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日蓮大聖人・池田大作

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神奈川最高協議会 完勝へ!「勇気」「忍耐」「知恵」で進め

2003.11.18 スピーチ(2003.7〜)(池田大作全集第95巻)

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1  異体同心の大勝利!
 あこがれの青き大海原が広がる、ここ神奈川文化会館を久方ぶりに訪問させていただいた。
 きょう(十一月十八日)の「創立記念日」を荘厳するかのように、黄金のイチョウ並木も美しい。
 役員の方をはじめ、お世話になる皆さま方に、心から感謝申し上げたい。(拍手)
 神奈川は、わが青春の広宣流布の思い出がちりばめられている。
 あの地にも、また、この地にも、懐かしい、宝の同志の皆さんがいらっしゃる。
 神奈川は、世界が見つめる模範の天地である。歴史が光り、自然が輝き、未来は洋々と開かれている。
 神奈川は、まだまだ伸びていく。可能性は無限大である。「拡大の神奈川」「強靭な神奈川」、そして、勝利また勝利の「戦う神奈川」の大建設へ、ともどもに心を合わせて出発してまいりたい。
 ともあれ、神奈川の皆さまの異体同心の大勝利に、全国の同志が大喝采を贈っている。
 「本当に、おめでとう! ご苦労さまでした!」と心から祝福申し上げたい。(拍手)
2  嫉妬の悪口に振りまわされるな
 ここ神奈川にゆかりの深い文豪・夏目漱石は言った。
 「えらい人を馬鹿にする程馬鹿なことはない。後世の人はどうしてそんな愚なことをしたかと怪しむ」(「断片 明治三十九年」、『漱石全集』13所収、岩波書店。カタカナはひらがな表記に改めた)
 さすがは漱石である。愚かな嫉妬の誹謗をすることは、自分の恥を後世に残すだけである。
 「あらゆることの中で最も不正なものは嫉妬である」(「作者不詳」川崎義和訳、『ギリシャ悲劇全集』13所収、岩波書店)とは、古代ギリシャの格言である。嫉妬の悪口などに、振りまわされることが、いかに愚昧であるか。
 だからこそ、古代ギリシャの作家プルタークの『英雄伝』は、「侮辱に心を動かさるる者のみが真に侮辱せられた者である」(『プルターク英雄伝』鶴見祐輔訳、潮出版社)と喝破している。
 日蓮大聖人は、神奈川の友の大先輩である四条金吾に対して仰せになられた。
 「賢人は八風と申して八のかぜにをかされぬを賢人と申すなり、利・衰・毀・誉・称・譏・苦・楽なり」「此の八風にをかされぬ人をば必ず天はまほらせ給うなり
 わが学会は、「八風」に侵されぬ賢人の道を、どこまでも歩み通してきた。だからこそ、諸天から守られたのである。
 「愚人に憎まれたるは第一の光栄なり」「大聖にほむらるるは、一生の名誉なり」――これが、われらの創立の父・牧口先生、そして戸田先生の教えである。
3  リーダーが動き、語り、歴史をつくれ
 皆さまは、広宣流布の大将軍である。ゆえに、ひとたび、戦いを起こしたならば、断じて勝たねばならない。勝って広宣流布の偉大な歴史を残すことだ。
 人ではない。自分である。リーダー自身が、どれだけ真剣に行動したか。自分の壁を破ったか。広布の地盤を拡大したか。味方をつくったか。
 指導者の心に、「私が戦う!」という情熱がなければ、勝利の勢いは生まれない。すべては、この一点から出発するのである。
4  「幸福とは何か。それは、過去を『満足』をもって振り返ることができ、そして未来を『希望』をもって見つめることができることである」(ウィジッタラー・ランシアーノン編『ルアンウジットワータカーンの言葉と思想』サーンサンブック社)
 著名なタイの大思想家ワータカーンの言葉である。
 この創立七十三周年の十一月十八日を、全同志とともに、戦い勝ちぬいた「満足」にあふれ、そして限りない前進への「希望」に燃えて、飾ることができた。
 今朝は、諸天も寿ぎ、見事な快晴に包まれた。大聖人が大法戦を刻まれた神奈川で、晴れわたる「創立の日」を祝しあうことができ、これほどの喜びはない。(拍手)
 イギリスの宰相チャーテルは言った。
 「史上の大闘争はすべて、分の悪いのを物ともせずに、または間一髪のところで勝利を奪取するすぐれた意志力をもつ側の勝ちに帰した」(『第二次大戦回顧録』9,毎日新聞翻訳委員会訳、毎日新聞社)
 広宣流布の歴史に永遠に輝きわたる、大神奈川の大勝利、まことに、おめでとう!
 神奈川の誉れの同志は、よくぞ戦い、よくぞ勝った。
 ここ神奈川で、四条金吾夫妻は、陰険な讒言による圧迫をはね返して、堂々たる勝利を示した。
 それは、鎌倉中から″天晴れ! 天晴れ!″と謳われた。
 大聖人は、その晴れ姿を讃えられて、「何よりも、お聞きして、爽快である」「うれしさは言葉にしようがないほどである」(御書1175㌻、通解)と仰せになった。
 この御文は、そのまま、わが神奈川の栄光の同志へのお言葉であると思えてならない。皆さまの大福徳は、計り知れない。(拍手)
5  勝負の決め手は「勇気」
 「戦勝への第一歩は、疑いもなく勇気を振い起こすことにある」(鶴見祐輔訳、前掲書)
 「他の点が同様である人々の間では、勇気の優れた方が勝を占める」(『プルターク英雄伝』河野与一訳、岩波文庫)
 これは、プルタークの分析である。
 いかなる戦いであれ、激戦を制するものは、つねに「勇気」において勝った側である。
 わが神奈川も「勇気」で勝った。
 第一に「勇気」である。
 第二に「忍耐」である。
 第二に「知恵」である。
 勝負を決するのは、この三点である。
 そしてまた、「神奈川は一つ」という「団結」で勝った。
 なかんずく、すばらしき神奈川婦人部の大健闘を、最大に讃嘆申し上げたい。(拍手)
6  この一年――神奈川は、すべてに完勝した。
 「聖教新聞」の拡大においては、日本全国の模範となる健闘をされている。新聞長の皆さま方をはじめ、尊きご尽力に心から感謝申し上げたい。
 また、「教宣部」の正義の言論戦も見事である。
 「未来部」の育成においても、全国の模範となる取り組みを、たゆみなく続けてくださっている。創価学園・創価大学等への受験生に対する激励も、創価同窓のリーダーが中心となって、全県をあげて力を入れてくださっている。
 創立者の私にとって、創大生、短大生、そして学園生は、私の生命にも等しい存在である。皆が母校を誇りに、大勝利者となっていくことを、私は、心から祈っている。
 青年部の成長も、目を見張る。近年、大きな勝利の原動力となった「ヤング男子部」も、ここ神奈川青年部から誕生した。さらに青年部から、壮年部、婦人部への人材の流れもすばらしい。
 その一つの象徴として、各総県の総県長のうち、五人が神奈川の「青年部長」の経験者である。
 どの角度から見ても、神奈川は、二十一世紀の広宣流布の最重要の大拠点である。私も、いちだんと神奈川に力を入れていく決心である。
7  インドの哲学者と「立正安国」の精神を語る
 私は若き日から数えきれぬほど、ここ神奈川で、広宣流布の転戦を重ねてきた。
 昭和二十八年(一九五三年)、鶴見市場(横浜市)に足を運び「立正安国論」の講義をしたことも懐かしい。今年で、ちょうど五十年となる。
 「悪侶を誡めずんばあに善事を成さんや
 この「立正安国論」の精神をめぐっては、「精神の大国」インドを代表する大哲学者ロケッシュ・チャンドラ博士とも語りあった。博士と私は、対談集『東洋の哲学を語る』(第三文明社)を発刊している。(=以下、チャンドラ博士の発言は同書から)
 この仏教発祥の地の大哲人も、「民衆を裏切った悪侶は、最大の反仏教者です」と、鋭く論じておられた。
 博士の父君であるラグヴィラ博士は、マハトマ・ガンジーとともに戦ったインド独立の闘士であり、世界的な言語学者であった。
 ガンジーは、道場での祈りに「南無妙法蓮華経」の題目を取り入れていた。父君はガンジーに法華経の深き意義を説明したのである。
8  ロケッシュ・チャンドラ博士は言われた。
 「父の高らかな声が響いてきます。
 『我日本の柱とならむ我日本の眼目とならむ我日本の大船とならむ
 父はこの大聖人の言葉に自身を重ねていました。インドに対する同じ使命をわきあがらせていたのです」
 「父にとって、大聖人は、『人間が逆境のなかで示す偉大さの模範』でした。『生命に具わる清らかさと栄光を象徴する人物』だったのです。大聖人は、父にとって、すべてを支える根本であり、勇気そのものであり、力をわきたたせてくれる存在でした」
 さらに博士は、優れた思想を根本に理想の社会を築いていくという「立正安国」の考え方が、「インドの自由を勝ち取る戦いに与えた意義は深い」とも強調されていた。
 博士は言われた。
 「大聖人は両手を広げて、私たちに訴えています。人間性を踏みにじるような逆境にあってこそ、人間は身に秘められた超越的な境地を開き顕せる。生きよ、啓発しあえ、創造せよ、一人ひとりの内に眠る力を目覚めさせよ、そして、さまざまな彩りの光で世界を照らせ――と」
 そして、この大聖人のご精神のまま、世界の平和と人類の幸福のために行動しゆく創価学会に、限りない期待を寄せておられるのである。
 博士も、今回の大勝利の創立記念日を、最大に祝福してくださっているお一人である。
9  神奈川から対話の大波!
 神奈川の青年部は意気軒昂に「立正安国論の対話」を進めている。
 大聖人は、四条金吾に、こうも仰せである。
 「法華経を一字一句でも唱え、また人にも語っていく人は、教主釈尊の御使いである。そうであれば、日蓮は、賤しい身ではあるが、教主釈尊から勅令をいただいて、この国に生まれてきたのである。
 この日蓮を一言でも誹謗する人々は、無間地獄の因を積んでいるのであり、逆に、一字一句でも供養する人は、無数の仏を供養することにも過ぎる大福徳を積むのである」(御書1121㌻、通解)と。
 皆さんが語った分だけ、仏縁は広がる。正義は広がる。
 声が力である。言葉が武器である。
 そして、「なんとか仏縁にふれさせたい」「幸福の道を歩んでもらいたい」との慈悲の祈りがあるかぎり、私たちの言葉は必ず響いていく。すぐに結果は出なくとも、相手の心に深く浸透していくものだ。
 ドイツの平和運動家が、劇作家ブレヒトの有名な言葉を借りて、こう述べている。
 「もう一回言っておけばよかったと後で後悔しないように、何千回も言われ尽くしたようなことでももう一度言わねばならない」(ティル・バスティアン『アウシュヴィツと〈アウシュヴィツの嘘〉』石田勇治・星乃治彦・芝野由和編訳、白水社)
 自信に満ち満ちて、「希望の対話」「勇気の対話」「確信の対話」「友情の対話」「励ましの対話」を大いに広げていっていただきたい。
10  「励ましの太陽」の存在である神奈川婦人部は、来月(十二月)五日、「創価完勝の年」の開幕を記念する幹部会を、全国に先駆けて行う。
 さらに明年(二〇〇四年)一月には、グループ単位で晴れやかに婦人部総会が開かれる。そして明春、女子部とともに「平和の文化と女性」展も開催される予定である。(=三月二十六日から四月四日まで神奈川平和会館で開催)
 私たちSGIと深く交流を結んでいる、ノーベル平和賞受賞者のウィリアムズ女史は語った。
 「平和は自分から始まる。真実を明快に語ろう」(「聖教新聞」二〇〇三年八月十八日付)
 大切な婦人部の皆さま方を、最大に応援してまいりたい。
11  誠実さと根気で同志を守りぬけ
 ここ神奈川文化会館から見つめる海は、世界につながっている。
 太平洋で結ばれた、南米チリ共和国の民主化を実現した哲人指導者エイルウィン元大統領とも、私は対談集『太平洋の旭日』(本全集第108巻収録)を発刊した。
 高潔な大統領は、語っておられた。
 「(=政治家は)″奉仕するための存在″で″奉仕される立場″にはないのです」(『太平洋の旭日』)
 「権力は(=民衆に)奉仕するための単なる『道具』でなければいけません」(「聖教新聞」一九九二年十一月二十日付)
 「私にとって、必要とされたことは、あらゆる人々に敬意をもって接し、あらゆる人に真実を――だれにとっても同じ真実のみを話す誠実さと根気でした。だからこそ私を信用してくださり、好意をもって、私が必要とした合意にいたるよう、皆が努力してくださったのだと思います」(『太平洋の旭日』)
 誠実なリーダーが、最後は勝利する。号令だけ、口先だけで、自分は苦労しない。動かない。そんな幹部のもとに団結が生まれるはずがない。
 みずから一兵卒として、泥まみれになって働くことだ。広宣流布へ賢明に行動している同志を尊敬し、守りぬくことだ。それがリーダーの責務である。
 古代ギリシャの格言には、「余りにも傲慢な者は数々の禍いが破滅に陥れる」(前掲「作者不詳断片」)と。
 「傲慢」は、許してはならない。「傲慢」に、負けてもならない。
 また「愚か者よ、苦労を重ねた者たちが得たものを/苦労をしなかった者たちがぬくぬくと獲得することはできないのだ」(「群小詩人断片」逸見喜一郎。戸部順一訳、前掲悲劇全集13所収)ともある。
 まったく、そのとおりである。そうでなければ、正義の社会は築けない。善良なわが同志が、苦労に苦労を重ねてつくりあげてきた城を、だれ人にも断じて壊させてはならない。
12  神奈川では、明年の二月の座談会を、神奈川文化会館の「落成二十五周年記念座談会」として、盛大に行っていく。
 この参加者の尊きお名前を、一人も残らず、アメリカ創価大学に永久保管することを、私は提案申し上げたい。(拍手)
 さらに春四月には、「相模原中央文化会館」と「港南文化会館」も誕生する予定である(=二〇〇四年の四月にそれぞれ開館式)。われらの未来は、希望に満ち満ちている。
13  尊き一生を、見事に総仕上げ
 結びに、大思想家ルソーの『エミール』の一文を贈りたい。
 「心をひらかなければ相手の心もいつまでも閉ざされている」(今野一雄訳、岩波文庫)
 心を大きく開き、平和と人道と正義の大連帯を、朗らかにまた朗らかに、強くまた強く、結び広げてまいりたい。
 ルソーは、こうも言った。
 「徳とは強い魂だけが持つものだ」(『ルソー・ジャン・ジャックを裁く』小西嘉幸訳、『ルソー全集』3所収、白水社)
 愛する神奈川の天地に、「難攻不落の人材城」「金剛不壊の大法城」、そして「確固不動の常勝城」を、さらに盤石に築き上げていくことを約束しあって、私のスピーチとしたい。
 どうか、尊き一生を、見事に総仕上げしていただきたい。荘厳なる夕日のごとく! 友に勇気と希望の光を贈りながら!
 急速の訪問のため、お会いできなかった神奈川の全同志に、どうか、くれぐれも、よろしくお伝えください。きょうは本当に、ありがとう! また、お会いしましょう!
 (神奈川文化会館)

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