Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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新年勤行会 さあ出発! 無限の希望を胸に

2001.1.2 スピーチ(2000.11〜)(池田大作全集第92巻)

前後
2  日本全国、また世界百六十三カ国・地域の新年勤行会も、二十世紀をはるかに圧倒する勢いとにぎわいで、スタートを切った。
 学会本部にお越しくださった識者の方も「これほど明るく、これほど希望に満ちたすばらしい団体の姿は創価学会しかない」等々、日々に感嘆しておられたと、うかがった。
 英知の学生部は、元日から意気軒昂に大会を行った。男子部はきょう二日、女子部は三日に、北九州で、それぞれ元気いっぱいに大会を開催する。
 わが後継の青年部は、頼もしく、「二十一世紀の広布の山」を先頭に立って登り始めた。
 戸田先生は、すでに二十一世紀を展望して、言い残しておられた。
 「新しき世紀を創るものは、青年の熱と力である」(「青年訓」一九五一年〈昭和二十六年〉)と。
 この青年の正義の「熱」と「力」を太陽のごとく燃え上がらせて、戦い続ける人間こそが、そして、戦い続ける組織こそが、二十一世紀に生き残り、勝ちぬいていくのである。
3  妙法は人間と世界の幸福の光源
 私の願いは何か。創価学会のリーダーの願いは何か。
 それは、すべての同志が健康で、楽しく、朗らかな人生を生きることである。一人ももれなく、愉快な人生、幸福な人生を勝ち取ってもらいたい。そう私は祈りに祈っている。
 そのための学会活動である。そのための広宣流布である。皆が、そういう人生を歩んでいくことが、創価学会の目的なのである。
 もちろん人生は、それぞれの宿命によって、順調な時ばかりではないだろう。しかし、「信行学」という大聖人の仰せの軌道を、いかなる苦難があっても貫き通していく信心の人は、必ず仏となる。仏とは、永遠にわたる不動不滅の幸福境涯の生命である。
 ともあれ、幹部は威張ってはならない。同志・後輩のための完全な指導をお願いしたい。この一点が指導の真髄であるからだ。
 また、いかなることがあっても、日蓮大聖人の広宣流布の信心を貫き通している創価学会からは絶対に離れないことである。これが幸福になる根本である。人生の無上の大道であるからだ。
 究極的には、妙法にしか、人間と世界の幸福の光源はないからである。
 日寛上人は述べられている。
 「我等、妙法の力用に依って即蓮祖大聖人と顕わるるなり」(「当体義抄文段」文段集六七六㌻)
 妙法を信じ、唱え、弘めゆく人には、もったいなくも、尊極なる仏の生命が涌現していくと説かれている。ただし、謗法、怨嫉があれば、功徳は出ない。これは御書に厳しく説かれている。
 われわれは、団結と和楽の世界を築きながら、ともどもに一生成仏の道を進んでまいりたい。
4  「精神の太陽」は創価学会の中に
 法華経の「如来神力品第二十一」では、末法万年にわたる広宣流布が、「地涌の菩薩」に託されている。そこには、荘厳な「付嘱」の儀式、すなわち、師匠が弟子に広宣流布を託しゆく、生命から生命への厳粛な継承が説かれている。法華経の根幹は、まさに師弟不二の精神である。
 神力品には、次のような一節がある。
 「太陽と月の光明が、よく、もろもろの闇を除くように、この人(如来の滅後、法華経をよく持つ人)は、世間の中で行動して、よく衆生の闇を滅し、無量の菩薩を最後に必ず一乗の境地(妙法)に到達させることができるであろう」(法華経575㌻、通解)と。
 牧口先生は、獄中での訊問に答えて、この法華経の一節を毅然と論じておられた。
 仏法の眼から見れば、この地球上は、第六天の魔王に支配された世界である。その奥深い「魔性の闇」を豁然と打ち破っていく″正義の中の正義″の太陽こそ創価学会なのである。
 牧口先生は、この訊問調書の中で、「本会(=創価教育学会)に入会するに非らざれば、個々の生活の幸福安定は勿論得られませんし、延いては国家社会の安定性も得られない」と厳然と主張しておられた。
 今、そのとおりに、創価学会は、名実ともに「日本の平和と安定の柱」として、そびえ立っている。
 (牧口初代会長は、戦時中の一九四三年〈昭和十八年〉七月六日、治安維持法違反と不敬罪の容疑で逮捕された。獄中での訊問は「創価教育学会々長牧口常三郎に対する訊問調書」〈『牧口常三郎全集』第十巻〉に残されている)
5  創価学会の真価は、世界の知性が見ぬいている。
 仏教発祥の地インドの最高峰の知性であるロケッシュ・チャンドラ博士(インド文化国際アカデミー理事長)は、「法華経に説かれた民衆を救う精神の太陽は、すべて創価学会に受け継がれている」と評価してくださっている。
 さらに博士は私との対談『東洋の哲学を語る』(第三文明社)で、次のように語っておられる。
 「どのような時代にも、その時代の中核になる思想があります」「価値観の多様化が進む現代世界においては、より高みへと導いてくれる優れた思想が求められています」「池田SGI会長の思想と行動は、まさにその要請に応えるものです。仏教に基づく深い智慧に裏づけられつつ、民衆にも実践可能な具体的な振る舞いを、自らの生きる姿で示されています」
 またロシアを代表する歴史学者ユーリー・ペトロシャン博士(ロシア科学アカデミー・サンクトペテルブルク学術センター副総裁)も、「『人間のための精神的価値の創造』という崇高な理念を掲げた創価学会が、もしも、この世になければ、人類の歴史は違ったものになっていたでしょう」と声を寄せてくださっている。
6  本年(二〇〇一年)は、牧口先生の生誕百三十周年。そして、戸田先生の会長就任五十周年である。きょうは、ご両家の方々、ゆかりの皆さまもお越しくださった。牧口先生、戸田先生に連なる、わが創価学会にしか、大聖人正統の「広宣流布の信心の血脈」は絶対にない。
 同じ仏法であっても、日顕宗は、「広宣流布の信心」を忘れ去った。それどころか、大聖人の御心を踏みにじり、完全に違背した。
 御聖訓にいわく、「信心のこころ全ければ平等大慧の智水乾く事なし」――(完全な器が水をもらさないように)信心の心が完全であれば、人々に、平等に功徳を与えていく、広大な仏の智慧の水は、(その心に)かわくことはありません――と。
 「信心の心」がどうであるかで、すべてが決まるのである。
 今日の百六十三カ国・地域へのSGIの広がりは、学会の「信心」が絶対に正しいという、何よりの証である。
7  「立正安国論」が「日本の名著」に
 ところで、先般、「読売新聞」が行った「二十一世紀に伝える一冊」の調査で、大聖人の「立正安国論」が、「日本の名著」の第二位に選ばれた。
 (同紙二〇〇〇年十一月二十九日付朝刊。また、同十二月二十一日付朝刊の、二十世紀の年間ベストセラーの調査では、SGI会長著の『人間革命』が一九六五年、同じく『新・人間革命』が九八年のベストセラーに挙げられている)
 大聖人の「立正安国論」には、「平和の思想」があり、「対話の哲学」がある。
 私が世界中に「文明と文明を結ぶ対話」を広げてきたのも、その法理にのっとった行動である。とともに、「立正安国論」には「破邪顕正の大精神」が、みなぎっている。
 ″人間の尊厳″を蹂躙し、″正義の民衆″を侮辱して、″平和の連帯″を破壊しようとする策謀に対しては、断じて反転攻勢の声をあげるべきである。獅子のごとく言論戦を展開するべきである。
 邪悪に対する「折伏精神」「破折の精神」を、ゆめゆめ忘れてはならない。
 まず、自分が勇気をもつことである。自分が叫ぶことである。自分が戦うことである。
 人類の教師、ソクラテスは言った。
 「世界を動かそうとする者は、まず自らが動け!」
 そして、戦う文豪、ユゴーは言った。
 「一人の人の献身がすべての者に力と勇気とを与えた」(『レ・ミゼラブル』豊島与志雄訳、岩波文庫)と。
8  私は、きょうで、七十三歳。世界中から、お祝いのメッセージをいただいた。
 ノーベル平和賞のロートブラット博士(パグウォッシュ会議名誉会長)からは、「平和な世界を築くための貴殿のすばらしいご活躍を、どうぞお続けください」とのお便りが届いた。
 九十二歳の博士が、平和のために、一緒に戦い続けようと言われているのである。
 「疲れることを、自分に許さない」――これが、博士の信念である。
 語りに語り、動きに動き、戦って戦いぬいていく一念こそが、人間の色心を、生命を、健康にするのである。
 私は、博士と再会する日を楽しみにしている。
9  財産があるから幸福とはいえない。名声があるから幸福とはかぎらない。幸福は、生きゆく哲学で決まる。ゆえに、「ザ・ホープ」――希望をもつことだ。
 希望こそ、人生の宝である。希望なき人生は、灰色の人生だ。希望がなければ、自分でつくることである。
 また、この世界は「娑婆世界」――「忍耐の世界」である。仏の別名を「能忍」という。「よく耐える人」が幸福の人なのである。いかなる困難も、信心さえあれば、変毒為薬していける。
 いつも不平不満を持っている心の人は、それ自体、不幸である。自分の負けである。それでは一生涯、苦悩の連続の自分自身をつくってしまう。
 妙法の大境涯を自分でつくり、すばらしい希望を見いだし、自分自身のすばらしい幸福の境涯を感じ、つくり、築き上げることである。それが信仰の目的であるからだ。
10  きょうは、アメリカ創価大学に合格した栄光の第一期生の代表も参加してくれている。
 この会場にお集まりの皆さまをはじめ、全国の新年勤行会の出席者のお名前を、全員、アメリカ創価大学に永久保管させていただきたい。(拍手)
 アメリカ独立革命の先駆者、トマス・ペインは言った。
 「善意の民衆がともに行進し、おのれの力を自覚している。このたくましい力。誰がわれわれの歩みを停止させることができよう、遅らせることができよう? 新しい世界であれ、栄光であれ、将来の夢であれ、われわれにかちとれないものがあろうか?」(ハワード・ファースト『市民トム・ペイン』官下嶺夫訳、晶文社)
 本年もまた、ともどもに創価学会の前途を大きく開きながら、万代にわたる勝利と栄光を決しゆく尊き「広宣流布の拡大」を、断固として勝ち取ってまいりたい。(拍手)
 皆さまのご健康とご多幸とご活躍を、私は真剣に祈ってまいります。
 どうか、お元気で! この一年、よろしくお願いします。
 (東京牧口記念会館)

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