Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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各部協議会 「皆を偉くする人」が偉い人

2003.7.13 スピーチ(2002.8〜)(池田大作全集第94巻)

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1  魂の喜びは、行動にこそ
 イギリスの詩人シェリーはうたった。
 「魂の喜びは、行動にこそある」
 学会活動には、魂の喜びれ満ちている。ゆえに明るい。誇り高い。
 わが人生を何に捧げるか。
 とくに人生の総任上げの時期に、何に打ち込んでいくなが大事だ。
 何事も「○○の鬼」と言われるほど徹しぬいてこそ、偉大な歴史は築かれる。中途半端では本当の力は出ない。
 「広宣流布のために」「わが同志の幸福のために」――ここに、ゎが心を定めた時、真の衆生所遊楽の生命が輝く。
 究極の使命に徹しているか。わが魂は光っているか。それを自身に問いかけながら、若々しく、すばらしき人生を飾っていただきたい。
2  「この人生は悪に対する戦闘だ」(『ブレイク全著作』梅津濟美訳、名古屋大学出版会)
 これは、イギリスの詩人ブレイクの言葉だ。
 われらの破邪顕正の前進には、この気概がみなぎっている。だから強い。
 日本全国、そして世界各地で、無数の同志が、広宣流布のために懸命に戦っておられる姿がある。全同志の生き生きとしたご活躍を、心から讃えたい。
 本陣・東京で戦う、リーダーである私たちも、一日また一日と、広宣流布の大道を築き、歩んでいかなくてはいけない。
 間断なく、勇んで行動し、世界の広宣流布の模範となっていくべき使命が、東京にはある。その自覚をリーダーは忘れないでいただきたい。
3  今は転換期! 新しい人材を
 かつて、第二代会長戸田先生は、本当に偉い人とは「皆を偉くする人」「皆を敬う人」であると言われていた。
 後輩に対しても「おはようございます」「お疲れさま」と自分から頭をさげる。そういうリーダーであってこそ、皆、本気になって支え、もり立て、守っていくものだ。
 人間としての振る舞いのなかに、人格の輝きのなかに、真の仏法は脈動する。傲慢な人間は、皆から笑われる。結局は、自分が損をするのである。
 青年は、二十一世紀の広宣流布を決する人だ。世界の平和を築く人だ。「皆、大切な宝だ。偉くなる人だ。尊い使命の一人一人だ」という気持ちで接するべきだと私は思う。
 今は大きな転換期である。未来は「人材」で決まる。まず「良き人材を!」「新しい人材を!」と祈りに祈ることだ。
 人材を見つけ、人材を育てる。ここに勝負の分かれ目がある。
 勝つために先手を打つことだ。全精魂を注いで、後輩を自分以上の大人材に育てていっていただきたい。
4  「来て良かった」と満足してもらえる会合を
 ご存じのように、今、私は、世界的な経済学者のガルブレイス博士と対談を進めている。
 (=「人間主義の大世紀を――わが人生を飾れ」と題して総合月刊誌「潮」の二〇〇三年八月号から二〇〇四年六月号まで連載。単行本が二〇〇五年九月に潮出版社から発刊)
 博士は、ハーバード大学の名物教授としても、よく知られている。
 同大学では、私も二度、講演を行った。
 このハーバード大学で教鞭を執り、「二十世紀のデカルト」と評価された哲学者が、有名なホワイトヘッドである。彼の発言に、こうあった。
 「教室に入る教師がまずしなければならないのは、クラス全員に出席してよかった、と思わせることです」(「教育と自己教育」村形明子訳、『科学・哲学論集』上〈『ホワイトヘッド著作集』14〉所収、松籟社)
 これは、一回一回の会合に臨む、学会のリーダーの精神にも通じよう。
 会合に参加した人全員に、「来て良かった」と心から満足してもらう――これこそ、リーダーの責任であり、決心であらねばならない。
 まず会合の成功を真剣に祈ることだ。そして、だれが、何を話すかなど、綿密な事前の打ち合わせと、原稿等の準備を怠ってはならない。
 出席された方々が皆、「本当にいい会合だった。よし、自分も戦おう!」と心から決意した時、勝利への計り知れない起爆力が生まれる。
 参加者が、一人ももれなく、希望に燃えて、「広宣流布の闘士」となって前進していくための″会座(仏の説法する場所。また、仏法の教えを聞くために人々が集まった場所)″が、学会の会合である。「進まざるは退転」である。ゆえに、前進の力と息吹が、すべての人々の心に満々と伝わっていく、出発の場としていくことだ。
 御聖訓には「師子王は前三後一と申して・ありの子を取らんとするにも又たけきものを取らんとする時も・いきをひを出す事は・ただをなじき事なり」と仰せである。
 会合であれ、何であれ、油断せず、一つ一つに真剣勝負で取り組み、全力で勝ち取っていく。その小さな勝利の積み重ねの先に、大きな勝利が待っている。
5  最高の追善供養を
 この七月、八月、各地の会館で、孟蘭盆の追善法要が行われる。厳粛に、懇ろに、執り行ってまいりたい。
 大聖人が、お盆を前に、四条金吾に送られた御書には、こう仰せである。
 「(亡くなられたあなたのお母さまは)きっと、釈迦仏、多宝仏、十方の諸仏の御宝前にいらっしゃることでしょう。そして、これらの仏は、『これこそ、四条金吾殿のお母さんですよ、お母さんですよ』と、皆、同じ心で、お母さまの頭をなで、喜び、ほめておられるでしょう。お母さまは、『ああ、私はなんとすばらしい子どもをもったことでしょう』と、釈迦仏と語っておられることでしょう」(御書1112㌻、通解)
 ここに、大聖人のお心のままに、広宣流布に生きゆくわれらの一家眷属を包む、永遠の大功徳が示されている。
 妙法を唱え、広布の聖業に生きぬくなかにこそ、仏法の本義に照らして、親に対する究極の孝養があり、先祖代々への最極の追善供養がある。
6  ニュージーランドの国会議事堂で展示会
 今、全国各地で、さまざまな展示会が有意義に行われている。暑いなか、運営にあたってくださっている役員の方々に、この席をお借りして、御礼申し上げたい。
 展示会に出席してくださった来賓の方々からも、温かい共感や、深い理解の声を寄せていただいており、感謝にたえない。
 世界の各地でも、展示会が盛況である。今月(七月)三十一日から、ニュージーランドの首都ウェリントンで、「ガンジー・キング・イケダ」展が開催される。国会議事堂においては、同展の開幕式、ならびに開幕記念展示会が行われる運びになっている。(=二十九日に開幕)
 これは、国会決議によって決定されたものであり、こうした展示会を国会議事堂で行うことは、ニュージーランドにおいても、きわめて異例のことのようである。
 わがニュージーランドSGIの友が、理事長を中心に、地域社会から深い信頼と尊敬を勝ち取っておられる証左であり、これほどうれしいことはない。
 「女性の世紀」を代表するリーダーの一人、ニュージーランドのクラーク首相は、アメリカ創価大学の開学式や、ニュージーランドSGIの文化祭などに、真心あふれるメッセージを寄せてくださった。首相は、こう述べておられる。
 「SGIは世界中が平和になるよう尽力してこられました。冷戦は終わったかもしれませんが、悲しいことに多くの紛争が世界中で続いています。(中略)そのなかにあって、創価学会は未来の平和の道を開くため働いておられます」(「聖教新聞」二〇〇一年三月二十二日付)
 ウェリントンの開幕記念展示会には、ニュージーランドの先住民であるマオリの代表も参加される予定である。マオリのなかでも、とくにパリハカという地の方々は、苛烈な権力の迫害に耐えぬき、非暴力を貫いた歴史を誉れとされている。
 SGIの理念と非暴力の思想にも深く共鳴し、展示会に全面的な支援を申し出てくださったと、うかがった。
 マオリの信念の言葉に、「いかなる者が私を悩まそうとも、私は、私の武器を使って対話する。それは″舌″という武器である」とある。創価の言論闘争、精神闘争の心もまた同じである。
7  広布の破壊者はみずからを滅ぼす
 大聖人は、大難のさなかに一歩も退かず信仰を貫き通した日妙聖人と乙御前の母子に、こう仰せである。
 「犬は獅子を吠えれば、はらわたが腐る。阿修羅は太陽を弓矢で射れば、頭が七つに割れる。
 すべての真言宗の僧は犬と阿修羅のようなものであり、法華経の行者は太陽と獅子のようなものである」(御書1219㌻、通解)
 法華経の行者である大聖人に敵対し、迫害を加える邪悪な坊主は、獅子に吠えかかる大、太陽を射る修羅のように、わが身を滅ぼすであろうとのご断言である。
 この原理は、大聖人の仰せのままに、御本尊根本、御書根本で広布に進む学会についても同様である。仏勅の学会に卑劣な誹謗を加え、広宣流布の和合を破壊せんとした人間が、今、ことごとく「腸くさる」「頭七分に破る」の厳しき仏罰を受けていることは歴然たる事実だ。
 「仏陀は勇敢に戦い敵陣にまで進め、傲慢な僧侶たちを屈従させた」(K・クリパラーニー編『抵抗するな・屈服するな』古賀勝郎訳、朝日新聞社)
 これは、あのマハトマ・ガンジーの言葉であった。
 ガンジーは「臆病な教師は決して子供を勇敢に仕立てることはできない」(同前)とも語っている。何ものも恐れず、何ものにも負けない勇気――これこそ、子どもたちに残す、かけがえのない「精神の遺産」である。
8  妙法で乗り越えられない苦難はない
 暗い世相である。変化も激しい。舵取りがむずかしい時代だ。自信を失い、指標を見いだせずにいる人も少なくない。そのなかにあって、日本中、世界中で、わが同志の健闘が、明るく朗らかに光っている。
 大聖人は門下の四条金吾に対し、「強盛の大信力を出して、法華宗の四条金吾、四条金吾と、鎌倉中の上下万人、さらには日本国の一切衆生の口にうたわれていきなさい」(御書1118㌻、通解)と励まされている。
 わが友もまた、それぞれの使命の分野で、見事な実証を示している。
9  どの家にも大なり小なり、試練の時がある。そのときこそ、家族の力が試されるときである。
 御聖訓には、こう仰せである。
 「あなたの家の内に病気の人がいるというのは、まことでしょうか。(もしそれが本当であったとしても)よもや鬼神の仕業ではないでしょう。十羅刹女が、信心のほどを試しておられるのでしょう」(御書1544㌻、通解)
 妙法の大良薬を持った一家に、打開できない問題など、絶対にない。強い信心を貫けば、すべて変毒為薬していける。要は、「一人」が立ち上がることである。一人が立てば、一家、一族を、すべて救いきっていけるのである。
 勝負は途中では決まらない。試練と戦って、人間は強くなる。大難に打ち勝ってこそ、仏になるのだ。最後に勝つ人が、真の勝利者である。その人こそ、最高の幸福者である。
 「本当に立派だ」「さすが師弟の道に生ききった人だ」「創価学会の最高の模範だ」と、多くの人から讃えられる人生であっていただきたい。
 戸田先生は逝去の前年、永遠の三指針を発表してくださった。
 一、一家和楽の信心
 二、各人が幸福をつかむ信心
 三、難を乗り越える信心
 ここに、学会の不滅の軌道がある。
10  昨日(十二日)、首都圏の県区圏長会議が、東京戸田記念講堂で意気高く行われた。参加された方から、会合の模様とともに、戸田記念講堂が、すみずみまで美しく荘厳されていることを、うかがった。
 御宝前の「シキミ」もじつに美しく、館内のいたる所に真心が光っている。トイレの清潔さも有名で、近隣の来館者の方々からも、よく感嘆の声が寄せられるという。そこには、広宣流布の宝城を、真心こめて、創意工夫をしながら、守り、磨き、飾っていこうという努力が輝いている。
 東京戸田記念講堂をはじめ、全国の会館の管理者の方々、清掃をしてくださっている方々、守る会の方々など、尊い使命に徹しておられる皆さまのご尽力に、心から感謝申し上げたい。
11  学会の民衆運動には正義と人民の支持
 広島では、「偉大な指導者 周恩来」展が、まことに盛大に行われた。各界の来賓をはじめ、九万人を超える方々が来場された。
 周恩来総理は「われわれの事業は、どの方面でも繁栄にむかい、快速の前進をつづけている。われわれの事業が正義の事業だからであり、広はんな人民の支持をうける事業だからである」(『周恩来選集』上、森下修一編訳、中国書店)と言った。
 周総理が、いちはやく学会の民衆運動に注目されたのも、学会が「正義」と「人民の支持」を備えていたからこそである。
 皆さまは日夜、尊い汗を流しながら、広宣流布のために歩きに歩き、語りに語っておられる。
 ロシアの文豪チェーホフの小説の中に「勝つまで足を運んで運ぶ」(『新しい別荘』池田健太郎訳、『チェーホフ全集』11所収、中央公論社)という言葉があった。
 勝つことは喜び。
 勝つことは幸福。
 勝つためには、みずから動きに動くことである。
 私は、勇敢な行動を貫く、わが同志の神々しい姿を心から賛嘆したい。
12  きょう、お集まりの各区の皆さまは、希望と勇気の前進を続けておられる。
 まず本陣・新宿区は、未曾有烏の「聖教新聞」の拡大に先駆された。
 今年(二〇〇三年)十一月は、学会本部が信濃町に移転して五十周年。明春に学会本部新館が完成(=学会本部別館として二〇〇四年六月に完成)。二〇〇五年には待望の新宿池田文化会館が完成の予定である。(=二〇〇五年十二月完成)
 渋谷区は今月(七月)、全東京の模範となる「聖教新聞」の購読推進を成し遂げた。今月十八日から二十一日まで夢あふれる「世界の少年少女絵画展」がに代官山スポ‐ツプラザで開催される。
 そして、新たな広布の峰をめざし、力強く前進する港区。今月から「高輪会館」で衛星放送が始まると、うかがった。
 どの区も、本当におめでとう!
 とくに、婦人部の皆さまの偉大な奮闘に、深く感謝申し上げたい。
 婦人部が盤石なればこそ、創価の人間主義は世界に広がった。女性の力は偉大である。
 どうか、大切な同志の皆さまに、くれぐれもよろしくお伝えください。きょうは本当にご苦労さま! 心から御礼申し上げ、記念のスピーチとさせていただく。
 (東京・信濃文化センター)

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