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日蓮大聖人・池田大作

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関東最高協議会 連戦連勝の関東万歳!

2003.8.15 スピーチ(2003.7〜)(池田大作全集第95巻)

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1  全世界へ平和の対話
 平和は人類の悲願である。
 平和への王道――それは「対話」である。
 民族や文化の違いを超えて、私は、数多くの世界の指導者、文化人等と対話を重ねてきた。
 思いつくままに名前を挙げると、イギリスのアン王女、キューバのカストロ国家評議会議長、中国の文豪・金庸氏、ドイツのヴァイツゼッカー大統領、フランスのミッテラン大統領、インドのラジブ・ガンジー首相、南アフリカのマンデラ大統領――等々である。
 ソ連時代のゴルバチョフ大統領との初めての語らいも印象深い。「ペレストロイカ(改革、再建)」の大改革に、世界中が目を見張っていた時である。(一九九〇年七月二十七日)
 場所はモスクフのクレムリン宮殿。開口一番、私は言った。
 「きょうは、大統領と″けんか″をしに来ました。火花を散らしながら、何でも率直に語りあいましょう。人類のため、両国のために!」
 大統領は、びっくりした様子で答えた。
 「池田会長のご活動は、よく存じあげていますが、こんなに″情熱的″な方だとは知りませんでした。私も率直な対話が好きです」
 こうして一時間十分にわたる対話が始まったのである。
 和気あいあいと話は進んだ。私は、訪日についてうかがう機会を待っていた。
 ライサ夫人とのロマンスに話がおよび、「新婚旅行は、どこに行かれたのですか。日本にはどうして来られなかったのですか」と私が聞いたとき、大統領は答えた。
 「最初の質問には、訪日したときに答えます。第二の質問には、いつでも答えます。日本には、ぜひ行きたい。私の念願は、実現すると思います」
 さらに大統領は、「できれば、(明年の)春に日本を訪れたい」と明言され、ソ連の最高首脳として初訪日する意向を明かしたのであった。このビッグニュースは、日本のテレビや新聞で、すぐに報道された。
2  戸田先生は、「水滸会」など折々に、私たち青年部に対して、人間王者の外交のあり方を語ってくださった。
 「どんな人とも、まっこうから、わたりあえる人間になれ!」
 「どんな立場の人に会っても、学会の正義を堂々と語れ!」と。
 戸田先生から仏法の真髄を学び、指導者論の要諦を教わった「不二の弟子」の私である。
 「さあ来い! 私は創価学会だ!」――この心意気で臨む。大誠実を尽くす。宝の友情を結びながら、人生の劇をつづってきた。
 学会は、嫉妬ゆえに、幾多の迫害を受けてきた。そのなかで、厳然と正義の歴史を残した。日本のため、世界のために、文化と平和と教育の大道を開いたのである。
 皆さまは、御本尊を持ち、広宣流布を担っておられる。人間とし最も尊い生き方である。恐れるものは何もない。
 どうか、勇気をもち、誇りをもって、どんな立場の人に対しても、創価の正義を、人間主義の哲学を、堂々と語りぬいていただきたい。
3  頼もしい完勝の関東
 関東――その名を聞くと、私は何ともいえない「心強さ」を覚える。
 関東は、あらゆる戦いにおいて連戦連勝である。本当に強い関東になった。頼もしい関東になった。関東には、キラ星のごとく人材が輝いている。「完勝の関東」の偉大なる発展を心から賞讃したい。
 関東が大事であることは、どんなに強調しても足りない。関東が強くなれば、大東京も強くなる。関東が威光勢力を増すことは、日本全体、さらに全世界の広宣流布の威光勢力を増すことである。関東こそ「創価の柱」であり、「学会の要」なのである。
 あの喜劇王チャップリンも、ここ関東の地を訪れ、歴史を刻んだ一人である。(一九六一年の夏、栃木を訪問)。チャップリンは、ナテスの悪に堂々と立ち向かった。関東会の同志の皆さま方に、その勇敢なる言葉を贈りたい。
 「必ず勝利を……。不可能事を可能にしよう。人類の歴史における偉大な出来事とは、不可能と思われることに打ち勝つことであったという事実を、忘れてはならない」(ジョルジュ・サドゥール『チャップリン』鈴木力衛・清水馨訳、岩波書店)
 あらためて申すまでもなく、日蓮大聖人の御聖誕の地は、ここ関東である。「今、日蓮が心を向けているのは、生まれた地のことである。日本の国よりも大切に思っている」(御書901㌻、通解)と述べておられるように、大聖人は、故郷に格別な思いを寄せておられた。
 さらに、大聖人が、末法万年尽未来際に向かって、一閻浮提広宣流布の大闘争の火蓋を切られたのも、ここ関東である。御書には記されている。
 「日蓮は全世界のうち、日本国・安房の国・東条の郡に、初めてこの正法を弘通し始めたのである」(御書901㌻、通解)
 この縁深き天地で、広宣流布を進めゆかれる皆さまは、元初から結ばれた同志なのである。その使命と福運と栄光は、あまりにも大きい。
4  このほど芸術部の有志の方が、関東の各県の歌を織り込んだ、すばらしいピアノ組曲「歓喜の大地―KANTO」を届けてくださった。心躍るメロディーである。私は深く感動した。
 「関東万歳!」との思いをこめて、記念の和歌を贈りたい。
  大組曲
    広布と幸福
      天までも
    響き勝利の
      関東歌かな
 関東は、どこよりも明るく朗らかな歌声を響かせながら、にぎやかな希望と歓喜のスクラムを広げていっていただきたい。関東の埼玉、千葉、茨城、群馬、栃木の各県は、「聖教新聞」の拡大においても、全国模範の堂々たる前進をしておられる。
 とくに埼玉は、機関紙を活動の軸にして着実に発展している。これは「組織の充実は聖教購読の推進にある」という意識が、すみずみにまで浸透しているからだとうかがった。まさに「聖教の埼玉」である。なかんずく、婦人部・女子部の大健闘はすばらしい。私は心から讃えたい。
5  社会へ人間主義のメッセージを
 残念ながら、社会には殺伐としたニュースがあまりに多い。多くの人が不安や悲観を抱く世の中となってしまった。社会の諸悪に打ち勝ちながら、希望を広げゆく確固たる哲学が、ますます必要となっている。
 中国革命の父・孫文先生は語っている。
 「宣伝上の奮闘は、良からざる社会を改め、民衆を感化することである」(寺広映雄訳、『孫文選集』2,社会思想社)
 現代は、「宣伝の時代」である。どんなに良いものであっても、宣伝していかなければ、現実に広く価値を生みだすことはできない。だからこそ私たちは、人間主義、文化主義、平和主義の希望のメッセージをいちだんと力強く発信してまいりたい。
6  本年は、孫文先生の夫人であり、「中国の良心」と呼ばれた偉大な女性・宋慶齢そうけいれい女史の生誕百十周年である。
 文豪ロマン・ロランも「宋慶齢は、世界に芳香を放つ一輪の優美な花であるばかりでなく、あらゆる桎梏をかみ切ろうとする恐れを知らぬ獅子である」(イスラエル・エプシュタイン『宋慶齢』上〈久保田博子訳、サイマル出版会〉で紹介)と讃えている。その闘争また闘争の生涯は、「女性の世紀」の凛々しき大輪の花、仲良き関東婦人部・女子部の姿とも重なる。
 宋女史は、新中国建国の直前に語っている。
 「われわれの完全な勝利は目の前にあります。人民の勝利のために敬意を表します」「人民の底力に対して敬意を表します」「人民は、新しいもっと光に輝く高峰に向かっています」(『宋慶齢選集』仁木ふみ子訳、ドメス出版)
 私たちの新たな最高峰も眼前にある。関東が、偉大な底力を発揮するのは、今である。
 われらの正義の言論で、人間主義を打ち立てていきたい。それは、一人一人の幸福と社会の繁栄をめざす、日本の革命である。民衆の革命である。
7  懸命に戦う女性を尊敬
 どんな困難にぶつかっても、強く生きることだ。強いことは幸福である。そこに誇りが光る。
 弱いのは、意気地なしである。人からも、ばかにされる。強く、強く生きぬくことだ。
 今いるその場が、使命の舞台である。広布と人生の勝利のために、思いっきり、戦うことだ。そうでないと、自分が損をするからだ。
 思いっきり戦えば、功徳も大きい。それが信心の世界、広宣流布の世界である。
 また、男性のリーダーは、女性の方々がやりやすいように、最大に心を砕いていかなければならない。懸命に戦っておられる女性の方々を心から尊敬すべきである。
 たとえ一言でも、誠実な言葉、感謝の言葉をかけていくことだ。相手は何も言わなくても、うれしいものである。それが紳士である。男性の役目である。
 大聖人が、関東の門下三人にあてられたお手紙がある。
 佐渡流罪の直前に、大田左衛門尉、曾谷入道、金原法橋に送られた「転重軽受法門」である。
 冒頭、大聖人は仰せである。
 「(釈尊の弟子の)修利槃特というのは、兄弟二人の名前です。(兄弟のうち)一人だけいても、『すりはんどく』と呼ばれたのです。あなた方三人もまた、これと同じです。一人でも来られたならば、三人(一縫に)来られたと思っています」(御書1000㌻、通解)
 修利槃特は、法華経において、兄弟ともに「普明如来」の記別を受ける。
 私には、この大聖人の仰せが、関東会の皆さま方の、うるわしい異体同心の団結の姿と重なってならない。きょう、お会いできなかった同志も皆さま方と一体と思って、健康を祈り、幸福長寿を祈り、お題目を送らせていただいている。どうか、くれぐれも、よろしくお伝えいただきたい。
8  大切なのは現実の行動
 この御書で、大聖人は説かれている。
 「(仏教以外の教えである)外典の三墳五典を読む人は数知れない。しかし、そこに示されるように世を治め、振る舞うことは、千万が一つにもむずかしい。そうであるから、世が治まることもまたむずかしい。法華経を紙に書いてあるままに声を上げて読んでも、その経文どおりに振る舞うことはむずかしいであろう。
 法華経譬喩品には『法華経を読誦し、書写し、受持する者を見て、軽しめ、賤しみ、憎み、嫉んで恨みをいだくであろう』、法師品には『如来の在世すら、なお怨嫉が多い。ましてや滅度の後においてはなおさらである』、勧持品には『刀や杖を加え、乃至、しばしば追放されるであろう』、安楽行品には『一切の世間には怨が多く信じるのがむずかしい』と説かれている」
 「末法に入っては、この日本国では、今、これらの経文を身をもって読んだのは、日蓮一人だけであると思われる」(1001㌻、通解)
 何より大切なのは現実の行動である。そして、末法がさらに進んだ現代において、法華経のとおり、この御書のとおりに難を受けてきたのは、創価学会であり、なかんずく三代にわたる会長である。
9  大聖人は、″国土に平和を築こう″という真情をつづられ、この御書を結んでおられる。
 現実の国土・社会を、いかに変革し、平和と繁栄へと導いていくか。人々を、いかに幸福へ、安穏へ、希望へとリードしていくか――大聖人のお心は、つねにこの一点に注がれていた。わが学会は、このお心のままに、立正安国、広宣流布の大運動を推進しているのである。
 また大聖人は、「当世は世みだれて民の力よわ」と嘆いておられる。
 「民の力」が弱ければ、時代の危機を乗り越えることはできない。
 仏法の人間主義の大哲理を根幹に、この「民の力」を限りなく強め、人類史の戦乱と不幸の流転を大転換しているのが、学会である。
 反対に、この学会の前進に対する怨嫉に狂ったのが日顕一派である。法華経に説かれる「僣聖増上慢」の姿そのままに「人間を軽賤」する。時代の進歩に逆行して「民の力」を踏みにじっている。
 民衆に力を与える日蓮大聖人の仏法への、これほどの違背もなければ、冒漬もない。
10  ″SGIこそ時代のパイオニア″
 今、世界の知性からも、創価の人間主義に深い共鳴が寄せられている。
 研究書『アメリカの創価学会』を執筆した、アメリカの著名な宗教社会学者フィリップ・ハモンド教授は言われた。
 「仏教の魅力の一つ、あるいはSGIの魅力といってよいかもしれませんが、『自分の人生は自分で責任をとる』という決然とした生き方を人々に教えていることです」
 「″すべては自分で決まる″という啓発的な仏教思想は、人々が無気力を乗り越え、″ポスト・モダン(=脱近代)″の未来社会に生きてゆくための有効な手だてとなるでしょう」(「聖教新聞」一九九九年十二月八日付)
 また教授は、この本の共著者のデヴィッド・マハチェク博士とともに、SGIがアメリカで受け入れられ、文化・教育運動を通じて着実に社会貢献を行っている要因として、次の点を挙げている。
 (1)世界への布教にあたり、現地の文化を尊重してきた(2)題目を中心とした教義が、人生や社会に対する自己責任や、自身の向上を志向している(3)科学的な合理主義と宗教的価値は矛盾しないとして、人生や社会に対して積極的であるよう主張している。
 そして両博士は、こう結論づけている。
 アメリカSGI のメンバーは「まさしく劇的な文化変動の時代のパイオニアなのである」(『アメリカの創価学会』栗柄淑江訳、紀伊国屋書店)
 深い、また温かいご理解に感謝したい。
 私は、この創価のパイオニア精神――「開拓者」の魂がみなぎっているのが関東であると申し上げたい。
 関東では、テレビ、ラジオ、新聞など、さまざまなマスメディアを通じて、平和と文化を築きゆく創価の人間主義が、いかに多彩で、豊かな奥行きをもっているかが広く紹介される時代となっている。さまざまな番組を視聴した、学会員でない方々からも、多数の共感の声が寄せられているようである。
 「国境・イデオロギー・文化・宗教を超えて、平和・文化・教育をめざす人間主義の活動には深く感動しました」
 「創価学会あるかぎり、人類の平和に希望ありと、応援させていただきます」
 「平和の大切さ、教育の大切さをあらためて感じました。すばらしい番組でした」
 これも、関東の同志の皆さまが、日ごろから地域・社会に信頼を広げている証といえよう。
11  恐れなく正義を語れ
 私は今、世界的な心臓外科医で、ヨーロッパ科学芸術アカデミー会長であるウンガー博士と、対談集の発刊に向け、文明と文明を結び、宗教と宗教を結ぶ対話を重ねている。
 (=池田名誉会長は、同科学芸術アカデミーの日本人初の名誉評議員。対談「人間主義の旗を―人間性・慈悲・寛容」を「東洋学術研究」で二〇〇四年十二月から連載)
 博士は、二年前、国際心臓胸部外科学会の国際会議で群馬の地を訪れ、「群馬で見た浅間山の雄姿はすばらしかった」と感嘆しておられた。
 博士の言葉である。
 「私が父から学んだのは、今のような乱れた時代にあって『正しく語る』『正義を語る』ことが大事だということです」(「聖教新聞」二〇〇〇年十一月二十日付)
 「私たちは常に、人々を啓発し、新しい思想を人々と共有し、創ることができる対話こそが、日々の生活の中で最も大切なものであると考えています」(同二〇〇〇年五月五日付)
 (博士は「池田会長の人格は後世の模範であり、宗教、国籍、信条の障壁を乗り越えて、人々に交流の橋を懸けることができる人物です」〈同前〉とも語っている)
 皆さまが進めている地道な対話の運動が、どれほど重大であるか。これこそ、世界の最先端であり、最善の社会貢献であることを深く自覚していただきたい。
 さらに博士は述べておられた。
 「信念、信仰というものは、『恐れ』の対極にあるものです。信仰をもっているということは、自身の基盤をもつゆえに、『恐れを知らない』ということです」(同二〇〇〇年十一月二十日付)
 関東には、恐れなき敢闘精神がある。威風も堂々と勇猛精進してまいりたい。
12  苦難こそ成長のチャンス
 一九一六年夏には、インドの大詩人タゴールが、関東の茨城に足跡を残している。
 いかなる中傷も真の人間王者を傷つけることはできない――これが大詩人の確信であった。
 彼は記している。
 「ただの焔なら、ランプが太陽から受け継いできたものだから、一吹きで吹き消すこともできる。
 しかし太陽そのものは、たとえ全世界が口をそろえて吹いてみたって、少しも変らずに輝きつづけるのだ」(「暗室の王」蛯原徳夫訳、『タゴール著作集』6所収、第三文明社)
 世界の希望の太陽たる創価学会も、どんな中傷や謀略があろうと傷つけることはできない。
 また、青年をこよなく愛するタゴールはつづった。
 「若者を馬鹿にしてはなりません。事態が煮つまったとき、若者は、苦悩の力をテコにして、年長者より大きく成長するのです」(「自由の流れ」芝山幹郎訳、同前)
 苦難こそ成長のチャンスである。わが関東青年部の力強い成長も、まことに頼もしいかぎりである。
13  大聖人は、関東の弟子にあてた御書に記されている。
 「法華経の肝心、諸仏の眼目である妙法蓮華経の五字が、末法の初めに全世界に広まっていかれる瑞相として、日蓮が先駆けをしたのである。わが一党の者よ、二陣三陣と続いて、迦葉、阿難にも勝れ、天台、伝教をも超えていきなさい」(御書910㌻、通解)
 広宣流布の先駆けの天地となることは、関東の永遠の使命である。
 この関東に、殉教の師・牧口先生は、特高警察の監視の目が光るなか、折伏、指導の歩みを運ばれた。「人生においては、率先して実行することが大切である」――これは、先生の一貫した信念であった。さらに、不二の弟子たる戸田先生は、戦後の広宣流布の率先の第一歩を、この関東の座談会から始められたのである。
 戸田先生は厳しく言われた。「大勇猛心と大闘争心なくしては、広宣流布はできぬ!」
 権威の命令でもない。要領でもない。指導者の不惜身命、死身弘法の行動によって道は開かれた。それが、この五十年の学会の勝利を可能にしたのである。
 まず自分自身が祈り、動き、語り、叫び、戦う。この率先垂範の勇気の行動によって、「新たな五十年」の完勝の金字塔も、わが大関東から築きゆくことを誓いあいたい。
 (群馬多宝研修道場)

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