Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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海外代表協議会 民衆とともに進めば無敵

2003.9.5 スピーチ(2003.7〜)(池田大作全集第95巻)

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2  「功徳は、われにあり」
 「一生成仏抄」には、こう仰せである。
 「仏の名を唱え、経巻を読み、華を散らし、香をひねることも、そのすべてが、わが一念に納めた功徳・善根であると信心を取るべきである」(御書383㌻、通解)
 広宣流布を祈り、広宣流布に連なる行動を起こしていくことは、すべて尊極の仏道修行である。
 法のため、人のため、社会のために尽くしゆく学会活動は、全部、功徳となって、自分自身に、そして、わが一家一族に還ってくるのである。これが厳粛なる「生命の因果の理法」だ。
 大聖人も、わかりやすく、「人のために灯をともせば、(その人の前を明るくすると同時に)自分の前も明るくなるようなものである」(御書1598㌻、通解)と譬えておられるとおりである。
 また、たとえ病弱であっても、広布のために働こう、同志のために戦おうとの強い一念があれば、限りなく生命力がわいてくる。心身ともに、健康の方へ向かっていくことは、間違いない。
 広宣流布のために苦労している皆さま方である。だれが見ていなくとも、仏が見逃すわけがない。三世十方の仏菩薩が見つめている。だれが知らなくとも、無量無辺の諸天善神が、ほめ讃え、守ってくれる。
 「功徳は、われにあり」――そう自分が自分で決めて、使命を果たしていくのが仏法である。
3  「張り合い」が青年を育てる
 大聖人は、「正法を弘めることは、必ず智者によるべきである」(御書1148㌻、通解)と明言されている。真実の智慧の人でなければ、正しい法を、正しく広宣流布することはできない。
 大聖人の魂を継ぎ、世界広宣流布を成し遂げておられる真の智者が、皆さま方であられる。
 きょう、お見えのアメリカ、ヨーロッパ、そしてアフリカをはじめ、世界の各国も、また日本の各方面も、それぞれ立派な広宣流布の指導者が登場して、見事な大発展の指揮をとってくださっている。
 一切は、「人」で決まる。「人材」がすべてである。
 戸田先生は晩年、「もう何もいらない。ただ人材がほしい」と言われた。その一言が、私の耳朶じだから離れない。私も今、まったく同じ心境である。
 人材を、見つけ、育て、伸ばすことだ。そのための潤滑油は、「張り合い」を贈ることである。
 「諸法実相抄」には、「ほめられれば、わが身を損なうこともかえりみず」(御書1360㌻、通解)と仰せである。ほめられることが、苦難に耐えて勝つ力になる。
 一生懸命に戦っている同志を、心から讃え、ねぎらい、励ましていくことだ。
 とくに青年たちには、思うぞんぶんに活躍できる檜舞台を与え、使命感と責任感をもって戦っていけるよう最大の配慮をお願いしたい。
4  さらに戸田先生はおっしゃった。
 「青年は、世の荒波にもまれてこそ、勝れた人物に成長できるのである」
 私の青春時代も苦難の連続であった。事業が挫折し、苦しんでおられた戸田先生をお守りした。
 真剣であった。死に物狂いであった。
 他のだれがやったのでもない、戸田先生と私の師弟一体の闘争によって、一つ一つ、築き上げてきた。
 そこから、現在の世界的な学会ができ上がったのである。
 青年時代は、あっという間に過ぎてしまう。若い時に、真剣に戦い、本気になって自分を鍛えなければ、永遠に後悔の人生となる。それでは、あまりに不幸だ。
 ともあれ、リーダーは、青年の成長を真剣に祈り、誠実に指導し、温かく激励して、厳然と擁護していくことである。
 先日、私は、新しい使命の分野に勇んで旅立つ三人の青年に、それぞれ指針を記して贈った。
 「いずこに行っても負けるな! それが人間の英雄!」
 「勝ちゆけ! それは一生涯 負けないことだ。そこに栄光輝く!」
 「与えられた戦場が 最高の歴史の舞台!」
 あらゆる機会をとらえて、青年に光を当ててまいりたい。
5  リーダーとは手本を示す人
 今、私は、世界的な経済学者のガルブレイス博士と、対談の連載を進めている。
 博士は、アメリカのケネディ大統領やインドのネルー首相など、歴史的なリーダーとの父流から学んだ指導者像についても種々、語っておられた。
 真の指導者に共通する重要な点は何か?
 それは、中身のない言葉ではなく、まずみずからが毅然と手本となり、模範を示すことによって、人々を導くことだと、ガルブレイス博士は力説されている。(『思いやりの経済』福島範昌訳、たちばな出版、参照)
 博士は、これからの世界に必要なこととして、「リーダーシップ」という言葉を「手本」という言葉と入れ替えよと提唱しておられる。私も、強く共鳴を覚える。
6  昨日(九月四日)再会した、中日友好協会の宋健そうけん会長は、世界的な科学者であり、中国工程院の院長などを歴任されてきた。また宋会長は、国務院環境保護委員会の主任を務めるなど、環境問題にも、先頭に立って取り組んでこられた。
 川が汚染され、人民が困っていると聞くと、実際に、その現場に足を運んで確かめ、周辺の家々を一軒一軒たずねて、状況を聞いて回った。そして、すぐに手を打ち、川の汚染を大きく改善していったのである。このとき、宋会長は語られている。
 「人民こそ、われらの皇帝である。子どもたちこそ、われらの未来である」(哲夫『中国档案―高層決定写真』参照、引用、(c)生涯在■書庫2005)
 指導者は、人民を敬い、子どもたちを愛し、その幸福の道を開くために率先して行動していくのだというのである。すべての指導者が胸に刻むべき信念である。
7  牧口先生もまた、「人生においては、率先して実行することが大切である」と語っておられる。
 指導者が大事だ。いかなる団体も、国家も、指導者がどうかで決まってしまう。
 フランスの作家アンドレ・モロワは厳しく論じている。
 「一つの集団なり一つの企業なりをひきいるものが、私利私欲に走るだけだとしたら、それは指導者とはいえない。指導的役割を引き受けながら、自分の責任よりも自分の快楽の方に頭をつかうような人は、長と呼ばれるに値しない」(『人生をよりよく生きる技術』中山真彦訳、講談)
 こうした指導者失格の愚かな人間は絶対に許してはならない。何かあれば、勇敢に声をあげて、正していくべきだ。そうでなければ、大切な広宣流布の組織を守り、永遠に繁栄させていくことはできないからだ。
 SGIの人間主義の名将として指揮をとる皆さま方に、私はインド・タミール地方の大詩人テイルヴァッルヴァルの詩集(五〜六世紀頃)から、次の一節を贈りたい。
 「敵を友に変えられるような人の偉大さに、/世は住まう(従う)」(『ティルックラル』高橋孝信訳注、平凡社)
 さらに古代ギリシャの哲学者プラトンの言葉を捧げたい。
 「増えた黄金の多いさも、変らぬ心と健全な人柄の友人たちに恵まれること以上には、何のためにもせよ、大きな力になるものではない」(「書簡集」長坂公一訳、『プラトン全集』14所収、岩波書店)
8  インドの哲学者″私は学会の社会性を評価″
 先日、仏教発祥の地インドで、盛大に「法華経――世界の精神遺産」展が行われ、反響を広げた。(二〇〇三年八月三十一日から九月三日まで。ニューデリーのインド国際平和会館で開催)
 展示会を共催したインド文化国際アカデミーの理事長であり、精神の大国を代表する大哲学者のロケッシュ・チャンドラ博士に多大なご尽力をいただいた。
 チャンドラ博士は、語っておられる。
 「釈尊こそ、インドの思想と社会的行動の頂点です。釈尊は人間を愛していました。彼は『王子の座』を降り、独りだけの悟りの法悦の座から立ち上がり、常に現実の苦悩のなかに飛び込んだのです」(『東洋の哲学を語る』第三文明社)
 チャンドラ博士が、私たちの行動に絶大な信頼を寄せてくださっているのも、この釈尊の精神を現実の上で実行しているからである。
 さらに博士は語っておられる。
 「日蓮大聖人は、法華経に基づいて、いまだ知らぬかなたの浄土ではなく、娑婆世界、すなわち私たちが住むこの現実世界こそが、真の仏の国土であると喝破しています。
 そして、苦悩渦巻くこの社会を、仏の理想の社会にするために、法華経の精神を弘め、脈動させていかなければならないと訴えました」
 「特に、私が創価学会を評価するのは、その『社会性』です。空理・空論をもてあそぶのではなく、現実のなかで仏法を展開している点です」(同前)
 (チャンドラ博士は、こうも語っている。
 「池田先生、あなたは『法華経』の香り高き精神を体現しています。あなたは、この経を再び織り上げ、インドの美と喜びを取り戻しました。これによって、今世紀の来るべき年月は、美しい青空へと変わりました。
 私たちを『平和と非暴力』という大船に乗せて、池田先生の心のジャスミンの如き爆めきは、神聖な『徳ある力』へと導いてくれるのです」)
9  仏法の正統を貫き流れる精神は、現実社会に打って出る「行動」である。
 釈尊も、インドの大地を歩きに歩いた。仏の体の優れた特質を説く「三十二相」も、「足」に関するものが多い。「妙法蓮華経」の「経」とは、人間の体でいえば「足」にあたると大聖人は仰せである。(御書716㌻)
 広宣流布のために、足を使い、行動してこそ、自身が現実に妙法蓮華経と輝く。仏となる。
 信・行・学を深めゆく日々の学会活動こそが、真実の妙法蓮華経の実践なのである。
 アフリカ・ガーナ共和国のエンクルマ初代大統領は叫んだ。
 「民衆からはなれず、民衆とのむすびつきをつねに意識していなければならないことだ、とも私は話した。私たちの党を生み、養い、育ててくれた民衆とつねに接触していなければならない。(中略)民衆とのこのようなつながりを失わないかぎり、党は無敵となる」(『わが祖国への自伝』野間寛二郎訳、理論社)
 学会もまた、民衆のなかから生まれ、民衆のなかで育てられた。ゆえに最も強いのである。
 さらに全世界へ、平和と人道の連帯を広げながら、民衆とともに、民衆のために、民衆の幸福を、今こそ築いてまいりたい。
10  SGIの理念と運動はアメリカ・ルネサンスの精神と共鳴
 私は現在、「アメリカ・ルネサンス」の哲人ソローらをめぐって、語らいを重ねている。アメリカのソロー協会のボスコ会長、マイアソン事務総長との、てい談である。(=「声明ルネサンスと詩心の光―哲人ソローとエマソンを語る」と題して、月刊誌「灯台」で連載。二〇〇六年九月、『美しき生命 地球と生きる―哲人ソローとエマソンを語る』と題して毎日新聞社から発刊)
 アメリカ・ルネサンスは、ご存じのように、十九世紀のアメリカに、新たな精神の息吹をもたらした文芸・哲学運動である。「知性の独立革命」とも謳われている。
 語らいの中でマイアソン博士は、SGIの理念と運動は、このアメリカ・ルネサンスの最良の精神性を見事に体現し、世界に実現しようとするものである、と高く評価してくださっている。
 ソローは叫んだ。
 「私が当然ひき受けなくてはならない唯一の義務とは、いつ何どきでも、自分が正しいと考えるとおりに実行することである」(『市民の反抗』飯田実訳、岩波文庫)
 不正に従うな。良心に従え! 正義に従え! いかなる権力にも縛られない、自立した一人の人間として生きよ! 人間よ人間であれ!
 この哲人の叫びを実現する二十一世紀にしたい。
 地球上の人々が「生命の世紀」「平和と人道の世紀」を心から待っている。世界の良識と手をたずさえて、新しき希望のルネサンスを燦然と開花させてまいりたい。
11  ボスコ会長は、「SGI憲章」の前文について、「すべての社会変革は、個人の『内なる智慧』の開拓と『人間精神の創造性』の涵養とともに始まることを提起している」と述べ、大きな共感を寄せられている。
 また、マイアソン博士は、「SGI憲章」の一つ一つがアメリカ・ルネサンスの精神と深く共鳴すると指摘されている。
 SGI憲章の第一で「生命の尊厳」を掲げた点について、博士は「自然世界の万物を尊重した」エマーソンとソローの思想と一致すると見ておられる。
 第二に「いかなる人間も差別することなく基本的人権を守る」とあるのは、「奴隷制度への反対運動に関与した(アメリカ・ルネサンスの)人々の基本的思想」と重なりあう。
 第三に「『信教の自由』を尊重し、これを守り抜く」とあるのは、アメリカ・ルネサンスの担い手が、「自身の信条を実践できるように、体制化された宗教のくびきからの解放を求めたこと」と軌を一にする。
 第四に「人間の交流(を基調に各人の幸福達成に寄与する)と掲げたのは、「エマーソンとソローが、社会のすべての階層の人々に(自分たちの主張が)到達するよう、講演や出版をしたこと」に通じる。
 さらに第五の「それぞれの国・社会の良き市民として、社会の繁栄に貢献することを目指す」は、「アメリカ・ルネサンスの作家たちが読者に、社会の再評価、そして自身の社会に対する関係の再評価を要請したこと」と響きあう。
 またSGI憲章の第七に「他の宗教を尊重して(人類の基本的問題について対話し、その解決のために協力していく)とあるのは、「(アメリカ・ルネサンスの担い手たちが)世界の諸宗教の理念を研究し、エマーソンとソローが東洋の文献をアメリカで入手できるようにすることに関与した」ことと重なる。
 第八に「文化の多様性を尊重し、文化交流を推進」と掲げているのは、「エマーソンとソローが、西洋人に対し中東やアジアにある非西洋的文化の存在に気づくことを願った」のと通じあう。
 第九で「自然保護・環境保護」を強調しているのは、「エマーソンか、ソローが書いたとしてもよい内容」である。
 そして、第十に教育、学問を興隆させるとともに「あらゆる人々が人格を陶冶し、豊かで幸福な人生を享受」できるようにすると謳っているのは、アメリカ・ルネサンスの旗手たちが支持したであろう「人生の目的」を表現していると、心から賛同してくださっているのである。
 このように、アメリカ社会でも、SGIの人間主義の運動に大きな支持が広がっていることは、皆さま方がご存じのとおりである。
12  アメリカ公民権運動の指導者キング博士は訴えた。
 「われわれは、相互の信頼、清廉、闘争性などが浸透している組織が必要なのだ。この精神がなくては、われわれは数だけはたくさんもつかもしれないが、結局はゼロということになってしまうのである」(『黒人の進む道』猿谷要訳、サイマル出版会)
 私たちには深き信頼の絆がある。清廉がある。戦う心が燃えている。日蓮大聖人の仏法を基調に、平和・文化・教育の大光を世界に広げゆく理想の組織が、SGIである。
 世界の最高峰の知性も志向してきた最も正しき人生の軌道を進んでいることを、私たちは喜びとし、誇りとしたい。
13  青年よ強くなれ! 戦って強くなれ!
 ギリシャの哲学者プラトンは、つづっている。
 「権力者たちの多くは悪い人間となるのだ」(『ゴルギアス』内藤純郎訳、『プラトン全集』5所収、角川書店)
 「不正が人目を逃れた者は、さらにいっそう悪い人間となる」(『国家』藤沢令夫訳、岩波文庫)
 悪は放置すれば、ますます増長する。悪を糾し、正義を打ち立てるのは、相手のためでもある。
 大事なのは悪の″根を断つ″ことだ。破邪顕正の言論で、一凶を禁じなければならない。
 根本は祈りである。あらゆる邪悪を、唱題の利剣で打ち破っていくのである。
 戸田先生の邪悪に対する怒りは、すさまじかった。巌窟王のごとき不屈の信念は、右に出る人はいなかった。ここに創価の魂がある。
 青年ならば、民衆を苦しめる邪悪と断固、戦うことだ。戦って強くなることだ。自分が強くなるために、敵がいるのだ。悪に負けるような青年は、青年ではない。断じて勝たねばならない。
14  長い人生である。試練の時もあれば、苦難の時もある。
 あの大文豪ゲーテも、回想している。
 「私の長い生涯においても、輝かしい境遇が続いていると思ううちに状況が一変して、つぎつぎに不幸に見舞われるということがたびたびありました」
 そういう場合には、「私に残っている限りの行動力をできるだけふるい立たせて(中略)いちかばちかの戦いを力の限り続ける以外にはありませんでした。そのようにして私は今日までどうにか切りぬけてきました」(「書簡」小栗浩訳、『ゲーテ全集』15所収、潮出版社)と言うのである。ゲーテは、たじろぐような苦難と戦い続け、それに打ち勝って、人類史に輝く文学作品を残したのである。
15  信心は逆境に勝つ「宝剣」
 カナグの女性作家モンゴメリーは、主人公の″赤毛のアン″に、こう語らせている。
 「わたしはね(中略)小さな障害は、笑いの種だと思い、大きな障害は、勝利の前兆だと考えられるようになったの」(『アンの愛情』掛川恭子訳、講談社)
 大きな障害は勝利の前兆――いい言葉である。
 状況が厳しければ厳しいほど、強気で人生を生きぬいていくことだ。
 勇気をもって、断固として前へ、また前へ、突き進んでいくことだ。
 御書には、「わざはひも転じて幸となるべし」と仰せである。皆さまには「祈りとして叶わざるなし」の妙法がある。
 戸田先生は、師子吼なされた。
 「真の功徳は、折伏を知らぬ者にはありえない」
 「大聖人の仏法は、逆境にある人が、幸せになる宗教なのだ。苦難にあった人ほど、それを乗り越えた時、すごい力が出るのだ。その人こそが、本当に不幸な人々の味方になれるのだよ」
 困難を勝ち越えたからこそ、人間として光っていける。友の心がわかる、懐の深いリーダーへと成長できる。
 日蓮大聖人は仰せである。
 「剣なども、前進しない(臆病な)人には何の役にも立たない。法華経の利剣は、信心の勇気のある人こそ、使うことができるのであり、これこそ鬼に金棒なのである」(御書1124㌻、通解)
 勇気ある信心こそ無敵の宝剣である。強き信力、行力が、仏力、法力を出し、諸天善神を動かしていく。強盛な祈りと不屈の「負けじ魂」で断じて勝利の人生を切り開いていただきたい。
16  さらに大聖人は、敵がいるなか、信心に励む池上兄弟に仰せである。
 「二人が団結した姿は車の両輪のようなものである。鳥の二つの羽のようなものである」「僣越であるが、日蓮のことをともに尊敬していきなさい。もし、二人の仲が不和になったならば、二人に対する、目には見えない仏や諸天の加護が、どのようになるだろうかと考えていきなさい」(御書1108㌻、通解)
 団結である。御本尊への強き信心が揺るがないことである。その人は、必ず守られ、勝利していける。たとえ一節でもいい、御書をわが身で読んでいくことである。
17  どんな困難にも心軽やかに
 きょうは、アメリカ創価大学の教職員の代表も参加しておられる。大学建設に尽力してくださっている教職員の皆さま方、学生の方々に、心より御礼申し上げたい。この夏、最優秀の第三期生が新たに入学した。秋からは、アメリカ創価大学からの留学生を、日本の創価大学に迎える。
 来年には創価大学に、ホイットマン、ユゴー、トルストイ、ダ・ヴインチ等の像に加え、新たにウズベキスタンの十五世紀の大詩人ナワイー(ナヴァーイー、ナヴォイとも)の像が設置される予定である。(=ウズベキスタン共和国から寄贈。二〇〇四年二月二十六日に除幕式)
 ナワイーは「中央アジアのゲーテ」とも讃えられる。迫害に屈しなかった哲人指導者でもある。
 結びに、このナワイーの箴言を皆さまに贈りたい。
 「嘘を生業とする不実の輩は、男とは呼べぬ。いかなる狡知をめぐらそうとも、哀れな結末から、彼は逃れられぬ。たとえ、全民衆を騙しおおせたとしても、因果応報の理からは逃れられぬ」「嘘と、世の虚飾に屈服するな! 英知に親しめ!」
 「疲労やわびしさ、悲哀など吹き飛ばすのだ! 迫害の嵐に晒される運命にあっても、心軽やかに乗り越えていこう。どんな大きな困難であっても、心軽やかに立ち向かう人が、勝利者となるのだ」(Позмы, Художественная Литература)
 皆さま方は、それぞれの国、それぞれの地域における、偉大なる「人間革命」と「一生成仏」の「手本」の存在である。そして、「異体同心」と「広宣流布」の手本を、末法万年にわたって示しゆく「原点」の人である。
 ゆえに、一人ももれなく、健康で長生きをしていただきたい。全員が「所願満足」の大勝利者として、この一生を飾りゆかれることを祈って、私のスピーチとしたい。
 またお会いしましょう! きょうは、本当にありがとう!
 (東京・信濃文化センター)

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