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日蓮大聖人・池田大作

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全国最高協議会 「勝利の人生劇」を生き生きと

2001.8.6 スピーチ(2000.11〜)(池田大作全集第92巻)

前後
2  戸田先生は言われた。
 「勝った時に負ける原因をつくる。負けた時に勝つ原因をつくることができる」と。
 「勝って兜の緒を締めよ」である。勝利の時こそ、しっかりと態勢を整え、足元を固めることだ。
 たとえば、「方面」の役職を持つ幹部がいる。しかし、漠然と「方面全体を見る」といっても、あまりに広く、観念論になる場合がある。とくに、どの県を担当するのか。どの分野に責任を持つのか。それを明確にすべきである。「わが足元の本陣」を決めることだ。その上で、方面を舞台に戦っていけばよい。
 自分の責任をあいまいにして、人にやらせて、自分は威張って、何もしない。そういう、ずる賢い姿勢であってはならない。それでは傲慢である。そこから物事は崩れていくものである。
 ともあれ、広布の戦いは、一面は大変なようだが、その分、子孫末代にわたる大功徳を積める。だから、やらないと損だというのである。
 敵がいるから戦える。戦いがあるから、功徳を積める。苦労してこそ、最高の楽しみを味わえるのである。
3  世界は待望! 創価の人間主義を
 今、世界中から「創価の人間主義運動」へ大きな共感が寄せられている。
 先日も、アメリカの著名な識者から、本年の「SGIの日」記念提言に対する賛同の声が届けられた。
 (二〇〇一年一月、記念提言「生命の世紀へ大いなる潮流」を発表)
 所感を寄せてくださったのは、アメリカ・マサチューセッツ大学ボストン校のウィンストン・ラングリー副総長である。政治学の権威であり、深い見識と豊かな人格を備えた方である。
 私が創立したアメリカの「ボストン二十一世紀センター」の良きアドバイザーでもあられる。
 博士は語っておられる。
 「世界は今、あらゆる意味で分断化されています。そのなかで、池田SGI会長は、複合的な視野に立ち、グローバル(地球的)な社会のあり方を見すえています。すべてを総体的な視座で捉え直し、断片を結びゆく作業を進めています。
 さらに、人々が当たり前と思って受け入れてきた思想や出来事についても、新たな疑問を投げかけ、議論を深めようとしています。
 そして、その作業を、哲学、教育、さらには宗教の視点をふまえながら、普遍的な人道主義の立場から進めているのです」と。
 私は、かねてから「二十一世紀を『生命の世紀』に」と訴えてきた。言うまでもなく二十世紀は、あまりにも人間の生命が軽視され、踏みにじられてきた歴史であったからである。
 そして今、二十一世紀を迎え、人類社会は、いよいよ真剣に「生命尊厳の哲学」を求め始めた。「新しい人間主義」を求め始めた。
 まさしく「創価の時代」の到来である。私たちの広宣流布の運動は、仏法の「生命尊厳の哲学」を、社会のあらゆる分野で実践しゆく尊い作業である。人類の最先端を進んでいることを誇りとしていただきたい。(拍手)
4  さらに博士は語る。
 「SGI会長が説く『共生』の思想は、創造的共存であり、相互が高めあう共存です。かつてSGI会長は『人道的競争』という指針を提唱しました。この″競争″とは″争いあう″ことではありません。それは、共通の目的への″挑戦″であり、″共戦″を意味するのです。
 ″競争する(英語でコンピート)″という言葉の本来の意味は、″人々が手をたずさえて困難に立ち向かう″ところにあったのです。
 この高き視点に立つ時、私たちは、否定的な競争意識を乗り越え、たがいの″精神の進化″に向かいあうことができるのです」
5  政治学者の博士は、日本の平和憲法についての私の考察にも、次のように言及してくださった。
 「私は、日本の平和憲法論議について、軍備の是非ばかりに焦点をあてるべきではないと思います。問題の本質は、この平和憲法の精神を、どう人類に広げていくかではないでしょうか。それが世界に対する日本の重要な貢献であるという視点を忘れてはならないと思います」
 「日本の平和憲法は、日本のみならず、人類にとってのモデルとなるものです。さらに国連の未来にとっても、重要なモデルを示すものなのです」
 「憲法第九条の理念と精神に基づいて、国連と連携し、恒久平和をめざすべきであるというSGI会長の提案に、私は、心から賛同いたします」
 ラングリー博士の寛大なお言葉は、すべて、全国で、また全世界で「平和の拡大」「人間性の拡大」に尽力してくださる同志の皆さま方への賞讃である。
 その意義をこめて、ありのままを紹介させていただいた。(拍手)
 (さらに博士は所感の中で「現代に生まれた思想は、ことごとく精神性の側面を除外して発展してきました。しかし今、人々は、精神性の復権の必要に気づき始めています。そして精神の指導者を求めています。そのなかにあって、SGI会長の提言は、仏教の思想に基盤を置きながら、決して特定の宗教を人々に押しつけようとはしていません。私たちは、こうした寛大で深い精神の分野を艤えた指導者の存在に、心からの感謝を寄せなければならないでしょう」等と語っている)
6  民衆よ強く、民衆よ賢く
 わが国の″邪馬台国″研究の第一人者、古田武彦先生(元昭和薬科大学教授)が、ご自身の貴重な論文を送ってくださった。その中で、近代日本のアジア侵略の本質を、こう述べておられた。
 「わたしは思う。日本は(欧米の、ここ数世紀の)『侵略バブル』の後追いだった。その『猿真似』だったのである。その『猿真似』をみにくしとし、その立場を一擲いってきすべきである」
 「わたしたちは、たとえ彼等(中国・韓国やアジア人たち)が一切これを『求めず』とも、断乎として全人類の面前で『謝罪』しなければならぬ。これこそが『日本人の目線』だ」
 古田先生は、日本の軍国主義の「傲慢な目線」を復活させてはならないと強調しておられる。
 私も、そのとおりだと思う。私の四人の兄も兵隊にとられた。長兄は戦死である。わが家も空襲で焼け出された。
 戦争を起こした元凶は国家主義である。悲劇を二度と繰り返さないためには、民衆が強くなるしかない。民衆が賢明になるしかない。そして、民衆が権力を厳しく監視していかねばならない。
 ゆえに、「創価の前進」こそ「平和の前進」なのである。
 まだまだ暑い日が続くので、よく休み、疲れを残さないよう、工夫していただきたい。健全なる身体で、若々しい指揮をとっていただきたい。
 (長野研修道場)

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