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日蓮大聖人・池田大作

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「7・3」記念首都圏婦人部代表幹部会 心と声と手で希望を勝ち取れ!

2001.7.10 スピーチ(2000.11〜)(池田大作全集第92巻)

前後
2  はるかなる憧れの楽園ポンペイ島の英知の言葉に、こうあります。
 「君一人で幸福になろうと思うな」
 本来、自分一人だけの幸福など、ありえない。友の憂いにわれは泣き、わが喜びに友は舞いながら、一緒に励ましあい、力を合わせて、幸福と平和の社会を、仲良く朗らかに建設していく。これが、人間としてもっとも正しい人生の軌道であります。
 同じくポンペイ島の格言に、こうあります。
 「青年の松明は、足の指先に輝く」
 つまり、いかに先の見えない暗闇の中にあったとしても、前へ、断じて前ヘ、みずからの足を踏み出していく。その勇気ある一歩にこそ、希望の松明は輝く。ゆえに青年は、恐れなく大胆に前進せよ―――というのであります。
 本日、ここに集われた、創価大学、ならびにアメリカ創価大学、さらに九十の大学に学ぶ男女学生部の英才の皆さん! どうか、若き情熱を燃やして、いかなる青春の戦いにもまっこうから勇敢に挑戦してください。勝利の道を切り開いてください。
 勝つ人生は幸せです。負ける人生は不幸です。学生部の諸君、頼むよ!(拍手)
3  青き太平洋の大海原の中心には、天空に輝く幾多の星々のように燦然と光を放ちゆく、六百もの島々の「平和と調和のネットワーク」が広がっております。それこそ、私たちが敬愛してやまないポンペイ島であり、ミクロネシア連邦なのであります。
 心より尊敬申し上げるイソナニケン執行議長ご夫妻、そして、ご一行の皆さま方。本当にようこそ、お越しくださいました。私たちは、最大の感謝をこめて、熱烈に歓迎申し上げるものであります。(拍手)
 きょうの式典には、首都圏の女性リーダーの代表が駆けつけてくれました。
 アメリカ、ブラジルの代表の方々も、遠いところ、たいへんにありがとうございます。(拍手)
4  すべての国に広げたい! 平和を、友情を、人間愛を
 「青年よ、まず憲法を読みたまえ!」とは、私の友人であるフィリピンのラモス元大統領の指針でありました。
 その世界の数ある憲法のなかでも、ミクロネシア連邦の憲法は、じつにすばらしい。ここにおられるイソナニケン執行議長が、この憲法の制定にも、多大な尽力を果たしてこられたことは、まことに有名であります。(拍手)
 その憲法の前文には、高らかに、こう謳われております。
 「多様性が我らを豊かにする。海は、我らをつなぐものであって、我らを引き離すものではない」
 「我らは戦争を知っているから、平和を願う。我らは分断されたから、統一を願う。我らは支配されたから、自由を希求する」
 そして、「我らは、お互いに求めるもの、すなわち、平和と友情と協力、そして人間愛を、すべての国に広げていきたい」と。
 なんと高邁なる、なんと誇り高き、二十一世紀の世界市民の理念でありましょうか。(拍手)
5  この七月は、かつて貴国に計り知れない犠牲をもたらしてしまった、あの残酷な太平洋戦争を推し進めた軍部政権によって、牧口初代会長、戸田第二代会長が弾圧され、投獄された月であります。
 (一九四三年〈昭和十八年〉の七月六日、治安維持法違反ならびに不敬罪の容疑で、牧口会長、戸田会長が逮捕された)
 牧口会長は、つねづね、傲慢にして偏狭な日本の島国根性を憂慮しておりました。そして、まさに貴国の憲法に凝結されている寛容なる「開かれた海洋国の精神」に謙虚に学べと訴え続けたのであります。
 それゆえに、貴国からの最高の栄誉を、私たち夫婦は、この殉教の先師に代わって、ここに謹んで拝受させていただきたいのであります。
 イソナニケン執行議長、まことに、まことに、ありがとうございます。(拍手)
 先ほど、執行議長がスピーチされたごとく、これまで、人類は愚かにも、「太平洋」を「戦争の悲劇の海」にしてしまいました。
 この流転を大転換して、その名のごとく、天下太平の「平和の海」としていくために、崇高なリ―ダーシップを発揮しておられる信念の大指導者が執行議長ご夫妻であられます。(拍手)
6  昨年、私どもSGIの発足二十五周年を記念して、原点の地にあるグアム大学で、第一回太平洋諸島・新千年紀平和会議が開催されました。
 その折、執行議長が寄せてくださったご発言は、深い感銘を広げました。
 それは――「平和とは、相手を『尊敬』する心の中にある」「太平洋の島々が世界に示すべきものは、人々の心の中にある『平和』と『尊敬』の伝統である」と。
 二十一世紀の人類が立ち返るべき原点が、ここに明確に宣言されているのです。(拍手)
7  女性こそ平和の主役
 法華経に説かれる平和の哲学もまた、「人間の尊厳」から出発し、「人間の尊厳」に帰着いたします。すなわち、それは、一人の人間の、限りない生命の尊厳を徹して信じ、敬いながら、希望と誠実の対話を、忍耐強く積み重ねていくことであります。それはまた、同時に、人間の生命を軽んじ、賤しめ(軽賤)、正しい人を憎み、嫉んで(憎嫉)、民衆の和合を破壊しようとする権力の魔性と、断固として戦いぬいていく、間断なき精神闘争なのであります。ここに究極の民主主義の実践もあるといってよい。
 なお、イソナニケン執行議長は、今から二十五年ほど前、日本に滞在しておられたときに、東京の大田区で行われた学会青年部の会合に出席してくださったことがあると、うかがっております。
 執行議長が折々に語っておられるように、女性こそ、極端な右にも左にも流されることなく、「中道」の調和の智慧を生かして、平和を実現していく主役なのであります。
 執行議長の令夫人は、その模範であられます。令夫人は、ポンペイ島の女性会議や、「持続可能な未来」のための女性協会のリーダーとして、地球環境を厳然と守り、次の世代を慈しみ、育みながら、平和の強力な大波を起こしてこられました。
 「女性の世紀」を先駆されゆく気高きご活躍に、私たちは心から共鳴し、賛嘆を申し上げたいのであります。(拍手)
8  話は変わりますが、昨晩、SGIの欧州副議長から、急きょ、連絡が入りました。それによれば、アルプスの麓、ライン川沿いの風光明媚なリヒテンシュタイン公国に、このほど新たに、SGIの友が誕生したというのであります。(拍手)
 この国は、日本でも親しまれてきた物語″アルプスの少女ハイジ″のゆかりの天地でもあります。このロマンの国に、お隣スイス婦人部の方の粘り強い折伏によって、広宣流布の尊い一粒種が生まれました。その結果、SGIが百六十六カ国・地域となったことをつつしんで報告させていただきます。(拍手)
 この新しい「地涌の菩薩」の方も、男性ではなく、女性です。まさに「女性の時代」であります。
 ちなみに、百六十六カ国目となった「リヒテンシュタイン」の名は、「光輝ある城塞」という意義を持っております。
 ヨーロッパの婦人部・女子部の代表からは、「不思議にも、この七月十二日、池田先生の奥さまの入信満六十年に符合して、女性の平和と人道の連帯によって、SGIは百六十六カ国へと拡大しました。これほどの喜びはありません」との声が寄せられております。
 世界広布の本陣を担われる皆さまに、真っ先にご報告させていただきました。(拍手)
9  戸田会長「自分のいる場所を幸福に!」
 一人の女性の「一念」の力が、どれほど巨大な波動を起こし、広げていくか、計り知れません。
 ミクロネシアSGIの支部長も、執行議長ご夫妻にあたたかく守っていただきながら、地域社会に貢献し、絶大なる信頼を広げてこられました。同支部長は、千葉のご出身で、女子部時代、鼓笛隊で訓練を受けた学会っ子です。本日は、勝利の姿で参加してくださいました。(拍手)
 ご主人を亡くされた後も、毅然と立ち上がって、五人の男の子を立派に育て上げました。そして、私が創立した創価大学に、三人の息子さんを、次々に留学させてくださった。終生、忘れることのできない、偉大な女性であります。
 先ほどは、親孝行な五人兄弟を代表して、ご長男が、見事な通訳の大任を果たしてくれました。
 母と子の大勝利の晴れ姿が、私は本当にうれしい。(拍手)
 婦人部の皆さまは、わが子を立派な広布の後継者に育て上げていただきたい。親子一体の勝利の姿こそ、仏法の究極であります。
 かつて戸田先生は、女子部を励まして、言われました。
 「自分のいる場所を幸せにできない者が、どこを、幸せにできるのか」と。
 今、自分がいる、その場所で幸せになることです。環境がどうあれ、自分自身が太陽になって、輝いていくことです。そこから一切が開けていくのです。
 全員が幸福を勝ち取れ!
 そのために使命の戦いを!
 幸福は、戦う汝自身の胸の中にある!
 ――これが、戸田先生の厳愛の薫陶でありました。
10  ともあれ、大海に浮かぶ、この現実の社会を、幸福と平和の世界に向かって、リードできるか。それとも、不幸と戦乱の渦巻く社会へと流されてしまうのか。
 現実は厳しい。一寸先はわからない。個人も、国も、人類も――。
 仏法において、それは、「人間尊敬」の勢力と、邪悪なる「人間蔑視」の勢力との、しのぎを削る勝負によって決せられていくと明かしております。
 だからこそ、正義の民衆は、また正義の女性は、そして、正義の青年は、断じて負けてはならない。断じて勝たなければならない。それが日蓮大聖人の御遺命であります。戸田先生も、いつも、そう言っておられました。
 勝ちましょう! 勝って、勝って、勝ちまくりましょう!
 「平和と人道の勝利」「創価学会の勝利」のために、断固として前進しましょう!
 そして、晴ればれと、八月の幹部会を迎えようではありませんか!(拍手)
11  人間革命の晴れ舞台を楽しく、勇敢に
 数多くの川の流れは、すべて大海に流れこんでいきます。同じように、正法正義のために苦労したことは、すべて自分自身の大功徳となって、わが生命に納められ、永遠に一家眷属をつつんでいくのであります。
 本日は、はるばるミクロネシアから、すばらしいお客さまが見えられました。
 今、世界中が私たちを見守り、味方となってくださっております。そして皆、われら創価の勝ち戦を待ってくれております。なんと偉大な人間革命の晴れ舞台ではありませんか。
 その誇りも高く、楽しく、粘り強く、勇敢に進んでまいりましょう!(拍手)
 青く美しき地球の、かけがえのない宝の都であるミクロネシア連邦の、永遠無窮の平和とご繁栄を、私たちは一生涯、祈り、貢献していくことをお約束いたします。
 あわせて、イソナニケン執行議長ご夫妻をはじめ、本日、ご臨席くださった、すべての皆さま方のますますのご健勝を、私は、心の底からお祈り申し上げます。
 結びに、貴国の詩情あふれる国歌「ミクロネシア讃歌」に、私の感謝と決意を託して、御礼のスピーチとさせていただきます。
 「私たちは、共に、心と声と、その手をもって、行動する。私たちの島々が、希望の土地となるまで」――。カラン・ガン(ポンペイ語で「ありがとうございましたし!」)
 (東京牧口記念会館)

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