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日蓮大聖人・池田大作

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ナイジェリア連邦共和国北部州連合商工会… 勇気で勝て! それが創価精神

2000.5.13 スピーチ(1999.10〜)(池田大作全集第91巻)

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2  きょうは、アフリカのナイジェリア連邦共和国から、たくさんのご来賓をお迎えすることができました。(拍手)そこで、青年部の皆さんに質問したい。
 まず、ナイジェリアは、アフリカのどこにあるか?(「ハイ!」と会場の大勢が挙手を)では、君。(西アフリカです)そう。
 では、ナイジェリアの人口は?(さらに勢いよく、「ハイ!」と)
 では、あなた、どうぞ。(一億二千万人です)
 そうです。次に、代表的な川は?(ニジェール川です)
 ナイジェリアが世界に誇るスポーツは?(サッカーです)
 主な農産物は?(カカオです)
 では、日本との友好に最も貢献し、日本の青年を心から励ましてくださった、名外交官のお名前は?(「ハイ!」と一段と大きな声が会場を包んだ)
 では、あなた。(はい。ドゴン=ヤロ閣下です!)その通りです!(拍手)
3  生き生きと!「生命こそ黄金」
 私が最大に敬愛するドゴン=ヤロ博士の故郷の箴言に、次の有名な言葉があります。
 「人の心は城なり」と。
 「心」が強ければ、その人は、また、その組織は「難攻不落」であります。
 また、「心は木のようである。望むところ、どこにでも成長していくことができる」と。
 「心」は、このように「自由自在」です。「心」こそが、人類の永遠の「平和」と「発展」への原動力であります。
 仏典にも、「心こそ大切なれ」と説かれている通りであります。ゆえに、「心」の退廃は、すべての退廃と衰亡をもたらしてしまう。
 日本も今、そうなってきていると言われる。「見せかけの繁栄」ばかりを追いかけ、「心」の荒廃が進めば、いずれは、みすぼらしい姿になっていく。反対に、「心」の繁栄は、「人間の幸福」へ、そして「社会の繁栄」へとつながる。ここに、二十一世紀の根本の課題がある。
 この最も豊かな「心」の大地こそ、アフリカであり、わが愛する貴ナイジェリアであると、私は申し上げたいのであります。(拍手)
 きょうはドゴン=ヤロ博士をはじめ、かくも多数の偉大な指導者をお迎えし、新しい千年の″暁の鐘″を打ち鳴らしゆく「荘厳な式典」となりました。
 歴史的な「青年部幹部会」、ならびに「関西青年部総会」、本当におめでとう!(拍手)
4  ただ今、私たち夫婦は、「アフリカ・ルネサンス」の光彩の天地より、この上なく意義深い栄誉を賜りました。
 私は感動しております。否、さらなる貢献を厳粛に決意しております。まことに、まことに、ありがとうございました。(拍手)
 (会合の席上、ナイジェリア連邦共和国北部州連合商工会議所から、池田SGI会長に対する顕彰が行われた。ドゴン=ヤロ団長ら一行が出席。人類に尽くす池田SGI会長のリーダーシップをたたえ、第一号となる「国際最高貢献賞」が贈られた)
 貴国には、まさに「午前六時の旭日」のように、限りない希望が光り、伸びゆく力があふれ、前進の勢いがみなぎっています。そして、向上への喜びが満ち、凱歌の未来が広がっております。
 かつて私は、「アフリカの世紀」をめぐって、トインビー博士とともに、さまざまに展望しました。とくに博士は、貴国を訪問して、「教育の国土」にわき立つ巨大な「人間のエネルギー」に感嘆していた一人であります。
 仏法では、「生老病死」を金、銅、鉄、銀に譬え、「生」を「金」と意義づけております。(御書733㌻)
 アフリカの若々しい生命が発しゆく「黄金の輝き」こそが、地球文明に「新しい創造の活力」を送っていく――私はそう確信してやみません。
5  生命それ自体が「黄金」であります。青年部の諸君は、「黄金の青春」を、生き生きと飾っていただきたい。最高に自分を輝かせて、人生を謳歌しなければ損である。
6  民衆の平和実現へ「戦う指導者」に
 男性は、「素晴らしい青年だ。ああいう青年がいれば、日本の将来は、よくなるにちがいない」――そう言われるような、光った存在になっていただきたい。また、いよいよ「女性の世紀」でもあります。幸福と平和を目指し、女性は聡明に生き抜いていただきたい。
 青春の証とは何か。それは、年齢ではない。老いても、「心は青年」の方がおられる。反対に、青年であっても、心が老いてしまえば老人であります。
 心が強いか、弱いか。心が生きているか、死んでいるか――。
 わが胸に「戦う心」が燃えているかどうかで決まるのであります。
7  十二年前の四月、聖教新聞社で、私は、ドゴン=ヤロ博士と初めて握手を交わしました。出会いは劇のごとく、今も鮮烈に思い出します。
 あの日、博士は毅然と語られました。
 「私の第一の信条は、人間の平等を実現することです。アフリカの民衆が、胸を張って堂々と生きていくためであれば、私はすべてをなげうってでも、戦いゆく決心であります」と。
 戦う人間、戦う指導者には、強力な″精神の電流″が走り、神々しく光っている。そして磁石のような力で、人々を引きつけて離さない。博士が、そうであります。
 青年部の諸君も、そういう「戦う指導者」になっていただきたい。(拍手)
 九年前(一九九一年)のことであります。私は、二十六カ国の「アフリカ外交団」の総意として、「教育・文化・人道貢献賞」を贈呈していただきました。ご恩は、生涯、忘れぬ決心であります。ありがとうございました。(拍手)
 それは十一月二十九日。創価学会が日顕宗から弾圧され、「破門」の通告を送りつけられたまさにその日に、博士は大勢のアフリカの大使とともに、私どもをお祝いしに来てくださったのであります。(拍手)
 創価学会にとって、中傷と嫉妬の嵐の時期でありました。最悪の状況のなかで、アフリカ外交団の皆さまは、私どもを励まし、守ってくださった。この事実を、青年部の諸君は忘れてはならない。
 生涯かけて、アフリカにご恩返しをしていく――このことを、きょうは誓い合いたいと思うが、どうだろうか。(拍手)
 貴ナイジェリアでも数百人のSGIの友が、良き市民、良き国民として大いに活躍しております。中心者の支部長は、マラリアの研究に取り組む医学博士です。
8  忍耐と勇気で勝て
 ドゴン=ヤロ博士のご尽力で、私は、アフリカの民主化の大指導者、貴国のオバサンジョ大統領とも、三回にわたってお会いしました。(九二年四月、十月、九九年四月)
 遠大な「アフリカ合衆国」のビジョンなどを語り合ったことは、忘れ得ぬ思い出であります。大統領は、正義の行動ゆえに誹謗や讒言を浴びせられ、命を狙われ、投獄もされました。私も同じであります。
 「恐れる心には、自由は存在しない」これが大統領の師子吼でありました。
 臆病では、自由は勝ち取れない。死を賭して戦っていかなければ、不滅の歴史は永遠につくることはできない。
 何も恐れない!――これが英雄です。指導者です。革命児です。″創価精神″であります。
9  これまでの人類の歴史が、二十一世紀の若き世代に託しゆく悲願とは、いったい何か。
 それは、「最も虐げられ、最も侮辱され、最も苦しめられてきた民衆こそが、だれよりも幸福になる」ことであります。
 そのために、正義の青年は、断じて勝たねばならない。勝ってこそ、″新しい人間主義の夜明け″となるのであります。
 人権の巌窟王、南アフリカのマンデラ前大統領も、「悪は一時的に暴れまわるかもしれないが、善は最後には勝利を得る」(ファティマ・ミーア『ネルソン・マンデラ伝』楠瀬佳子・前田礼・峯陽一訳、明石書店)と信念を貫いてこられました。
 民衆を見くだす傲慢を、放置しておくのは青年とはいえない。青年らしく、邪悪には毅然と声をあげ、社会のため、民衆のために行動していく――それがいちばん「人間として」立派な生き方であります。
10  さて、あす(五月十四日)は「母の日」です。
 ドゴン=ヤロ博士の尊き母君の故郷のことわざには、「忍耐があれば、針で井戸が掘れる」とあります。大事なのは、格好ではない。人気とりでもない。いかなる嵐にも「耐え抜いて」戦っていくのです。本当の希望も、勝利も、前進も、「忍耐」の二字から生まれる。
 諸君も、「忍耐の力」で勝ち抜いていただきたい。
 さらに、貴ナイジェリアの珠玉の″英知の言葉″を、わが青年諸君に贈りたい。
 「月は、どんなに長い間、隠れていようとも、いつか必ず輝く」
 時を待ち、時を創りゆく。その智慧をもつことです。
 「鳥は、天候が悪いからといって、翼を変えたりはしない」
 わが道を生き抜くことです。執念をもって!
 「ランプは、みずからが燃え尽きようとも、光を放つことを誇りとする」
 皆のために行動しゆく″情熱″がいちばん尊い。
 「一本の木では、森にならない」
 ゆえに、人材の森を築く″団結″が大事です。一人ではいけない。同志を増やし、団結することです。
 「批判は、たやすい。しかし、何も創造しない」
 文句を言うだけでは何も生まれない。深い責任感で行動してこそ、価値は創造される。
 「嘘を言うと、水の中でも冷や汗をかく」
 嘘は、必ずばれる。真実は、必ず勝つ。
 「未来に目を向けない者は、常に取り残される」
 人生は、常に″前進また前進″です。
 人がどう、周りがどう、そればかり気にして、自分が前進しなければ、結局、落後者である。未来を見つめて進むのです。
 「勇気は、成功の父である」
 勇気です。慈悲も、勇気から生まれる。戸田先生は「臆病者は去れ」と厳しく言われた。
 わが青年部は、「勇気」を第一の合言葉に、きょうから前進していただきたい。(拍手)
11  21世紀は必ず「アフリカの世紀」!
 思えば、一九六〇年の十月、貴ナイジェリアが独立を勝ち取られた佳節と時を同じくして、私は世界平和の旅へ第一歩を踏み出しました。
 ニューヨークでは、貴国をはじめアフリカの独立国が陸続と加盟した、記念すべき国連総会も視察いたしました。「二十一世紀は必ず『アフリカの世紀』になる」とは、すでにこの時からの私の大確信だったのであります。(拍手)
 この四十年間、私は、不思議な縁の貴国をはじめアフリカの先生方と、一人また一人、心を通わせながら、″無限の希望の大陸に、哲学と文化の人間連帯を広げたい″と努力してまいりました。
 一人の友と大誠実で友情を結んでいくことが、千人にも万人にも、つながっていくからであります。
 これからも私は、わが信頼する後継の青年とともに、「アフリカの世紀」すなわち「生命の世紀」の栄光と勝利のために、いよいよ勇敢に、断固として闘争していく決心であります。(拍手)
 「一人」が大事です。「一人」から、すべてが始まる。
 若き諸君も、断固として一人立っていただきたい。民衆の幸福のために! 日本の繁栄のために! 世界の平和のために!(拍手)
 終わりに、尊敬する諸先生方のますますのご健勝を、私は心の底からお祈り申し上げます。そして勇壮な国歌にうたわれるごとく、「平和」と「正義」の貴・ナイジェリアが永遠に興隆されゆくことを祈りに祈って、私の謝辞といたします。
 サンキュー・ベリーマッチ。ナーゴーデ(ハウサ語で「ありがとうございました」)
 (創価大学記念講堂)

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