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日蓮大聖人・池田大作

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5.3「創価学会の日」「創価学会母の日… 二十一世紀は青年が勝利の先頭に

2000.4.25 スピーチ(1999.10〜)(池田大作全集第91巻)

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1  すべての国々に栄光と勝利あれ
 はるばると、大仏法の研修のために来日された世界五十カ国・地域の皆さまに、私は創価学会インタナショナル(SGI)を代表し、心より称賛申し上げたい。
 本当に、ご苦労さま! ありがとう!(拍手)
 求道の「心」に無量の大功徳
 戸田先生は、仏法のため、広宣流布のための研修に、遠路はるばる来られた方々を最大にたたえ、その功徳は無量無辺であると語っておられた。
 仏法は不思議である。仏典には、釈尊に、何も差し上げるものがない少年が、真心こめて砂の餅をつくって供養した。その功徳で、後に世界一の大王、アショーカ大王になった――と説かれている。
 因果の理法である。大事なのは「心」である。信心である。それが今世にも厳然たる証拠となって現れる。
2  ともあれ、SGIの皆さま方は、これからも、広宣流布のために、お体を大切にしていただきたい。広宣流布――すなわち真実の恒久平和を築くのは、SGIしかない。一人も残らず、ますます幸福な生活を送っていかれるよう、私は、いつも祈っている。(拍手)
 帰国されたら、偉大なる同志の方々に、くれぐれもよろしくお伝えください。五十カ国から来日された尊い同志を、日本の皆さんとともに、最高の拍手をもって、たたえたい。(拍手)
 皆さまの広宣流布の大情熱によって、また日蓮大聖人の御仏意に包まれて、わがSGIは、栄光の五月三日を前に、百四十八カ国・地域から、世界百五十六カ国・地域へと広がった。(二〇〇二年七月現在、百八十二カ国・地域)
 皆さまへの称賛を込めて、ここに、謹んで、ご報告させていただきたい。(拍手)
 皆さま方が、それぞれの国で信頼を受け、それぞれの社会で大きく貢献し、賛嘆されていることは、まぎれもない事実である。牧口先生、戸田先生も、どれほど喜んでおられることか。
 きょうは、牧口家、戸田家の方々も、ご出席くださっている。
 私が第三代の会長に就任してより四十年。この「世界広宣流布」の事実を、私は、初代・二代の両先生に、皆さまを代表して、晴れ晴れと、ご報告させていただきたい。(拍手)
3  日蓮大聖人は仰せである。
 「(第六天の魔王自身が邪魔をしてきても)諸天善神等は日蓮に力を合わせてくださったゆえに、竜の口の法難さえも勝つことができた。そのほかの大難をも切り抜けることができた。今は魔王も、こりていることであろう」(御書843㌻、通解)と。
 大聖人の御魂は、わが創価学会にある。これだけの法難を受けながら、我々は、御聖訓の通りに、勝ちに勝ってきた。「法難即広布」である。「法難即栄光」である。創価学会こそが正義である。その証明が一段となされた。
 SGIは、全面的に、すべてに大勝利した。私は、本日ここに、創価学会とSGIの「大勝利宣言」を、歴史に燦然と残しておきたい。(拍手)
4  ところで、記念すべきSGIの百五十六番目の国はどこか。
 それは、地中海に浮かぶキプロス共和国である。来月、この国で、戸田記念国際平和研究所の主催による平和のための会議――第二回「ペルシャ湾岸安全保障フォーラム」が開催される予定である。(=二〇〇〇年五月二十七日から三日間開催)
 また、このほど、中米の二つの共和国では、新たに支部へと発展した。エルサルバドル共和国とホンジュラス共和国である。きょうは、エルサルバドルの代表が出席されている。まことにおめでとう!
 ともあれ、世界百五十六の国・地域が、「三変土田」の原理のごとく、偉大なる広宣流布の国土に生まれ変わった。
 すべての国々に光あれ! 幸いあれ! 平和あれ! そして栄光と勝利あれ! と、心から申し上げたい。(拍手)
5  挑戦なくして創造なし
 きょうは、世界的音楽家であるハービー・ハンコックさんとウェイン・ショーターさんが、お見えである。本当に懐かしい。世界中を駆けめぐる、ご多忙のなか、本当に、ようこそ、おいでくださった。
 お二人は、鍛え抜かれた生命と芸術の魂で、「生きる喜び」そして「生き抜く力」を全世界に贈り続けておられる。
 心より敬愛する「芸術の大英雄」のお二人から、ただ今、私たち夫婦は、最高に真心こもる栄誉(世界芸術家賞)を賜った。まことに、まことに、ありがとうございます。(拍手)
 創造の天才であるお二人は、なぜ芸術の道に入られたのであろうか。
 こんな言葉がある。「創造しつづけようと思う人間には、変化しかあり得ない。人生は変化であり、挑戦だ」(マイルス・デイビス、クインシー・トループ『完本 マイルス・デイビス自叙伝』中山康樹訳、JICC出版局)
 これは、二十世紀の「ジャズの帝王」――お二人とも縁の深いマイルス・デイビス氏の有名な言葉である。
 芸術も、人生も、信仰も、きょうより明日へ、明日よりあさってへと、たゆみなき挑戦であり、変革であり、創造である。家のなかでテレビばかり見て、何の変化も挑戦もない――それでは「動物的な生」ではないだろうか。
 現在から未来へ、どんどん向上し、いい方向へ変わっていく。それが人間革命である。その人が勝つ。
 その究極のリズムが妙法である。妙法を持った人間には、最後は、かなわない。妙法を唱えゆく人には、永遠に行きづまりがないからである。
 このほど、アメリカの著名な宗教社会学者・ハモンド教授らが『アメリカの創価学会』という研究書を出版され、話題になっている。その中に、こういう一節がある。
 「あたかも蓮華が池の底の汚泥の中から咲き出るように、末法の時代に生きる創価学会の仏教徒の中から、芸術と文化の花が咲き誇るのである。
 創価学会は、芸術と文化を通して、現代世界の現実よりもはるかに幸福感にあふれ、調和に満ちた現実を築きつつある」(F・E・ハモンド、D・W・マハチェク著、栗原淑江訳、紀伊國屋書店)
 この先頭に立っておられるのが、新SGI芸術部長のお二人(ハンコックさんとショーターさん)であると、私は称賛を送りたい。
 きょうは日本の芸術部の代表も出席してくださり、本当にうれしい。ありがとう!(拍手)
6  おめでとう! ありがとう! 「創価学会母の日」
 大聖人の仏法は「進まざるは退転」である。いくら題目をあげても、広布の行動がなければ、真の前進とはいえない。本当の信心とはいえない。「行躰即信心」であるゆえに。
 皆さま方は、そして創価学会は、日々、広布へ行動し、前進している。途中に何があろうと、前進また前進し、最後は全部、必ず勝利する。これが仏法である。最後に勝つための信心なのである。
 いよいよ、新しい世紀を迎える。二十世紀は、学会は、すべてに勝った。
 二十一世紀も、皆、健康で、長生きして、人生も広布も、すべてに勝ちましょう!(拍手)
 「創価学会母の日」おめでとう! ありがとう!
7  先日(四月二十二日)、私はSGIの皆さまとご一緒に、中国の内蒙古(うちもうこ)芸術学院の先生方をお迎えした。(SGI会長に同学院初の「最高名誉教授」の称号が授与された)
 雄大な内蒙古の大草原に、いにしえから伝承されてきた歌に、こうある。
  青い永久とわの空のかげろうは美しい。
  カッコー鳥の歌は美しい。
  娘の心根は美しい。
  すべてのなかで母は美しい
    (A・モスタールト『オルドス口碑集』磯野富士子訳、平凡社)
 何よりも、母が最も美しい――と。
 五月三日は「創価学会母の日」である。全世界のお母さん、おめでとう! いつまでも、生き生きと、お元気で!(拍手)
 この日は、婦人部の皆さま方に、何もしないで、ゆっくりしていただく日である。家のことは、ご主人と子どもたちが全部、引き受ける――こう提案したいが、どうだろうか。(拍手)どうか婦人部の皆さま方は、最高に楽しい一日としていっていただきたい。(拍手)
8  婦人部を徹して大切に
 日蓮大聖人は、日女御前に、こう仰せである。
 「女性の身として(法華経を信仰し)法華経のお命を継いでおられることは、釈迦仏、多宝仏、全宇宙の諸仏を生み育まれた父母のお命を継いでおられることになるのです。このような功徳をもっている人は、世界中に、ほかにいるでしょうか」(御書1250㌻、通解)
 広宣流布に生き抜く″お母さん″ほど尊く、偉大なものはない。わが婦人部の皆さまこそ、世界第一の「幸福と哲学の太陽」である。
 創価の母たちの祈りほど強いものは、この世に何もない。戸田先生も、牧口先生も、よく語っておられた。
9  壮年部の大先輩である四条金吾に、大聖人は、こう注意しておられる。
 「女性には、どのような過失があっても、決して、いさめたりしないように。まして、争うことがあってはならない」(1176㌻、通解)
 大聖人の仰せ通り、創価家族は「徹して婦人部を大切にしていく」ことを、もう一度、確認しておきたい。
 婦人部がいちばん戦っている。婦人部がいちばん大事である。ゆえに、男性の幹部は婦人部を絶対にいじめてはならない。あごで使ったり、命令したりすることなど、あってはならない。大切に大切にしなくてはならない。
 むしろ最大の礼儀をもって、仕えていくべきである。
 大体、いばる幹部に限って、家に帰ると奥さんに怒られて小さくなっているものだ(笑い)。これほど美しく尊く清らかな学会の中で、傲慢にも仏子をいじめる人間は、皆、最後は哀れな人生である。
10  大聖人は、仲良く、尊敬し合って、異体同心でいきなさいと繰り返し仰せである。そこに初めて仏天の加護があると。
 全同志が皆、尊き仏さまの子どもなのだ。皆、平等なのだ。生命は皆、尊厳なのだ――そのように、深く受けとめていきなさいと大聖人は仰せである。
 仏子である皆さまに、私はいつも最敬礼する思いで接してきた。
 創価学会、SGIは、世界で、ただ一つの模範の「和合僧」の世界である。妙法の和合僧を破ることは、仏法上、最も罪が重い。日顕宗は広宣流布の和合僧を破った。ゆえに永久に堕地獄である。
 広宣流布の麗しい連帯を、断じて破ってはならない。恩師は「戸田の命よりも大事な学会の組織」と言われた。その組織をバカにしたり、利用したり、破壊しようとする人間は、最後は必ず地獄の苦悩の人生となってしまう。
11  人間を結べ! それが宗教の使命
 さて、「二十一世紀の宗教」の条件とは、いったい何か。宗教は二十一世紀に、どこへ向かうのか。これは、世界的な課題である。
 国際宗教社会学会の会長を務めた世界的な大学者、ベルギーのドブラーレ博士は、これからの宗教に必要な条件を、六点にわたって明快に挙げておられる。「二十一世紀の宗教」に値するか、力があるかを厳格に検討したうえで、博士は、SGI、創価学会は六つの条件をすべて満たしていると論じておられる。(拍手)
12  (1)人間を結合
 第一の条件は何か。それは、「共同体に基盤を置き、それを再活性化させ、人間同士の結合を成し遂げられる宗教」かどうかである。
 この点、博士は、人と人とが励まし合い、結び合っていくSGIの座談会こそ真の「人間の共同体」であると評価しておられる。
 まず第一の条件は、「合格」だと。
13  (2)躍動を与える
 第二の条件は、「生きる活力を与え、躍動の力を生み出すもの」であるかどうか。
 博士は、日々の勤行や学会活動が「大いなる活力の源泉」であると見ておられる。確かに、SGIは皆、本当に元気がいい(笑い)。反対に、日顕宗は、活力のまるでない「葬式仏教」に堕してしまった。
14  (3)社会に貢献
 さらに、第三の条件は何か。それは「単に個人の次元にとどまらず、社会への働きかけを強く行う」ことである。
 この点も博士は、「創価学会の幅広い社会活動、なかんずく教育、文化、平和の運動は、独自の社会的価値を生む素晴らしいものである」と絶賛されている。
 とくに博士は、宗門と訣別してから、SGIの社会貢献は一段と目覚ましいと注目しておられる。(拍手)その例として、博士は、関西の大震災での救援活動、ブラジルをはじめ世界での創価教育の推進などを挙げておられる。
 また、このたびの有珠山噴火に際しても、学会員の皆さまの地域への献身の模様は、私も、よくうかがっている。
 (ほかにも博士は、SGIの「社会への働きかけ」として、国連支援、アマゾンの環境保護、戸田記念国際平和研究所やボストン二十一世紀センターの設立などを高く評価している。また、社会活動の一つである、日本での政治活動についても述べている。
 「〈政教分離の〉『分離』は『関係がない』ということではありません。宗教団体が、その信条に基づいて『社会は、このままでよいのか』と問題提起し、政治に影響を与えるのは当然のことです」「民主主義社会とは、あらゆる人が自分の信条・価値観を政治に反映できる社会のことを言います。産業界や労働団体などには、自分たちの意見・要望を政治に反映させることが許されて、宗教団体だけには認められないというのは、どう考えても、納得のいかない議論です」と)
15  (4)個人より社会
 第四の条件とは――「個人主義を規制し、社会的な責任感を強調するもの」かどうかである。
 この点でも、SGIは見事に役割を果たしていると、博士は考察されている。自分のことしか頭になく、社会的責任感など全くない日顕宗は正反対である。
16  (5)寛容の精神
 第五の条件は、「寛容の立場に立つ宗教」かどうかである。
 この点、宗門が非寛容であったため、以前のSGIが苦しんできたことも、博士は深く理解され、学会が、その権威の鉄鎖を断ち切ったことを喜んでくださっている。
 本山に登山した学会員の数は、七千万人。供養も莫大である。尽くして尽くし抜いた学会員を、何の正当な理由もなく切り捨てた宗門が、どれほど極悪か。
 ともあれSGIは、あくまでも、その国の文化や常識を尊重していく。「よき市民」「よき国民」として、あらゆる人々と協力しながら、誠実に、信頼と友情を広げていく。
 また、折伏を「排他的」と誤解する人もいるが、深く掘り下げて見れば、立場の違いを超えて、相手の言に耳を傾け、たとえ反対され、ののしられても、力によらず、あくまで誠実な対話によって、人を救おうとする――最高の慈悲の行為であり、これ以上の寛容はない。
 寛容は妥協とは違う。真実を語り抜く信念なくして、本物の「寛容の精神」はありえないのである。
17  (6)世界共同体へ
 最後に、第六の条件として博士が挙げるのは、「自分たちの社会の発展だけを願うのではなく、地球的規模での世界共同体を目指す」宗教かどうかということである。
 五十カ国から、こうして集われた皆さまの姿こそ、学会がこの条件にかなう、何よりの証明ではないだろうか。(拍手)
 博士はこの点も、「学会は平和運動の先駆の実績を示しており、大変、評価できる」「万人がともに生きていける平和な社会を目標としている」と述べておられる。
 以上、博士の分析によれば、今やSGIは、「二十一世紀の宗教」のすべての条件を満たした「理想的な宗教」と結論できるのである。(拍手)
18  さらに博士は、学会の青年部こそ「二十一世紀の世界の平和のカギを握っている」と、最大の期待を寄せてくださっている。
 思えば、牧口先生も戸田先生も、「広宣流布は、青年のリーダーシップによらなければならない!」と叫んでおられた。私もまったく同じ気持ちである。
 青年部の諸君は、広宣流布の一切を担い、「二十一世紀の勝利」を決する使命の人である。ゆえに壮年部、婦人部の皆さまも、青年を大いに鍛え、育て、見守っていただきたい。青年が伸びなければ、学会の未来はない。二十一世紀はない。
 青年部よ、あらゆる広布の戦いの先頭に立て! 断固として勝ち抜き、二十一世紀を「青年部の世紀」「青年指導者の世紀」と飾っていただきたい。青年部、よろしく頼む!(拍手)
19  勇気で立て! 逆境のときほど
 かつて戸田先生は言われた。
 「学会に反逆してみろ! 絶対に堕地獄である」
 それはそれは厳しかった。これが先生の大確信であられた。広宣流布の仏法者の集いであり、大聖人直系の学会に大恩を受けながら、裏切った人間の末路は、惨めなものである。どんなに後悔してもしきれない。
 ドイツの大文豪ゲーテは言っている。
 「卑怯者は安全なときだけ居丈高になる」
 日顕宗がそうである。反逆者も皆、そうである。
 ドイツの詩人で、ゲーテの親友であったシラーは、つづっている。
 「おれはちっとも心配しないぞ、どんな窮地に追い詰められても。勇気は危険とともに湧いて出る、力は、迫撃のうちに盛り上がる」(『群盗』久保栄訳、岩波文庫)
 逆境に立たされるほど、勇気が増す。はねのける力も大きくなる。
 戸田先生は、仏敵に対して「追撃の手をゆるめるな!」と遺言された。
 いかなる迫害があろうと、私は追撃の手をゆるめなかった。創価学会は三百六十五日、追撃してきた。陰険で卑劣な、ありとあらゆる策謀にも断固、屈しなかった。
 私は勝った。断じて勝った。大事な大事な学会創立七十周年の歴史を勝って飾ったのである。
 皆さんも、私に続いて、勇敢なる信心で、これからの人生を勝ち抜いていただきたい。(拍手)
 ″三重苦″を乗り越えた社会福祉事業家――有名なアメリカのヘレン・ケラー女史の言葉に、こうある。
 「『ここでも勝つことができた!』と自分に向かって言える人は幸せです。そこには、私たちが選び取った生命の聖堂があるのです」(『ヘレン・ケラー光の中へ』鳥田恵訳、めるくまーる社)
 仏法にも通じる言葉である。
20  「健康」即「広布」である。「長寿」即「広布」である。
 どうか、お体を大切に。ご長寿であっていただきたい。
 昨日、この東京牧口記念会館の上に、大きな大きな虹が架かった。生まれて初めて見るような荘厳な虹であった。あまりにも見事で皆が驚いた。
 明二〇〇一年の五月三日へ、大きな大きな「希望の虹」を見つめながら、すべてを勝ち越えて、素晴らしい人生を飾りましょう!
 皆さまのご健康、ご活躍を心からお祈り申し上げ、私のスピーチを終わりたい。ありがとう!
 (東京牧口記念会館)

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