために役立てられたという美しい物語である。(この故事にちなんで、医師、医院の別称を「杏林」と言う)
 では、フランスでは、杏にどういう意味をこめているだろうか?
 「不屈の精神」が花言葉だそうである。一般に、杏は「長寿をもたらす木」として尊ばれている。
 ともあれ、冬を越え、春に美しい花を咲かせ、初夏には見事な実りを迎える杏の姿は、「知性」と「慈愛」、「健康」と「長寿」、そして「勇気」と「忍耐」という彩りをもっている。どうか皆さま方の人生も、杏のごとくあっていただきたい。
 杏の花園は、「女性の世紀」の希望の象徴である。私は、皆さま方を守るのと同じ思いで、この花園を守っていく決心である。
 かつて、ゴルバチョフ元ソ連大統領が、夫妻して、創価大学に来られた。(一九九三年4月二十四日)
 何度もお会いし、親交を深めあったご夫妻である。ライサ夫人は亡くなられたが、本当に残念でならない。
 お二人は「本当にすばらしい大学ですね!」と感嘆しておられた。そして、創価大学での植樹をたいへんに喜んでくださった。(来学を記念し、「ゴルバチョフ夫婦桜」が植えられた)
 ゴルバチョフ元大統領が語っておられた。
 「ロシアでは、生涯のうちで、大地に″一本の木″を植えることができれば、その人の一生には意味があった、と言われます」(「聖教新聞」一九九三年四月二十五日)と。
 木を植えることは、生命を植えることである。
11  ベルシャの大詩人ハーフィズは謳う。
 「正義の木を植え、悪人どもの根を維やせ」(『ハーフィズ詩集』黒柳恒男訳、平凡社)
 この精神で進みたい。
 「正義の木」――「正義の人材」を、どんどんつくることだ。
 「悪人どもの根」を、たたき切ることだ。
 悪の根は、徹底して断ち切っていかなければ、正義の花は全部、消えてしまう。枯れてしまう。
 ゆえに、「追撃の手をゆるめるな!」と、戸田先生は厳しく遺言されたのである。
12  真実の声は宝剣
 この点、私が現在、対談を行っている、アメリカの世界的法学者ナンダ博士(世界法律学者協会名誉会長、デンバー大学副学長)は、次のように論じておられた。(ボストン21世紀センター代表のインタビューに答えて)
 「(悪を放置すれば)『悪』は生きながらえてしまいます」
 「ゆえに『悪』に対しては、どこが間違っているかを、声を大にして叫ばなければなりません。
 『それは真実ではない!』と明快に言いきらなければならないのです」
 だからこそ、博士は、「破邪顕正」の創価の言論戦を最も強く、最も熱く支持してくださっているのである。
 学会がここまで伸びた原動力は、何ものをも恐れぬ「正義の言論」にあった。それを博士は鋭く見抜かれた。民衆の真実の声が、薄らぐことがあってはならない。正義の声の宝剣を、もっと強くしなければならない。
13  強い種を植えよ
 ナンダ博士は、今年(2004年)の『SGIの日』記念提言」にもたいへんに共鳴され、深い理解の声を寄せてくださった。
 「SGIが、なぜ、これほどまでに世界に広がったのか。それは、池田会長が世界中に蒔いてこられた『平和の種』そのものが、『強い種』だったからだと、私は思っています」
 「強い種」を植えることだ。途中で枯れてしまったり、カラスにもっていかれたりしたら、結局、何の効果もない。「強い種」でなければならない。
 (博士は、さらに語っている。
 「SGIの信仰は、自分自身の中で信仰を体現し、変革を起こしていく。そして、その変革によって、他者の心を開いていくというところにあります」
 「人間だから人間を変えることができる――これがSGIの『種』の持つメッセージであると思います。世界の人々が耳をかたむけるべきメッセージが、ここにあります」〈同前〉)
14  三代の会長の魂を受け継げ
 二月は、日蓮大聖人の御聖誕(一二二二年)の月である。
 大聖人が譲言による佐渡流罪の大難を耐え忍ばれ、赦免を晴ればれと勝ち取られたのも、二月(一二七四四年)であった。
 大事なのは、勝つことである。栄冠を勝ち取ることである。
 難があるのは、仏法の法則である。これは、やむをえない。
 しかし、いかなる難があろうとも、最後は勝利する。人生の究極の幸福を勝ち取る。
 それが仏法者の生き方なのである。
 佐渡で記された「諸法実相抄」には、こう仰せである。
 「(三類の強敵という大難に)耐えて、妙法を弘める人を、釈迦仏は必ずや衣で覆い護ってくださるであろう。諸天は必ず、その人に供養するであろう。また肩にかけ、背中に負って護るであろう。その人こそ、大善根の人である。一切衆生のためには大導師なのである」(御書1359㌻、通解)
 すなわち、総じて拝せば、大難に耐えて、仏法を弘めゆく人を、仏天は断じて護るのである。
 また、どんな宿命をもっていても、経済苦や病苦に悩んでいても、諸天が必ず護ってくださるのである。大聖人のお約束は絶対である。
 そして、仏法のために難と戦う人こそ、三世永遠の幸福の種を植える人であり、さらに人々を幸福へと導く大指導者、大博士になる因を積んでいる人なのである。ゆえに、わが学会の同志は、何の心配もいらない。
 私たちは、大聖人の正統として、三障四魔の烈風と、まっこうから戦ってきた。仏法を弘めるゆえに、多くの悪口罵詈を受けてきた。経文どおりの最も正しい道を進んでいるのである。
 この創価の三代の師弟の魂を、これからは、青年部が厳然と継いでいっていただきたい。
 そして、千年先、五千年先、一万年先には、どれほどすばらしい「創価の友情の花園」が全世界に広がっていることか。
 それを思うとき、私の胸は躍る。
15  SGIの連帯がさらに拡大!
 この二月(二〇〇〇四年)、カリブ海の美しき太陽の楽園アンギラ(イギリス領)にも、SGIのメンバーが誕生した。この地で、ご主人が土木技師として、また奥さまは教育の分野で活躍されるご夫妻が、そろって入会されたのである。
 これでSGIの大連帯は、さらに一つ増えて、百八十七カ国・地域に広がったことを報告したい。
 全世界の同志の団結と奮闘によって、SGIの大行進は、今、大きく広がっている。
 私は、今年もまた、いやまして、全世界を舞台に平和・文化・教育の波を起こしてまいりたい。
 日本の皆さんも、よろしく頼みます。
 体に気をつけて、断固として、完勝の一年にしてまいりましょう!
 またSGIの皆さま、遠くから、本当に、ご苦労さまです。本当に、ありがとう!
 日本は寒いですから、風邪をひかないように。
 皆さま一人一人に、一生懸命、題目を送ります。お元気で、いつまでも、お元気で!
 そして、全員が幸福になってください。
 きょうは、本当にありがとう!
 (創価国際友好会館)

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