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日蓮大聖人・池田大作

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第十九回各部代表者会議 全身全霊で民衆に奉仕

2002.7.19 スピーチ(2001.8〜)(池田大作全集第93巻)

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1  命ある限り、闘いを止めず
 広宣流布の大前進への軌道は、完璧にできあがつた。未来は、すべて、若き諸君の双肩にかかっていることを自覚していただきたい。
 きょう七月十九日は女子部の結成記念日である。
 お祝いに、中国の鄧穎超とうえいちょう女史(周恩来総理夫人)の言葉を贈りたい。
 「恩来同志(周総理)と二人で約束したことがあります。それは『全心全意(心の底から)、人民に奉仕する』ことです。この誓いは死んでも変わりません」
 「命ある限り、闘いを止めず」――これが、周総理夫妻の信念であった。
 この七月十一日で、女史が亡くなられてから、ちょうど十年になる。
 あらゆる困難を乗り越え、人民のために全身全霊を捧げた一生――それを思えば、今の青年は、あまりに恵まれている。
 気取りや虚栄を捨て、どこまでも民衆のために尽くしぬくことだ。また、五十代の人ならば三十代の心意気で、生涯、戦う青年の心で、生きて生きて生きぬくことだ。
2  法華経二十八品の最後を維めくくるのは、普賢品である。
 その中で、普賢菩薩は誓願を立てる。
 それは、悪世の末法で戦う法華経の行者を断じて守護するという誓いである。法華経を全世界に広宣流布させて、絶対に断絶がないようにするという誓いである。
 「御義口伝」には、「此の経の広宣流布することは普賢菩薩の守護なるべきなり」と仰せである。
 広げて言えば、「普く」「賢い」知性の力で広宣流布は進んでいく。
 私が、同志の皆さまの代表として、世界の大学から数多くの栄誉を受けていることも、普遍的な知性が、創価の人間主義を信頼し、支持している証左なのである。
3  青年よ、戸田先生の指導を忘れるな
 戸田先生の忘れ得ぬ指導を、いくつか語っておきたい。
 「若き人生を生きゆく青年は、キツネのような目をした、うそつきにはなるな!」
 戸田先生は、うそをついたり、ごまかす青年は絶対に許されなかった。
 「青年のいちばんの財産は信頼である。信頼がなくなれば、人生は敗北だ」と厳しく指導された。
 そして、「財産も名誉もない青年は、信用されることが、最大の誇りであり、勝利であると思っていきなさい」と教えられたのである。
 「他人の姿に右往左往するな!」
 これは、とくに、女子部への指導である。
 他人と比べて、見かけがどうとか、お金持ちかどうかとか、そんなことに紛動されてはいけない。そんなものは、すべて幻である。
 「自分自身に、生きゆけ!」――これが戸田先生の青年への遺言であった。
 また戸田先生は、青年に、こう呼びかけていかれた。
 「生きるならば、大哲学、大思想、大宗教を持ち続けて、一生を飾れ!」
 どうせ生きるならば、ちっぽけな、利己主義の生き方でなく、大理想に生きるべきだ。そのいちばんの大理想こそ、「世界広宣流布」である。
 この大哲学、大思想、大宗教を持ち続けた人が、人間として、最高の勝利者である。
 「人間は、嫉妬で狂う動物だ。正義であっても、必ず、嫉妬の敵が出るから、注意して戦いぬけ!」
 たとえ正義であっても、いな、正義だからこそ、嫉妬の敵が出る。これは、皆さんも、よく知っているとおりである。
4  青年時代は徹して苦労を
 さらに、戸田先生は、おっしゃった。
 「人生のゴールは五十代からだ。今は、いかなる苦境にあっても、愉快に、忍耐強く生きぬけ!」
 また女性の場合は、「四十代からが本当の幸福が花開くときだ」とも言われた。
 ゆえに、今が、どんなにつらくても、負けてはいけない。青年時代は、徹して苦労をしていくときである。
5  「青年は、朝寝坊では負ける。朝が勝負だ。朝の生き生きとした息吹のなかで、活力をわきたたせていけ。そこに、大きな成長があるのだ」
 朝がだらしない青年は、勝てない。組織、団体の盛衰も、朝の出発がどうかで決まるものだ。それが社会の道理である。
6  戸田先生は、「学会の組織は、安全地帯である」と言われた。
 学会の組織は、陰に陽に私たちを守ってくれている。進むべき道を示してくれている。
 一人で信心するほうが気楽でいいと思うかもしれないが、一人では危ない。勝手気ままな行動になってしまうからだ。
 また、戸田先生は、おっしゃった。
 「子どもは、必ず信心させて、学会の庭に入れなさい。子どもは縁に紛動されやすい。自由が欲しい。だから、悪の仲間のほうに引きずられる場合がある。とくに母親の愛情で、安全地帯に入れるべきである」
 人生において、信心ほど、尊く、正しく、大切なものはない。
 だからこそ、子どもを、何よりも、「学会の庭」に入れることが、もっとも深い親の愛情であることを忘れてはいけない。
7  堂々と正義を叫びぬく人生を
 シェークスピアは強調した。
 「慢心は人間の最大の敵なのだ」(『マクベス』野上豊一郎訳、岩波文庫)
 これまで、退転・反逆していった人間は、そのほとんどが、「慢心」が原因であった。
 学会から受けた恩を忘れ、自分は偉いと思い上がり、結局、社会的にも信用を失って、敗北の人生を転落していった。
 峻厳な信心の世界を壊す人間に対しては、断固として、正義の声をあげねばならない。
 「声仏事を為す」である。言うべき時、言うべき立場にありながら傍観し、他人まかせにして、声をあげないのは、人間として卑怯である。仏法のリーダーではなくなってしまう。
 広宣流布の戦野にあって、声は″大砲″である。堂々と自分らしく、正義を叫びぬく人生であっていただきたい。
 荀子の言葉には、こうある。
 「惛惛こんこんの事なき者は赫赫の功なし」――人知れない事をつまない者には輝かしい功績がない――(『荀子』金谷治訳注、岩波文庫)
 偉大な事業の陰には、人知れぬ努力の積み重ねが、必ずあるものだ。
 御書には「陰徳あれば陽報あり」とある。
 この陰の戦いがあったからこそ、今日の世界的な学会を築くことができたのである。
 同志の皆さまのお陰で、世界広布はいちだんと広がり、学会は史上最高の拡大を成し遂げた。心から感謝申し上げたい。
 私は、皆さまの一家・一族が、健康で、福運に満ちあふれていくことを、いつも懸命に祈っている。
 断じて勝っていただきたい。皆さまのご一家が″本家″となって、子孫末代・三世永遠にわたる大福運の流れを、築いていただきたい。
 (創価文化会館)

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