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日蓮大聖人・池田大作

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ウクライナ「内閣栄誉賞」授賞式、第1回… すべての「女性と少年少女」が輝く世紀へ

2000.11.7 スピーチ(1999.10〜)(池田大作全集第91巻)

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2  四十五年前の厳寒の冬、恩師・戸田城聖先生のもとで、私は、世界文学の一書を学びました。それは、貴国(ウクライナ)が生んだ文豪ゴーゴリの名作『隊長ブーリバ』でありました。美しく広大なウクライナの天地に繰り広げられる、コサックの勇壮な絵巻でありました。
 その忘れ得ぬ一節に、こうあります。「われら同胞は固く手を取り合って団結した」「この団結よりも神聖なものは絶対にない」「ただ血縁によってではなく魂によって、固くひとつに結びつく事のできるのは、諸君、人間だけ」(原久一郎訳、潮出版社)であると。
 戸田先生は、貴国に脈動する、この誇り高き人間の結合を、青年の生命に深く強く打ち込もうとしていたのであります。
 この恩師の教えのままに、私たちは、魂と魂を結び合いながら、平和と文化と教育の団結を、世界百六十三カ国・地域に広げてまいりました。
 きょうは、その代表である四十三カ国・地域のSGI(創価学会インターナショナル)の同志が出席してくださいました。重ねて、御礼申し上げます。本当に、ようこそ、いらっしゃいました。(拍手)
3  戦う人はつねに若い
 きょうは東京婦人部の、記念すべき第一回総会であります。ご多忙のところ、ご苦労さまです。
 「光陰矢のごとし」といいます。ゆえに、後悔しないよう、一日一日を充実させながら、楽しく生きなければならない。
 皆さまは、一生涯、若アユのごとく、生き生きと、若々しく生きていただきたい。大切な一生を、健康で、明るく、価値ある日々であっていただきたいと思います。
 御聖訓に仰せの通り、「広宣流布に戦う人」は永遠に若い。永遠に豊かに輝いていく。そして、いくつになっても、若々しい生命で、世界最高の広宣流布という戦いに進んでいけるのです。ゆえに戦いましょう!(拍手)
4  家庭においては、どこまでも「聡明な女性」であっていただきたい。
 お子さんは、まず、「ほめてあげる」ことが大事です。せっかく、お母さんが家に帰ってきたのに、すぐに「靴が脱ぎっぱなしよ!」「勉強はやったの!」では、味もそっけもない(笑い)。
 たとえ、勉強していなくても、「いいのよ、いつも頑張っているんだから」(笑い)とか、「きょうぐらいは、ゆっくりとテレビでも見たらどう」(笑い)とか、ユーモアをもって、楽しく、大きく包んでいくことも大事ではないでしょうか。
 いつもいつも「直進」だけだと、「交通事故」を起こしてしまう(笑い)。たまには、ゆっくりと歩いたり、バックして反対に進んだり――そういうことも必要なんです。大事な皆さま方であるゆえに、一言、申し上げさせていただきます。
5  心より尊敬申し上げるヴァントゥフ総裁ならびにセドゥン副総裁、さらにリャブツェフ臨時代理大使はじめ、ご一行の先生方。
 私たち夫婦は、貴国を敬愛していた戸田第二代会長の弟子として、わが同志とともに、このたびの栄誉を謹んで拝受させていただきます。まことに、まことに、ありがとうございました。(拍手)
 (会合の席上、ウクライナから池田SGI会長に対する顕彰が行われた。ウクライナ国立民族舞踊団のヴァントゥフ総裁らが出席。世界の文化交流、文化・芸術の発展への多大の貢献をたたえて、SGI会長にナ「内閣栄誉賞」、会長夫人に「栄誉賞」が授与された)
 いま、民主音楽協会は、貴国から素晴らしい「平和と芸術の使節」をお迎えしております。これまで、六十カ国以上で公演し、「世界で最もダイナミックで感動的な舞踊団」と賞賛されているウクライナ国立民族舞踊団の皆さま方であります。
 先月より、ここ東京からスタートし、全国二十一都市で、日本初の公演が進められており、各地で絶賛されております。この世界に轟く「最高かつ完璧な舞踊団」を二十年の歳月をかけて、つくり上げてこられたのが、ここにお迎えしたヴァントゥフ総裁なのであります。(拍手)
 総裁は、世界的に高名な舞台監督であられるとともに、ウクライナ文化芸術省の「舞踊アカデミー」の教授として、若き世代を育成する卓越した教育者であり、指導者であられます。またセドゥン副総裁も、「国民芸術養成センター」の所長等を歴任してきた文化創造の「名指揮者」であられます。
 私たちは、心から歓迎申し上げるとともに、全公演の大成功を祈って、いま一度、真心の拍手をお贈りしたいのであります。(拍手)
6  人類史の快挙――「核兵器庫」を「ひまわり畑」に
 冷戦の終結後、貴国は、いちはやく、すべての核兵器の廃棄を成し遂げられました。全世界の民衆が、貴国に喝采をあげました。人類史に輝きわたる快挙であります。
 ウクライナの大地から核弾頭が消え去ったあと、かつて、地下に核ミサイルが格納されていた跡地には、貴国とロシアとアメリカの国防責任者の手によって、「ひまわり」が植えられました。(一九九六年六月四日、ウクライナのペルボマイスクで)
 あの暗い「戦争の世紀」の象徴であった「核ミサイル」に対して、太陽に伸びゆく「ひまわり」の花が「平和の新世紀」の象徴となったのであります。
 いま、皆さんがご覧になった「ひまわり」は、東京婦人部の一つのシンボルでもあります。新世紀の先取りです。(拍手)
 (授賞式の席上、SGI会長夫人に「ひまわり」を描いた壁掛けが贈られた)
 貴国の「平和のひまわり」の種は、東西の創価学園にも贈られました。学園生が真心こめて育て、今年の夏も、明るく大輪の黄金の花を咲かせました。
7  国民詩人「幼子を抱いた母ほど美しいものはない!」
 貴国の偉大な国民詩人、タラス・シェフチェンコ先生(一八一四年〜六一年)は、強大な権力による投獄や流罪にも屈することなく、愛するウクライナの民衆の栄光のために戦い抜かれました。
 この国民詩人は、高らかに謳い上げました。
  笑うなら笑え邪な敵よ!
  (中略)
  だが栄光は亡びはしない、
  亡びはせずに 語るだろう
  どんなことがかつてはなされたかを
  真実はだれのもので 虚偽は誰のものなるかを
   (「詩集コブザーリ」小松勝助訳、『世界名詩集大成』12所収、平凡社)
8  ″だれが「真実」で、だれが「ウソ」かは、必ず明確になるであろう″というのであります。
 だからこそ、正義の民衆が、聡明に連帯を拡大し、断じて邪悪に勝ち抜いて、栄光の歴史を、堂々と残していかねばならない。
 勝った人が正義なのです。負ければ、何を言っても空しい。ゆえに、断じて勝たねばならないのです。
 貴国の大詩人は、こうも歌いました。
  「わたしは 何も知らない
   小さな赤ん坊をだいた
   幸せな母親よりも もっと価値ある
   もっと美しいものなど……
    (『シェフチェンコ詩集』渋谷定輔・村井隆之編訳の「解説資料」から。れんが書房)と。
 人間、だれが偉いのか。権力者が偉いのか。有名人が偉いのか。そうではない。赤ん坊を抱いたお母さん以上に、価値ある、美しいものは、この地球上にない!――というのであります。その通りではありませんか!(拍手)
 ここに、本当の「人間主義」がある。また、こうした世界をつくるために、私たちの「広宣流布」がある。過去の多くの哲人も、そのために戦ってきました。
 二十一世紀は、この地球上の「すべての女性と子どもたち」の幸福と希望と歓喜の生命が、燦然と輝きわたる世紀にしていかねばなりません。
 ゆえに、深き使命の皆さまは、断じて負けてはならないのであります!
9  「平和の種」「友情の種」を、朗らかに
 貴国の民衆には、「誠実な心」が光っております。先生方も光っております。
 その皆さまとともに、「女性の世紀」へ、また「少年少女の世紀」へ、私たちも舞を舞うがごとく、躍動しながら進んでまいりたい。
 そして「平和の種」を、「友情の種」を、「哲学の種」を、「文化の種」を、「勝利の種」を、朗らかに、勇敢に蒔いていこうではありませんか!(拍手)
 「私たちをいじめ、迫害した者は滅び、私たちは勝った! よくぞ戦った!」――こう最後に言い切れる「晴れやかな人生」を送っていただきたいのであります。
 おわりに、ウクライナの先生方に「ジャークユ!」(ウクライナ語で「ありがとうございました」)と、感謝のごあいさつを申し上げ、私の謝辞とさせていただきます。
 (創価国際友好会館)

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