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日蓮大聖人・池田大作

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第十二回本部幹部会、第二回東京総会、第… わが生命に「幸福の大宮殿」を

2001.12.13 スピーチ(2001.8〜)(池田大作全集第93巻)

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2  皆さま方が、この一年、どれほどの情熱と執念で戦いぬいてくださったか――そのご苦労は、よく存じ上げているつもりである。
 どうせ生きるならば、「最高の法」のために生き、「最高の正義の道」を進みたい。
 皆さまの広布のための労苦は、必ずや、地域のためになり、家族のためになり、何倍もの喜びとなって、わが身に返ってくることを知っていただきたい。
 ともあれ、この一年の勝利は、大きな勝利であった。十年先、いな百年先までの広宣流布の大河の流れを決定づけた一年となった。御聖訓に照らして、皆さま方の大福運は間違いない。これだけは、明快に断言しておきたい。(拍手)
3  永遠に「青年学会」で!
 本日の会合には、学会の最高幹部、各方面長なども出席している。とくに、そうした方々に申し上げたい。
 創価学会は、永遠に「青年学会」でいく。ゆえに幹部は、いつも背筋をピンとして、若々しくあっていただきたい。
 大聖人は、妙法に生きる人は「年は・わかうなり」と仰せである。年齢ではない。心で決まる。若々しい息吹のあふれるところに人は集まってくる。
 組織の発展の要は、何と言っても中心者である。ゆえに中心者は、「信心、教学、教養、礼儀、人格」のすべてにおいて、一流をめざしていくべきである。
 また、後輩を伸ばしていける幹部であっていただきたい。先輩は、何でも自分で決めてしまうのではなく、「どうしたらいいと思いますか」「考えを聞かせてくれませんか」と広く意見を求めていくことだ。そこから、後輩の自覚と自信が芽生えていく。
 そして、広宣流布に戦う人を最大に讃え、守り、支えていくのが幹部の仕事である。会合一つとっても、遠くから来た方に、少しでも前のほうに座っていただくとか――そういう細かいところに配慮できる慈愛の幹部であっていただきたい。
4  最高の法を持つ人こそ尊貴
 私たちの祈りは、諸天を動かす偉大な力用を備えている。私たちが南無妙法蓮華経と唱えるとき、無量の諸天善神が、私たちの後ろに並んでいるのである。
 戸田先生は、その意味について、わかりやすく語ってくださった。
 「東の方に向かって、諸天善神にたいして、あいさつするときに、それは、わが心の中にある諸天善神が、そのまま大宇宙にうかぶのです。そうして、御本尊に向かうときには諸天善神が、ぜんぶうしろにすわるのです」「そして、私たちが御本尊に向かって唱える経文、題目をきちんと、聞いているのだ」と。
 一人で題目をあげているようであっても、決して一人ではない。皆さまの題目に合わせて、何千何億もの諸天善神が一緒に御本尊に向かっている。そうやって諸天善神が、こぞって集まり、身近な人間や同志の働きなどとなって、皆さま一人一人を守るのである。
 広宣流布に戦う同志の皆さま方が、どれほど尊貴であり、どれほど偉大であるか。
 大聖人は門下への御手紙の中で、次の法理を示しておられる。
 「法が妙であるゆえに、その法を受持する人が貴い。人が貴いがゆえに、その人がいる所も尊い」(御書1578㌻、通解。以下同じ)と。
 お金持ちだから偉いのではない。社会的地位があるから偉いのでもない。そうではなく、本当に尊貴なのは、最高の法を持った人なのである。そして、その尊貴な人がいる場所が、そのまま「本有常住の常寂光土」なのである。
 大聖人は、こうも仰せである。
 「持たれる法さえ第一ならば、持つ人もまた第一なのである」(御書465㌻)と。
 妙法を持った皆さまが、第一に尊い方々である。ゆえに、皆さまをいじめれば、厳しい仏罰を受けることは、御書に示されているとおりである。
 世間のいかなる権勢も栄華も、無常である――これが大聖人の、また釈尊の一つの結論であった。
 大聖人は、こう、したためておられる。
 「このような死後の地獄等という苦悩の世界に行ったならば、王の位も、将軍の位も、何の役にも立たない。獄卒(地獄の鬼)の責めにあう姿は、猿回しに回される猿と変わらない。こうなった時は、どうして名聞名利や我慢偏執(われを頼んで心が傲り、偏ったものに執着する)の心でいられようか」(御書1439㌻)と。
 王様や将軍の地位など、死後の世界では、何の力もない。にもかかわらず、世間の欲望に執着して、正しき仏法に背くならば、その人の末路は、あまりに哀れであり、愚かである。
 このことを、よくよく考え、妙法を信じていくべきであるとの大聖人の御叱責とも拝せられるであろう。
 この生命の厳粛な因果の理法からは、だれ人も逃れることはできない。それは、いくら遠くに逃げようとしても、地球の外には、ましてや宇宙の外には行けないのと同じなのである。
5  「歓喜の中の大歓喜」の人生を
 大聖人は厳然と仰せである。
 「(われわれ衆生は)ある時は人に生まれて、諸々の国王や大臣、公卿・殿上人(貴族)などの(高位・高官の)身となって、これほどの楽しみはほかにないと思い、少しばかりの果報を得て十分であると思い、喜びあっている。しかし仏は、これを、夢の中の繁栄であり、幻の楽しみである、ただ法華経を持って、すみやかに仏になるべきである、と説かれたのである」(御書386㌻)
 「夢の中の栄え」や「幻の楽しみ」に振り回され、迷走しゆく人生であってはならない。自分の生命それ自体が「大宮殿」なのである。妙法を唱え、弘めゆくことは、自他ともに、生命の常楽我浄の大官殿、三世永遠に壊れない大宮殿を開いていくことである。
 これほど崇高にして幸福な、「歓喜の中の大歓喜」の人生の軌道は、ほかにはない。妙法を弘めゆく学会の世界以外には、絶対にない。
6  大聖人は仰せである。
 「(法華経を持つ人は)女性であれば、憍尸迦女きょうしかにょ(帝釈天の妃)、吉祥天女(インド古来の女神。多聞天の妃ともいう)、中国の李夫人(漢の武帝に愛された美女)、楊貴妃(唐の玄宗皇帝に愛された美女)等の無量無辺の一切の女性よりもすぐれている」(御書1387㌻)と。
 平凡な庶民であっても、広宣流布に生きぬく女性は、どんな有名な女性よりも、″世界一の美女″よりも、はるかに尊く、勝れていると断言しておられる。
 さらに大聖人は、「(他の経典などとちがって)この法華経だけには、『この経を受持する女性は、他の一切の女性にすぐれるだけでなく、一切の男性にも超えている』と説かれています」(御書1134㌻)と述べておられる。
 今はもう、「女性の時代」である。世界的な仕事をする女性が、どんどん現れている。学会も、これまで以上に、女性を大切にしていかねばならない。
7  明年も広布の″黄金の年輪″を
 きょうは、東京総会そして四国総会である。東京の婦人部、四国の婦人部をはじめ、全国、全世界の婦人部の皆さま方に、この一年間の感謝をこめて、男性全員の拍手で、御礼を申し上げたい。(拍手)
 同じ生きるのであれば、同じ戦うのであれば、晴ればれと、「人間としての最高の舞台」で、新しい一年を飾っていただきたい。
 社会には、卑怯な人間もいる。嫌いな人間もいるかもしれない。しかし、人がどうあれ、自分自身が悔いなき歴史をつくればよいのである。広宣流布の革命児として、「誇りの剣」「希望の剣」「生きがいの剣」「充実の剣」をぬき、春夏秋冬の舞台を縦横無尽に駆けめぐることだ。
 一年一年、ただ″年齢を重ねる″だけの人生もある。年若くして「心の老人」もいる。反対に、高齢でも「心の青年」がいる。
 明年も、われらは、生き生きと、広宣流布の″黄金の年輪″を刻んでまいりたい。(拍手)
8  きょうは、研修のため、はるばる来日された、アメリカ、韓国、インドネシア、シンガポール、タイ、アルゼンチンの同志の皆さまをはじめ、世界二十力国の方々が参加されている。
 遠いところ、ご苦労さま! ありがとう!(拍手)
 今、日本中、世界中で、広宣流布は、いよいよ勢いを増して、希望の拡大を続けている。
 全世界で、わがSGIは、広布破壊の傲慢な日顕宗に、圧倒的に打ち勝った。
 今月の一日には、ヨーロッパのポルトガルで、入会記念の集いが行われた。支部が結成されて以来、この十年で、ポルトガルのメンバーは、五倍の躍進を遂げた。
 この日、女子サッカーのポルトガル代表選手をはじめ、社会で活躍する多くの方々が、入会された。はるか西アフリカ沖の大西洋の島の国からも、一人の女性が飛行機を乗り継いで出席し、晴ればれと入会した。SGIの一員として、誇り高く立ち上がった。まるで映画のような、美しい情景である。
 彼女の国は、カボベルデ共和国。アフリカ大陸から西へ約五百五十キロメートル、大西洋に浮かぶ大小十五の島々からなる、美しい共和国である。人口は約四十三万人という。
 これにより、新たに一つの国がSGIに加わり、SCIの仏法と平和の連帯は、百七十八カ国・地域に拡大した。私は、最大の喜びをもって、本日、皆さま方に、謹んでご報告申し上げたい。(拍手)
9  「女性の世紀」を象徴するかのように、この国の一粒種となったのも、女性――婦人部であり、この方を折伏したのも、女性――女子部である。
 新たに一人立った、この女性は、ポルトガルの大学で経営学の修士号を取得され、大きな企業の人事部長として活躍されるとともに、島を代表する高等専門学校で教鞭を執る教育者でもあられる。島で有名な彼女が入会したことで、話題にもなっているようだ。
 彼女は語っている。
 「一人の人間に光を当てるSGIの仏法哲学運動から、私は多くのことを学び始めています。わが国は小さな国ですが、心は豊かです。この国を『人材立国』にしていく決意です」と。
 私も、一生涯、この共和国の限りない繁栄と平和を祈って、お題目を送り続けていく決心であることを、彼女にお伝えした。
10  ともあれ、あの卑劣な日顕宗の黒き鎖を断ち切ってから、はや十年。SGIは、百十五カ国・地域から、百七十八カ国・地域へ、じつに六十三も拡大した。この一年だけでも、十五カ国・地域が新たにふえたのである。(拍手)
 大聖人は、仰せである。
 「法華経の心とは、これまで述べたように民衆を現実に救っていくことにほかならないのです。外のことと思ってはなりません。大悪は大善が来る前兆なのです。一閻浮提(全世界)がひどく乱れたならば、法華経に説かれている『閻浮提の内に広く流布せしめる(世界広宣流布)』の文が実現することは、もはや疑いないでしょう」(御書一四六七ページ、女子部教学室による現代語訳)
 「閻浮提の内に広く流布せしめる」の経文のごとく、日蓮大聖人の仏法を世界に広宣流布し、永遠の平和と幸福の価値を創造しているのは、創価学会以外にない。
 人間主義を打ち立て、現実に民衆を救い、世界を救っていく。これこそ、私たちの使命である。
 すばらしい、尊き「仏の仕事」をしていることを、誇りとしていただきたい。
11  学会の「人間主義」に世界が期待
 私が皆さま方を代表して、世界の諸大学等からお受けしている「名誉博士」「名誉教授」などの知性の誉れは、百十三となった。(拍手)
 さらに、世界の各地からお受けした「名誉市民」等の栄誉は、二百一となった。(拍手)
 これらの栄冠は、すべて皆さま方、そして皆さまのお子さんたちに伝わっていく。それが仏法の方程式である。
 さらにまた、私どもの進める平和・文化・教育の運動が、世界の知性と良識から支持され、信頼されている証拠なのである。
 ″創価学会は正しい。創価学会の人間主義の思想を認識するべきだ。また、弘めていくべきである″――こう言ってくださる方々が、世界には、たくさんいるのである。
 ある人が数えてくれたのだが、この一年、私が行った世界の識者・指導者との対話は、約七十回。ご一緒にお会いした方も含め、三百人を超えた。さらに、この二年間で私が語りあった世界の知性は、同じく一千人におよぶ。一回一回の対話が、真剣勝負である。
 私がお会いする方々は、その分野で、一流の活躍をされている人物ばかりだ。毎回、さまざまなテーマで語らいが行われる。会合で、同じ話ばかりする幹部もいるかもしれないが(笑い)、そういうわけにはいかない。あるときは哲学、あるときは芸術、そしてまた、あるときは科学や文学――話題は万般におよび、少しも気を抜くことはできない。
 しかし、私は、仏法を持っているゆえに、どんな問題についても、堂々と語りあっていくのだとの自負がある。妙法には、一切法が含まれているからである。
 思えば、牧口先生も、戸田先生も、偉大な学者であった。また同時に、偉大な実践者であられた。
 ともあれ、釈尊が予見し、末法の御本仏である日蓮大聖人が仰せになったとおり、世界広宣流布は厳然と進んでいる。この青き地球の百七十八カ国・地域に、「地涌の菩薩」の輝きわたる「黄金の人材の陣列」が、断固、できあがった。(拍手)
 多くの団体や運動が衰退するなかで、わが創価学会は、一糸乱れず、威風堂々と前進している。世界一の広宣流布の団体である。
 日本において、牧口先生そして戸田先生の悲願であった″一千万の平和の連帯″を構築し、完成するところまで、皆さまのおかげで、もうじきのところに迫った。これは、牧口先生、戸田先生以来の、創価学会の一つの大目標であった。私たちは、牧口、戸田両先生の直系の弟子である。
 この広布の山を、いつの日か、われわれの時代に、見事に登攀しようではないか!(拍手)
12  「御書」発刊五十周年へ「現代語訳」進む
 明年は、創価学会による『御書全集』の発刊から五十周年。御書には、新世紀の世界が求めてやまない「希望の哲学」「平和の哲学」「生命尊厳の哲学」の光源がある。御書を根本として、未曾有の「生命覚醒の光」を広げていく――なんと壮大なる「新世紀のルネサンス」であろうか。
 現在、男女青年部の教学のリーダーによって、御書の現代語訳が進められている。
 「大白蓮華」では、女子部教学室が現代語訳した「御書とともに」の連載が四十回を超え、来年、本として発刊される予定とうかがった。(=二〇〇二年に第一巻、〇四年に第二巻が発刊されている)
 地道にして真剣な研鑽の努力を、私は心から讃えたい。
 「女子部は教学で立て」とは、戸田先生が示された、永遠の指針である。
 その意味からも、女子部が今、教学運動を一生懸命に進めていることは、本当にすばらしい。関係者の皆さまに、「本当にご苦労さま」と申し上げたい。(拍手)
 女子部といえば、日本全国で、広布の同志を、さわやかに迎えてくださる、花の白蓮グループの皆さま。いつも本当にありがとう! また、日ごろから、私たちの健康を守ってくださる、慈愛の白樺会・白樺グループ(看護。医療に携わる友)の方々にも、心から感謝申し上げたい。(拍手)
13  女子部が現代語訳した「経王御前御書」の一節に、こうある。
 「今の時代は、濁世といって乱れた世の中です。そのうえ、このように世の中が混乱しているので、人々は皆、今生では戦乱の苦難に巻き込まれて、修羅道という、人間らしい心を失って争いを好む状態に耐ず、死んだ後には、悪道に堕ちることは間違いありません。しかし、法華経を信じる人々は、必ず仏に成れると説かれています」「どんなに(題目を)唱えない相手だと思っても、妙法をそしる人には、いよいよ強く語っていきなさい」(御書1123㌻)
 甚深の御文が、わかりやすく、正確に、現代語になされていくことは、どんなに尊いことか。
 大聖人の御心を、さらに広く深く伝えゆく、広宣流布の重要な作業である。必ずや大聖人も、おほめくださると、私は信ずる。
 御書の現代語訳は、女子部から始まった。画期的なことである。これまで男子部も、また関西の教学陣も、立派に研鑽を重ねてきた。いちだんと力強く、仏法の大哲学運動を展開していただきたい。
 私も、「大白蓮華」の新年号から「御書の世界――人間主義の宗教を語る」というタイトルで、新連載をスタートする。(=二〇〇四年四月号まで連載)
14  健康で、幸福で、長寿の人生を
 終わりに、哲人の声に耳をかたむけたい。
 「人間としての品位」を失わないためには、何が大事か。その一つとして、カントは言った。
 「汝らの権利を他人の蹂躙に委ねるな」(『道徳哲学』白井成允・小倉貞秀訳、岩波文庫)
 決して卑屈になるな。それは、人間の「自分自身に対する義務」だというのである。
 そして、アメリカのソローは、奴隷解放に殉じた、精神の同志への連帯を語った。
 「同じ心の人間だけが、全権公使としてぼくたちの宮廷に参内できるのだ」(「ジョン・ブラウン大尉を弁護して」木村晴子訳、『H・D・ソロー』所収、研究社出版)
 私どもで言えば、広宣流布を願う「同じ心」の人間だけが、民衆の官殿に集い合える。人間主義の同志として、世界の知性と自在に交流しながら、平等な人間の官殿を広げていくことができるのである。
 尊き同志の皆さまに、「一年間、本当にご苦労さまです」と重ねて感謝申し上げたい。
 最高に楽しいお正月をお迎えください。一人ももれなく、健康で、幸福で、長寿であっていただきたい。これこそ、創価学会の指導者として、仏法者としての悲願である。
 また、絶対に無事故であっていただきたい。無事故が「幸福の人生」の実証である。絶対に、火災や交通事故などを起こさないよう、細心の注意をお願いしたい。
 来年もまた、大聖人とともに、創価学会とともに、広宣流布へ、これ以上ない「無上の人生」へ向かって、断固として戦い進みましょう! お帰りになられましたら、わが同志の皆さまに、くれぐれも、よろしくお伝えください。この一年、本当にありがとう!
 (東京牧口記念会館)

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