Nichiren・Ikeda

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日蓮大聖人・池田大作

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SGI公認通訳会議 「人間の信頼」を世界で地域で

1999.10.2 スピーチ(1998.11〜)(池田大作全集第90巻)

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10  信教の自由のため――女性は戦った
 きょう十月二日は、あのインド独立の大英雄、マハトマ・ガンジーの誕生日である。(百三十年前。ガンジーは牧口先生より二歳、年長)
 先日の「アメリカ青年大文化祭」には、マハトマの令孫にあたるアルン・ガンジー所長ご夫妻も出席してくださった。その席上、名誉なことに、アルン所長より私に、「ガンジー非暴力研究所の国際評議員」の証書を授与していただいた。証書の日付は、十月二日。わざわざ、ガンジーの生誕の日としてくださった。
 マハトマ・ガンジーが南アフリカで「非暴力運動」を開始したときのことである。一九一三年、「人種差別」や「信教の自由の侵害」に対して立ち上がった非暴力闘争に、女性も参加した。
 多くの女性が弾圧され、牢にとらわれた。そのなかの一人の若き女性が、熱病のため釈放された。ガンジーは、見るも無惨にやせ衰えた彼女を見舞い、こう言った。
 「あなたは、牢獄に行ったことを後悔しているだろうね?」
 すると、彼女は答えた。
 「後悔ですって! もし逮捕されたら、今でも私は牢獄に行く覚悟でいます」
 さらに、ガンジーは尋ねた。
 「しかし、死ぬようなことがあれば、どうするのだ?」
 彼女は、きっぱり言い切った。
 「私は、そんなことは心にも、とめていません! 祖国のために死ぬことを愛さない者があるでしょうか!」(山下幸雄『アフリカのガンジー』雄渾社)
 彼女は、その数日後に亡くなった。そして各地で追悼の集会が開かれ、彼女の気高き生き方は、人々の心を揺さぶり、奮い立たせていったのである。
 ガンジーは言った。″彼女の名は、インドのある限り、南アフリカの闘争の歴史の中に生き続けるだろう″と。
 草創の学会女性の魂の炎にも通ずると、私は思う。御聖訓には、「命限り有り惜む可からず遂に願う可きは仏国也」と。
 明年、西暦二〇〇〇年の夏には、待望の「創価世界女性会館」も誕生する(=二〇〇〇年九月八日に開館式が行われれた)。明年は「世界平和の日」四十周年にも当たる。新しい挑戦と開拓の一歩を、きょうから踏み出してまいりたい。
 結びに、「さきざきよりも百千万億倍・御用心あるべし」の御聖訓を拝したい。
 そして、全世界百二十八カ国・地域の全同志の健康長寿、無事安穏、また、それぞれの国家・社会の限りないご繁栄を心から祈って、記念のスピーチとさせていただく。
 (東京・新宿区内)

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