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日蓮大聖人・池田大作

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中国・福建師範大学名誉教授授与式、婦人… 「平和の女性」が連帯すれば戦争はできない

2001.6.1 スピーチ(2000.11〜)(池田大作全集第92巻)

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2  心から尊敬申し上げるてい副学長、そしてまた福建師範大学の諸先生方。さらに、そん博士ご夫妻をはじめ、ご来賓の皆さま方。ただ今、最高に意義深き貴大学の名誉教授の称号を、私たち夫婦は、謹んで拝受させていただきました。まことに、まことに、ありがとうございます。(拍手)
 この六月六日は、私たちの平和の殉教の先師である牧口初代会長の生誕百三十周年の誕生日であります。
 ご存じのとおり、若き牧口先生は、中国からの留学生のための学校であった「弘文学院」で教鞭を執っておりました。そこには、貴・福建省出身の青年が、六十八人も在籍されていました。
 そして、先ほど申し上げた林青年も、じつは、この牧口先生ゆかりの学院で学んだ一人であったのであります。
 そうした縁を噛みしめながら、貴大学からの知性の宝冠を、私たちは、直弟子として、先師牧口先生に捧げさせていただきたいのであります。
 なお、妻の実家は、戦時中、軍国主義と戦う牧口先生のもと、創価教育学会に入会しました。この夏で、ちょうど六十年になります。私よりも、入会は古いのです。(SGI会長は二〇〇一年八月で入会五十四周年)
 妻の母も、妻も、本陣・東京の婦人部として戦うことを何よりも誇りとし、喜びとしてまいりました。
 ゆえに、今回の最大の栄誉を、妻は、ぜひとも、苦楽を共にする東京婦人部の皆さま方と一緒に、お受けさせていただきたいと申しておりました。(拍手)
 東京婦人部の皆さま方、きょうは、大勝利への代表幹部会、本当におめでとう!(拍手)
3  「女性教育への貢献」を賞讃
 さて、貴大学は、偉大な先覚者として、女性教育の道を開拓してこられました。平和の焦点は、ますます女性であります。女性で決まります。
 二十一年前、私たち夫婦は、福建の天地が誇りとする高名な女性作家・謝冰心しゃひょうしん先生と語りあった思い出があります。文豪・巴金ばきん先生を団長とする中国作家代表団の方々とご一緒に、私のいた静岡の研修道場まで、わざわざ、お越しくださったのであります。(一九八〇年四月五日)
 謝先生は、残念ながら、二年前に亡くなられました。ここにおられる貴大学のおう文学部長は、その謝先生の研究の大家であられます。
 謝先生は、日本の女性に、一貫して訴えられました。「世界の男性は、又戦争を欲するかも知れない。その時は私達女性は絶対に男達に武器を持たせてはいけないのだ」「日本と中国が必ず手を結ばなければならないことは一つの厳粛な宿命である」「戦争はあく迄私達女性の手で防がねばならない」(「日本女性への期待」長谷川仁訳、『婦人』4所収、皓星社)と。
4  きょうは、お隣の韓国からも、代表の方々が出席してくださっております。ようこそ、いらっしゃいました。(拍手)
 いにしえより、一衣帯水の隣国である中国、また韓国から、島国である日本は、どれほど多くの文化の恩恵を受けてきたことか。たとえば、貴・福建省から伝えられた身近なものとして、平和の武術である空手道があります。また、あの美味な、かりんとうや、そうめん、そして健康的なウーロン茶など、その一端だけでも次々に挙げることができるのです。
 日本は、この大恩ある中国、韓国を心から尊敬し、誠実に信頼と友情を深めていく以外に、平和も繁栄も、絶対にありません。また、これが日本の「根本の進路」であらねばならない。私は、それが、アジアの大恩にお応えする唯一の道であると信じております。
 これが分からない指導者は、「指導者失格」です。私たち国民は、この一点を、厳しく監視していかねばならない。指導者が愚かで、傲慢であるならば、民衆は永遠に不幸です。また、他国の人々をも不幸にしてしまうのです。
5  確固たる哲学や信念を持たず、時勢に安易に流されやすい日本は、今、まことに危うい局面にあると言われています。しかし、かつての「国家主義の道」は、断じて繰り返してはならない。断じて、阻止しなければならない。
 そのためにも、女性が仲間をふやし、連帯を広げながら、社会に正義の声を、恐れなく訴えぬいていくことこそが、二十一世紀の平和を盤石にするのであります。
 その先頭に立つ、わが東京婦人部の皆さま方は、決然として、この人間主義、民主主義の拡大の先頭を、賢く、聡明に、愉快に進んでいっていただきたい!(拍手)
 時代は、女性の世紀です。その模範が東京婦人部の皆さま方です。東京婦人部が動けば、全国が動く。また社会の婦人層も幅広く糾合していける力を持っている。
 仏法は勝負であり、人生も勝負であります。勝てば、朗らかであり、誉れ高い。負ければ、皆が悲しいし、みじめである。
 ゆえに、断じて勝っていただきたい。今の真剣な戦いが、永遠の福徳となって、わが身を飾るのです。そして子孫末代にまで伝わっていくのです。それが妙法の絶対の法則であります。
6  「草の根の民衆」が強い!
 私の胸には、福建の″詩心の母″謝先生の詩が、今も響き続けております。
 「目立たぬ草たちよ! 自分に自信をもとう。この世界は、あなたたちの普遍の力で飾られている」
 まさに、五十周年の歴史を刻んできた、創価学会婦人部への励ましの一節とは言えないでしょうか。(拍手)
 「草の根」の庶民は強い。無名の庶民も、いちばん強い。虚栄の人間は、強そうに見えて、じつは弱い。弱い自分を強く見せようと汲々としているのが虚栄だからであります。本当に強いのは庶民です。信仰をもった人間、信念をもった人間です。
 見栄や虚栄など、かなぐり捨てた、ありのままの人間。大目的をもった人間。正義を抱いた人間――その人の生命は、どれほど強い光を放っていることか。その人こそ、見栄っ張りの人間たちの、千倍、万倍の力を持っているのであります。
 「はたらかさず・つくろわず・もとの儘」――この無作三身の生命こそが最高に尊い。これが、日蓮大聖人の仏法の真髄であります。
 さらに謝先生は、こうも謳われています。
 「先駆者よ! ひとたび目標を掲げたならば、決して振り返ってはならない! もし振り返れば――あなたの心に潜む臆病のいのちが、あなたの前進を止めてしまうからだ」
 そのとおりであります。私どもの立場で言えば、広宣流布という正義の戦いを、ひとたび開始したならば、決して振り返ってはならない、ということであります。
 そして、女性こそが、「先駆者」であるとの名誉と誇りを持っていただきたい。前へ進むのです。これが、正しい「女性の世紀」の道だからです。
7  また謝先生は「無為は憂いを募らせる。多忙は煩悩を消し去る。わが友よ、喜びは、たゆみなき活動の中にあるのだ」。
 ――何もしないということは、ただ心配を募らせるだけ。人のために忙しく動きまわれば、不幸は消え去ってしまう。喜びは、たゆみない活動の中にあるのだ――と謳われました。
 この詩が呼びかけているように、どうせ人生、生きていくなら、人のため、社会のため、正義のために、生き生きと動くことです。思い切って正義を語り、強気で生きぬき、戦うことであります。
 そうでなければ、何もしないまま、歳をとってしまう。残るのは後悔だけだ。絶対に、そうなってはならない。一歩また一歩、一段また一段、一日また一日と粘りに粘って、断固として自分自身の建設に、永遠の福運の建設に、勝ち進んでいただきたいのであります。
 仏法では、中国の歴史を踏まえながら、「異体同心なればちぬ」――異体同心だから勝ったのだ―と説いております。
 誉れ高き東京婦人部は、いちだんと仲良く、心を一つに団結して、全国の同志の度肝を抜くような完全勝利の劇をつくっていただきたい。(拍手)
8  太陽と若葉の学府に栄光あれ
 福建大学の校章nいは、輝く「太陽」と、萌え出ずる「若葉」が、かたどられています。私もまた、「教育の世紀」の太陽たる貴大学の先生方とご一緒に、両国の青年が、若葉のごとく伸び栄えゆく未来を、さらに明るく照らし続けていく決心であります。
 きょうは首都圏を中心に、創価大学など七十八大学の、わが後継の男女学生部の皆さんが出席してくださいました。本当に、ありがとう!(拍手)
 貴大学は、そう学長のリーダーシップのもと、明年には、創立九十五周年を迎えられます。そして二〇〇七年に、教育史に燦然と輝く創立百周年を飾られますことを、心から、お祝い申し上げます。(拍手)
 海のシルクロードの大拠点であった福建から、新たな平和友好の大航海を進めゆかれる貴大学に、永遠の栄光あれ! 百世不磨の栄光あれ! と心からお祈りいたします。
 そして、貴大学の先生方をはじめ、本日、集われた、未来に生きゆく、すべての皆さま方の福智無量のご健勝を、深く深く、祈念申し上げるものであります。
 福建の卓越した啓蒙思想家・厳復げんふく先生は叫ばれました。
 理想の社会の建設のために、
 第一に、民衆の力を奮い起こせ!
 第二に、民衆の知恵を開け!
 第三に、民衆の人間性を新たに高めよ! と。
 まったく、そのとおりであります。全面的に正しい、正義の言葉と信じます。″学会精神″と、大きく響きあっている。この民衆勝利の叫びを、共々に確認しあいながら、私の心からの御礼のスピーチとさせていただきます。
 謝謝シェシェ(ありがとうございました)!
 (創価国際友好会館)

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